北奥法律事務所

岩手・盛岡の弁護士 北奥法律事務所 債務整理、離婚、相続、交通事故、企業法務、各種法律相談など。

〒020-0021 岩手県盛岡市中央通3-17-7 北星ビル3F

TEL.019-621-1771

交通事故(損害賠償請求)の訴状提出と個人情報

私は、数年前から、交通事故の被害者側で訴状を作成して裁判所に提出する際は、事故証明書など、双方が共通認識を持つべき基本的な資料のみを提出し、それ以外の資料(特に、治療状況の詳細や被害者の収入等に関する資料)は、加害者の代理人弁護士が選任された後、その弁護士に送付することにしています。

そもそも、交通事故のような「不法行為等に基づく損害賠償請求訴訟」では、賠償請求の原因となる加害行為やそれに基づく損害の内容について、被害者が全面的に主張立証責任を負うのが原則ですので、訴訟でも、自己が支払を求める損害の内容等について、詳細に資料を提出して事情を説明しなければなりません。よって、人身傷害事故で治療費や休業損害などを請求する場合、診断書やレセプト、収入に関する資料などを色々と提出する必要があります。

ただ、これらは個人情報そのもの(特に、収入などは典型的なセンシティブ情報)なので、被害者にとっては社会生活上、無関係の相手というべき加害者に、それらの情報の開示を余儀なくされるというのは、疑問の余地がないわけではありません(人によっては二重被害だという見方もあるかもしれません)。

また、それらの資料は、裁判所が証明の程度を判断し事実認定をする上では必要なものですし、加害者の代理人や任意保険(損保会社)にとっても同様の判断や反論等をする上で必要なものですが、加害者本人にとっては、目にしなければならない資料という訳ではありません。

任意保険に加入せず代理人弁護士の選任もせず、加害者自ら訴訟に対応するというのであればやむを得ませんが、そのような例外的な場合でなければ、被害者側(被害者側代理人)にとっては、賠償請求のためとはいえ、加害者本人に被害者の個人情報が詳細に記載された資料を見せる必要は微塵もないと思います(滅多にあることではないと思いますが、加害者本人だと目的外使用の不安もないわけではありません)。

そこで、小手先レベルと言われるかもしれませんが、私の場合、せめてもの対応ということで、訴状では損害に関する事実関係の詳細を記載するものの、その裏付けとなる書証(治療や収入等に関する資料)を出さず、事故証明書や事故態様に関する書証のみを提出することとしています。そして、訴状等が加害者本人に送達され、それが損保会社を経由して同社の顧問又は特約店の弁護士に交付され、加害者の代理人として裁判所に届出がなされた後で、裁判所とその代理人弁護士に交付する形をとっています。

私の知る限り、加害者側代理人の場合、損保会社にはコピーを送りますが、加害者本人には送付しないことが通例と理解していますので、こうすれば、(殊更に損保会社が加害者本人にコピーを送るのでもない限り)被害者の様々な資料が加害者本人の目に触れることはありません。

もちろん、訴状には休業損害等の計算の関係で、収入額等を書かない訳にはいきませんので、訴状には提出予定書証の番号を書いています(裁判所に手持ち資料の存在を説明する点で、証拠説明書を添付するか留保するかは悩みますが)。

さほど沢山の件数を手掛けた訳ではないものの、今のところ、この方法で裁判所等からクレームを受けたことはありません。

これだけ個人情報保護(個人情報に関する資料等の取扱の慎重さ)が強く叫ばれるようになった時代なのに、「損害賠償請求訴訟」に限っては、「被害者が全面的に損害の主張立証責任を負う」とのお題目のもと、様々な自身のセンシティブ情報の開示を、(よりによって被害者が加害者に)強いられるというのは、かなり違和感を感じるところがあります(そうした意味では、究極的には民事訴訟法の改正なども視野に入るような話なのかもしれません)。

この点、加害者が任意保険に加入している方であれば、加害者ではなく損保会社に対し訴訟提起するという方法も考えられますが、この方法の当否については議論もあるようですし、やはり、加害者本人の責任を明らかにしたいというのが一般的な被害者の心情ではないかと思います。

裁判制度を巡る様々な現代的課題の中では、ごく些細な事柄というべきなのかもしれませんが、業界関係者には思考の片隅に置いていただいてもよいのではと感じています。

自転車の保険義務化条例と後遺障害認定

先日、兵庫県議会で、自転車の使用者に保険加入を義務づける趣旨の条例が可決されたとの報道がなされていました。

私自身は、自転車が加害者となる事故(以下「自転車事故」といいます。)の処理を受任したことはありませんが、10年ほど前、岩手県民生活センターの交通事故相談員を務めていた際、自転車同士の衝突事故について相談を受けたことがあります。

その事故では、相談者である被害者の方に一定の後遺障害が残る事故でしたが、加害者は事故の賠償責任を対象とする任意保険に加入しておらず、支払能力も無いと思われる方で、回収困難と見込まれました。

他方で、当事者間では事故態様や過失割合に争いがあり、被害者の方は訴訟などを行ってでも相手の責任を問いたいとの希望はあったのですが、被害者の方も、ご自身の被害を填補する保険(人身傷害補償特約付きの自動車保険契約など)に加入しておらず、まして、訴訟費用等の支給を受けることができる保険(弁護士費用特約付の保険契約)にも加入されていませんでした。

そのため、相談者の方は、それらの事情が難点になり加害者に訴訟等の手段で賠償請求をすることを断念したと記憶しており、その際、自転車にもせめて現在の自賠責(自動車)並みの責任保険を強制する法律又は条例(まずは購入時の上乗せから始めたり任意保険加入者は免除するなど、引用ニュースの条例と同じようなもの)を制定すべきではないかと強く感じたのですが、センターの専属相談員の方に考えを伝えた程度で、他に働きかける機会等もないまま終わってしまいました。

その後、ここ10年で自転車事故がクローズアップされるようになり、引用の条例をどこかが制定するのも時間の問題だと数年前から思っていました。

ただ、このニュースを見る限りでは、保険加入の義務付けしか記載がないのですが、適正な賠償を実現するための手続という点では、賠償実務に携わる者の目から見れば、それだけでは不十分です。

最大の問題は、自転車事故での後遺障害の認定制度の不存在です。

すなわち、自動車が加害者となる事故の場合、後遺障害の可能性があれば、自賠責保険(損害保険料率算出機構、自賠責損害調査事務所)を通じて後遺障害の有無や等級について審査を受け、認定を受けることができます。この審査は、所定の診断書の提出などを別とすれば、費用負担がありません。

民事訴訟(賠償請求訴訟)では、裁判所は特殊な例を除き原則として自賠責の後遺障害認定等級を尊重しますので、被害者にとっては自賠責の後遺障害認定を受けることは、立証の負担という点で強い力を発揮します。逆に言えば、自賠責の認定制度がなければ、被害者は後遺障害の有無や程度について重い立証負担を負い、適正な認定を受けることができないリスクが高くなると言えます。

そのため、自動車以外の被害でも、自賠責の後遺障害認定制度を利用できる仕組みの整備が急務だと考えます。この点は、上記の算出機構を動かす必要がありますので、自治体の条例だけでは対応が困難で、法律改正が望ましいのですが、迅速な導入が困難ということであれば、例えば、熱意のある自治体が損保会社などの支援を得て機構と協定を結ぶような仕組みがあれば良いのではと考えます。

後遺障害認定の問題は、自転車事故に限らず、他の事故や暴力事件など後遺障害が生じる被害一般に当てはまる問題であり、訴訟外の方法で簡易に認定を受けることができる仕組みが広く求められていると考えます。

また、被害救済(賠償)の確保という点では、自転車では加害者・被害者とも保険加入していない人が多いでしょうから、加害者が任意保険に加入していない事案でも、重大な後遺障害が生じた場合などの被害者の最低限の救済として、自賠責に準ずる一定額の保険金が支出される仕組みを作るべきだと思います。

ネットで検索したところ、東京都が自転車にナンバープレート(登録制)の導入を検討しているとの記事を見ましたが、登録時に一定の金額を徴収すれば、そうした保険金の原資となるでしょうし、また、ナンバー制度を設けることで、警察が事故証明書を作成する際に人違い(や虚偽申告等による責任逃れ)を防止でき、また、車両の所有者を特定し事故ないし賠償責任の当事者を特定することが容易になりますので、私自身は導入に賛成です。

また、自転車事故は、事故態様(過失割合)を巡って当事者間で事実関係の説明が強く争われ易く、事故直後に第三者(端的に言えば、警察官)の協力を得て実況見分を行い、調書を作成しておく必要があります。この点は、私自身が自転車事故についてさほど相談等を受けたことがないため実務の実情を存じませんが、自転車事故が原則として過失致傷罪(罰金のみ)に止まることを理由に実況見分がほとんど行われていないのだとすれば、改める必要があると思われ、まずは警察実務の実情を把握したいところです。

余談ながら、最近は弁護士費用保険の普及で、少額事案を含め、物損のみの事故に関する賠償請求訴訟が増えていますが、この種の事案では事故態様や過失割合に関する紛争が生じるものの、物損事故では実況見分が行われないため、正確な事実関係の把握に難儀することが少なくありません。

そういう意味では、物損事故でも、警察が当事者の希望で有料で実況見分を行うものとし、その料金は任意保険加入者であれば保険で賄うことができるという仕組みを作っても良いのではないかと思います。

ちなみに、物損事故では損保会社の依頼で調査会社が実況見分調書に類する図面を作成することがありますが、事故から大幅に期間を経過した後に一方当事者の主張のみに基づき作成されることが通例なので、誰が作るにせよ、なるべく事故直後に双方立会の上で作成されるのが望ましいと考えます。

ともあれ、私自身も自転車は日常的に使用していますし、いざという場合に備えてご自身やご家族が自転車を使用できるようにするためにも、加害者向けの賠償責任保険はもちろん、被害者向けの人身傷害補償特約や弁護士費用特約が付された保険契約には、ぜひ加入していただきたいところです。

また、それと共に、自転車が少しでも歩行者や車両との事故のリスクを軽減し、当たり前の運転方法で安心して走行できるための道路づくりや交通法規のルールを整備していただきたいところです。

高速道路の事故と責任

先日、岩手県内の高速道路上で走行中の車両の炎上事故があり、乗車中のご家族が死傷するという大変残念なニュースがありました。

特異な事故で、当初はタイヤの破裂の影響を仄めかす記事だったと思いますが、その後、他の車両の部品がガソリンタンクに刺さっているのが分かり、それが摩擦で発火したのではないかという報道があり、恐らくは、どのような経緯でその部品が刺さったのか(道路上に落ちていたのを踏んだのか、他の原因か)を警察が調べている最中なのではないかと思います。

事情が全く分かりませんので憶測で物は言えませんが、前方を進行する車両が物を落として、その直後にそれを踏んだということであれば、内容次第では、その車両の責任を検討すべき余地があるでしょうし、一定時間、危険な状態で路上に放置されていた部品を避けきれずに踏んだということであれば、道路の設置管理の瑕疵を理由とする高速道路の運営企業への責任追及という論点もありうるのかもしれません。被害車両に部品が積まれていた可能性もあるとの記事ないし投稿も読んだ記憶があり、いずれにせよ事実関係の解明が待たれるところだと思います。

ところで、全くの余談になりますが、1年ほど前に、高速道路を走行中に、進路前方に突如、布団を巻いたような物体が出現したことがあり、避けきれずに正面衝突してしまったことがあります。

その際には、第2車線を走行中に進路前方の車両が突如、進路変更をしたところ、目の前(視界)に上記の布団が突如出現し、私も第1車線に進路変更したかったのですが、併走している車両がいた上、第2車線のすぐ後方にも走行中の車両がおり、いわば逃げ場のない状態で、避けきれずに布団に衝突してしまいました。

幸い、視界に入った範囲では、布団に人が入っているなどという事情はないと思われ、また、跳ねた布団はそのまま第1車線と第2車線の間で止まったように見えましたので、その後は、他の車両に迷惑をかけることもなく、高速道路の管理会社側で撤去したのではいかと思われます。

恐らく、引越等のため布団を巻いて運んでいる方が走行中に落としたのではないかと思われますが、当時は、「ヤクザ等が、関係者を轢死させるためグルグル巻きにして高速道路上(の後続車が避けきれない混雑状態の場所)で路上に放り投げたなどという話でもあったらどうしよう」と、少し不安がないこともありませんでした。幸い、報道の類は一切なく、杞憂だったのではないかと思われます(そう信じたいです)。

高速道路上の事故を含む大半の事故類型では、裁判所が刊行する過失割合の基準(別冊判例タイムズと呼ばれる書籍)をもとに、責任や過失の程度に関する判断を行うことになります。

今回の被害者の方もそうですが、高速道路上の事故は、県外の方が当事者となることも多いせいか、私自身はあまりご縁がない(受任するのは一般道や駐車場等の事故が圧倒的で、高速道路上の事故は過去に1、2件程度かもしれません)のですが、大きな被害が生じる事故では、賠償額算定上の論点が多数生じますので、残念ながら被害に遭われた方は必ず相応の力量を持った弁護士に相談等していただければと思います。

重大犯罪被害に関する支援費用と人身傷害補償保険

最近、殺人事件など痛ましい犯罪被害の報道がなされる際、被害者側(遺族など)が、代理人の弁護士を通じてコメントを公表する例が増えているように思います。

日弁連では、数年前から、犯罪被害者や遺族のための報道対応や刑事手続に関する支援活動という分野(業務)をPRしており、刑事手続に被害者等が参加するための法整備も一定程度はなされているため、賠償請求以外の場面でも弁護士の支援を受けることを希望する方が増えつつあるようです。

ただ、その「支援」も、相応の費用を要するとなれば尻込みする(或いは支払困難な)方も少なくないでしょうし、そもそも、犯罪被害に遭わなければ支援なるものも要しなかったわけで、できることなら加害者に支払って欲しいと思うのが人情ではないかと思います。

もちろん、弁護士側も、その種の活動に特殊な使命感等を持ってボランティア的に取り組んでいる方もおられるでしょうし、高額な賠償請求と回収が見込める事案であれば、賠償に関する受任費用で賄う(言うなればセット販売)という発想で、報道対応等については無償で対応するという例もあるのかもしれません。

ただ、基本的には弁護士も、業務(食い扶持)として仕事をしていますので、「支援」とか「寄り添う」などと美名?を称する場合でも、最終的には何らかの形で対価というものを考えざるを得ません。

私はその種の業務(重大犯罪被害者の報道対応や刑事手続参加等の支援業務)のご依頼を受けたことがないので詳細は存じませんが、聞くところでは、経営負担のない若手など一部の弁護士の方が、法テラスなどを通じ僅かな対価で取り組むことが多いようです。

この点に関し、「Y社が経営する学習塾内で塾講師Aが児童Bを殺害したため、両親XらがYに対し、使用者責任に基づき損害賠償請求し、その際に、賠償請求自体に伴う弁護士費用とは別に、遺族として報道や刑事裁判などの支援対応を受けたことによる弁護士費用として100万円を請求したところ、当該請求を裁判所が全面的に認めた例」があり(京都地判H22.3.31判時2091-69)、解説によれば、刑事支援費用の賠償を認めた(論点として扱った)例としては、唯一かもしれないとのことです。

判決によれば、受任した弁護士の方には相応に膨大な従事時間があったようで(但し、細かい立証がなされたわけでもないようですが)、そうしたことも考慮して上記の金額が認容された模様です。

ただ、このケースでは、Y社に十分な資力があるとか、Y社が加入している賠償責任保険が利用できるといった事情があるのであれば、Xや代理人弁護士としては問題ないものの、Y(加害者側)に支払能力がない場合であれば、本体的な損害賠償請求権と同じく、絵に描いた餅にしかなりません。

ここ数年も、ストーカー関連の殺人事件など理不尽で痛ましい重大犯罪被害が幾つも生じていますが、その多くが、加害者(賠償債務者)が無資力ゆえに賠償請求の回収が期待できない事案と目され、こうした問題は長年に亘り指摘されながらも、一向に改善の兆しが見えません。

この点、交通事故に関する自動車保険契約では、人身傷害補償特約が普及しており、加害者が無保険でも、被害者側で契約している任意保険から一定額の補償(保険金)を受けることができ、この特約は、犯罪被害にも対応する(或いは犯罪被害向けの特約も付して販売されている)例も少なくないようです。

そのため、こうした保険(特約)に加入している方であれば、加害者側が無視力でも民事上の被害回復を一定程度、図ることができることは確かだと思います。

ただ、人身傷害補償保険は実損ベースの算定とはされているものの、被害の全部を補償するわけではなく、約款により一定の限度額が設けられている上(私が関与した交通事故事件では、人傷保険金として給付された額が、総損害額の7割前後だったとの記憶です)、時には、「実損」の算定を巡っても保険会社と被害者(契約者)とで争いになることがあります。

そのため、そうした保険会社に請求する場合も含めて、かつ、賠償請求だけでなく上記のような報道対応等の支援に関する弁護士費用なども含む、被害者に生じた被害を全面的に填補する保険商品を販売する保険会社が現れるのを期待したいところです。

また、当然ながら、自動車を保有しない=自動車保険契約をしない世帯向けに、生命保険や損害保険などの特約として同種の保険商品を販売、購入する取り組みが広まって欲しいものです。

そして、究極的には、「掛け捨て」の特質として、保険事故=犯罪が減少すればするほど保険会社にとっては利益があるわけですから、保険会社が保険料を原資に相応の費用を投じて、行政が行き届かない犯罪予防のための様々な取り組みを行うようなことも、なされればよいのではと思います。

弁護士の立場では、「犯罪被害対応支援」は、現在のところ、労働に見合った十分な対価をいただくのが困難な分野と目されているようにも思われ、現状ではそのようにならざるを得ない構造的な制約もあります。

しかし、理不尽な重大犯罪被害のような問題は、追突などの交通事故と同じく、社会が存在する限りは誰かがババを引いてしまう面があるため、全員が広く薄く負担することで被害者に手厚くする仕組みが求められていると思われ、保険商品の設計のあり方なども含め、関係者の熟慮と行動を願うばかりです。

私自身は、この種の業務はタイムチャージとするのが適切と思いますが、事案によっては前記判決のように相当な額になるでしょうし、「過剰支援(要求)」などという問題も生じるでしょうから、保険給付のルールや類型ごとの上限、保険と自己負担の割合なども含めた費用のあり方についても、検討が深まればと思います。

交通事故による若年重度後遺障害者の将来介護費等に関する定期金賠償

2歳7ヶ月の幼児が交通事故で重傷を負い、両下肢完全麻痺等の重篤な後遺障害を負い、等級1級1号が認定された件で、介護費等に関する将来発生分について、一時金ではなく定期金(毎月又は毎年など、一定期間ごとに支払う方法)による賠償が命じられた例について、少々勉強しました(福岡地判H25.7.4判時2229-41)。

日本の裁判所は、将来、確実に発生すると見込まれる損害についても、一時金=判決時(遅延損害金の起算点は事故時)の一括払を命じるのが原則ですが、逸失利益など将来発生する損害には中間利息(ライプニッツ係数による計算が大原則)の控除を行うため、実際に要する費用よりも少ない金員しか受け取れないことになってしまう(中間利息控除による減額は、決して小さなものではありません)として、15年ほど前から定期金請求の当否が裁判上争われるようになっています。

で、逸失利益などについては、一時金とする(定期金請求を認めない)運用がほぼ確立したと思われますが、介護費など実損的なものについては、定期金請求を認める例も多く、事故以外の事情で長期の生存に疑問符が付く方が被害者となった場合などは、加害者側が支払の抑制のため(実際に短期間で死亡した場合などを想定すれば一時金賠償だと割高の支払になる)定期金での賠償を求める例もあります。

上記の例では、裁判所は、被害者の年齢(長期の介護等を要する)や両親の希望等を重視して介護費等に関する定期金請求を認め、介護費につき月額45万円強、車椅子等につき年額150万円弱等、車両等につき数年おき100万円等の定期金賠償を命じています。

なお、一時金については、慰謝料(多額のリハビリ費用が訴訟上請求されていないことを理由に、本人分だけで3000万円を認めています)や逸失利益等について7600万円強、それとは別にご両親の慰謝料として各440万円を認容しています。

他にも、2歳児をジュニアシートに座らせたことで過失相殺になるか、常時介護か随時介護か、労働能力喪失率(100%か否か)なども争点になりましたが、いずれも被害者側の主張が容れられています。

私も、平成15年頃(東京時代)に、1級の後遺障害を負った方の賠償請求に関する訴訟に携わったことがあり、介護費や自宅改造費など様々な将来損害の請求を行い、ご自宅や勤務先を訪問し伺った内容を陳述書にまとめるなど、色々と主張立証を検討、準備したことを覚えています(その事件は、途中で岩手に戻ることになったので、兄弁が引き継ぎ、穏当な内容の和解で決着したと聞いています)。

余談ながら、その事件では、被害者の方が、最初に依頼していた弁護士の方の仕事ぶりに不信感を抱き、交渉(裁判外調停)が決裂し訴訟になるという時点で私の勤務先に依頼されてきたという事案で、前代理人(調停手続で提示された内容を前提に成功報酬を請求していました)との関係解消のための処理も余儀なくされました。

前代理人の方は、請求内容などの整理については特に問題のない仕事をしていましたが、依頼主に対する態度ないし説得姿勢などに問題があったそうで、互いに言い分のある話なのかもしれませんが、重大な被害を理不尽に負わされた方々(なお、被害者に過失がない事故でした)との接し方という点で、色々と考えさせられるところはありました。

重篤な後遺障害事案などでは、介護等の関係で様々な損害が発生し、それらを整理して請求することが求められるほか、一時金か定期金かという論点をはじめ、介護費の金額等を巡り様々な議論が必要になるなど、一定の熟練を要する面がある上、上記の例に見られるように、被害者の様々な心情に配慮した代理人活動を必要とすることもあり、弁護士なら誰でもできるような類の仕事ではないことは確かです。

万が一、そのような深刻な被害を受けてしまった方々におかれては、加害者への賠償請求や弁護士の相談・選択等の段階でも、十分な調査・検討を行っていただき、一種の二重被害に陥るようなことだけはないように、留意いただければと思いますし、当方も、そうした事案に適切にお応えできるだけの研鑽を今後も重ねていきたいと思います。

田舎の町弁のリンカーン物語

弁護士時代のリンカーンの有名な逸話で、「敵対証人が、その日は月夜の晩で犯人の顔がよく見えたと主張したのに対し、その日は実際は曇りで月が見えなかったと述べて、その証言は信用できないと弾劾した」という物語は、多くの方がご存知だと思います。

この種の「気象ネタによる絵に描いたような弾劾」は、滅多にあるものではありませんが、先日、それに類する経験をする機会に恵まれました。

ある交通事故の事件で、過失割合(の評価の前提となる事故態様)に関し、当事者間に大きな争いがあり、当方が当日の路面状況などを主張したところ、相手方から、それとは全く異なる事実の主張がありました。

少し具体的に述べると、相手方は「前日からの悪天候で路面に積雪が多く、凍結もあり、雪のせいで道幅が非常に狭かった」と主張してきました。

これに対し、当方(依頼主)は「前夜を含め当日に降雪はなく、路面に積雪はなく、かなり前の雪に基づく除雪の山で道路脇に積雪があるものの、道幅を狭めるほどではなかった」と主張していました。

その事故では、実況見分調書が作成されておらず当日の現場写真もないなど、事故当日の路面状況を正しく記載した記録がありませんでした。

そのため、どうしようかと考えあぐねていたのですが、気象庁のHPを調べたところ、自治体ごとの気象情報が詳細に乗っており、それを見る限りでは、当方依頼主の言い分に即した気象経過であることが判明しました。

そこで、それらの資料をDLして提出したところ、裁判官から、路面状況については当方の主張どおりとする旨の心証が示されました。

過失割合については、事故態様を巡る他の論点や全体の評価などから、必ずしも当方の勝利というわけではなかったものの、言い分を尽くした上で相応の和解案が示されたため、依頼主もやむなしということで、和解成立で終了しました。

新人時代、弁護士会で配布された模擬裁判の資料にも、この種の「気象ネタによる反対尋問」のシナリオが付されていましたが、そのシナリオでは、当日の気象状態については弁護士法23条照会で気象庁に確認したという設定になっていました。それに比べると、インターネットでこの種の情報が無償・容易に入手できるようになったという点で、時代の流れを感じさせるものがあります。

ともあれ、気象ネタに限らず、事実関係を巡って当事者双方の主張事実が相反した場合には、各人の主張を基礎付ける証拠の有無や内容を丹念に検討、調査する作業が必要であることは間違いありません。

鮮やかに弾劾できることは滅多にありませんが、確たる根拠のない相手方の主張に一定の疑問符を付す程度なら、知恵と努力次第で一定の成果を挙げることは珍しくありませんので、今後も研鑽に努めていきたいと思います。

内実の伴わない?「専門」標榜事務所に対する裁判所の認識

先日、ある交通事故(被害が甚大で請求額も大きく、過失相殺なども絡んで争いのある金額が大きかった事件)で、裁判所から概ね当方の主張に沿う内容・金額の和解勧告をいただき、無事に和解が成立して解決しました。

特に、依頼主(被害者)には最も抵抗があった過失相殺の是非の論点で当方の過失をゼロとする勧告(判断)をいただいた点で、満足いただけるものとなったと自負しています。

和解が成立した期日で、裁判官と雑談する時間があり、その際、「東京では、現在、交通事故専門を謳ってCM等で大々的に宣伝している事務所があり、最近、東京地裁でその事務所が被害者代理人として提訴してくる案件が増えている。しかし、現実には、十分なスキルを持たず、裁判所から見れば杜撰な仕事となっている例が散見される。裁判所の指示には大人しく従うので(具体的に明示されませんでしたが、恐らく、裁判所が不合理だと判断した請求・主張の撤回などを指すと思われます)、裁判官としてはやりにくいわけではないが、当事者(被害者)にとって、これでよいのかと思うこともある」という趣旨のコメントをなさっていました。

このブログでは特定の事務所を批判する意図はありませんので具体的な名称等は差し控えますが、この事務所に関しては業界内での評判が芳しくないとの話をよく聞かされていたため、裁判所からも、こうした話が出てくるのだなぁと思わずにはいられませんでした。

それはともかく、この事務所に限らず、内実を必ずしも備えていないのに専門性を標榜ないし強調して顧客の勧誘をしている「看板に偽りあり」的な話は、現在の弁護士業界が抱える問題の1つと言ってよいのではないかと思います。

そもそも、「その仕事を、どのような弁護士に依頼するのが適切か」を決めるにあたって最も重要なことは、「その弁護士が、対象事件(の適正解決のため必要となる法律事務)を遂行するため、法律家として業界水準に照らし一般的以上の実力を備えているか否か」という点(その見極め)だと思いますが、対象事件を「専門」としているか(標榜しているか)は、その見極めにおいて、必ずしも決定的な役割を果たすわけではありません。

前提として「(弁護士の)専門」自体が、極めて曖昧、恣意的に用いられ易い言葉であり、例えば「その弁護士が、現に従事する時間総量の8割以上が、その事件類型に関する処理に占められている」のであれば、その類型を専門としていると評価してよいのではないかとは思います。

ただ、だからといって、様々な高度な論点が含まれ法律家としての総合的な実力が要求される複雑な事件を誰に依頼するかということを考えた場合に、「交通事故以外は一切受任しないと標榜しているが、経験や実績も不足し研鑽の端緒についたばかりの新人の弁護士」と、「交通事故に限らず、高度、複雑な論点を含む様々な事件を手がけて実績を挙げてきた、法律家としての実力の高いベテランの弁護士」とで、どちらが選ばれるかを考えれば、上記の意味での「専門」を問うことにどれだけの意味があるのかということは明らかだと思います。

とりわけ、弁護士(町弁)の業務は、様々な法律問題が背後で繋がっていることが多いなどの事情から、一部の分野を除き「専門」を過度に強調するのは適切ではありませんし、交渉技術など「分野に関係なく必要となる力」も多くあります。

私も、今も昔も、我が業界への知見の詳しくない方から「貴方の専門は何ですか」と聞かれることは多いのですが、「専門」を重視する必要がある事案は実際には限られている(或いは、他にも考慮すべき要素が多々ある)ということは、利用者サイドの健全な認識として、大事にしていただきたいと思います。

結論として、「この分野に経験、知見が深いのか知りたい」というものがあるのでしたら端的にその分野を明示して尋ねる方が賢明だと思います。

そうでなければ、現時点で取扱の多い分野だとか「売り」にしている、又は特に力を入れている分野があるかとか、特に実績や成果を上げた事件・分野としてどのようなものがあるかなどという形で聞いていただければよいのではと思います。

 

弁護士による暴利行為の被害に遭わないために

最近の判例雑誌に、「交通事故の賠償手続などを受任した弁護士が依頼者から受領した金額が、受任業務の内容等に比して高額に過ぎる(暴利行為として公序良俗違反である)と認められ、一部の返還請求が認められた例」が載っていました(東京地判H25.9.11判時2219-73。要旨は以下のとおり)。

Xらは、子Aが交通事故で死亡し、XらはY弁護士に加害者への賠償請求等を依頼し、①相談料として5万円、②刑事告訴として100万円、③損賠請求の着手金として100万円、④自賠責請求報酬として255万円、以上の合計460万円を支払った。

その後、Yが提訴に難色を示したため、XらはYを解任し、上記の支払が暴利行為だとしてYに返還を求め、併せて慰謝料を請求した。Yは、Aの死亡が自殺(ゆえ、加害者への賠償請求が奏功しない)との疑いがあることなどが提訴に難色を示したもので、事故態様に争いがあることなどから既払金が不当に高額とは言えないとして請求を争った。

以上に対し、1審は④の自賠責報酬につき、100万円を超える部分を暴利行為として残金155万円の返還を認め、他の部分については棄却した。Xらの控訴に対し、2審は、③についてもYが訴訟提起に至っていないことから、50万円を超える部分を暴利とし、上記④を含め205万円の返還を命じた。

この事件はさておき、近時、噂話の類として、「東京などには、プロ(弁護士)の目から見れば、さしたる労力を投入しなくとも一定の成果が確実視されるなど、ごく簡単な事案なのに、あたかも成果獲得が非常に困難であり、それを、当該弁護士に依頼すれば実現させてあげるなどと吹聴して高額な報酬を請求する弁護士がおり、特に、刑事事件や交通事故、債務整理などに、その傾向が顕著である。そして、最近では、そうした弁護士が、広告宣伝などを通じて岩手など地方にも触手を伸ばしている」などと幾つかの方面から聞くことがあります。

具体的な紛争事案や問題事案を聞いたわけではなく、最近の業界の競争激化に伴う流言飛語の類もあり得るかもしれませんが、ここ数年の弁護士の激増に伴い、弁護士と依頼者との紛争が増えていることは間違いないと思います。

紹介した事件では、Yの主張によれば、Aの死亡に自殺の疑いがかけられ、それに起因して?Xらは警察等の対応に強い不満を持ち、Yに賠償請求だけでなく刑事告訴の委任もしているという事情があり、単純に「プロ(弁護士)の目から見れば、さほど手間のかからない簡単な案件」というわけではなく、むしろ、Y弁護士と依頼者Xとの間の意思疎通や争点への考え方の相違などに紛争の芽があったようです。

判決を見る限り、有効とされた部分の金額も決して少額とは言えませんが、裁判所は、そうした以上も考慮し、上記の判断に止めたものと思われます。

ただ、「ぼったくり事案」であれ「方針等を巡るトラブル事案」であれ、結局は、依頼者と弁護士との間に適切な意思疎通や信頼関係の構築がなされていないことが、紛争の根底にあることは間違いありません。

常にそこまで必要かはともかく、とりわけ、一般的には難易度が高いと見られる訴訟等を依頼するケースや、高額な金銭の授受が行われる(或いは想定される)ケースなどでは、相談・依頼先の弁護士に対し、適切に事実関係を説明し資料を提供することを前提に、見通しに関する丁寧な説明を受ける(求める)ことはもちろん、見通しや信頼関係の構築、費用の相当性などに多少なりとも不安を感じる点があれば、複数の弁護士に相談するなどして、相性的なことも含め、「自分が真に頼みたいと思える適切な弁護士を選ぶ」という姿勢を大切にしていただきたいと思います。

少なくとも、司法改革による弁護士の激増により、多くの方にとって、弁護士の選択権が増えた(これは、数年前までは、とりわけ地方では、ほとんど考えられなかったと言っても過言ではありません)ことは確かであり、そうした「チャンス」を上手に活かしていただきたいと思います。

 

後遺障害の認定申請時での弁護士への相談の必要性

今年は、交通事故の被害者の方から賠償請求を受任する例が多く、後遺障害が生じ、後遺症に基づく高額な慰謝料・逸失利益を請求している事案も幾つかあります。

後遺障害については、交通事故の場合、自賠責保険による認定制度があり、加害者が任意保険に加入していれば、その保険会社を通じて必要書類を提出し、自賠責調査事務所の審査・認定を受ける方式(事前認定)が一般的です。もちろん、加害者が任意保険に未加入なら、被害者請求という形で、加害者の自賠責保険に請求し、審査・認定を受けることになります。

いずれにせよ、認定された後遺障害の内容、等級に異存がなければ、その認定をもとに、自賠責保険金の支払を受けたり、これで賄われない損害額について、加害者に賠償請求し、争いがあれば裁判所の判断を仰ぐことになります。

これに対し、認定内容に不服がある場合には、医師に相談するなどした上で、自賠責保険の手続の中で異議申立をし、自賠責の判断の修正を求めたり、それが適わない場合には、裁判所に自賠責の判断とは異なる等級等の判断を求めていくことになります。

職業など個別的な事情によっては、自賠責の等級認定を上回る後遺障害の等級評価を裁判所から得られる場合もあり、1、2年前に取り扱った事件で、そのような評価を得て、高額な賠償を勝ち取ったことがあります。

ところで、ご相談を受けた案件の中には、複数の後遺障害が生じている方で、一部の後遺障害に関する自賠責保険に対する認定申請が抜けているという例がありました。

主たる後遺障害については相応の調査、認定が行われており、自賠責保険上の等級認定には影響しない下位等級の後遺障害の認定が落ちているという例がほとんどですが、それでも、裁判上、後遺症慰謝料や逸失利益の判断に影響がないわけではなく、やむなく、異議申立をして認定を求める作業をしています。

そのような意味では、後遺障害の認定が関係する方にとっては、加害者側の損保から示談案の提示を受けて初めて相談されるのではなく、事前認定の資料を提出する段階で、ご相談された方が賢明かもしれません。

例えば、どのような後遺障害があるか、ご認識を簡単に書面にメモ書きしていただき、すでに準備している後遺障害診断書などもご用意の上、それらと後遺障害等級表や認定基準などを照らし合わせ、個々の障害について予測される等級を確認し、申請の漏れがないか、より適切な資料を提出すべきでないかなどを検討するような作業をしてもよいのではと思います。

すべての事案で、そこまでの作業が必要ではないとは思いますが、弁護士費用保険などで相談料などは賄えるはずですので、本格的な準備の要否などを確認する趣旨の簡易な相談だけでも、早めに受けていただければと思っています。

交通事故などの慰謝料に関する基本知識

交通事故実務に携わっている者なら、皆、知っていることですが、被害者が、加害者の加入する損保会社から提示される慰謝料の金額は、裁判所が認定する金額よりも、相当に下回っているのが通例です。

そのため、昔から、死亡や重度後遺障害の案件では、弁護士に頼んだ方が、慰謝料だけでも損保の提示額よりも、遥かに高額な賠償金が得られると言われてきました。

裏を返せば、業界内では、「慰謝料を裁判基準に引き上げることだけしかできないような弁護士にはなるな」と言われたりもしたものです。

このことは、業界外の方には今もあまり知られていないようで、少なくとも、私がお会いした被害者の方々に、裁判基準のこと(損保基準との違い)を知っていますかと尋ねても、ほとんどの方が、初めて聞いた話だと返答しています。

もちろん、物損のみの事案であれば、慰謝料は原則として認められませんし、怪我の程度が軽微な事案では、損保基準と裁判基準に大きな違いがなく、弁護士費用保険に加入していなければ、費用倒れのリスクに照らし、弁護士への依頼を断念せざるを得ないこともあると思います。

損保会社でも、裁判基準への対応はまちまちで、割とスムーズに応諾する会社もあれば、自社基準に一切妥協せず、裁判をするほかない会社もあり、事案によって同じ会社でも結果が分かれたりします。

そのような光景は、消費者金融への過払金請求に、近いものがあるようにも感じます。

そもそも、慰謝料に関する「損保基準と裁判基準」という、ダブルスタンダード自体が、グレーゾーン金利(約定の高金利)と利息制限法に基づく引直計算との関係に似ている面があります。

ところで、近時、過払金請求などの債務整理を派手に集客して、急拡大した若い弁護士さん達の事務所が、現在は交通事故の集客に力を入れている光景をよく目にします。

彼らが、どれだけ交通事故事件にノウハウを持っているかは存じませんが、交通事故も債務整理も、当事者や事件に丁寧に向き合えば、細々とした多くの作業、論点がありますので、それらを無視し裁判基準での慰謝料の増額だけで終わらせるような、雑な仕事ぶりにだけはならないで欲しいものです。

まあ、その点は自戒を込めてというべきでしょうが・・

私の場合、東京時代は主に加害者側で、岩手に移転後は、被害者8:加害者2ほどの比率で、多くの案件に携わり、様々な論点や交通事故特有の事務処理などに関する経験を積んできました。

現在も、最新の議論に遅れをとらないよう、判例雑誌のフォローなどは欠かさないようにしているつもりです。

今後も、選ばれる弁護士となるよう研鑽を深めて参りたいと思いますが、利用者の方々も、事案の内容等に応じた適切な弁護士の選択等ができるよう、賢い消費者としての目線を持っていただければと思います。