北奥法律事務所

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弁護士業務一般

これも田舎の町弁の生きる道

某大企業さんから有り難くお引き受けしている仕事が佳境に入り、土日も雪だるま状態の作業に延々と追われています。

ただ、「本来は争点Aだけ審理すれば足りるのが当社の方針です。それに規定ではこれしか払えません」という依頼主(組織)のせいか、「争点BCDEF(以下略)も審理せよ」と余計な?仕事を増やしたがる相手方のせいか、「BCDなども審理判断する(ので、負けたくなければ必要な主張立証をせよ)」と宣う裁判所のせいかはさておき、結果として、限られた費用で膨大な作業に追われ、負荷ばかりが増大しているような千本ノック的被害感情は否めません。

まあ、社会的意義などに照らし非常にやり甲斐のある事件なので、いつかはいいことがあるさと信じて?低賃金労働(時給計算)にもめげずに頑張ることにしています。

そういえば、その大企業の社長さん(直にお会いしたことはありません)が、昨年に、イクボス宣言なるものをなさったとの報道に接した記憶があります。

この言葉は「部下に無理な労働をさせず自身も私生活を充実させている上司」との意味だそうですが、何度聞いても音の響きが好きになれず、カタカナ嫌いということもあって、兼業主夫婦等支援責任者とでも言えばいいのにと下らないことばかり考えてしまいます。

それはさておき、高邁な理念も、兼業主夫労働にあくせく従事しつつ深夜に事務所に戻って大企業の受注業務にも勤しむ零細事業者のことまでは考慮の対象に含まれていないのかもしれません。そんなわけで、事務所で深夜に独り、あかちょうちん気分で一句。

下請の悲哀はイクボス知らん顔

戯言はさておき、当方に限らず、地方の町弁業界の景気は残念な状態が続き、限られた報酬で山のような作業を余儀なくされる依頼ばかりが増えているのが実情ではないかと思います。

収入面で試練の真っ只中にある業界に身を置きながら土日も深夜に事務所で作業をしていると、イクボス、何とかミクスの賃上げ、ワークライフバランス、プレ金などという言葉は、いずれも大企業(大組織)の人達のためだけのもの、そのしわ寄せを下請労働者が低賃金の長時間労働で担っているのが実情だ、などというニュースのコメントを身につまされるような思いで眺めることもありますが、腐らずに今夜も頑張ろうと思います。

弁護士の相談業務に関する利益相反問題と対策~当事務所の予防策と、変わらない?弁護士会~

先月の土曜に岩手弁護士会(盛岡)法律相談センターの担当日があったのですが、前日(金)に予約票を事務所にFAXいただくよう弁護士会のご担当にお願いしたところ、予約者の方の中に、以前に対立する当事者の方から相談を受けたのではないかと思われる方が含まていました

当事務所では、その種の相談会では前日に主催者(弁護士会など)から予約者リストについてFAXで提供を受け、私が以前に相談を受けた方との利益相反の有無(対立当事者から相談を受けていないか)を当方の事務局に確認して貰った上で相談に臨むことにしてます。

そして、今回は、金曜に弁護士会から送信されたリストに、それに該当する方(以前に私が相談を受けたAさんの対立当事者と思われる方=Bさん)が含まれていたので、弁護士会にお願いして、Bさんには、後日に来ていただくよう弁護士会事務局から伝えて欲しいとお願いして、その方にもご了解いただいたという次第です。

仮に上記の措置が講じられず、そのままBさんが土曜に弁護士会(私の面前)にいらした場合、私は、その場で「すいません、Aさんから相談を受けていました(ので相談は受けられないから本日はお引き取り下さい)」と答えることになったかもしれませんし、それどころ、私がAさんから相談を受けていたこと自体を失念していた場合には、Aさん=相手方にあれこれアドバイスをしていたにもかかわらず、今度は、Bさんに、Aさんと闘うためにアドバイスを披瀝するという事態(それが、客観的には弁護士としての職業上の義務に反することは言うまでもありません)になったかもしれません。

上記の予防措置は、以前にも投稿したとおり(引用ブログ参照)、私の過去の経験から当事務所の自主的取組として行っているのですが、本来であれば、弁護士会事務局が相談の受付時に、相談者と相手方の氏名を確認し、担当弁護士が過去に相手方から相談を受けた事実がないかを確認するという作業があってよいはずです。

とりわけ、今回に関しては、Aさんとお会いしたのも(いつどこなのかは差し控えますが)弁護士会が把握可能な相談会でしたので、なおのこと、弁護士会が個別の相談事業の相談者や相手方に関する情報をデジタル情報で管理していれば、弁護士会の受付段階で「土曜の担当は、貴方の相手方から相談を受けた弁護士である可能性がある」などと把握し説明して、来所日を変更していただくよう求めることはできたはずです。

現実問題として岩手弁護士会事務局の受理体制にも様々な限界、制約があり、そのような措置を講ずることとが容易でないことは承知しているつもりですが(だからこそ当事務所として自主的取組をしています)、「べき論」としては、主催者たる弁護士会において利益相反チェックを行うのが望ましい面があることは確かだと思います。

で、何のためにこうしたことを長々と書いたかと言えば、法律相談事業にはこの種の問題(担当者が相手方から相談を受けていた可能性があるというリスク)は避けて通れない問題ですので、ごく一部の不運な方がたまたま遭遇して気の毒でしたねで終わり、というのではなく、弁護士会であれ、その他の役所等であれ、そうした問題を回避する(なるべく少ない費用・労力で)ための仕組み作りをきちんとすべきではないか(利用者側も、主催者側の尻を叩く必要があるのではないか)ということをお伝えしたかったということに尽きます。

少なくとも、添付の投稿を含め、同じ問題意識を持っている(同種の経験をした)弁護士は相応にいるはずですが、岩手に関しては、弁護士会などが組織として動きを見せているという話は何も聞いたことはなく、利用者の便宜が蔑ろにされていると批判されてもやむを得ないのではないかと思われます。

我々の基本的な掟としての利益相反ルールそのものは変えようがない話だと思いますので、それを前提に、担当弁護士側の事情など何も分からないまま相談に臨む方々(ひいてはそれに相対する弁護士)に不合理な不利益を押しつけないためのシステムづくりについて、ITによる工夫も含め、業界全体の喫緊の問題として考えていただきたいものです。

余談ですが、以前に、私も参加させていただいているFBの同業者グループ内での投稿で、「以前に相手方から相談を受けたことを説明して断るのは守秘義務違反だ。だから、理由は言えないが断りますと説明するのが正しい」と他の同業の方が投稿していたのを拝見した記憶があります。

そのような考え方も間違いではないとは思いますが、断られた側からすれば、理由も何も説明が受けられないと、理由が分からず当惑することはもちろん、まるで自身の相談が弁護士に相談すべき事柄ではないかのような誤解を招くなど、弊害が生じかねないのではと危惧されます。

先に相談したAさんにとっても「後日に同じ弁護士にBさんが相談依頼の電話等をするかもしれない可能性」は潜在的にあるべき事柄なので、Bさんの納得という意味でも、保全事件など特に潜行性の要請の強い事案を別とすれば、「相手方関係者とやりとりがある(相談を受けている)」といった程度の告知は、相談依頼を断る際の説明としては、やむを得ない(Aさんにとっても内在的制約として許容されるべき)と考えますが、皆さんは、どのようにお考えになりますか?

或いは「当方には差し支えの事情があるので余所に相談して下さい」と説明する方法なら、相談を受けたことを言わずとも上記の弊害がなく回避できると言えるかも知れませんが・・

田舎の町弁はアジアのお雇い外国人または山田長政たりうるか~シンガポール編③

シンガポール旅行ネタの3回目ですが、今回は名所レポートではなく旅行中に感じたことのうち、弁護士業界のことについて少しばかり書きます。次回は、ウォシュレットについて触れる予定です(まとめて載せるつもりでしたが、長文になったので2回に分けました)。

1日目午後のリバーサファリ観光の際はツアー参加者が当家だけだったため、ガイドさんと日本語で色々と話をしながら歩きました。

ノーラさんと名乗る華人系の50代くらいのお喋り好きな女性で、行きのバスの車内で、シンガポールの歴史とリー・クアンユー首相の功績、現在のシェンロン首相の施政と課題などを熱心に語っていました。なお「共働き先進国」たるシンガポールに相応しく?今回の旅行でも日本語ペラペラのツアーガイドさん達のほとんどが女性で、年齢層も若い方から60代くらいの方までバラバラでした。

15分くらい続いたノーラさんの講義に対し、私は「その話は中公新書の「物語シンガポールの歴史」で読みましたよ」と30回くらい言いたいのを堪え、その種の話に関心の薄い同行配偶者は愛想笑いで聞き流すという、需要と供給の若干のミスマッチを感じつつ、トランプ大統領はTPPを構築し中国の覇権拡大を阻止したい貴国にとっては大打撃ですよね、盟邦・台湾が戦場になる不安も噂されますが、どのように立ち向かうのでしょう、などと、あまり実のない雑談をしながら歩きました。

で、私が「リー首相はもとは弁護士ですよね、私も同様なんですよ。英語は喋れませんが」と話したところ、ノーラさんもリー首相の経歴のことは知っていて、それに付け加えて、「我国にも弁護士は沢山いて、食えないから数を減らせとか、近隣諸国に出稼ぎせざるを得ないという話になっている」と述べていました。

私は「日本も全く同じ状態なんですよ。だから、日本の弁護士は法的インフラ整備が未了の東南アジア諸国などにドシドシ進出して、法整備や実務構築のための仕事をすべきだと思っています。ただ、日弁連は無為無策にしか見えない上、我々の最大の難点は英語能力の不足であり、語学面で(アジア進出の競争相手として)アドバンテージのあるシンガポールの弁護士さんが羨ましくて仕方がないです」と答えました。

さすがに、それ以上、そのテーマで話が深まることはありませんでしたが、そうしたことを考えながら、ガイドさん達のような通訳さえ確保できれば、私のような日本の町弁が、現地の社会・文化を研究しつつ、日本社会が培った法文化を上手に東南アジア諸国に普及させる手伝いをすることもできるのではないか、その場合、アジアの先進国仲間というべきシンガポールの弁護士の協力も得て、両国などの制度を比較・改良しつつ輸入国に適合する制度を構築することもできるのではないか、などと思いました。

とりわけ、いわゆるインバウンド(来日外国人の急増)を通じアジアなどの方が日本の諸制度に関心を抱くようになってくれれば、日本の法制(社会運営システム)も取り入れよう→それに長けた人材に来て貰おう、という機運を高めることもできないわけではないと思います(そのためには、「コト消費」の質を高める努力を日本側が行うことも必要でしょうが)。

また、現在は「膨張する中国」との間で様々な分野での非軍事的対決が必要になっているところ、「インフラとしての法制度の輸出」という場面で、社会運営に関して概ね共通の価値観を持っているはずの日・台・韓・星(シンガポール)のアジア4先進国が協力して輸出事業に取り組めば、「非民主的な専制国家」たる中国と対抗していく(それを通じて、究極的には、香港をはじめ中国内で同じ価値観を共有する勢力の伸長に期待する)ということも考えてよいのかもしれません。

などと書くと「シンガポールなんて一党独裁の明るい北朝鮮じゃないか、どこが民主国家なんだ」と言われそうですが、過去については同国の特殊性に依るもので、現在は移行期にあると考えてもよいのでは(そうであればこそ同国の穏健的な民主政治の進展に日本は役割を発揮すべきでは)と考えます。

ちなみに、日弁連の機関誌「自由と正義」2015年7月号には、東南アジアに赴任し活躍する若い企業法務系の弁護士さん達のレポートが載せられており、シンガポールのレポートを担当された方(坂巻智香弁護士)が、同国で活動する日本法弁護士の実情を報告すると共に、同国内に滞在・永住する3万人以上の邦人について、個人としての多様な法的ニーズがありながら、それを満たすインフラ(現地邦人向けのリーガルサービスの担い手)が整備されていないと報告していました。

また、日本の法テラスのような無料相談・援助制度(組織)もないため坂巻弁護士が有志を募り現地邦人向けの無料相談を試行したところ、相談者より「このような法的支援は絶対に必要だと声を大にして言いたい」と告げられたとのことであり、対外輸出云々もさることながら、現地邦人支援のための実務整備という点でも、日弁連ひいては実働部隊となる町弁達の出番が急務ではないかと思いますし、それは同国だけに限った話でないことは考えるまでもないことだと思います。

私も、海外在住の県内ご出身の方が当事務所HPをもとにメールでアクセスされ、相談を受けたことがありますが、込み入った話だと「これ以上は面談しながら多くの資料などを拝見したやりとりでないと適切な説明ができない、まずは、貴国に滞在する日本人弁護士に相談してみて下さい、それでどうしても話が進まなければ、その際の相談結果を踏まえて、もう一度、アクセスして下さい」とお伝えした(せざるを得なかった)ことがありました。

ご承知のとおり、近年ではクレサラ問題がほぼ収束し、現在では都会から過疎地まで弁護士がやってきて「過払などのハイエナ化」しているような有様ですので、日弁連は、国内の過疎地よりも(それ以上に)海外で「日本人弁護士による、日本の法的サービスを必要とする方」のための支援制度の構築(人を派遣すればよいとか法律事務所=ハコモノを作ればよいなどという話でなく、制度の整備や運用などを含む)こそ早急に取り組むべきではと思いますが、私の知る限り、そうした動きを聞くことがほとんどありません。

在外者向けサービスは、インバウンド(日本への来訪・滞在外国人のための法的サービス)と共に、今の日弁連が早急に取り組むべきことの一つではないかと思いますし、各地弁護士会もそうしたものに声を上げていくべきではと思いますが、どうなんでしょうね(などと余計なことを言っているから、10年以上経っても、誰からも岩手弁護士会の役員をやれとすら言われないのかも知れませんが・・)

私は最初から人生の選択肢を盛岡での開業一本に絞っていたわけではなく、高校1年のときは欧州の片田舎でひっそりと暮らしたいと思っており、東京のイソ弁時代にも、自分が特別に必要とされるような出逢いがあれば東京などに骨を埋めてもよいと思っていました。

結局、人徳不足かそうした出逢いもなく、自分で決めたレールどおり淡々と岩手に戻ってきたものの、このまま盛岡で一生を終えるのが自分の生き方として納得できるのかという気持ちが無くなったわけではありません。

もはや渉外弁護士を目指すだけの研鑽の余力も意欲もありませんが、語学能力がなくとも現地の法と実務の整備のため役立てるような社会(いわば、現地側が「お雇い外国人」として日本の普通の町弁を必要とするような社会)が到来してくれるのなら、10年ほどその地に移り住み、「大東亜の本当の平和」を目指した先人の思いを引き継いで汗をかくことができれば、などと夢想する気持ちを少し感じつつ、パンダの姿を眺めていました。

ただ、供給過多と言われながら需給双方に改善の見込が乏しい現在の町弁業界が、国内で不要になり食えないので海外に活路を見出そうとする光景は、お雇い外国人というより、太平の時代が到来したため東南アジアで傭兵となる道に救いを求めた江戸初期の戦国浪人達になぞらえた方が賢明かもしれません(弁護士も、傭兵の類に変わりありませんし)。

それならそれで山田長政(アユタヤ王国の重臣に上り詰めた当時の出世頭)のように現地で大活躍できればよいのでしょうが、長政自身の最期と浪人達の末路のような死屍累々の山にならないことを願いたいものです。

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弁護士協同組合の物産販売に関するオリジナル商品と浅智恵

6月の話で恐縮ですが、岩手弁護士会協同組合の総会があり、昨年と同じくタダ飯(弁当)をいただくという志の低い目的のため参加してきました。

昨年も「復興支援やらなイカ~」のタイトルで少し書きましたが、今年も、専務理事をつとめる先生から、「全国の弁護士向けの商品の販売を行うため県内の有力企業などと相談をしたのだけれど上手くいかなかった」とのご報告がありました。

その先生が仰るには、特産品(商品。他県では果物や酒、牛タンなど)を協同組合を通じて販売する場合には、例えば、通常単価で5000円の商品を売るのであれば、組合員価格はそれよりも安い4500円で販売することになっており、しかも、販売に従事する方(購入者が所属する弁護士会の協同組合関係者?)の事務手数料として500円程度を要するので、商品を提供する業者にとっては「5000円の商品を4000円で売る」ことにならざるを得ず、在庫の確保の負担も含めて基本的にはインセンティブがない(ので、相談した業者からも消極的な回答が示された)とのことでした。

ただ、市場で他にも販売する既存の商品だからそのような問題が生じるのでしょうから、新規商品を協同組合の側で開発し、それに「顧客の支持が得られる付加価値」を持たせて販売できれば(要するに高値でも売れる商品が開発できれば)、商売として成り立つはずです。

すなわち、付加価値を付すことができなければ(材料原価ベースなら)3000円でしか売れないはずの物を、特別なアレンジをして5000円の定価として販売することができれば、「協同組合には4000円で販売する」という形でも商品の提供事業者にとって十分に元が取れると思います。

そして、その商品が世間で話題になって人気が出れば、協同組合には4000円で販売し、一般にも業者が自ら5000円で販売できる(協同組合にライセンス料として500円を支払う)ことにすれば、業者にも利益が出て協力できるはずです。

あとは、協同組合がその枠組みを満たすだけの商品を開発できるか次第ということになるでしょうが、以前に投稿した京都弁護士会の「やっこさんは白だな」の二番煎じで考えれば、「弁護士らしら(弁護士っぽさ)を全面に出した商品ネーミングと、そのコンセプトを生かした商品(中身)づくり」について、世間の注目を浴び、購買意欲をそそる商品を作ることができるかにかかっているのではないかと思います。
http://bengo.pro/info/201312121.cfm

例えば、イオンがサンマのパッケージ商品を「鉄道ダンシ」と称する男性キャラの絵を添えて販売しているのに倣い、被災者支援に取り組む「アワビ弁護士、ワカメ弁護士」などのオリジナルキャラを作り、それを生かした新商品などを考えてもよいのかもしれません。

震災に限る必要もないでしょうから、地元の様々な個性・伝承と弁護士らしさを組み合わせて、「座敷わらし弁護士」とか「なんぶ弁護士武将隊」みたいな路線もあってよいはずです。

前者は、あどけない顔立ちの若い女性弁護士が適役のような気もしますが、それでは「岩手まるごとおもてなし隊」とキャラが被ってしまうので、いっそ広島(呉市)のA原先生のような「キモかわいい系」の若い男性弁護士を選抜、育成してもよいのではと思わないでもありません。
http://iwate-omotenashitai.com/about.html

また、「金持ち向けの仕事で儲けているウニ弁、庶民派のシャケ弁、粘り強さが売りのモチ弁、新人のホヤ弁」などを集めて、5人組で「べんごきょうだい」と称し、「わんこ某」とのコラボ企画などを提案してもよいのではと思います(県庁からクレームを受けるかもしれませんが・・)。

或いは、「カッパ無罪!」みたいな商品タイトルでキュウリの漬け物か何かを作り、無罪の代わりに化学調味料などを極力使わない(無添加)とか、激辛とか苦いとか食べるのに一苦労するような味付けをして売り出すのも、インパクトの面からよいかもしれません。

弁護士激増政策が浸透し多くの弁護士が生き残りを賭けて様々な営業活動をしている現状にあっては、弁護士会(協同組合)も思い切った行動に出ることも考えなければならないのではと思っています。

法テラス気仙の落日?と「被災地」無料相談事業の行方(後編)

前回の続きですが、今回は、「法テラスの無料相談事業」に力点を置いて書いてみようと思います。

法テラス気仙での相談はすべて無料ですが、岩手の多くの方がご存知のとおり、無料相談ができるのは法テラスだけではなく、岩手県内では当事務所をはじめ法テラスと契約している県内の全ての弁護士(法律事務所)が、原則30分の無料相談に対応しています。

法テラスは、本来は「低所得者などの支援のための公的機関(税金で運営する組織)」なので、無料相談等には一定の所得制限があるのですが、被災3県や青森県八戸市など幾つかの沿岸被災地域では、震災後に制定された法テラス特例法により、震災当時にこれら対象地域の居住者であった方なら、資力等を問わず、また対象事項を問わず(刑事を除く)、無料相談を受けることができるようになっています。

ちなみに、先般の熊本大地震でも、すでに同様の特例法が定められたと聞いています。

この制度は平成27年に延長され、現在は平成30年3月までとなっているのですが、この制度が再延長されるのかどうかも、被災県で活動する弁護士にとっては大きな関心事となっています。

ただ、確かな筋から伺ったところでは再延長の見込みは絶望的で、残念ながら平成30年で終了することが確実視されているようです。

この制度が導入される直前には、弁護士会(盛岡)の相談センター(有料)ですら閑古鳥が泣きそうな状況になっていましたし(これは、他の都道府県でも同様の現象と聞いています)、当事務所に来所いただく相談者の方々にとっても、無料で相談できるということで気軽にご利用いただいている面もあろうかと思います。

ですので、この制度が廃止された場合は、既に全国各地で生じている光景のように、有料に戻す=相談者が激減するリスクを負うか、完全無料(自腹)とするなど事務所の経営(存続)リスクを覚悟するか、選択を迫られることになりますが、いずれにせよ、町弁の事務所経営上は大きな打撃になることは間違いありません。

個人的には、いっそ発想を転換して法テラス無料相談(無条件30分)の制度を全国的に導入してはと思わないでもありませんが、その場合、現在とは比較にならぬ膨大な財源が必要になり、かつ、それを捻出する政治力を弁護士業界が有していないことも間違いないでしょう。

或いは、日弁連が法科大学院(LS)と決別し、LSへの国からの補助金を撤廃させ無料相談の財源に廻せとの運動をしてはいかがかと思ったりもしますが、「LSへの補助金のせいで司法修習生の給費制度が廃止されたので、補助金を撤廃するのなら給費制をこそ復活させるべき」と仰る方も少なくないようですので、遠からず、「国から弁護士業界に流れてくるお金(パイ)」の争奪を巡り醜い争いが生じたり、それに伴う業界の衰亡などという現象も生じることがあるのかもしれません。

そうした意味でも保険制度による費用問題の解決が何年も前から求められていたというべきなのですが、それを怠ってきたツケを、我が業界は今後ますます負っていくことになりそうで、ため息ばかりが増す有様です。

(写真は4月の担当日の際に撮影したものです)

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法テラス気仙の落日?と「被災地」無料相談事業の行方(前編)

平成24年頃から月1回の頻度で法テラス気仙(大船渡市)に通っていますが、今年になってから私の担当日には相談件数が一挙に減り、3月から7月まで、5回連続でゼロ件(6月に受任事件の関係者に私から頼んで来ていただいたものが1度あっただけ)、8月は当日に飛び込み1件のみという惨状が続きました。

片道2時間ほどかけ、丸一日潰して(拘束されて)通っていますので、相談者ゼロ件が延々と続くと、さすがに厭戦気分というか、担当から抜けられるものなら抜けたいという気持ちを抱かざるを得ません。

私に限らず、沿岸に開設された2つの法テラス事務所(気仙、大槌)とも、最近は弁護士への相談件数が大幅に減ってきたとの話を伝聞ですが聞いており、下手をすると今年度末には法テラス気仙が廃止されるのではないかという噂も聞いたことがあります。

ただ、司法書士さん(週1回の担当)への相談状況がどのようになっているかは聞いたことがなく、ひょっとしたら土地の区画整理・自治体買収などに伴う相続登記の関係などで閑古鳥の弁護士と異なり大盛況になっているのではと想像しないこともありません。

そうであれば、すぐにでも弁護士相談=原則週4回を減らして、司法書士の相談日を増やした方がよいと思いますが、司法書士さんの担当日の来客状況などを伺ったことがないので、よく分かりません(先日、某先生のFBで、今日は来客なしと仰っていたのを拝見したので、弁護士と同じような現象が生じているのかもしれません。弁護士と異なり?高台移転や区画整理などで登記手続などの需要は多いのではと思いますが・・)

昨年の段階から1回あたりの相談件数がかなり減ってきたので、今年の相談担当の更新の際は辞退するか悩んだのですが、現時点で沿岸被災地の関係で従事している「弁護士としての支援活動」が他に特段なく、縁を切るのも忍びないということで無為に続けているのが恥ずかしい実情です。

気仙地区に関しては、訴訟等が必要な場合、地裁の管轄が一関市(盛岡地裁一関支部)になるため、私のように盛岡から出張してくる弁護士に相談するよりも、端的に一関で執務する弁護士さんの事務所に相談に行くという方も少なくないのかもしれません(統計情報などがあれば、ぜひ見てみたいものですが、恐らく誰も調査などはしていないのでしょうね・・)。

そうした話に限らず、いわゆるアウトリーチ問題(法テラス自身が沿岸の自治体や団体・企業などに働きかけ、担当弁護士を相談日に事務所に置いておくのでなく、ミニ講義+プチ相談に派遣するなどの事業をしなくてよいのかという類のもの。「役所」の典型たる法テラスには期待し難いかもしれませんが)を含め、「沿岸被災地の無料相談事業の低迷」は、様々な要因が複合的に関わっているのでしょうから、幅広い視野での総合的な検討が必要でしょうが、そうしたものもほとんどなされない(或いは、私のような現場の末端には伝わらない)まま終わってしまうのかもしれません。

と、ここまで書いて9月下旬の担当日のあとにでも載せようと思っていたところ、9月には過去最高?の5件(飛び込みを含む)のご相談があり、開設時に戻ったかのような感じがしました。

或いは、法テラス気仙を廃止をさせてなるものかという「見えざる力」が働いたのかもしれません。

(写真は4月の担当日の際に撮影したものです)

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今も昔も凡百の身には辛いよの法曹界にドロップキック~♪

旧ブログに投稿(平成25年6月)した文章の再掲です。

昔から、個人的な趣味として、気に入った曲をもとに業界など身近なネタを用いた替え歌を作るのが好きで、2年ほど前にも「妖怪ウォッチ」の歌を題材に、「べんごしの せいなのね そうなのね!」などと書いたりしたことがあるのですが(事務局長のクレームにより、残念ながらブログ掲載は断念)、下記の替え歌については旧ブログの掲載時に許可が下りましたので、再掲も大丈夫かと思います。

「平成10年バージョン」は、裁判官・検察官はともかく、弁護士や司法修習生にとってはあまりにも遠い昔の話になってしまいましたが、「平成25年バージョン」は、3年を経た今でも業界的に好転の兆しが見えそうにありません。

*********

私が司法試験受験生であった時代(平成9年まで)は、Mr.Childrenの全盛期でもありましたので、ごくありふれた同時代人の一人として、よく聴いていました。

当時から、たまに替え歌を作りたくなる悪癖があり、修習生の頃には、《everybody goes ~秩序のない現代にドロップキック~》をもとに、法曹界を皮肉った替え歌を作ってみたこともありました。

ただ、それから15年を経て、法曹界とりわけ弁護士業界と修習生の光景は大きく変わり、もっと別の歌詞が付されるべき状況になってしまいました。

というわけで、また、現在の状況に即した新たな替え歌を衝動的に作ってみた次第です。

もちろん、平成10年バージョンも平成25年バージョンも、今も昔も何かとしんどい法曹界をお気楽に笑い飛ばして生き抜きましょうとの観点で、巷間あふれる情報をもとにジョークとして作成しているものに過ぎません。

特定の主義主張を流布するものでも個人・団体を批判・誹謗する意図のものでもありませんので(私自身、単純なアンチ司法改革派では全然ありません)、ご不快の段は純然たる誤解に基づくものとして、ご容赦下さい。

あと、修習生として、法曹三者のありのまま?の姿を垣間見させていただいた平成10年当時はまだしも、現在は、検察官や刑事部の裁判官の方々とは、私生活は言うに及ばず職業上の接点も非常に少ないのが実情なので、さほど気の利いた歌詞が思い浮かばないのが正直なところです。

そうしたこともあり、(特定の主義主張等の目的ではなく)純粋にジョークとしての質の向上という観点から、歌詞(言い回し)の改善・改良をご提案いただければ大歓迎です。

なお、括弧部分はバックコーラスです。

《平成10年バージョン》

複雑に混ん絡がった事件だ
記録の山で ガンバレ 裁判官
法律と判例と良識を武器に
あなたが支える 法の支配

そして you
晩飯も官舎で一人 インスタントフード食べてんだ
ガンバリ屋さん 報われないけど

任検して3年 エースになる chance
地道な調べの甲斐もあって
被疑者の前で上機嫌なポーズ
でも 決裁じゃ 次席にまた叱られて

oh you
それでも夢見てる ムービースター
世間知らずの 自惚れ屋さん
相変わらず 信じてる

everybody goes everybody fights
安息の場のない法曹界に ドロップキック
everybody knows everybody wants でも No No No No
皆 病んでる

愛する自由と正義の為に
良かれと思う事はやってきた
悪人のミカタと 周囲に呼ばれても
結構 マジで弁護した この18年間

でも you
被疑者は 釈放後すぐに サイハンジャー
で、逮捕されりゃ 毎度 困ったちゃん
「親に頼んで 弁償してきて」

everybody goes everybody fights
羞恥心のない 当事者に水平チョップ
everybody knows everybody wants そして Yes Yes Yes Yes
必死で 生きてる

Ah 修習生を見て人は こう言う
「あいつらは気楽な 税金ドロボー」
その通りでございます!(多少はガンバってるけど)

everybody goes everybody fights
人を狂わす司法試験に ドロップキック
everybody knows everybody wants
明るい未来って何だっけ?

everybody goes everybody fights
救い難い法曹界に 水平チョップ
everybody knows everybody wants でも No No No No
皆 病んでる 必死で生きてる

《平成25年バージョン》

複雑で悲惨な 刑事の事件だ
衆人環視で ガンバレ 裁判官
庶民の視点、感覚、言葉も武器に
あなたが支える 身近な司法

でも you
偏屈なおっちゃんが一人、裁判員で 評議荒らしてんだ
ガンバリ屋さん 報われてますか?

任検して10年 特捜に行く chance
強硬な調べの甲斐もあって?
次席の前で上機嫌なポーズ
でも 法廷じゃ 調書は皆、却下されて

oh you
それでも夢見てる ムービースター
世相知らずの 自惚れ屋さん
相変わらず 信じてる

everybody goes everybody fights
模範解答のない法曹界に ドロップキック
everybody knows everybody wants でも No No No No
皆 病んでる

愛する自由と正義の為に
良かれと思う事はやってきた
口先ばかりと 身内にも言われても
市民の人権には尽くしてきた この60余年間

でも you
ベテランは 経営できず オーリョージャー
で、若手は 仕事すらない
誰も来ない相談会 行ってる

everybody goes everybody fights
会員に冷たい? 日弁連に水平チョップ
everybody knows everybody wants そして Yes Yes Yes Yes
必死で 生きてる

Ah 修習生を見て人は こう言う
「あいつらは不憫な 時代の犠牲者」
同情するなら 金をくれ
(給費に戻せ/就職させろ/任官(検)増やせ/需要をよこせ)

everybody goes everybody fights
ちくはぐな司法改革に ドロップキック
everybody knows everybody wants
明るい未来って何だっけ?

everybody goes everybody fights
光が照ってない法曹界に 水平チョップ
everybody knows everybody wants でも No No No No
皆 病んでる 必死で生きてる

なお、申すまでもなく、私自身は二次的著作物としての権利云々を主張するつもりは毛頭ありませんが、原著作物の権利者に保護されるべき法的権利・利益を侵害することのないよう、個人的な楽しみの範囲でご覧下さい(この投稿自体、当落線上でしょうか?著作権法は仕事で関わることがほとんどないので偉そうなことは言えませんが、営利性の無いものは、権利者の合理的意思解釈の範疇(の構成要素としての社会通念)に入るかどうかで決まるとは思いますが・・)

いっそ、本物に歌っていただき(後ろで法服を着た人やバッジを付けた人達が踊ったりして)、この歌詞のコンセプトに即したオムニバス形式の映画(或いは、プロモーションビデオ)でも作っていただければと、妄念逞しうしないこともありません。

秋田県・小坂町の「千葉の高濃度焼却灰の搬入埋立問題」に関する日弁連調査③住民訴訟の弁護士費用保険、焼却灰の過疎地埋立ほか

前回の投稿の続き(秋田調査の最終回)です。

1 住民訴訟支援のための弁護士費用保険

前回の投稿で、地元住民が現在(或いは過去に)、「本件で誰かに一矢報いるための手段はないのか」という観点から、廃棄物処理法絡みを中心に、訴訟手続について少し検討してみました。

ただ、そのような訴訟を起こしたいのだとしても、「降って湧いた災難に義憤で立ち向かう」という地域住民(有志)の立場からすれば、これに従事する弁護士の費用は誰も負担したくないでしょうし、(私自身は、その種の訴訟に従事した経験がありませんが)この種の紛争で住民支援に従事する先生方の大半が、そうした実情を理解し、「ゼロではないにせよ時給換算で超不採算」となる金額でやむなく受任しているのが通例ではないかと思います(この種の紛争は、真面目にやるのであれば事実関係から法制度まで膨大な調査、勉強が必要になりますので、採算を確保するのであれば相当な高額になることは必定です)。

そこで、最終処分場や中間処理施設の設置にあたり、適正処理などに関し問題が生じた際に、是正を求める法的手続を希望する地域住民が利用できる弁護士費用保険(保険商品)を作るべきではないかと思います。

そして、その保険契約は、施設側(許可を求める業者)が保険会社と契約し、保険料を施設側が負担とすると共に、そうした保険契約を締結していることを許可の条件の一つとして付け加え、その施設の稼働後、稼働内容に問題があると感じて訴訟提起等を希望する住民が保険会社に保険金利用を申告し、審査を受けるという形をとればよいのではないかと思います。

もちろん、保険会社は住民から申請があれば何でも認めるというのではなく、乱訴防止のため一定の審査をすることが前提になりますし、施設の稼働終了時(或いは埋立終了後の相当な監視期間の終了時)まで問題が生じなければ、保険料の多くが還付されるなど適正処理のインセンティブを高める優遇措置を講じるべきでしょうし、保険商品が複数ある(より住民の権利行使の支援が手厚いものと、そうでないもの)場合、より手厚い保険に加入している方に優良業者としての認証を付するといった考慮もあってよいと思います。

そうした保険制度・保険商品を、日弁連と保険業界が提携して開発し、環境省などに働きかけても良いのでは?と思いました。

もちろん、こうした発想(危険創出のリスクを担っている側が、そのリスクの潜在的被害者のために弁護士費用保険を負担する仕組み)は、廃棄物問題に限らず、有害物質などを扱う事業者(が設置されている地域)一般において応用されてしかるべき事柄だと思います。

そうした観点から弁護士費用保険を育てる観点を、関係各位に検討していただきたいところだと思っています。

また、上記のようなタイプの弁護士費用保険とは別に、住民訴訟一般で利用できるような「住民側が少額の保険料を負担し、訴訟などに相応しい事案で一定の弁護士費用を保険金拠出する保険商品」も、開発、販売して欲しいと思います。とりわけ、住民訴訟の場合、勝訴すれば相当な弁護士費用を行政に請求することも可能であり(地方自治法242条の2第12項)、談合などの巨額賠償が生じる事件では自治体から巨額の弁護士費用を回収する例もありますので、制度としても構築しやすい面があると思います。

そして、そうした動きが、やがては「国に対する住民訴訟(国の公金支出是正訴訟)」の創設に繋がっていけばよいのではというのが、司法手続を適切に利用し行政のあり方を民が是正していくことの必要性を感じている、多くの業界関係者の願いではないかと思います。

2 一般廃棄物(焼却灰)の広域移動(都会の灰が田舎に)という問題

ところで、今回の秋田調査で私が一番関心があったことは、「千葉から焼却灰が持ち込まれていること自体を、秋田の人々(地元民、地元行政、処理業者、県庁)はどのように受け止めているのか、そのこと自体に抵抗感ないし反感はないのか」ということでした。

そもそも、私自身は、今回の秋田調査の話が今年の6月に廃棄物部会に持ち込まれるまで、一般廃棄物(の焼却灰)が他県に広域処理されているなどという話は全く知らず、てっきり自県内(せいぜい関東・東北などの自圏内)で埋め立てられているものと考えていました(これに対して、産業廃棄物は昔から広域移動の問題があり、日弁連(廃棄物部会)の意見書・決議等でも取り上げています)。

それが、6月の廃棄物部会の会合の際に、千葉で廃棄物処理の問題に取り組んでいる方から「秋田の方から本件の相談を受けている、ぜひ日弁連で取り上げて欲しい」とのお話をいただいた際、恥ずかしながら初めて千葉から秋田に灰が搬送されているという話を知り、それが現行法で何ら規制されていないことに些か驚くと共に、「自圏内の生活ゴミ」たる一般廃棄物は、自圏内処理されなくてよいのか(他圏なかんずく過疎地域に搬送するのは、そこに一定の対価が介在するにせよ、「都会の厄介払い(エゴの押しつけ)」という性格を帯びるのではないか)」と感じずにはいられませんでした。

とりわけ、私の場合、「廃棄物問題への関わり」の原点(他の事件に関わったことがありませんので、現在まで実質的に唯一の実体験)になっているのが、「都会の膨大なゴミ(産廃)がまるごと故郷の山奥に不法投棄され、莫大な撤去費用が被害県に押しつけられた」事件である岩手青森県境不法投棄事件であるだけに、余計に、千葉の焼却灰が秋田に埋め立てられているという話を聞いて、同様の「嫌な感じ」を受けた面があります(それが、長年に亘る「東北と中央政権の不幸な歴史」に繋がる話であることは、申すまでもありません)。

そこで、秋田調査に赴く前に廃棄物の広域移動に関して少しネットで調べてみたところ、環境省が廃棄物(一廃・産廃)の広域移動を調査した報告書を取り纏めているのを発見しました。
http://www.env.go.jp/recycle/report/h27-01/index.html

これによれば、一廃については、「関東→北日本(東北・北海道)」のみ膨大な焼却灰が搬入されていることを示す図太い流れがあり、他のエリアは全く広域移動がないという、ある意味、異様とも言える表示がなされています(但し、よく見ると東京は域外搬出がありません。奥多摩方面に大規模な処分場が建設された影響でしょうか)。他方、産廃の場合、東日本は中部以東は北日本、以西は九州・沖縄という太い流れが示されています。

要するに、現在の社会では、「首都圏の生活ゴミ(一廃)は、首都圏で焼却し、その灰を北日本などに埋め立てている」という実情があり、少なくとも、搬入・搬出の双方の住民などが、そのことについて知らなくて(問題意識を持たなくて)よいのかという点は、強調されてよいのではないかと思います。

もちろん、「廃棄物の広域処理の何が悪いのか。管理型処分場(遮水シート)は安全だ(汚染の外部流出は基本的にない)というのが国の説明じゃないか。現在の「廃棄物処理の市場」を前提とする相当な対価も払っているじゃないか。そもそも、廃棄(消費)の前提となった物自体が、都会で生産されたものではなく地方をはじめ全国・全世界で生産されたものなのだから、廃棄物も生産側に戻してよい=消費地を廃棄地とすべき理由もないじゃないか」といった主張も、一定の説得力がないわけではありません。

これに対し、処分場絡みの紛争に取り組んでいる方々は、「遮水シートは耐用年数や破損などの問題があり、万全では全くない。だからこそ、現在の処理費用も原発の電力料金のように破綻リスクを含まない不当廉価というべきだ(だから、排出者側は十分な責任をとってない)」という主張をしており、私自身、どちらの主張が正しいか軽々に判断できる立場にありません。

今回の秋田調査でも、上記に述べたようなことを住民の方に説明した際、問題意識を共有して下さる方もお見受けしましたが、そのような方は多くはなく、秋田県庁の方と話した際にも、「県議会で、そのような観点からの反発はあったようだ。もちろん、ゴミの搬入自体は県民の一人として嬉しい話では全くないが、業者自身(GF小坂)が現行法上は優良業者と評するに足るもので、地元の産業振興の観点(同和鉱業グループ及びこれに依存する地域住民の雇用の存続)からもやむを得ないのでは」といったコメントをいただいており、こうした感覚は、受入側の認識としては典型的なものではないかと思われます。

ただ、少なくとも、千葉県民は「地元のゴミ(焼却灰)を引き取って貰っている」ことについて何らかの謝意を秋田側に示すべきではないかと思いますし、そうしたことも含めて、資源循環システムの全体像のあるべき姿も視野に入れつつ、社会における物の生産、消費、廃棄のあり方などを、多くの方々に検討いただければというのが、何かと犠牲を強いられやすい「流入圏」側の住民の一人としての願いです。

3 おまけ(隗より始めよ)

私は、家庭都合(兼業主夫業)や資力(最近話題の「弁護士の貧困」に残念ながら当方も無縁ではありません)などの事情から、廃棄物部会の現地調査(全国各地への出張)に参加するのも久方ぶりだったのですが、宿泊先に歯ブラシを持参するのを失念したので、宿の「使い捨てブラシ」を利用し、そのまま持ち帰り、歯磨き粉ともども、最後まで使い切りました(今回のブラシは1回で駄目になるような品質のものでしたが)。

日弁連廃棄物部会が取り組んでいた不法投棄問題などの総括をした平成22年人権大会決議では、「廃棄物の発生抑制」の見地から宿泊施設の使い捨て商品の有料化など(使用抑制)を提言しており(理由第3の1)、そうした観点も含め、私自身の戒め(或いはケチ病)として、なるべく自宅から持参し、失念したときも上記のようにしているのですが、全国の弁護士でそうしたことをきちんと行っている人がどれだけいるのだろうと疑問を感じざるを得ない面もあります。

余談ながら、日弁連(公害環境委員会)の会合のため上京すると、ご自身は地球温暖化防止などと言いつつ、館内はとても寒くて厚着を要する設定温度になっていたり、洋式トイレには「地球温暖化防止のため蓋を閉めよ」と紙が入っているものの、いつも開けっ放しになっていたり(掃除の方がいつもそうしているのでしょうか?だったら、一声かければいいのに・・)、私のように事務所でほとんどエアコンを付けない人間からすれば(事務局エリアからの送風で足りるとしていますが、少し汗ばみます。ですが、それこそが夏というべきでしょう)、残念に感じてしまいます。

上記に限らず、日弁連が社会一般に向けて何らかの意見を出していても、それに即した実践を会員個々に率先して求めるという話を聞いたことがなく、例えば、脱原発を標榜するなら日弁連会館はエアコン禁止(送風のみ)、エレベーターは原則として4階以上の移動のみOK(3フロア分までの移動は階段で歩きなさい)とするなど、「脱電力(浪費)」を率先して会員に強制する姿勢があって然るべきではないかと思います。

震災直後に平成23年4月に東京に行ったときにも似たようなことを思いましたが、日弁連に限らず、夏の東京の建物はどこに行っても岩手より寒い感じで、「おさんぽ怪獣」ことシン・ゴジラに放射能をまき散らして貰わないと「東京(ひいては日本社会)というエゴの塊」は何も変われないのかも知れません。

弁護士の横領に対する予防策としての監査と優良事業者認証の制度

成年後見などで親族後見人(事件当事者)どころか弁護士等の横領まで生じているということで、日弁連が弁護士の横領事案で被害者に500万円~2000万円程度の見舞金を交付する制度が導入される見込みが濃厚となっています。
http://www.asahi.com/articles/ASJ856QV7J85UTIL04Y.html

ただ、肝心の予防策については、一般会員向けに伝えられている話の限りでは、抜本的なものと言うには遠く及ばない印象です。

この件(弁護士の横領の問題)については、以前に盛岡で生じた事件を題材にブログで詳細な投稿をしたことがあり、「抜本的な解決をしたいのなら、韓国の不法投棄対策に倣って、被害額の全部補填を前提とする共済又は保険制度と組合・保険会社による業務監査制度を検討してはどうか」と書いたことがあります。

それはさておき、こうした制度を導入することで、改めて、「不良会員(悪徳弁護士)のため一般の会員が犠牲になるのはおかしい、予防策を強化すべきだ」という声が内部から上がってくることは優に予測されます。

上記の共済や保険制度は過激すぎて無理があるのでしょうが、次のようなもの(監査法人への収入・資産の報告義務を通じた監視監督システム)なら、日弁連などがその気になれば導入できるのではと思い、ちょっと書いてみました。

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①日弁連の主導で各単位会(地元弁護士会)が監査法人と契約し、各会員(弁護士と弁護士法人)は、最低でも毎年1回、確定申告と資産一覧表を委託先の監査法人に提出する(提出義務の不履行は懲戒処分に直結。以下、原則同じ)

②監査法人は、提出資料から生計を営めない収支が続き、めぼしい資産もない(のに遊興費の疑いのある支出が散見される)などの「横領リスク」の前兆を感じさせる会員があれば、日弁連の嘱託職員(専従弁護士)に通報し調査を開始。場合により、監査法人を通じて会計監査を行う。

③その上で、さらに問題がある(業務を停止させたりトラブル防止の見地から業務のあり方を大きく改善指導する必要があると判断された)場合には、地元会の名において?日弁連の嘱託職員を通じて業務監査を行い、メンタル問題等も含め、本格的な業務の是正等を行わせる(顔の見える関係にある「地元会員」だけの業務監査は酷ないし監査の実があがらないので、赤の他人=日弁連が関与すべき)。

④そもそも、①の制度などを通じて優良事業者認定制度などを構築し、その認定を受けた者でなければ、高額な預かり金が生じる事案は(少なくとも裁判所等からは)受任できない仕組みにする(全会員の申告義務が困難であれば、先行して導入する優良事業者認定に申告を絡める形で、事実上、申告者のみ高額事案を受任できる仕組みにする)。

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ここまで徹底すれば、巨額横領の防止には相応の予防力を発揮しそうですが、プライバシー侵害?だとか、たたでさえ先細る一方の弁護士業界が公認会計士にまで搾取されるとか、「町弁向けの粉飾決算支援コンサル」なんて変な奴まで出てくるんじゃないかとか、弁護士自治の崩壊に繋がるだとか、ケチを付けようと思えばいくらでも付けれそうな気もします。

ともあれ、ここに書いた程度のことは全国の少なからぬ同業者の方々が「将来あるかもしれない道」として危惧しているでしょうから、どのような結末になるにせよ、社会にとって(まじめな業界人にとっても)より少ないコストでより内実のある成果をあげることができるような仕組みと業界文化・慣行を構築していただきたい(私自身も地道な努力を重ねていきたい)と思っています。

岩手の弁護士の「Webサイトの歴史」と、そこから見えてくるもの(後編・県内の各事務所のサイト開設状況と特徴)

前回に引き続き、岩手の弁護士に関する「Webサイトの歴史」をテーマに取り上げます。といっても、前回は当事務所の実情を中心とした説明でしたので、今回が「本番」のようなものです。

まず、前回述べたとおり、「岩手でWebサイト(以下「HP」と表示)を作った最初の法律事務所」が当事務所であることは間違いないと思いますが、「最初の弁護士」であれば、正しくありません。

お名前を出してよいか分かりませんが、平成14年か15年頃?に、現会長である小笠原基也先生が個人としてのHPを開設されているのを拝見したことがあります。弁護士としての業務よりもご自身の趣味(B級グルメ?)に関する話題が中心だったように記憶していますが、残念ながら現在は閉鎖されているようです。

以下、私が把握している限りで、現在HPを開設している県内の法律事務所を大凡の開設時期順に列挙します。

他にもサイトを拝見したことがありますが、理由は存じないものの、現時点では閉鎖され閲覧できない状態になっていましたので、ここで取り上げるのは止めておきます(新サイトを開設されているのかもしれませんが、確認できておりません。ご存知の方はお知らせいただければ幸いです)

また、iタウンページや弁護士紹介サイトなどに登録されている方なら他に何人かお見受けしていますが、ここでは「事務所自身のサイト(HP)」を開設しているという方に限って取り上げています。

1 当事務所(H17。盛岡)
2 小原恒之先生(リーガルスピリット。H20頃。一関)http://www.obara-law.jp/index.html
3 前田毅先生(早池峰。H23頃。花巻)http://www.hayachine-law.com/
3 八木橋伸之先生(岩手総合。H23頃。盛岡)http://iwatesougou-law.jp/index.html
3 熊本賢吾先生(H23頃?。一関)http://kengo-law.jp/index.html
4 川見哲一先生(岩手銀河大船渡。H24。大船渡)http://gingaoofunatojimusho.seesaa.net/

5 安部修司先生ほか(はなまき。H25。花巻)http://www.hanamaki-lo.sakura.ne.jp/index.html
5 千田實先生(H25頃?。一関)http://www.minoru-law.com/index.html
5 深瀬墾先生(H25頃?。北上)http://hiraku.jp/
5 桝田裕之先生ほか(セントラル。H25。盛岡)http://cent-law.com/
6 村井三郎先生(H26。盛岡)http://www.morioka-murai-law.com/index.html
6 吉田瑞彦先生(H26頃。盛岡)http://iwate-law.com/
6 加藤文郎先生(岩手銀河水沢。H26。水沢)http://iwateginga.sakura.ne.j  p/wp/
7 小野寺泰明先生(H27頃。盛岡)http://lawyer-yasuaki.sakura.ne.jp/
8 川上博基先生ほか(H28頃。盛岡)http://kawakami-law.com/index.html

パートナー方式で経営されている(と思われる)事務所は「ほか」を付し、加入弁護士の先生(全員)が恐らくイソ弁(勤務者)と思われるところは複数事務所でも「ほか」を付さずに表示していますが、正確には存じていない先生も多く、その点はご留意下さい。また、全部で15件もありますので、H25前後で一行あけています。

よく見ると、分かる人にはすぐ分かるのですが、「岩手で弁護士としてのキャリアをスタートした人」は、最近開設した方々を別とすればあまりおらず、早い段階でHPを開設している方々は、ほとんど全員が東京や仙台で弁護士としてのキャリアをスタートさせ、それから岩手に移転してきた方になっています。

この点は、地元のご出身で最初から岩手で登録するなど、地縁=人脈=受任ルートの多い方は、十分な受任件数(体制)があり、「宣伝ツール」としてのHPは必要としていないということを示しているのかもしれません。

また、八木橋先生のように「岩手・盛岡を代表する有力弁護士」と認知されている先生のサイト(内容・体裁)は、宣伝(集客)目的というより、顧客たる企業・団体さんなどとの関係でHPくらいは作っておくべきというお考え(一種の企業イメージ戦略)に基づくのではないかと思われますし、他にも有力な先生のHPでそのような印象を受けるものがあります(宣伝色の薄いHPは、東京の大事務所などによく見られます)。

そんなわけで、「岩手でHPを作成する法律事務所のまとめ」としては、総じて次のようなことが言えるのではと思います。

・東京など「外」から来た人(外で働いた経験のある人。特に若い世代)ほどHPを作る傾向がある。地元出身者や最初から岩手で開業(弁護士登録)し、すでに一定のキャリアを積んでいる方は、最近までほとんどHPを作らなかった(特に、盛岡)。

・岩手の法律事務所のHPは、平成25年頃に一気に増えた(これは、弁護士激増や債務整理特需の終焉による地方の町弁の業界不況が本格化したことと同じタイミングである)。

・当事務所を例外とすれば、HP作りはもともと県南・花北で盛んだったが、近年は盛岡でも広がり、市内で最有力(代表格)と目されている先生方が次々にHPを開設するようになってきている

・中には、ご自身(事務所関係者)ではなく本格的なHP作成業者やコンサルタント?に依頼し東京の事務所のような強い広告効果を意識していると見られるHPもあるが、全体としては手作り感のあるものがほとんど。

・イソ弁の加入などにより複数事務所となった(或いは規模が拡大した)時点でHP開設に踏み切る先生(法律事務所)は、割と多いように感じる。

・県内の日弁連ひまわり基金事務所や沿岸地域の事務所は、HPを開設しているところがほとんどない(現時点で確認できたのは、大船渡の川見先生のみ)

そんなところで、色々と感じたことを好き勝手に書き連ねましたが、やはり我々「岩手(地元)の弁護士」にとっての商売敵は、岩手で起きている事件(弁護士の支援を必要とする法律問題)を、派手な宣伝など何らかの「事件・当事者にとって、遠方の弁護士に依頼するのが必ずしも合理的でない理由」でさらっている東京や仙台その他の弁護士というべきだと思います。

そうした方々との「大受注競争」に負けないためにも、各人が個性を発揮したり研鑽を高め、そうした「地元業者の価値の増進」のため結束して立ち向かう仕組み作りや意識の涵養、さらには県民・県内企業などへの認知や信頼を高める努力が必要なのではと思っています。

などと偉そうなことも申しましたが、残念ながらそうしたことを話す機会も相手もなく、昔も今も独り不平を託っているというのが私の恥ずかしい実情です。