北奥法律事務所

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新型ウイルス禍

ウイルス禍で生じていたDV等の問題と駆け込みホテルなどの解決策

ウイルス禍の真っ最中であった3年ほど前の話ですが、学校の休校と企業の自宅待機(リモート)が長期化した結果、自宅内にストレスを抱えた家族内で虐待問題が生じたとの報道が時折とりあげられていました。
「子どもに手をあげた」親からの相談相次ぐ 名古屋のNPO | NHKニュース

家族全員を自宅に長時間、閉じ込めることで、家庭内の感染リスクのほか、以前から家庭が抱えていた問題が子供など家庭内弱者への各種DV被害の形で発現することは、世界中の報道で予測されていたことですが、それに関する実効性のある予防策などのニュースを目にすることがないまま終わったように思われ、残念に感じます。

数年前、盛岡市内の某著名ビジネスホテルが、所在する地域の小学4年生を対象に宿泊体験の企画(参加する子供が夜にホテルに来て宿泊し、そのまま朝に登校するというもの)を行ったことがあります。

例えば、ウイルス禍が再発しホテル等が再び閑古鳥などという事態が生じたときは、いっそ「駆け込みホテル宣言」でもしていただき、自宅で過ごすことに支障のある方を受け入れてもよいのでは(内容に応じて一定の利用費は公的補助)と思いました。

また、休業居酒屋なども、そのような方を対象に食事を提供等するサービス(同上)を行うなどという形で、関係者を救済すると共に仕事や金の流れをつくる努力があれば良かったのではと思います。

そのような形で、公的ニーズと民営サービスを繋ぎ合わせる工夫が、現在の状況下でも色々と求められているのではないかと思われ、関係者のご尽力を期待したいものです。

「絶対安全の居酒屋」による飲食店(酒類提供店)の救済方法

菅政権の飲食店に関する感染防止対策については、迷走気味の印象が否めませんが、官に頼らず民の側で可能な究極の解決策?として、次のようなものを考えてみました。

【虚構新報いわて支部ニュース】

ウィズコロナ完全対応を謳う、新感覚の居酒屋が登場しました。

先月、盛岡市内にオープンした、その名も「居酒屋だまれ」です。

店先には等身大の「黙食!」の看板が掲げられ、店内にも随所にその掲示が。

ヒソヒソ話は許されますが、大声はもちろん周囲に何を話しているか聞こえる音量での会話は厳禁です。

注文も全てタッチパネルで、店内の滞在も原則1時間から最大で90分以内とされますが、お酒も料理も品揃えがよく、パネルには組み合わせの推奨コメントも表示され、会話を諦める代わりにお酒と料理を味わうことに力が注がれています。

もちろん、換気など一般的な感染予防対策もバッチリです。

どうしても会話をしたい人のために、座席には小型のホワイトボードとペンも用意されています。中には飲食しながら目の前の人に向かってLINEで美味しいと伝える人もいるそうです。

黙食を守らずに騒ぐ人は「ひそひそリーダー」のプレートを付けた店員や他のお客に、必要なことだけをヒソヒソ話すよう注意され、それでも従わなければ、強面の店長に退店を命じられます。

そんな怖い居酒屋に誰が来るんだろう・・と思いきや、なかなか繁盛しているようです。

運営会社のT社長は、狙いを次のように語ります。

「お酒自体はウイルス蔓延の原因ではないのに、お酒ばかりが悪者のように扱われる今の社会に一石を投じたかったんです。

お酒が悪者にされたのは、本人が自覚したくても自覚できない発症直前や無症状の人が会食で延々と話をした場合に、飛沫で他の人を感染させる例が多くみられたからですよね。

なので、感染原因としての「会話」を徹底的に断ち切り、その代わり美味しいお酒と食事はとことん楽しんでいただきたい。これが、当店のコンセプトです。

「だまれ」なんて怖い店名ですが、支那そばやで一世を風靡した、故・佐野実氏をイメージしたんです。あのラーメンも、純粋に味を楽しむことを追求したものですよね。

開店当初は色々と不安がありましたが、意外なことにカップルの利用も多いんですよ。いわく、会話が許されない非日常な空間を二人だけで共有したり、自分達だけの「美味しい」のサインを作り出すことで、かえって密な関係が深まるのだとか。

基本的にはコロナ禍の終焉までの期間限定のお店ですが、できれば全席にキーボードとモニターを取り付け、その場で仲間同士が閲覧できる会話を入力しながら飲食する方法も推奨してみたいです。

ともあれ、歓談の場を提供できず申し訳ありませんが、その分、お酒と食事の質には自信があります。当店なら、お酒を伴わない飲食店以上に、クラスターや感染拡大の心配はありません。ぜひご来店ください。」

来月は東京に2号店を出店し「これだけ完璧な感染予防対策を強いたのだから、お酒の提供を禁じたり時短を強いる正当理由は全くない。完全に通常営業でやります。行政がどんな嫌がらせをしても、絶対に裁判で勝ってみせますよ」と息巻くT社長。

お店では、黙食の励行のため、来客が騒いで退店を命じられるケースを撮影した映像も用意しており、タッチパネル画面で閲覧できます。

T社長の知人で、クレーマーと帰還兵を演じれば盛岡随一というY地さん、サングラスをかければ西部警察の大門警部を彷彿とさせるY田さん、盛岡某RCの鈴木京香と松嶋菜々子と称されるKさんとNさんが、大騒ぎして追い出される来客グループ役を買って出て、地元TVの出演経験が豊富なT社長も、退店を命じる店長役を熱演しています。この映像を楽しみに来店するお客さんも多いのだとか。

最後に、コロナ禍以前から宴会でも黙食を実践する黙食専門家ことオボナイさんに、一言伺いました。

「ようやく時代が私に追いついてきましたね。私なんて家族との会食もすべて黙食で本ばかり読んでますよ。え?家族に見放されているだけだって?余計なお世話です。」

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と、戯言はさておき、飲食店や酒販業界、消費者の方々も、「国の施策は間違っている、酒を悪者にするな、自分たちをいじめるな」などと批判なさるだけでなく、可能であれば、このような「酒を悪者にせず、現下の状況でも安全に酒食を楽しむことができる方策」を考えて、様々な方法で実践していただければ良いのではと思っています。

※この記事は、末尾の一部を除いて全てフィクションであり、登場する方々も実在の人物ではありませんので、モデルの方々と勘違いなさらぬよう、ご留意下さい。自分のことかも・・とお感じになった皆様も、ご容赦のほどお願いします。

テイクアウト支援の彼方に消えた「使い捨てプラスチック問題」のいま

新型ウイルス禍の影響で居酒屋支援も兼ねてテイクアウトが推奨され、4月から5月にかけての私のFB画面も、優雅なお友達(from妖怪ウォッチ)の皆さんの高級グルメ投稿がめっきり姿を消し、テイクアウト弁当の投稿が花盛りという印象になっています。

それ自体を批判するつもりは毛頭ないのですが、こう見えて、6月まで日弁連公害環境保全委員会の廃棄物部会長をつとめており、「プラごみの河川・海洋流出などによる環境汚染と生態系や人類への脅威に立ち向かうため、使い捨てプラ容器の使用を削減すべき」という運動にほんの少しだけ関わっていましたので、様々な美名のもと使い捨てプラ容器の使用が推奨され、やがては大量廃棄・焼却=温暖化や廃棄ルートの不整備による河川流出などに繋がるであろう光景に、どうしても抵抗感を抱かざるを得ない面があります。

また、つい最近まで「SDGSバンザ~イ、わたし環境意識高い系です!」的な花火を打ち上げていた方々が、その点で影響力のある提言、活動をしているなどというニュースが伝わってこないのも、残念に感じます(日弁連がその最たるものかもしれませんが・・)。

で、弁当だって、昔は(今だって都内で有名な玉子屋さんのように)弁当業者が用意した容器を繰り返し利用するものが当たり前だったのですから、その時代に戻すことはできないのかと残念に思います。

もちろん、飲食店側にしてみれば、やむを得ざる事情から臨時にテイクアウト弁当を手がけただけで、自前でリターナブルの(繰り返し利用できる)弁当容器を用意する=その経費を投入するのは無理があるでしょう。

そこで、例えば、商店街や複数の居酒屋店舗が連携するなどして統一の弁当箱を作り、弁当箱はデポジット制(容器代として容量などに応じ数百円とし、店舗又は元締め的な団体に返却すれば箱代が戻る。希望者は返却せず使用してもOK)とするような取組があればと思っています。

繰り返し利用したい人は、夕方(帰宅時)などに、次に発注予定のお店に弁当箱を預けて代金を払い、洗って貰った上で明日にその店の弁当を取りに行く、などのやり方ができそうに思いますし。

弁当箱はなるべくプラ以外の材料(大館曲げわっぱのような?)で軽量化を目指すべきですが、重さがあって自分で取りに行けないものはタクシー配達に限らず様々な工夫をして少額での配達を目指していただければと思います。

弁当箱の初期費用は最初は補助金などに依存せざるを得ないかもしれませんが、SDGSに熱心なカッコイイ大企業やふるさと納税が大好きな全国の資産家の皆さんなどに支援をお願いするなど、あの手この手のやり方で回収を考えていただきたいです。

また、お店と客が顔の見える者同士であれば(言い換えれば、お店側がOKと認めた者だけに限定する形などで)自前の弁当箱を預けて、その中にお店の裁量で色々と詰め合わせてもらう、というやり方もあってよいと思います。

綺麗なものを預けることが前提なので相互信頼が不可欠ですが、昔から魚屋さんに立派な皿を預けると刺身を盛り付けて貰えるそうなので、信頼関係や工夫があれば、できないことはないはずですし。

なお、弁当箱のデポジットが現在の社会で存在しているのか調べたところ、大学生協などで利用されているとの記事を見ましたので、参考にしていただければと思います。

ともあれ、テイクアウト(持ち帰り飲食物)を推奨せざるを得ないとの前提が当面動かしにくいのであれば、なるべく使い捨てプラ容器に依存しない方法で飲食店支援の花を咲かせていただければ、弁当容器を捨てるのさえ勿体ないと感じるケチでビンボーな町弁も安心して利用でき、有り難いと思っています。

まあ、先日の解除宣言により、一気に従前に逆戻りという展開もあり得るのかもしれませんが・・

企業倒産の実務と経営者保証ガイドライン(盛岡北RC卓話)

先日、盛岡北RCの卓話を担当したので、時勢も踏まえ、企業倒産の実務を取り上げることにしました。

金融機関以外にはほとんど負債のない事業者であれば、経営者保証ガイドラインにより破産よりも遙かに良好な解決を得やすいのですが、世間一般には知られていませんので、同GLに力点を置いた説明にしました。

卓話で用いた事例とレジュメの目次を掲載しますので、事業者の方などは参考にしていただければ幸いです。

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小問1 

岩手県内で物販業(一般向けの生活用品の販売等)を営むA社の代表取締役Bは、長年に亘りA社の営業不振が続き、日々の運転資金の支払も銀行借入や各種債務の延滞などをしなければ困難な状況に陥り、現状では営業の継続は不可能と考えた。A社は、銀行3社(岩銀、北銀、みずほ銀)に計1億円(岩5000万円、北3000万円、み2000万円)、取引先20社に未払買掛金計2000万円(最大500万円、最小10万円)、未払公租公課(税金、社保料など)4庁・計500万円の債務があり、賃金も2ヶ月分・従業員10名計400万円が未払となっている。

他方、現時点の資産は、手持ち現金が50万円、未収売掛金が10箇所計300万円、商品在庫などが多数(定価どおりに販売できれば1000万円以上だが、販売目処の立たない老朽在庫も多い)となっている。

Bは、銀行3社(1億)と取引先も4社ほど(800万円)、連帯保証している。

A及びBの債務問題を解決するため現実的に可能な法的手続は何か、法的手続の概要や、受任弁護士が特に検討・対応すべき課題などを説明しなさい。

小問2

岩手県内で飲食店を営むC社の代表取締役Dは、先般から社会で生じた問題により数ヶ月売上の急減が続き、手持ち資金に余裕があるうちに、経営継続を断念することとした。Cの債務は、金融機関2社に計5000万円(東銀3000万円、公庫2000万円。D保証付き)のほかは、20万円以下の小口の買掛が数件あるのみである。他方、Cの営業資産は限られたものしかないが、現在300万円の現預金がある。Dは預金300万円のほか、数年前から住宅ローン返済中の自宅があり、Dは近々転職し給与収入で住宅ローンの支払を続けたい希望である。

C及びDにとって最も賢明な「店じまい」を実現するための法的手段は何か。また、実現にあたって特に検討すべき点を説明しなさい。

【目次】

第1 様々な債務を抱えながら資金枯渇した企業の倒産処理
1 企業の債務整理・倒産処理に関する法的制度
2 個人の債務整理・倒産処理に関する法的制度(参考)
3 東日本大震災で被害を受けた企業等を対象とする特例的な救済手続
4 新型ウイルス禍に伴う支援制度の紹介例や弁護士会等の取組み等

第2 小問1 多額・多様な債務を負う一方、現預金が足りない企業の場合
1 A社の手続の選択と初動対応
2 破産手続(申立後)の一般的な流れ
3 Bの手続

第3 小問2 ほぼ金融機関の債務だけの小規模事業者が早期撤退する場合
1 C及びDの置かれた状況と方針選択
2 経営者保証GLスキームに基づく会社債務の整理(換価・弁済)
3 経営者保証GLスキームに基づく保証債務の整理

第4 結語
かつてのように「生命保険で支払う」などは絶対にしない・させない

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以上の内容について、ご自身(の所属団体など)で話を聞いてみたいという方がおられれば、ご遠慮なくお声がけください。

「10万円(特別定額給付金)」が家族を壊す?光景と、後先考えずに給付政策を推進する怖さ

安倍内閣が世論(マスコミ・公明党・野党など)の強い意向に応じ渋々?導入した「1人あたり10万円の給付政策」(特別定額給付金)について、受給した家庭内で世帯主がお金を独り占めするような行動に出るなど、家族間でトラブルが生じている、という報道が出ています。

私は、震災時の相談経験をもとに、10万円政策が採用されたときから、この点を危惧しており、4月21日にfacebook上で以下の投稿をしていました。

その投稿を、微修正の上でそのまま掲載しますので、ご自身のご家庭はもちろん、今後の政策(の支持など)の参考にしていただければ幸いです。

なお、引用したニュースで解説されている弁護士の方は、制度の解釈として「権利(財産)は世帯主に帰属し、構成員(家族)個人が世帯主に引渡請求権を有しない」との考え方を支持(採用)されています。

その当否を今、論じることはできかねますが、このような考え方=世帯主が正当な理由なく独り占め・浪費等しても何も言えないとの考え方が罷り通れば、当然ながら、全国の多くの家庭で不公平を強いられた側による何らかの爆発が生じることになるでしょう(ただでさえ、現下の情勢で高ストレスを感じて、はけ口を求めている方は多いでしょうし)。

そうであればこそ、そのような問題を抱えた(のかもしれない)制度が設計されたことや、そのようなリスクを看過して徒に熱狂?したこと自体、政府であれ国民であれ、反省を要するのではと感じています。

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(以下、4.21のFB投稿)

先日、すったもんだの末に決まった「10万円給付政策」は、報道によれば、世帯主が世帯全員の金額を申請し、しかも、世帯の構成員各人名義の口座に個別に送金するのではなく。世帯主の口座に全額がまとめて送金するのだそうです。
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/414095

私は予言します。これにより、全国の膨大な数の家庭で給付金を巡り泥沼の紛争が生じ、潜在的な不和が拡大再生産されると。

岩手の方はご承知のとおり、先の震災では、義援金や支援金などの名目で、被災者・遺族の方々に多額の金員が支給されました。

私は震災直後から長年に亘り、1ヶ月に1回以上の頻度で県内沿岸部(被災地)各地の避難所を巡ったり臨時相談所を担当してきました。

震災から半年~2年頃の時点で私が受けた相談のうち最も多かったのが「義・支援金が、世帯主の口座に送金された後、(世帯主=受領主のキャラ等に問題があるとか従前から様々な形態の不和があるため)独り占めして家族に渡さないので困っている、という類の相談でした。

遊興費などに費消する類の話から、親族構成が複雑で、そもそも当該御仁が代表者として受け取ること自体に問題があると感じるケースが多かったように記憶しています。

ですので、私は「震災でどのような相談が多かったか」と聞かれるたびに、この話を持ち出して、法改正など=個人ベースで受領できるように改正するのが必要だと訴えていますが、岩手弁護士会きっての窓際三下野郎の悲哀のせいか?誰も相手にしていただけず、現在に至っています。

結局、今回もFBの片隅でこのように注意喚起するだけが精一杯ということになりそうですが、潜在リスクに不安を感じる方々は、例えば、送金先通帳を共同で管理するなど、現実的に可能な範囲の方策を講じていただければと思います。

余談ながら、平成28年11月に弁政連岩手支部と岩手県議さん達との懇談会の際にも、この話をしたことがありましたので、ご参考までにブログ記事を紹介します(岩手県議さん達の悪口を言う気はもちろんありませんが、この際も、いつもと同じく皆さんに聞き流されておしまい、というのがお恥ずかしい現実です)。

ちなみに、「一世帯で合計いくら」という、世帯内部で誰にどのような権利(資格)があるのか全く分からなかった義支援金は、分配を巡るルールがないという意味で、争いの種になりやすかったのですが、今回は、個人一人一人に受領する資格があるという形なので、義支援金に比べれば、自分にきちんと分けなさい、と内部で言いやすい(引渡などの請求権が認められやすい)とは思います。

大半の家庭では問題は生じないでしょうから、送金側の手間も考慮し申請・支給の原則は世帯単位でもやむを得ないとは思いますが、会内などでよく指摘されるDV絡みのように、世帯主が全員の利益を代表しているとは言えない事案で弊害が生じないよう、対策を講じるべきです。

例えば、申請にあたっては、受給者全員の署名捺印を原則必要としたり、世帯主に申請を任せられないと思う人は自ら申請して正当な理由があればなるべく簡易な審査で個別受領できるようにするとか、それらの問題がある世帯でなくとも、送金については受給者ごとの個別送金の希望があれば認めるなど、弊害防止等のための例外措置を定めておくべきではと思っています。

ウイルス禍における賃料問題と廃業支援としての経営者保証ガイドライン

新型ウイルス禍で休業等を余儀なくされる飲食店などが休業期間中も賃料の負担を余儀なくされ廃業等に追い込まれる(ので支援を要する)という問題は、4月下旬頃から都道府県や国レベルで様々な救済策が検討・実施され、今も流動的な状況にあると思われます。

私自身は3月頃には賃料問題は今回の件で特に立法的解決が求められる問題ではないかと思っていましたので、この報道(論点)の行方には強い関心があります。

この種の事件を手がけておらず、込み入った検討はしていませんが、一般論として、ウイルス禍による休業を理由に貸主に賃料を請求する法律上の権利が借主にあるか(現行法上認められるか)と言われれば、貸主から使用停止を求められるなどという特段の事情がない限り、非常に厳しいのではと現時点では思っています。

他の先生のブログで、物件価値の大幅下落を前提とした賃料減額請求が検討されていましたが、その先生も、その場合は鑑定が必要になるなど現実的ではないと仰っていたと記憶しています。

他方、借主が望まぬ休業で契約上予定していた使用収益(による賃料原資の獲得)ができず、塗炭の苦しみを強いられているのに、貸主のみが何のリスクもなく契約どおりの賃料を支払え、というのは社会的公正ないし公平の観点から、相当に違和感があります。

その先生のブログでは、貸主側からの相談で、借主より強硬な減額要請を受け、やむなく応じているとの話を幾つも受けているとの記載があり、実際には貸主も大変な目に遭っている事案も多いのでしょうが、現行法でルールがないため「良心次第・交渉(大声)次第」という歪な状態になり、トータルで不公正な光景も相応に生じているのではと危惧されます。

結論として、疫病などで休業が不可避の状況にある場合は、一定の算式を作成して相応の減免等の請求を簡易に認めると共に、貸主(ひいては、その先にある銀行等)にも、相応の受益的措置(建設費などのローン支払猶予と利息停止や債務減額、固資税などの減免その他)を講じるような法的措置を早急に講じていただければと考えています。

話は少し変わりますが、厳しい経済情勢に伴い全国的には廃業や倒産の報道も増えてきましたが、当方に関しては、現時点でそのようなご相談はまだ全く受けていません。

小規模企業の債務整理に関しては、最後の選択肢である破産と、現状では金額面で利用困難な民事再生のほか、事案次第では利用でき、自宅の維持確保など破産などよりも遙かにメリットの大きい解決になりやすい「経営者保証ガイドライン」という、第3の選択肢があります。

田舎の町弁にはあまり接点のない(ので、岩手でも経験のある弁護士は多くはないはずの)手法なのですが、私は2年ほど前に小規模な福祉施設の店じまいの事案で活用しており、先般も、ウイルス禍が原因ではありませんが、店じまいをせざるを得ないという小さな地元企業さんで、GLで解決できる事案を受任し、現在、各種対応に追われています(2年ぶりで、これが実質2件目なので、試行錯誤的を交えつつではありますが)。

経営者保証ガイドラインは世間ではほとんど知られていない制度で、私が受任した案件でも、ご本人に「本件は、個人再生が無理な事案で、破産も自宅を手放さざるを得ない、GLなら自宅を守ることができるはず」とお伝えすると、そんな制度があるのかと驚き、強い安堵を示しておられました。

それだけに失敗は許されないとの姿勢で臨んでいますが、現下の情勢により店じまいを避けることができなくなった企業の方が、GLによる解決が可能であるのに知識不足や出会いに恵まれないことなどにより、残念な選択に至ってしまうことがなければと、願っているところです。

アベノマスクに「今さらジロー」と言いたい貴方に捧げる唄

てっきりGW前にはいただけるものかと思っていたアベノマスクこと首相マスクは、聞くところでは、5月末までには、今も感染ゼロ記録更新中?の岩手県民を含め、全国民に届く予定だそうです。

諸々の事情でやり場のない鬱憤が溜まっている方は、私が子供の頃に一世を風靡した小柳ルミ子氏の「今さらジロー」の曲に沿って次の替え歌でも熱唱していただき、届いたマスク自体は決して捨てることなく、大事に使用又は保管等していただければ幸いです。

【今さらマスク】

あれは確か 4月初めの 憂鬱な夜に
ブーイング 振り払って 言い出したっけ

家のテレビ 何度も見た あなたの会見
苛立ちで わめいた日も あったっけ

今さらマスク ありがたがれと言わないでよね
すぐに届けられないと知って 頼んだくせに
今さらマスク 来るの遅いよ あたしのもとへ

あのあと買って・・ いま余る

ルルララルルララ ルルラララ
しゃぼん玉だね  支持率は

元気ですか? ひとりですか? どうしてますか?
仲間たちと 机並べて 話もできず

さりげなく消えてゆく 街かどの店
楽しかった 想い出が 胸をつく

今さらマスク 布でごめんと あやまらないで
あたしの身を 案じるなら  別なことして
今さらマスク 戻せやしない しないわきっと

賑わう日々が 今はもう・・

ルルララルルララ ルルラララ
しゃぼん玉だね  この街も

今さらマスク ありがたがれと言わないでよね
あたしたちの 行き詰まり 分かったくせに
今さらマスク 罪つくりよ あたしにとって

昔は昔・・・ 今は今・・・

ルルララルルララ ルルラララ
しゃぼん玉だね  この世界

清貧がもたらした?岩手の初優勝と、今さらながら思うあれこれ

4月には疑惑の初優勝とか避難すると逆に危険だとかWeb上で囁かれ、「自分だけは第一号になりたくない」と皆が思っていた岩手県民ですが、三日天下で終わるとの予想に反し、今も判明ゼロの状態が続いています。

田舎の県の感染のはじまりは、①1~2月に中国の観光客が置いて行った(北海道等)、②豪華客船の帰宅乗客、③2~3月の欧米など旅行の帰国者のいずれかと理解していますので、詰まるところ、岩手は外貨獲得もできず贅沢旅行等ができる金持ちもほとんどいない、ブータンもびっくりの貧乏県であることを改めて天下に示したと見るほかありません。

反面、そのせいで都会の皆さんよりは感染の恐怖を感じずに暮らせる面はあるわけで、今も昔も岩手の平和は貧乏の賜物ということになるのかもしれません。

ともあれ、そのせいか分かりませんが、首相マスクは今も来ていません。

私は10年以上前に購入した給食当番マスクを4月から愛用していましたが、同居家族より「恥ずかしくて一緒に歩けない」とのクレームがあり、やむなく同人より供給された通販布マスクを主に使用しています。

今更ではありますが、首相も、現物配布ではなく、布マスク購入費用を一人あたり限度額を定めて後日支給(或いは確定申告時に全額控除など)、という形をとれば、余計な中間経費をかけずに各自が3月中に直ちに購入し入手すると共に国内の草の根の民需喚起につながり、望ましかったのではと思いました。

同じく今更ながら、ご自身の優雅な紅茶タイムの映像を流すよりは、3月頃の時点で、首相や麻生副総理などがカンパして、宮城県CMで話題になった某女優さんが自宅で公私に亘り颯爽と活躍する映像を作成し、

「三密やめて、壇蜜しよう」

などと配信していただければ良かったのではと思いました。

同じく今更ながら、先般、舌禍騒動を起こした菊丸こと岡村隆史氏も、長年のご活躍で相応の資産をお持ちなのでしたら、対象業界の従事者や困窮問題を抱えた女性を支援する団体などに、支援金等に用いる目的の寄付をした上で世間にも呼びかけるなど、謝って終わりではない何らかの行動を起こしていただければ、大河視聴者も余計なことを考えずにドラマを楽しむことができ、良かったのではと思いました。

まあ、今更の話ばかりしても致し方ありませんが、マスクが今更とどいても、また10年以上塩漬けになりそうなので、今更な話ばかり思い浮かぶのかもしれません。

ともあれ、無事に首相マスクが届いたときには、小柳ルミ子氏の「今さらジロー」の替え歌でも歌って皆さんと「今さら感」を共有できれば・・などと、下らないことを考えてしまいます。

天竺から家庭の平穏と愛を祈る詩~ガンダーラだったら~

ウイルス禍に伴い、もう何日もご家族との予定外の濃厚接触が激増して不要不急の軋轢に悩まされている、という方が多数おられるかと思います。

逆に、一人暮らしをなさっている方は、一日中誰とも話す機会もなく、逆の意味で残念な日々だと感じておられるかもしれません。

そんなときは、懐かしい名曲をもとに作ったこんな替え歌で、モンキーマジックな日々を思い出し、心を癒やしていただければ幸いです。

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その家は 家事の多くを 放ったらかしてるよ
誰も皆やらないから 渋々こなしてた

そんなとき また後ろから 「ソレ違う」と言う声が
どうして自分でしないのだろう 教えて欲しい

それだったら だったら テメエでやりゃ いんじゃない
ダッターラ ダッターラ あんたやれ ダッターラ

甘い日々の思い出さえ 消えたと言うよ
旅立った人もいるが 切ないその背中

自由になったその暮らしは 素晴らしいユートピア?
あの頃に 夢見た家庭 まぼろしなのか

そうだったら だったら 踏ん張っても いんじゃない
ダッターラ ダッターラ 愛のくに? だったら・・

********

なお、この替え歌はフィクションです。実在の家庭とは関係ありません(笑?)。

ところで、この歌詞(替え歌)、もともと、前半(1番)が、名も無い家事を押しつけられたのに配偶者から文句を言われる夫婦の悲哀をやや滑稽気味に描いたもので(主役が男女どちらなのかは特定していません)、後半(2番)は、離婚した方々を意識して、前半よりもディープな歌詞にしてみました、というコンセプトで作っています。

が、この歌詞を読み返すと、それとは別に、「配偶者を亡くされた方が自宅で一人で家事をこなしていると、後ろから亡くなった方の声が聞こえてきた・・」という光景を描いているようにも見えます(そのような解釈が可能な歌詞になっています)。

そして、そのような見方をすれば、後半の歌詞も、前半の延長で捉えることができますし、働かない配偶者に悪態をついているように見える前半の歌詞が、実は・・ということで、グッと切ないものに見えてきます。

そんなわけで、読み手のご判断で、色々な解釈をしていただければ幸いです。

また、ウイルス禍に振り回される家庭をテーマにした替え歌ですが、時折、受任中の事件の関係者の方々に「だったら自分でやればいいのに・・」と余計な一言が思い浮かぶ身のせいか、ある意味、私の本業に通じる面もあるかもしれません(これも、また余計な一言ではありますが・・)

うなうなディスコとかけて、ウイルス禍の外出自粛と解く

ここしばらく、本業の優先(或いは加齢による深夜の気力低下?)が原因で、ブログの更新ができていませんでした。

が、ウイルス禍の影響?で当方も新規のご相談や受任が減少傾向にあり、溜まった起案をこなしつつありますので、まずは、以前にFBに載せた文章を中心に、ブログへの投稿を再開していきたいと思います。

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私が行きつけのスーパーでは、数年前から「うなうなディスコ~♪」という曲が頻繁にかかっており、最初は耳を塞ぎたくなるほど辟易していましたが、今では中毒に近いような状態になっています。

この曲、最初は歌詞が全く分からず、後で鰻の販促ソングだと気づいたものの、長い間「うなうなビースト」と歌っているのでは=うなうなビーストなる販促ゆるキャラのテーマソングだと思っていたのですが、昨年頃に検索し、USEN社の作詞作曲で冒頭の歌詞だということを知りました

で、どうして自分が「ディスコ」と聞き取ることができなかったのか、その理由を考えると、私が、ジュリであれアナであれクラブ云々であれ、その世界には足を踏み入れることなく東京生活が終わり全く馴染みがないため、認知バイアスが生じたのではと思いました。

ともあれ、現下の情勢に伴い、不安や不満を抱えつつ自宅で食っちゃ寝するだけで、贅肉とストレスばかりが溜まりウダウダしている、という方も多いのではと思われます。

この曲をスーパーで聴く機会がある方は、次の替え歌でも思い出して気を紛らわせていただければ幸いです。

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うだうだビースト~♪
うだうだビースト~♪

今夜もカロリー うなぎのぼり

うだうだビースト~♪ 
うだうだビースト~♪

こんなのぜんぜん 
ゴールデンウィークじゃない!

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誰かUSEN社に許諾を頼んで、どこかで歌ってくれないかな?(星野氏風に)

それはさておき、ここしばらく雑談ばかりのブログになっていますが、ウイルス禍による様々な被害への対策の必要などにも照らし、頃合いをみて、社会貢献になりうるような投稿もできればと思っています。