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行政事件

おんな達を人間にした、山と医療の光と影

6月末から遠野物語に着想を得た映画「山女」が公開されるとのことで、幾つかのWeb記事を拝見しましたが、できれば見てみたいと思いました。
福永壮志監督 × 山田杏奈主演、『遠野物語』から着想した「山女」。本予告など公開(キネマ旬報WEB) – Yahoo!ニュース

舞台が早池峰山の麓なので、岩手の寒村と言った方がよいのではと思いましたが、敢えて東北と表現したい理由があったのかもしれません(設定された時代が明治以前だからという理由なら、幕末に成立した東北という言葉ではなく、奥州=陸奥国と呼んでいただきたいですが)。

それはさておき、この記事では、予告編で主人公が死亡した嬰児に「次は人間に生まれないで」と告げながら川に流す映像が紹介されていました。

死因は予告編からは分かりませんでしたが、私が映像を見て思い浮かべたのは、当時の岩手の農村部では乳幼児の死亡率が著しく高く、それを昭和初期~前期の時代に様々な方が苦労して克服した、という点でした。

そのテーマでは沢内村の深沢村長が有名ですが、同じ時期に岩手では小規模自治体を含めて多数の県立病院が県内各地に建てられており、これは岩手県の初代民撰知事(戦後の知事)である國分謙吉(二戸出身)が推進したとも言われています。

医療の普及は、病苦からの解放というだけでなく、迷信等に由来する悪しき民間療法のような様々な不合理・非科学的な習慣を克服する面もあったでしょうから、県立病院の整備などを通じて「田舎の集団心理(ムラの論理)に起因する悪しき旧弊」が解消される効果があったと思われます。

この映画では「この山で私は人間になれた」というキャッチコピーが用いられていますが、当時のムラ(里)の世界が、多くの不合理な因習を抑圧的に強要する面があった(反面、服従の対価として集団内では位階に応じた庇護を受け相互扶助に浴した)ことは間違いないはずです。

ですので「山女になる」とは、ムラの論理から解放される=剥き出しの厳しい自然に独力で対峙を余儀なくされる代わりに、自然固有の論理(合理性)を理解し使いこなせるのなら、ムラ(帰属集団)よりも遙かに自由に、心のままに生きることができることを、このコピーは意味しているのでしょう。

そして、その言葉は、当時のムラに限らず、現代社会に生きる我々も、自身が帰属する様々な集団内に生じた非合理な抑圧(集団心理)に晒され、或いは依存したり、主人公のような内部の異端児を排除抑圧し、または自身が排除抑圧されながら生きているのではないですか?(貴方はそれでいいですか?)というメッセージも含んでいるのだと思います。

***

ところで、以前に投稿したとおり、私は現在、旧岩手県立病院が行った医療系廃棄物の大量埋設を原因とする岩手県庁などへの損害賠償請求訴訟を原告代理人として担当しており、その訴訟を通じて、今から数十年前に県内各地で行われた旧県立病院群での病院廃棄物埋設問題について、同種被害の再発を防止するため本格的な実態調査などが必要ではないかと提案しています。
岩手県立病院の跡地群での医療系廃棄物の大量埋設問題に関する県民への問題提起 | 北奥法律事務所 (hokuolaw.com)

(岩手弁護士会が会長声明なり意見書なりを公表すべき問題だとは思いますが、当事者代理人の私が要請しても無用の誤解を招きそうなので差し控えています。お偉いさんの後押しでもあれば、訴訟に触れない形で起案するのですけどね・・)

そのため、私が旧県立病院を敵視しているように感じる方もおられるかもしれませんが、上記のとおり、当時の県庁が旧県立病院群の大量設置を行ったのは、医療の普及と人命保護などは言うに及ばず、山村の人々を様々な陋習から解放するのに役立ったと考えており、そうした役割・成果は強く認識されるべきでしょう。

だからこそ思うのです。
光あるところ影あり。光強ければ影もまた濃し。

当時の時代背景に由来する旧県立病院の医療廃棄物の大量埋設問題とは、詰まるところ旧県立病院の果たした役割と表裏一体ではないかと。

そうであれば、現在の社会でも、社会や人命などを守る掛け声のもと行われ有意義なものと称賛された大規模公共事業などが、後年に巨大な負の遺産として人々を苦しめるという展開も生じてくるのかもしれません。

素人目には、防潮堤やメガソーラーなどが、その例になりそうな不安を感じますし、これからもそうした話が出てきそうな気もします。社会内で膨大に使用されるプラスチック関連製品なども、その典型なのでしょう。

今の社会を運営したり公金などを動かしている方々には、そうした事柄も考えて対処いただければと思っています。

 

岩手県立病院の跡地群での医療系廃棄物の大量埋設問題に関する県民への問題提起

前回も投稿しましたが、私が受任中の事件に関連して県民の皆さんに知っていただきたい問題がありますので、お時間のある方はご一読下さい。

具体的には、約50年ほど前、県内各地の旧県立病院に当時、医療系廃棄物が大量?に埋設され、現在も大半の跡地で未調査・未解決(放置されたまま)と思われる、という問題です。

***

私が受任している事件は、数十年前にK町中心部で操業していた旧県立病院が、当時、住民からの借地である敷地内に膨大な病院廃棄物を埋設した件で、約3年前に判明した後も、県側(医療局)が撤去や費用負担などを事実上全面拒否したため、やむなく提訴に至ったものです。

訴訟では、出土時まで放置したことへの県の責任も論点となっていますが、同種事件は平成20年前後に少なくとも3箇所の旧県立病院で発覚しており、本件は、いわば4件目(但し、借地案件では唯一)となります。

これまで、県庁(医療局)は他の3件では全て県費で埋設物撤去や費用支払をしており、本件に限って対応を拒否しているのは、他の案件が県の所有地だった(ので売買時に瑕疵担保責任を負う)のに対し、本件は借地なので瑕疵担保責任がないから埋設行為に法的責任がない、との主張に基づくものです。

埋設行為は廃棄物処理法の制定前(旧清掃法)で、県は「当時は埋設しても清掃法違反でないから原状回復義務がない(埋めて放置しても貸主に対し責任は生じない)」と主張しており、そのこと(清掃法違反の当否や公法と私法の区別など)も大きな争点となっています。

当方=貸主から土地を買い受けた者(地元自治体)は「撤去だけで数千万円を要する膨大な廃棄物を埋設した借主は当時であっても民法上の原状回復責任を負うはずだ、自分の土地(県有地)に埋設したときは撤去するのに、借地なら放置しても良いというのは非常識だ」などと主張し、大きく3つの法的構成に基づき撤去費用等の支払を県庁に求めています。

***

以上が前置きで、ここからが本題なのですが、本件で埋設行為が行われたとみられる昭和20~40年代前半頃の時点で、岩手県には現在と同じく20箇所以上の県立病院があったようです。

現時点で、埋設問題が発覚したのが本件を含む4件(うち1件は小規模?で、他の3件は億規模の諸費用を要した事案)ですが、果たして、二十数箇所の旧病院のうち、埋設問題があるのは「この4件だけ」と言えるでしょうか?

ほかならぬ県庁自身が「当時は、敷地内に埋設するのが当然だ(その結果、数千万円の撤去費用を要する結果を借地に生じさせ3年前に発覚するまで放置し続けても、知ったことか)」と主張しているのに、です。

実際、近年も一関や山田町の県立病院跡地で、県の負担で土壌汚染対策工事がなされているようです(K病院だけが、借地だからという理由で負担拒否の姿勢が続いています)。

オガール紫波の岡崎さんは、本件で訴訟提起した際の私の投稿をご覧になり、「県知事選の争点にしても良い問題だ」と仰っていました。

これは、本件裁判の当否などという(誤解を恐れずに言えば)小さな話ではなく、二十数カ所の旧県立病院の跡地の大半で、森友学園もビックリの医療系廃棄物の大規模埋設問題が未解決となっている可能性はないか、その危険を放置して次の世代に押しつけてよいのか(むしろ、それを適切に対処した上で土地の価値を高める開発をすべきだ)、と提起されたものと認識しています。

とりわけ、この問題が本格的に発覚した(他の大事件が判明した)平成20年代半ばの時点で県庁が全件の埋設調査などに取り組んでいれば、本件で撤去費用以外に生じた多くの損害の発生が回避できたはずで、そのことは訴訟で問題提起し、裁判所も関心を示しています。

***

私はこの裁判の期日のたび、地元記者達の囲み取材を受けており、これまで何度かその話を記者達に伝え、他の旧県立病院跡地群の実情がどうなっているか、調べたり記事で問題提起いただけないかとお願いしました。

が、残念ながら、今のところ、その問題が取り上げられた報道を見たことがありません。県議会の記事などで取り上げられているのも見たことがなく、残念に感じています(本件に触れたNHKの特集番組の制作者の方は問題意識を共有いただいたものの、番組で取り上げられるには至りませんでした)。

本日の期日で提出した当方の書面では、他の病院跡地への対応がどうなっているか回答して欲しいと県に要請しており、そのことは自身の選挙区に旧病院跡地を抱えている県議や県民の方々にも関心を持っていただければと思っています。

また、県立病院だけでなく、県内で昭和20年代~40年代前半頃に操業していた別の大規模な病院でも、同種の土壌汚染が発見された例があります。

そして「数十年前に借地上に大規模事業所が設けられ、人体に危険を及ぼすリスクのある物質を扱っていた」例は、病院に限らず岩手に限らず幾らでもありうると思います。

「廃掃法制定前(清掃法の時代)なら、借地には、どんな危険なゴミでも、どれほど膨大な量でも捨て放題(埋設者の責任は一切問えない)」との主張が罷り通るのでは、膨大な撤去費用という貧乏くじを引かされる現在の所有者は浄化を諦めて放置せざるを得ないでしょうし、本件のように何らかの事情で税金の負担により浄化せざるを得なくなった場合も、納税者=住民・国民等は納得できないはずです。

私は訴状などで「自ら汚染した者が法の不備を理由に責任を免れ、率先して大地の浄化に尽力する者が酷い目に遭う社会は絶対に間違っている。何より、県庁自身が、その気持ちで県境不法投棄事件の解決に取り組んでいたはずだ」と書きました。

この気持ちを、裁判所は言うに及ばず、県庁の方々も共有いただけることを願って、被害者(請求者)側代理人の立場で今後もできることに努めていきたいと思います。

 

岩手県庁の桜と大地の涙

1ヶ月前の石割桜の時期に、受任事件の閉廷後に盛岡東警察署に赴いた際、折角ということで、途中にある盛岡城址・亀が池周辺の桜を拝見しました。

岩手県庁をバックに桜が美しい姿を見せていますが、私は現在、岩手県庁を被告とする訴訟(旧県立K病院が借地である敷地内に埋めた膨大なゴミの撤去費用等を請求する訴訟)の原告代理人を務めており、ちょうど、県側の主張への反論書面に悪戦苦闘していました。

というわけで、折角の桜を見ても、庁舎が目に入ると、恨み言のように?余計な一首しか浮かんできません。

花愛でる言葉の裏で地の底に
ゴミ捨て片付けせぬ岩手県

この恥を県民なにも言わずとも
天が大地が花が見ている

ガン、ガン、ガン、ガンラ~イザ~♪(苦笑)

この頃はまさに締切に負われている最中で、先方が

「当時の病棟をK町(基礎自治体)が作って県立病院に運営委託しており、町は県に業務報告を求めることができるので、病院(受託者)のゴミの埋設を町(委託者)が知っていたと擬制される(ので、土地の買主たるK町は県に責任追及ができない)」

などと主張書面に書いているのを見ると

「その理屈なら、県知事自身が、報告徴収権を有する各種事業者(廃棄物処理業者、病院など)の違法行為に対し、何ら責任追及できなくなってしまうじゃないか。そんな主張を県庁が自らするなんて、正気か?」

などと(言葉を選んで)書かずにはいられないのですが、県政を巡る重大事件であることは間違いなく、こうしたやりとりに限らず、事件の内容について報道等で県民に伝えられるべきでは・・と思ったりもします。

報道対象になる事件を受任する都度、記者さん達の長時間に亘る取材要請に応じて精根尽きるほど?説明することが何度もありましたが、記事を見ると「この人、訴状提出してました」程度のことしか書いてくれず、何のために当方を消耗させるほどあれこれ聞いてきたのだろう、と残念に思うことが多いのです。

それはさておき、このエリア(亀が池)の景観自体は、病院廃棄物・・・ではなく周囲の電線を地中に埋めた方が、もっと映えるかもしれません。

(以下、次号)

廃棄物の大量埋設事件たちが語る、大地の尊厳と回復負担の適正公平への道

先日(12月9日)、「岩手青森県境不法投棄事件を総括しつつ、現在も県内で生じている廃棄物大量埋設事件に関する訴訟(旧県立軽米病院事件)を紹介し、一連の問題への県民意識の喚起を図ること」を目的とした、NHKの特集番組(いわチャン「希望郷の廃棄物」)が放送されました。

次の日曜(12月18日)も再放送されるそうなので、見逃した県民の方などはご覧いただければ幸いです。

番組は著名声優さんの語りで県境事件の概要や費用負担を巡る論点及び県庁(環境生活部)の取り組みなどが紹介され、ドキュメンタリーとして綺麗に出来上がっていました。

が、県境事件の総括の途中で突如、軽米事件がニュースをそのまま入れ込んだような形で出てきたため、唐突感というか、番組編集的に若干苦笑する面はありました。

ちょうど放送の前日頃に訴訟の第1回期日があり、進行中の事件の取り上げ方(しかも、県庁vs地元自治体という異例訴訟)の難しさも相俟って、NHK内でも様々な議論や苦慮があったものと察しています。

ともあれ、当方の主張の核心部分(汚染者が責任を問われず原状回復を負担することなく、大地の浄化を引き受ける地元民がしわ寄せを受け虐げられる社会は、間違っていること)には共感いただいた内容だと認識しており、制作サイドの熱意を含め、そのメッセージが行間から伝わる番組になっていたと思います。

私は軽米事件の相談を受けたときから、県境事件との繋がりや落差を強く感じていたため、そのことは訴状に書いたほか、提訴時の記者会見でも記者クラブ向け説明資料で特に指摘し、訴訟での立場等に関係なく、県民の関心を高める報道をお願いしたいと伝えていました。

が、記者クラブの参加者からは全く反応がなく、地元紙などで取り上げた話も聞きませんでしたので、残念に思っていたところ、しばらく経って、その際に同席していなかったNHKの方から、二つの事件をテーマにした番組を作りたいとの申出を受けたため、私と同じ問題意識をもってくれる人がいるんだと感動し、感謝の気持ちで可能な限りの協力をさせていただきました。

裁判自体は裁判官が判断すべきものですので、世論誘導が目的ではありませんが(そんな力もありません)、この問題は広く関心が持たれるべきで、可能なら、県民世論からも適正・円満解決を求める後押しがあればと願っていますので、今後も、訴訟自体に限らず、できる限りのことはしていきたいと思っています。

皆さんも、こうした番組を通じて、口先だけではない「美しい県土を守る」とはどのようなことなのか、考えていただければ幸いです。

私と岩手県庁の20年、そしてその先にある事件

19年前、私は、岩手・青森両県庁などのご協力のもと、全国の廃棄物問題の凄腕弁護士さん達を連れて、岩手青森県境不法投棄事件の現場に行きました。第二の豊島事件になるかもしれないと思われたこの事件は、増田知事の全面撤去の決断を機に、弁護士の出番を必要とすることなく決着しました。

14年前、岩手・青森の海の境界紛争と呼ぶべき「なべ漁場事件」が勃発し、私は、岩手県庁(水産振興課)の全面支援のもと多数の岩手県漁業者の代理人として、青森県庁と闘いました。数十年前から続いていた漁業紛争にケリを付けるため始まった事件は、苦心惨憺の末、実質勝訴と言える和解で終了しました。

7年前、長年の岩手のサケ産業システムに不満を持つ一部の岩手県漁業者による「サケ刺網訴訟」が勃発し、私は岩手県庁(水産振興課)の代理人として原告漁業者らと闘いました。この件も苦心惨憺の末、3年後に全面勝訴で終了しました。

ただ、岩手のサケ産業の現状に照らせば、ある意味、勝者なき闘いだったのかもしれません。彼らが数十年続けた闘争を終わらせるために起こしたのではと感じた訴訟は、裁判で語られたことの意義が世間に伝わることもなく、些か不毛さを残すものでした。

あくまで単発的なご依頼であり「地元の大物センセイ」でもありませんので、県庁の顧問などにご縁はありませんでした。

そして今、数十年前に行われた廃棄物の大量埋設事件で、被害者代理人として、岩手県庁(医療局)を訴える側の代理人として訴訟を提起しました。

自治体と関わる地元弁護士は数多あれど、こうした形で地元県庁と様々な関わりを持った弁護士は、珍しい部類に入るかもしれません。

提訴自体は、当日は地元TVで全局一斉に取り上げられたほか、国内向けWeb記事でも表示されていました。
軽米町が県を提訴 病院跡の廃棄物めぐり 総額1億9000万円の損害賠償請求<岩手県>|FNNプライムオンライン

反面、翌日の岩手日報では紙面の片隅に小さな記事が載っているだけでした。新聞には、訴訟の概要や事件の問題点などについて、提供資料などをもとにTVでは対応できない腰を据えた詳細な記事を書いていただければと願っていたのですが、その点は残念です。

ともあれ、この事件は数十年前に埋設された膨大な廃棄物の撤去費用などの賠償を埋設行為者に請求する事件ですが、以前に投稿した「あなたの街の森友学園事件」のとおり、全国に膨大な数の同種被害が潜在していると危惧されます。

とりわけ、数十年前とはいえ県庁が運営していた施設が起こした事件であることは関係証拠から間違いなく、県庁が県民から借りた土地に、現時点で1億強もの原状回復費用を要する投棄行為を行い放置し続けたことの当否を問うことは、県民にとっての県庁という存在の意味=信頼も問うことに他ならないと思っています。

本件自体の解決もさることながら、将来発覚する同種の事件で適切な対処がなされるようにするためにも、全力を尽くしていきたいと思います。

事件の適正解決のため、県民など多くの方々のご理解・ご協力も賜れれば幸いです。

誤振込(過誤送金)事件の迅速・抜本的解決策としての預金凍結制度の切望について

山口県阿武町の誤振込事件では、送金受取人A氏の刑事責任と町側の責任ばかりが世間で話題になっており、最近では、A氏が送金した関係業者を通じて喪失金の大半の返還の目処がついたという報道も、地元の敏腕弁護士さんへの賛辞なども含めて拝見しています。

その報道が出るまで「お金の回収は無理ではないか」として、関係者の責任を問う声が大きかったと思いますが、銀行の役割(に関する制度のあり方)に言及する方を見たことがありません。

もし、誤振込が発覚した時点で、役場が銀行に通報し、既存残高を超える額については、一旦、払戻などの口座操作を不能とする措置を講ずることができれば、誤振込預金が保全され、A氏が拒否しても法的手続により返還が可能となります。

ただ、残念ながら、私の知る限り、単なる誤振込について送金者側の要請や銀行側の判断で預金の即時凍結を可能とする制度は、現時点で導入されていません。

TV等では仮差押に言及する方も多く見かけましたが、実務家の感覚では、少なくとも地方の裁判所なら、発覚から裁判所の命令まで、1ヶ月前後を要することが珍しくありません。

役場が弁護士に相談する等で数日、弁護士の準備に1週間前後、肝心の裁判所の審査に2週間前後を要する(最短でも1週間前後)ことが珍しくなく、日本の裁判官は本件のように急を要する事件でも「コレが足りない、アレができてない」などと、申立人=救済を求めてくる者に難癖を付ける自分達の役割だと思っている人種ですので(一部の善良な方々を除く)、あれよあれよと2週間以上を経てようやく発令=既に全額払戻で手遅れ=裁判所なんて何のために存在するのさ、という展開になりやすいです。

誤振込を行った役場担当者のミスなどは非難されるべきでしょうが、所詮、人間の作業ですから万能ではありません。核ボタンのように?1人では操作できないようにすれば予防が容易になるのでしょうが、人的資源として可能かという問題は避けられないはずです。

当事務所も、受任事件で依頼者や相手方などから受領する預り金の清算は(私が内容を確認するなどした上で)担当事務局が1人で行いますので、理屈上は誤振込(誤操作)のリスクが避けられません。このようなリスクを抱えているのは阿武町のお役人さんだけではなく、全国・全世界に当たり前に存在するはずです。

実際、著名証券会社のPC誤操作による巨額賠償訴訟=ジェイコム株事件=も、一昔前にありましたし。

というわけで、このような事件では、銀行が直ちに預金凍結を行うことが不可欠で、最高裁や刑事専門の法律家に任せるべき?A氏の刑事責任に関する法解釈云々よりも、迅速な凍結を可能・容易にする制度の導入にこそ、国民的議論を費やすべきではないかと考えます。

預金凍結に関しては、オレオレ詐欺が世間に知られるようになった頃、詐欺(組織犯罪行為)に起因して送金した口座については、被害者が弁護士等を通じて申告することで預金を凍結させる制度が導入されています。私は残念ながら?凍結そのものに関わったことはありませんが、当時(平成15~20年頃?)、その種の書式を見たことがあります。

なお、オレオレだけでなく闇金の利用(借入)による返済に対しても口座の凍結を認めるべきではないかという議論が当時あり、議論の到達点がどうなったか私も分からない(覚えていない)のですが、結局、ヤミ金では口座凍結は簡単には認めてくれない(オレオレのように、コテコテの犯罪行為でないと厳しい?)という展開になったような気がします。

ヤミ金被害に関しては、オレオレほどには「預金の凍結」(よく知りませんが、銀行側が嫌がるようです)に対する世間の後押し(支持)が得られなかったのかもしれません。

余談が長くなりましたが、例えば、

・一定額以上の高額な誤振込に関しては、送金行為者(役場)が誤振込であることを疎明する資料を名義人口座の銀行に提出する。

・銀行は(所定の判断基準に基づき)誤振込の疎明が確認できれば、直ちに、残高を超える額の払戻等を不可とする暫定的な凍結措置を行い、その上で、名義人(A氏)に通知する。

・暫定的な凍結措置の期限は2ヶ月程度とし、送金行為者は、最初の1~2週間で名義人との協議で解決できなければ、その間に仮差押の措置を講ずるものとする(最後は本案訴訟で決着)。

・名義人が凍結に凍結を述べ「誤振込ではないこと」の疎明資料(判断基準に耐えうる資料)を提出した場合、銀行は、自身の責任で凍結を解除するか、送金行為者に所定の担保を積ませた上で凍結を継続するか、いずれかを選択できるものとする(前者の場合、銀行が法的リスクを負うので、通常は後者が選択される)。

・凍結が継続する場合、名義人も凍結解除の仮処分の申立等を行い裁判所の判断を求めることができるものとする。

という形で、誤振込預金を簡易迅速に凍結し、散逸を防いで返還を実現する制度を速やかに構築すべきではないのか、というのが私見となります。

少なくとも、この程度の制度なら直ちに導入できると思いますし、こうした制度の不備ゆえに、巨額公金を無益に喪失すると共に、誤送金をしなければ犯罪者?にならなくて済んだはず?の人を犯罪者?兼返済不能債務者にさせ、つまらない?ミスを犯した人(役場の担当者など)にも甚大なトラウマ等や住民訴訟賠償リスクを生じさせたかもしれない、という視点は持つべきではないかと思います。

制度の導入は第一義的には議員さんなどの仕事なのかもしれませんが、裁判官に限らず、国民が働きかけないと何も行って下さらないことも間違いないのでしょうから、こうした事柄にも関心を持っていただければ幸いです。

弁政連岩手支部なども、候補者と雑談・・もとい懇談するばかりでなく、こうした話にも関心を持っていただければと思いますが、私が何を言っても・・(以下、自粛)。

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ところで、先日、好摩方面に仕事があり、玉山地区のA店で「DXナポリタン」を美味しくいただきました。

本当は、現場近くのB店に一度も行ったことがなかったので、最初、B店に行こうとしたのですが、最近発売されたばかりのゴー券にB店の名がなく、

「昨年のリストにはB店あったよね。昨年も、食べた翌週とかに追加掲載されたお店が何軒もあったんだよね・・なんだか今年も同じことになりそう・・」

と、みみっちい考えが脳裏をよぎり、数年ぶりながら、掲載されているA店の方に行かせていただきました。

ケチでビンボーって、こういうことさ。

 

過疎地自治体の空き家対策協議会の光景と残念なあれこれ

人徳も人望もありませんので「行政なんとか委員」を頼まれることはほぼ皆無の身ですが、地方の弁護士としては寂しいということで、弁護士会の募集に応じて「二戸市空き家対策協議会の委員」をしています。

で、半年ほど前、2年ぶりに会議があって出席してきました。まあ、2年に1回の会議で、多分に四方山話を聞いて終わり、という感じではありますが。

2年前の会議の際は11時半に終わり、駅のレストランで昼食をいただいて13時過ぎの新幹線で帰ったため、今回も同じパターンかと思い内職道具を持参したのですが、予想外に11時過ぎに終わったので、11時18分の新幹線で帰りました。

本当は、新規開店した「へのへの」で、あべどり・佐助豚・短角牛盛りだくさん定食をいただくのを楽しみにしていたのですが、2時間も書類仕事を放置するわけにはいかず、ということで、泣く泣く泣く泣く諦めて帰りました。

おまけに盛岡に戻った後も、昼食のことで、つまらない踏んだり蹴ったりが・・

というわけで、地元の方や二戸に昼間に行く機会のある方は、ぜひ、ご賞味下さい。

ところで、肝心の会議は市内の朽廃物件の幾つかを「特定空き家」と認定する旨の諮問をした程度で終わったせいか、市長さんから事務局の方々に「その先の作業(勧告等、代執行や求償その他)についてもっと具体的に考え、論点整理して会議で取り上げて欲しい」という趣旨の指示があり、私からも権利関係を整理する視点などについて若干補足させていただきました。

さらに欲を言えば、それらの物件が、どうして「朽廃状態が長期放置され、地域社会に負の影響を生じさせる空き家(特定空き家)になってしまったのか」という物件ごとの物語を調べて、背景にある人的な問題(地域社会の病巣)なども分析し、抜本的な解決や予防のあり方なども検討し市議会・市民などに還元できるような会議ができれば、なお良いのではと思いました。

まあ、それから半年経った現在でも市役所からこの件で何のご連絡もありませんので、結局、放置されているというか、言いっ放し・聞きっ放しという「会議あるある」になっているのかもしれませんが・・

私に関しては、事件受任をきっかけに継続的な相談対応などをさせていただいている小規模な基礎自治体さんが1つだけありますが、二戸市にも、空き家に限らず様々な課題が未解決のまま埋もれ続けているような気もしますので、本業の知見を生かして、もっとお役に立てることがあればと思っています。

不動産の登記名義を理由とする課税制度の理不尽と解決策~相続放棄制度との不整合という問題~

先日、知人の司法書士の方が、Web上で表題の件に関する投稿をなさっていました。具体的には、以下のような内容でした。

「相談者A氏は、先般、自身が全く知らない土地甲につき、α市から固定資産税の課税通知を受けた。甲地はAの亡親Zが所有しているが、Aは、事情によりZとは断絶関係にあったが、自身の知らぬところで、相続人の一人として遺産共有の法定相続登記がなされたため、登記名義を理由に固資税の請求が来たものである。

Aは、Zの相続の意思がなく直ちに相続放棄の手続を行いαに固資税は支払えない旨を申し出たが、αは『登記名義人に課税するのが地方税法343条1項で決まっているので、Aの申出には応じられない(請求どおり支払え)』との対応を繰り返すばかりである。

Web上の記事を見ると、役所の取扱は一般的なもので、それを支持した裁決例が多々あるようである。

Zの共同相続人として甲地に登記された他の兄弟姉妹Bらは(Aの調査では)全員死去しており、その子など(第二次相続人)CらがBらの相続をしたのかは不明。

Aは「甲地の競売等には何の異存もないが、以上の理由から自分の個人資産(固有資産)への差押はしないで欲しい」と希望している。

Aは、固資税の負担を免れることができるか、そのための方法如何。」

***

税法は(行政法も)実質専門外ですが、それだけに?興味深いと思って少し調べたことを次のとおりご返事しました(文献を調べずに書いていますので、半分は戯言と思って聞いて下さい)。

論点1 固資税の課税を争えるか

この点は、残念ながら無理のようです。

紹介記事で引用された大阪地裁昭和51年8月10日判決は、(判例秘書で見たところ)不当利得返還請求という(この種の訴訟としては)不適切な請求原因となっているので、前例価値は疑問です。

が、同種の争点に関する処分取消請求訴訟である横浜地裁平成12年2月21日判決は、このようなケースの課税処分の適法性(名義人が相続放棄をした場合でも、登記名義人である以上は課税を行うべきであること)について、相応の理由を付した説示がなされており(私の勘違いでなければ、控訴・上告も退けられた模様)、恐らく、現在の裁判所がこれを否定する判断をすることは期待し難いと思われます。

論点2 課税を争えない場合の対処手段

相談者A氏は、実体上の所有権者(共有者)Bら(全員死亡とのことですので、その相続人Cら)に登記名義引取請求を行い、任意の対応が得られなければ、判決に基づき名義変更手続を行うほかないでしょう。

また、Aが支払を余儀なくされた固資税は、上記判決が指摘するとおり、B=Cらに求償請求するほかないでしょう(引取請求と併合)。

CらがBらの相続を放棄した場合には、相続財産管理人の選任申立を要するなど、さらに重い負担を要することになるかもしれません。

甲地は、恐らく、そうした費用や労力を投ずる価値の乏しい少額の土地だとお察ししますし、自治体に事情を説明して、A氏の個人資産への差押を保留するよう要請すること自体は、あってしかるべきかとは思います。

が、建前論として、彼らが「はい」と言うことはないでしょう(そのように聞いています)。

杓子定規に仕事をする担当者なら、個人資産への差押に及ぶ危険は否定できないかもしれず、その場合は、「税務の簡便迅速」の旗印のもとにA氏がこのような理不尽を強いられていること(第1)の当否も含めて、マスコミや司法書士政治連盟さんの出番(立法論)かもしれません(弁政連は期待できないので・・以下略)。

論点3 来年以後の固資税

既述のとおり、登記名義人になっている限り、固資税の納税通知(請求)を受けることは避けがたいと思われますが、相続放棄済みであることを資料と共に自治体に説明し、来年からはBらの相続放棄をしていない他の相続人Cらに請求書を送付してもらうことは、交渉次第で、可能ではないでしょうか?CらはAには按分請求できないでしょうし。

(この点は、関わったことがないので、分かりません。期待混じりのコメントです)

これが上手くいけば、今年限りの負担で済むのでしょうし、巨額の不動産で多額の請求を受けているというのでなければ、許容範囲の出費で済むかもしれません。

これが無理なら、あとは、論点2末尾のとおりというほかなく、立法的解決が待たれます。

教員によるいじめ事件について、住民が懲戒免職を求める訴訟をすることができるか

先般から神戸市内の小学校で教員間の深刻ないじめがあったとの報道がなされており、台風禍やラグビーなどと並んで全国のご家庭の関心を集めているのではと思われます。

当初から世間の注目を集めていましたが、その後、悪質な行為の様子が映像で流れたり、被害者(たる教員の方)が被害届を提出したとか神戸市が給与差止の条例を制定・施行した等の報道もあり、どのような形で事件が収束するのか、まだ予断を許さない状況が続いています。

事件が報道された最初の時点で、私がもし兵庫県の教育委員であれば、事実経過の調査確認と共に、懲戒免職や退職勧奨(最低でも?停職処分)が可能か(また、懲戒免職・停職をした場合に対象教員から処分取消請求訴訟を提起された場合の勝敗の見通し)などを検討するのではと思いました。

が、その種の訴訟に経験がないので(判例地方自治などでチラ見だけはしていますが)、直ちに勝敗の見通しを聞かれても、なかなか即答は難しいです。

自作のささやかなデータベースを確認したところ、教員絡みの裁判例としては、①女生徒に悪質なセクハラを繰り返して懲戒免職→取消請求が敗訴(処分維持)、②女生徒に甘ったれメールを大量送信し懲戒免職→停職相当として免職取消、といったものなどがありましたが、「同僚へのいじめで教員を懲戒処分」という例は、チラ見限りでは確認できませんでした。

但し、民間企業ではそのような例は相応にあるでしょうし、かくいう私自身が、それに類する訴訟を手がけて大変な思いをしていたりもします。

他方で、仮に、教育委員会が停職未満の「寛大な処分」に止めた場合、全国の「けしからん族」の皆さんには、大変不満が残るところではと思われます。

このような場合、怒りに燃える?兵庫県民の方が「教育委員会は、いじめ教員を懲戒免職すべき法的義務がある、それを果たさないのなら、俺がやる!」と言って、義務付け訴訟(行政事件訴訟法3条6項)により、自ら教育委員会を被告として訴訟提起することもありうるかもしれません。

県民というだけでは門前払いされそうですが、当該学校に児童が通学中のご家庭であれば、当事者適格が認められる可能性はありそうな気はします(転勤になればどうか云々や、本案以前に非申請型訴訟の訴訟要件を満たすのかなどの点はさておき)。

まあ、そこまでやるかという感じはあるでしょうが、仮に「全国の同じ憤りを感じている皆さん、私が頑張りますので、訴訟費用の援助をよろしく」とクラウドファウンディングを実施する人が登場すれば、多少は資金が集まりそうな気がしないでもありません。

他方、教員の方々も、そうしたリスクもありうるということで、仮に本案審理がなされる展開にでもなれば、保険会社が訴訟費用保険を用意し、それに加入して当該訴訟に補助参加するなどということもあってよいと思います。

なんだか醜いバトルロイヤルのようだ、などと言われるかもしれませんが、こうしたこともまた「教育現場のあり方を、役人(お偉いさん)任せにせず、住民(国民)が自ら動いて作り上げていく」という住民自治・国民主権のあるべき姿だという議論もあってよいかもしれません。

少なくとも、光景としては「原発事故で東電役員を不起訴処分としたのに不満を抱く被害者ひいては国民世論を踏まえて検察審査会が強制起訴を選択し、刑事裁判が行われる」姿に、多少は?類する面がありそうな気もしますし、この議論は「行政が適切な行政措置を講じない場合に住民等がどこまで関与(参画)できるか」という問題に広く当てはまるものとして、関心を持っていただいてもよいのではと思います。

まあ、「お前は単に弁護士の仕事を増やしたいだけだろう」とお叱りを受けそうではありますが・・

ご近所の「ゴミ屋敷」に困り果てる方のための法的手段

かなり前の話ですが、朝のワイドショーで「愛知県豊橋市の市街地で、所有地上にゴミを放置している人がいて隣接企業や周辺住民が迷惑しているのに行政が何も対処してくれず、役所担当者は『ゴミ屋敷条例がないから無理だ』と回答するのみとなっている」という事例の紹介がなされていました。

事案の詳細は存じませんが、自己の所有地であっても、社会通念に照らし著しく不適切なゴミの放置をして周囲に迷惑をかけているのであれば、不法投棄ないしそれに準ずる行為(措置命令等の対象となる行為)に当たることは間違いありません(数十年前に産廃について散々に議論されたことですが、一般廃棄物にも当然にあてはまるべきものです)。

よって、行政は投棄者(放置者)に対し、屋敷条例云々がなくともゴミの撤去を命令することができ(廃掃法19条の4。措置命令)、投棄者がこれを行う資力がない場合であっても、自ら撤去(代執行)し、投棄者に費用の支払を求めることも可能です(同19条の7)。

土地所有者が投棄しているのであれば、当該土地を競売して回収することもできないわけではありません(銀行等の担保権があれば難しいでしょうが)。

一般的には、この件であれば、隣接企業や周辺住民は、放置者に対し、自身の権利侵害を理由に撤去等を求めることが可能でしょうし、豊橋市に対し、行政事件訴訟法に基づき措置命令の義務付け訴訟(と仮の義務付け申立)や代執行を余儀なくされた場合の放置者(所有者?)に対する費用求償の義務付け訴訟を起こすことができるはずです。

そして、これらは決して難解な法律論ではなく、一定以上の知見のある弁護士ならスラスラと言えるはずのことですので(現に、グーグル検索すると、弁護士の方が作成した文章が散見されます)、それを紹介ないし検討するところまで踏み込んだ放送内容にしていただければと思わずにいられませんでした。

もちろん、こうした問題に自治体(市町村)の腰が重いことは間違いないのでしょうから、自治体を現実に動かすという点からは、条例が設けられた方が望ましいことは間違いなく、法改正なども含め、未制定の自治体の住民の方は、関心をもって働きかけを行っていただければと思います(というか、盛岡市もゴミ屋敷条例は未制定でしょうから、私自身が、そうした努力をすべきなのでしょうが・・)

ともあれ、昨年から日弁連公害対策環境保全委員会・廃棄物部会長(名ばかり部会長なので、実態は雑用係)を拝命していますが(任期は来年5月まで)、本業では廃棄物処理法の知見を生かす機会に全く恵まれず、どうしたものやらです。