| 2007年12月31日(月) |
| 今年の総括2(研鑽編) |
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今年は、現に受任している業務の処理に追われ、地道に続けている判例や論文等のデータベース作り以外に、残念ながら業務外で特筆すべき勉強をしたという記憶はありません。ただ、今年は業務そのものの幅が相当に広がったので、その過程で色々と勉強させていただいたということに尽きると思われます。
法分野Aで学んだことを全く異なる法分野Bの解釈適用に生かすことが、様々な領域の仕事に巡り会える地方の町弁の醍醐味でもありますので、生の事件で学んだ様々なことを他の領域にも色々と生かしていきたいと思います。
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| 2007年12月30日(日) |
| 今年の総括1(業務編) |
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おかげさまをもちまして、どうにか平成19年も無事に事務所を経営していくことができました。
平成19年は、どうしたことか6月頃から仕事が次々に舞い込み出し、既存の仕事も想定以上に業務量が増え、私生活上の負担もあり睡眠時間を削らざるを得ないことも多く、これまでで最もしんどさを感じた1年となりました。
受任した事件の中には、他の先生から多忙等を理由に断られたなどというものも複数あり、想定される業務のしんどさから内心どうしたものかと思いつつも、司法過疎地・岩手の実情を考え受任したこともありました。
経営が確保できるのであれば、あまり欲は出したくないので、受注過多になる事態は防ぎたいのですが、最近は知己の方に紹介していただいたなど、断るわけにはいかないケースも少なくなく、質とスピードの双方の確保がこれまで以上に求められるようになってきました。
仕事の内容も、管財事件に関する特殊な処理であったり、経験のない特殊な論点を取り扱うものであったり、量だけでなく質的にも新たな挑戦をすることが少なくありませんでした。
来年も、研鑽を重ねて地方の法律実務家として恥じることのないリーガルサービスを提供していきたいと思います。
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| 2007年12月28日(金) |
| 憲法学に必要なもの |
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北康利「白洲次郎〜占領を背負った男〜」を読みました。
吉田茂元首相の側近として現行憲法の成立過程をはじめ戦後政治や経済に大きな役割を果たした白洲次郎氏の人生を丁寧に辿った力作で、長文ながら一気に読める醍醐味のある内容でもあり、大変興味深く読みました。
司法試験で憲法を多少とも勉強した人間としては、日本国憲法の法規としての価値をそれなりに認めつつも、その出自にはある種の不幸さがあると感じていたので、憲法成立を巡る物語は、自分の憲法に対する考えを整理する上でも、大いに参考になりました。
日本国憲法は、理想主義に立脚した憲法として非常に意義や価値があると思いますが、一方で、理想主義には胡散臭さや欺瞞が伴うことが少なくなく、そうした日本国憲法の負の側面が何であるかを実際の起草者たちの実像から理解していくためには、必読の一冊ではないかと感じました。とりわけ、私が知る限り、司法試験受験生が試験勉強のために読む法律書の類には、そうしたことがまったく書かれていないことを大変残念に思っていたので、法律家になっていく者こそ、こうした本を読んで憲法の現実の成立過程を正しく知っておくべきではないかと感じました。
もちろん、私自身は安易に日本国憲法を否定する立場ではありませんので、そうしたことを踏まえた上で、「不幸な出自ではあるけれど、それなりに良い子には違いない」日本国憲法を、改憲論議も含めて、どう育てていくのか、白洲氏をはじめとする当時の人々から、現在の我々がバトンを渡されているのだと認識しています。
白洲氏の人生に、「これぞ武士道」という人もおり、盛岡の人々にも、新渡戸稲造の尻ばかり追っていないで、そうした観点から白洲氏や憲法のことも勉強してほしいものだとも思いました。
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| 2007年12月8日(土) |
| 失われた東北の歴史と夢 |
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斉藤光政「偽書「東日流外三郡誌」事件」を読みました。
「東日流外三郡誌(つがるそとさんぐんし)」というのは、40年ほど前に青森県市浦村(現・五所川原市の一部)の村史の資料として出版された本で、津軽地方に巨大な蝦夷の王国があり大和朝廷と抗争を繰り広げていたとか、平安朝時代に北東北の大半を掌握していた安倍氏はその王朝の子孫だなどという話が奇想天外な逸話を多数交えて描かれていたことから、一時、「失われた東北王朝」などと銘打って一大ブームを巻き起こしたことのある本であり、その後、多くの研究者等により、発見者を自称した人の手による後世(現代)の偽作であると論破されたことでも知られているものです。
私の大学時代(平成4年〜8年頃)も、この本(外三郡誌)に関する真贋論争が盛んで、色々と本が出版されていたという記憶があり、当時から興味を持っていましたが、司法試験や他分野に関心があり手が回らず、この件に関する本をきちんと読んでいませんでした。
冒頭の本の筆者は、青森県の県紙である東奥日報社の記者を長年なさってきた方で、外三郡誌に関して生じた裁判の経過をはじめ、外三郡誌を巡るトピックのほぼ全てが網羅されていますので、外三郡誌問題について関心のある方にとっては必読の一冊といえると思います。
文中に、秋田県田沢湖町(現・仙北市)生保内地区の人々が、外三郡誌の作者と目される人物に騙されて、大金を支払いインチキご神体を貰って拝んでいたという下りがあったのですが、私の一族(私自身は5代ほど前に分かれた分家の次男ですが)は、生保内地区の出身であり、伝承によれば、秀吉軍が北東北に押し寄せてくるまでは、田沢湖周辺の領主だったのだそうです。そのため、もし、私の先祖が田沢湖に止まり、歴史と伝承を守っていれば、当地の人々がインチキに騙されることもなかったのではないかと思ったりもしました。
かくいう私も、北東北には歴史の闇に葬られた王朝があるはずだという信心の持ち主であり、私自身は、北東北の中心にほど近く、天嶮の要害である二戸近辺こそその都に相応しいと勝手に思っています。そうした願望を抱えている人間は北東北には至る所に居るのだ(からこそ、人の心の弱さにつけ込んで、こうした騒動も起こる)ということを感じただけでも、それなりに収穫がありました。
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| 2007年12月5日(水) |
| 廃棄物処理に関する欧米諸国の制度比較 |
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私が所属する日弁連公害環境委員会の廃棄物部会では、これまでの調査研究活動を踏まえてシンポジウムか何かをしようという話になっています。
で、その前準備の一環?として、海外の廃棄物処理法制や処分場について調べてレポートしろと言われたため、やむなく都内の大型書店をグルグル廻ったのですが、こうした問題を扱っている本がほとんどなく、ネットで調べても、日本語のサイトに関してはダイレクトにテーマに沿うものがほとんどなく、某大学のゼミのサイトなどを参考にして、お茶を濁すようなレポートをした程度で終わりました。
その中で感じたのですが、我が国の廃棄物処分場を巡る問題については、色々な本が色々なことを書いていますし、ドイツや米国の廃棄物処理法制については、ある程度のことを書いている本は幾つかあるのですが、諸外国の処理施設・処分場の性能と日本のそれとを比較し、いずれが優れているのかということをきちんと書いた本はまったく刊行されていないように見受けられます。
廃棄物部会では、遮水シート等を設置せず地面にそのまま埋めることが認められている廃棄物(安定型5品目と呼ばれる廃プラ、ガレキ等)は、有害物質が付着し選別困難であるのが通常であるなどの理由から、すべて管理型処分場に統一すべきであるという趣旨の意見書を発表しており、同様の立場で活動している団体等もあるようなのですが、そうであれば、海外の処理施設・処分場がどのようになっているのか、専門の学者さんなどが現地を調べて正確なレポートをしていただきたいところです。
少なくとも、本業に追われ英語すら勉強する余力もない私には荷が重すぎますので・・
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| 2007年11月28日(水) |
| 消防学校講義 |
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岩手県消防学校で県内各署の幹部の方向けの講師をすることになり、行ってきました。
2時間の講義のあと、裁判所に行き刑事法廷の傍聴をするとのことでしたので、傷害致死事件の簡単な事例を挙げて逮捕時から行刑までの刑事事件の流れをざっと説明すると共に、民事(賠償問題)も併せて説明しました。
ただ、実際には所定の時刻に裁判が行われておらず法廷見学だけになったとのことで、なんだかなぁという感じでしたが・・。
また、消防に関する裁判例も講義して欲しいとのリクエストがあったので、判例ソフトで若干調べたところ、興味深い事例が2つ見つかったので、これを取り上げることにしました。
1つ目は、119番通報の受信責任者が自分一人しか室内にいない状況下で5分ほど用足しに行ったところ、その間に学校から通報が入ったため、これを放置する結果となり、最終的に児童が死亡する事態に至ったことから、責任者が懲戒解雇され、その解雇の是非が争われた事案でした(結論は、懲戒解雇相当)。
2つ目は、消防署の中間管理職の職員が勤務先の署長からパワハラ行為を受けて鬱病になり治療の甲斐なく自殺に至ったケースで労災認定が争われた事案でした(結論は、労災が認定されました)。
これらの説明を通じて、消防職員は一方で国民の信頼に応えるべく高度のプロ意識が要求されるが、他方で職責を果たすためにも、心身の健康の確保が強く求められますよということで、綺麗に講義をまとめることができました。
講義は労多くして経済的には割に合わないボランタリーな仕事ですが、勉強の一環と理解して、聞き手に役に立つよう心がけているつもりです。
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| 2007年11月20日(火) |
| 大変遅くなり恐縮ですが |
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長らく休眠状態にあった日記ですが、ようやく更新できました。
少しずつ書きためていたものの、仕事の方が一杯一杯で、駄文は後回しになってしまいました。
HPのカウンターを見ると、コンスタントにカウントは上がっているものの、知人等からは何のレスポンスもなく、誰かが何かの理由で機械的にアクセスを繰り返しているだけで、実際には誰も読んでいないのに無意味な独り言を延々繰り返しているだけでは・・と思ったりもしますが、元来孤独な人間なので、それでもいいさと割り切って、今後も気ままに書きたいことを適当に書くことにしています。
にしても、今年は6月くらいから想像を超えるペースで依頼を頂戴したため、少なからぬ仕事が遅れがちになってしまい、最近では、何を書いても冒頭にはすべて、表題の文言を記載せざるをえない有様です。
どうにかしなければなりませんが・・。
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| 2007年11月10日(土) |
| 出る杭の心得 |
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田原総一朗「正義の罠」を読みました。要するに、リクルート事件は検察が自分達の正義を実現するために疑獄を捏造した事件であると主張した著作であり、それなりに興味深く読みました。
リクルート事件に携わった方々は検察側・弁護側ともお名前だけは存じている私の大学の大先輩が多く、双方の攻防を詳しく書いている部分は、様々な想像も交えつつ大変興味深く読みました。田原氏の主張の正否や自白調書を巡る司法取引の存在?については私には一切分かりませんが、当時の常識(未公開株譲渡が当たり前に行われていた)からしてあれほどまでリクルート社を悪者扱いにしたのは異様ではないかという田原氏の主張については、それなりに納得できるものはありました。
ただ、公開時に巨利を得ることが確実視される未公開株の譲渡が「濡れ手に粟を持たせる」行為であることは間違いなく、そうした行為に対する認識の甘さが、転落を招いたということはいわざるを得ないと思います。
田原氏の主張によれば、リクルート事件の正体は、国鉄民営化など官僚制と対決姿勢を示した中曽根政権に対する報復なのだそうで、それなりに説得力はあるのですが、そうであればこそ、そうした既存の権益に挑戦する立場の方は、要らぬところで足下を掬われないよう、李下に冠を正さずを貫いていただきたいものです。
この本を読んで一番感じたのは、リクルート事件とライブドア事件は構図や主人公らの楽天家ぶりが非常に似通っているということでした。
出る杭を打ったり抜いたりするのが我が国の習性であるのなら、杭の側も、それなりの用心はしなければならないと思います。
日本国には、本能寺というこの上ない前例があるのですから。
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| 2007年11月1日(木) |
| 高舘にて |
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先日、久しぶりに平泉に行き、初めて高舘義経堂にも行ってきました。
義経堂から見下ろす北上川とその背後にそびえる束稲山の光景は素晴らしく、北上川を眺める風景としては、県内随一ではないかと感じました。
夕暮れ時に行ったせいもあり、寂寥感は満点で、芭蕉が涙を流した理由が多少とも分かったように思いました。
今は見る影もないようですが、西行法師が平泉を訪れた時代には、束稲山は全山桜の山だったそうで、高舘からの光景は、吉野の桜にも負けない国内随一、否、世界一の桜であったことでしょう。そうであればこそ、そんな桜を見て育った義経が、平泉で殺されて終わったなどというはずがない、と信じたくもなるものです。
世界遺産登録を機に、束稲山の桜を現代に、といった運動でもあれば賛同したいのですが、期待薄でしょうね・・・
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| 2007年10月3日(水) |
| 「どんど晴れ」が示した盛岡の課題 |
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半年間続いた「どんど晴れ」がついに終わりました。
当初、史上最低の視聴率だったそうですが、俳優陣の努力か番組内容(主人公が逆境をはねのけるという王道型)のおかげか、次第に盛り返し、ここ数年ではそれなりに健闘した数字になったのだそうです。
ストーリー的には、盛岡在住の一人として、法律実務家のはしくれとして、???となるシーンが少なからずありましたが、それなりに楽しむことができたように思います(しばらく連続テレビ小説はご免被りますが)。
先日、たまたま「どんど晴れにケチをつける掲示板」のようなものを発見し、苦笑させられましたが、そうした「つっこみどころ満載」の点も、案外、よかったのかもしれません。
私なりの総括として思うのは、当初の最低視聴率は(NHK自身はもとより)盛岡としての全国に対するPR不足によるものに他ならないというべきで、その後の視聴率の巻き返しは単に役者さんや番組スタッフの努力によるものであって、盛岡(或いは岩手)自身が努力したことによるものではない、ということです。それゆえ、「どんど晴れ効果」なるものは、永続性のない一過性のものとして終わるでしょうし、現に、番組が終わって以後、盛岡市内ですらも急速に忘れ去られているように思われます。
先日、中央通沿いの空き店舗内に、市役所が作った「どんど晴れ」のポスターだけが寂しく貼ってあるのを見ましたが、盛岡市・市民のこのコンテンツに対する扱いの粗雑さを象徴しているように感じました。
市内だけで「ブランド宣言」などと称している暇があったら、せめて放送開始直前に銀座の岩手県アンテナショップ前などで市長がビラ配りでもした方がよかったのではないかと感じた次第です。
所詮、他人の努力により棚ぼた的に得たものは、あっという間に手元からなくなってしまうのが通常だということでしょう。
ともあれ、主人公の方には、今後のご活躍を期待したいものです。
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| 2007年10月2日(火) |
| 平泉教育に必要なもの |
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平泉の世界遺産登録を巡る審査の中で、イコモス側から「遺産価値の普及」が課題として伝えられたのだそうです。
私ごときがイコモスの趣旨をきちんと理解しているわけではありませんが、その話を聞いて感じたのは、TBSのTV番組「世界遺産」を毎週見ていれば、世界遺産指定のなされた地域の人々が、遺産が織りなす文化を今も大切に守っている光景が頻繁に出てくるのに対し、仮に今、平泉が遺産登録されたとしても、平泉や岩手の人々が「平泉の文化を守っている光景」なるものを果たして表現できるのか、そもそも、そんなものが今、存在するのかということでした。
単に物珍しい金箔の仏堂やら昔ながらの田舎風景が残っているというだけで、「今、そこに生きている人間」が評価に値することをしていないのなら、単に観光客目当ての浅薄な申請と見なされてしまうでしょう。
もし、それが嫌だというのであれば、それなりの現に生きた文化を育成ないし継承しなければならないのであって、地域レベルでの地道な活動やその振興、教育など色々とやるべきことが自ずから見えてくるはずです。
岩手県庁では、平泉の寺院群が立脚している浄土思想を大きなPR材料にしているようですが、悲しいかな「浄土思想」といったところで、現在の岩手の人間はまったくピンとこないでしょう。そして、そのことを岩手県庁やマスコミその他が問題視したり克服したりしているようにも見えません。
これでは、イコモスの人が何を言ったところで、馬耳東風というほかありません。
浄土思想については、当時(平安朝末期)の流行という面もありますが、藤原清衡という人物が辿った凄烈な人生を紐解けば、どうして彼が浄土思想にそんなにも傾倒したのか、多少とも理解できると思います。
そして、苦難に満ちた清衡公の人生は、まさにこの地が辿ってきた歴史そのものである、という理解に辿り着くことができれば、平泉の精神性というものと、岩手の文化・県民性というものを、一本の線で繋ぐことができるはずであり、県庁(教育委員会)その他がなすべきことも、自ずから明らかになるはずなのです。
そうしたことも考えずに、案内看板がどうのなどという程度のことをいっている人達が実務を担っているのだろうかと思うと、暗澹たる気持ちを拭い切れません。
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| 2007年10月1日(月) |
| 何のために備えるか |
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私は、小学3年から中学3年までボーイスカウト二戸第1団に所属してボーイスカウト活動をしていたのですが、今年が同団の創立40周年とのことで、記念式典等をやることになったそうです。
そこで、私にも記念誌への出稿要請があり、さきほど、下記の文章を書いて送りました。掲載されるかどうかは分かりませんが、せっかくなのでこちらにも載せることにしました(一部改変してますが)。
私は、小学3年に進級した際にカブスカウトとして入隊を許可いただき、平成元年に中学を卒業し市外の高校に進学するまで、ボーイスカウトとして活動してきました。
スカウト活動は、私の少年時代を語る上で欠かすことのできない大切なものであり、毎年恒例の折爪岳山開きキャンプをはじめ、寝言でも「痒い痒い」と苦しんでいたという小学6年の東北キャンポリー、台風が直撃し池と化したテント内で夜を明かした中学1年の日本ジャンボリー、手旗信号での荒城の月、悪戦苦闘の末にようやくできた「ロープ回し」など、挙げればきりがないほど鮮烈な光景が今も記憶の中に多く残されています。
高校進学後、ボーイスカウトそのものとは縁が切れてしまいましたが、心身が自然とのふれ合いに渇望したのか、大学時代には登山に明け暮れたり、人と社会に奉仕する人生に憧れでも抱いたのか、弁護士などという因果な道を求めたり、気がつけばスカウト活動が血肉に染み込んだらしいと苦笑せざるを得ないような前半生を歩んできたと感じています。
ところで、私達がスカウト活動を通じて学ぶことができる事柄は、訓練により習得する基礎的な生活習慣をはじめ、自分が人と自然に生かされていることの体感及び感謝など数多くありますが、言葉という点では、まずもって「備えよつねに」のモットーが挙げられるのではないかと思います。
かくいう私も、「ちかい」も「おきて」も「三指の敬礼」も、たった今インターネットで検索するまですっかり忘れていましたが、「備えよつねに」だけは、座右の銘と言ってもよいほど常に心の中にありました。
私が携わっている弁護士という仕事は、依頼者の法に従った正しい利益を実現するため、文献や判例集をはじめとする多くの資料を調べることはもちろん、裁判などを通じて紛争の相手方と闘わなければならないことも多く、まさに常在戦場、常に備えを欠かすことができない仕事です。そして、そうであればこそ、労苦の末に依頼者の正しい利益を実現できたときの達成感、充実感は他では得られないものがあります。
現在活動しているボーイスカウト隊員の諸君にも、選ぶ道は様々にせよ、人と社会に奉仕し、そのことによってしか得られない光を感じ取ることができる人生を歩んで欲しいと思います。そして、何のために備えるのか、どのような人生を歩みたいのか、歩むべきなのか、そのために、今、そして未来の自分は何をすべきであるのかを考え、かつ備えつつ、楽しくスカウト活動に励んで欲しいと願って止みません。
最後に、放任家庭で我が儘に育った私に暖かくご指導下さったY隊長をはじめとする多くの指導者の方々に、改めて深く御礼申し上げると共に、貴団の益々のご発展と、この地のより多くの子供達がスカウト活動を通じて、より良く生きる備えを学ぶことができるよう祈念いたします。
以上
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| 2007年9月29日(土) |
| 負け戦の経験 |
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冨山和彦(元・産業再生機構COO)「会社は頭から腐る」を読みました。経営人としてのあり方、プロとしてのあり方など、色々と学ぶべき点の多い本であったと思います。
特に共感できた点として、若いうちに負け戦に飛び込んでおけという点を挙げることができると思います。
かくいう私も、東京の勤務先では、駆け出しの目から見て相当に厳しいと言わざるを得ないような事件を何度か担当することになり、実際、残念ながら敗訴した経験も何度かしています。その際、負けた事件の方が勝った事件よりも苦労することがほとんどでしたが、率直に言って、勝った事件よりも負けた事件の方が、学んだことが遥かに大きく、現在も血肉になっているように感じています。
弁護士の場合、そもそも敗訴リスクのある事件は依頼者のためにも受任すべきでないという意見もあるでしょうが、実際の現場では相談時には勝訴の可否を見通すことが難しい依頼も少なくなく、そのことを丁寧に説明した上でなお真摯な依頼の意思があり、受任すべき相当性が認められる場合には、まずは受任して依頼者のため闘うというのが、ごく平均的な弁護士の発想ではないかと思われます。
今後も、「非常に苦労することが目に見えているので、できることなら受任したくなかったが、依頼者のためを思うと断り切れずに受任してしまった」というケースは何度も出てくるでしょうが、研鑽の機会と前向きに受け止めて、真摯に取り組んでいきたいと思っています。
余談ですが、前記著作で最後に引用されていた「後世への最大遺物は、勇ましい高尚なる生涯である」との内村鑑三の言葉は、そうした生き方をした先人を多く持つ岩手の人々にこそ大いに銘記されるべきではないかと、新幹線の中で今月の「トランヴェール」(特集・安倍氏と清原氏)を読んで、藤原清衡の生涯に思いを馳せながら感じたりもしたものです。
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| 2007年9月26日(水) |
| 条例セミナーin盛岡JC |
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盛岡JCの企画で、「条例をつくろう」などという壮大(無謀?)な野望を掲げたセミナーをやることになり、私には条例について10分くらいで簡単な説明をせよとのお達しがありました。
そこで、下記の文章を書いて、そのまま読み上げるつもりでいたのですが、このまま話しても聞き手には理解困難だろうとのことで、パワーポイント等使用して工夫せよとのことで、当日は、大幅に改変して説明しました。
というわけで、折角書いたため勿体ないので載せることにします。
(以下、引用)
では、まちのかたち創造委員会より、皆さんに条例についての基本的な知識と理解を持っていただくため、若干のご説明をいたします。
条例とは、簡単に言えば、ある自治体、例えば盛岡市・盛岡市民のためだけに市議会の多数決によって定められる特別のルールのことをいい、具体的には、主に次のようなものがあります。
第1に、住民に対し、「こういうことはやってはいけない」(権利の制限)、或いは「こういうことをしなければならない」(義務の賦課)などと命じる条例です。こうしたルールは、主に、国会で定められる法律によって日本国民全体のために設けられることが多いのですが、一定の限度で、自治体が独自のルールを設けることが憲法などで認められています。そして、盛岡市でも、例えば、自転車を特定の区域に放置することを禁止するとか(自転車等放置防止条例)、特定の区域ではいわゆるラブホテルを建設してはならない(ラブホテル条例)などの条例が設けられています。
私たちが調和のとれた社会生活を安心して営むためには、時には不自由な思いをしなければならない場面があることは言うまでもありません。ですが、昔々の武士が農民を支配していた時代のように、私たち自身がコントロールできない場所で、他人が一方的に私たちに対して何かを命令したりすることができるような社会になってしまったとすれば、私たちが安心して暮らすことができないことも言うまでもありません。
そこで、私たちの権利を制限したり義務を課すようなルールは、私たちが選挙で選んだ代表者によって構成される国会や県議会、市議会などでのみ、定めることができるとされているのです。このことは、我が国をはじめとする民主主義社会の基本的なルールの一つですので、しっかりと理解していただきたいところです。
条例の具体例としては、その他に、自治体の組織の内容について定める条例があり、盛岡市でも、市役所の組織の基本的な単位である財政部、建設部、下水道部などの各部門については、市長や市の職員が勝手に決めているのではなく、市議会で定めた条例により定められており(盛岡市部等設置条例)、これは全国どこの自治体も同様です。
市役所の活動が私たち市民の日常生活に非常に大きな影響を及ぼすものであることは、言うまでもありません。そこで、市役所の具体的な活動内容を決めていくベースとなる組織については、市民の手により定められるべきであるとの考えから、条例で各部の設置が定められているのです。
そもそも、盛岡市役所は主に盛岡市民が納める税金によって営まれているものですので、市役所の基本的な組織のあり方についても、市民の代表である市議会により定められるべきことは、当然のことと言えます。このことは国についても同様であり、財務省、総務省などの省庁も、すべて国会の法律により設けられています。
日本国憲法が国民主権という基本理念を掲げていることは、皆さんも学校で勉強されたかと思いますが、例えばこのような形で国民主権の理念が具体化されているのだということを、この機会に知っていただきたいと思います。
また、そうした考え方から、市役所が進めている様々な政策に関する基本的な理念、ルールなどを条例で定めることも行われています。例えば、盛岡市ではありませんが、京都市など幾つかの自治体で、市役所をはじめ市民や市内の事業者などに対して地球温暖化防止のため努力すべきことを定めると共に市長に二酸化炭素の排出を削減するための計画の立案や実施などを命じる内容の条例が定められるなどしています。
その他、条例の中で特に数が多いものとしては、市が所有する様々な施設の運営・管理に関する条例(例・アイスアリーナ条例、市営野球場条例、文化会館条例、武道館条例)や市職員の待遇などに関するもの(例・給与条例、職員定数条例)などがあります。
以上ご説明してきたとおり、条例は、国会で定める法律と共に、この社会の基本的なルールを定める非常に重要な制度ではありますが、残念ながら、これまでは、盛岡市に限らずほとんどの市町村では、その地域の独自の個性を活かした条例や住民の考えを反映させた条例が作られたことはほとんどなかったというのが実情です。
最近では、幾つかの自治体でポイ捨て禁止条例や、住民に家庭生活の大切さを呼びかける趣旨の条例(岐阜県家庭の日を定める条例)、子供に朝ごはんを必ず食べさせるよう呼びかける趣旨の条例(青森県鶴田町朝ごはん条例)など、地域住民の意識の啓発を図る趣旨のユニークな条例が設けられています。しかし、そうしたことに限らず、地域社会のルールや社会のあるべき姿について、役所任せにせずに住民が主体となって定めていくということは、地方自治の重要性が叫ばれる中、成熟した民主主義社会の構築のため、今後、ますます必要かつ重要になっていくものと考えます。
市民のリーダーを標榜し様々な活動を行っているJCにとって、自分達の活動を単なる自己満足に終わらせることなく、地域社会に現実に役立つものとするためには、条例という制度に関心を持ち、JC活動を通じて自ら多少なりとも考えてきたであろう社会変革、市民啓発の手法として条例を活用することもまた、視野に入れておくべきであると言えるのではないでしょうか。また、そのことが、口先だけの言葉ではなく、内実を伴った「明るい豊かな社会」を構築するため必要なことなのではないでしょうか。
ぜひこれを機会に、条例ひいては地域社会のあるべきルール、あるべき姿について考えを深めていただきたいと思います。
以上、ご静聴ありがとうございました。
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| 2007年9月25日(火) |
| 滅びに至る道 |
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9月24日の日経新聞の記事で、人口減少率に関するデータが掲載されており、北東北3県は、いずれも人口が2%以上減少している深刻な地域であると紹介されていました。特に、その地方全体が2%以上の減少になっているのは北東北3県のみとなっており(他は、山陰なら島根は2%以上だが鳥取は2%未満、四国は徳島・高知は2%以上だが香川・愛媛は2%未満など。)、事態の深刻さを痛感せざるを得ませんでした。
自殺率についても、北東北3県が全国上位3位を独占している有様ですし、11月6日の岩手日報の記事によれば、岩手県南は全国でも輪禍死がワースト最上位に入る有様なのだそうです。
このままでは、「そして誰もいなくなった」状態になるのではと思わずにはいられませんが、そうした危機意識をどれだけの人が持っているのでしょうか。
そうしたことに対し危機意識を喚起して対策を訴えるメッセージが、役所であれ政治家であれマスメディアであれJCその他のNGOであれ、どこからも聞こえてこないというのも、情けない話というほかありません。
まさに滅びに至る道としか思えないのですが。
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| 2007年9月15日(土) |
| 負の遺産ツアー |
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財政破綻した夕張市を見に韓国から大視察団が訪れたとかいう記事を拝見しました。
岩手も、夕張に負けじと「負の遺産ツアー」を企画し、学生さんから大人まで色々と見てもらった方がいいのではないでしょうか。
折角なので、私が以下の2泊3日コースを推薦することにしました。
1日目。東京駅を朝出発し、昼に二戸着。ひっつみ等に舌鼓を打ち、「日本最大級の不法投棄現場」県境不法投棄事件の現場を見学。時間があれば、「日本最大級の夫婦岩」馬仙峡や「秀吉の全国統一最後の激戦地」九戸城見学も兼ねる。
その日は金田一温泉泊。可能なら緑風荘で座敷童見物。
2日目。八幡平に移動し「日本最大級の廃墟」松尾鉱山跡見学。ついでに八幡平散策・周辺等を見学し、八幡平温泉郷に宿泊。
3日目。盛岡市内に移動し、「地方競馬で日本最大級の赤字競馬・岩手競馬の盛岡競馬場」を、4階のVIPルームにて見学・観戦し、赤字救済のため大量に馬券を買っていただく。
昼食にわんこそば、帰りの新幹線に乗車する前に、駅前で冷麺・焼肉などとすれば、完璧でしょう。
岩手競馬も、賞金カットだとかしみったれた話ばかりしないで、こうした風変わりなツアー企画でも組んでTV番組なんかも使ってアピールすれば、東京から人と金を呼び込めるのではないでしょうかね。
知事が便宜を図って通常なら立ち入れない松尾鉱山の建物等に入れるようにすれば、全国の廃墟ファンが押しかけたりして・・。
まあ宮崎県知事でもなければ、そうしたジョークは通用しませんかね?
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| 2007年8月20日(月) |
| 東京裁判と広田弘毅元首相 |
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お盆期間中のNHKスペシャルで、東京裁判における広田弘毅元首相らの供述をベースに、戦時中の指導者達が何を行い、何をしなかったのかを探る趣旨の番組をやっており、大変興味深く拝見しました。
学生時代、城山三郎「落日燃ゆ」を読んで大泣きした記憶があり、少なくとも彼については名誉回復が図られるべきではないかと思っていました。
改めてこうした番組を見て思ったのは、社会が過去を清算し再出発を図ろうとする場合に、時代が人柱を求めることがあり、潔くその任を果たす人がいることによって、社会は次のステップを踏むことができるのではないかということです。
簡単に言ってよいことではないと思いますが、近衛文麿・松岡洋右ら「最も詰め腹を切るべきであろう文官」が先に逝ってしまい、広田元首相がその役割を果たさなければ、他に詰め腹を切るに相応しい人物がなく、結局は天皇責任論が再燃し、戦後社会の存続に支障を来すことになりかねなかったのではないか、という印象は受けました。
翻って今の岩手・日本ですが、財政悪化やら少子化・人口減少やらで先行きに暗雲が垂れ込めているにもかかわらず、その原因を形成した人達が責任をとったという話を聞いたことがありません。
これでは、次のステップに行こうなどと望むべくもないでしょう。
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| 2007年8月2日(木) |
| クールビズの功績 |
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今年から、クールビズに倣って、夏は原則としてノーネクタイ等の軽装で対応させていただくことにしました。
率直に言って、首元がすっきりして大助かりです。
弁護士になりたての平成12年の夏、大阪地裁に仕事で行ったことがあり、半袖シャツの人が多いのに驚いた記憶がありますが、それに比べると時代が大きく変わったというか、大変よいことだと思っています。
小泉政権の実績のうち、郵政民営化云々などというのは今ひとつ国民生活に役立ったのかどうかよく分かりませんが、「不合理な常識を転換して国民生活を現実に変えた」という点では、クールビズは第1級の功績ではないかと思っています。
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| 2007年8月1日(水) |
| 闇を覗く者 |
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田中森一「反転〜闇の守護神と呼ばれて〜」を読みました。田中氏については、以前から「特捜部出身の大物ヤメ検で闇社会の代理人として名を馳せた人」として知っていましたが、どのような経緯でそんな生き方をするようになったのかはまったく知らなかったので、大変興味深く拝読しました。
色々な意味で、同じ肩書を持つ人とは思えない・・という印象ですが、聞くところではバブル華やかなりし頃は泡銭を手にした弁護士はそれなりにいたそうで、別のあるヤメ検の先生から、「弁護士になって間もない頃だったのに、1億円も稼いでしまって税務調査に入られた」と聞いたこともあります。
ニーチェの有名な言葉に、「闇をのぞく時、闇もまたこちらを見ているのだ」というものがありますが、田中氏に関して言えば、まさに闇を覗きすぎて、闇に取り込まれてしまったとしか言いようがないと思います。
弁護士に限らず、リスクのある仕事に携わる人は、こうした本を読んで、危うい話に関わりそうになったとき、どこで一線を引くかということを、きちんと勉強しておくべきだと思います。
余談ですが、私は知る人ぞ知る中央大学真法会の出身ですが、意外なところで学生時代に薫陶を賜った大先生が登場されていたのに驚きました。まあ、真偽のほどは私なんぞには知る由もありませんが・・・
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| 2007年7月11日(水) |
| 自転車事故と賠償責任保険と条例 |
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以前にも書いたとおり、4月から県民生活センターで交通事故に関する相談業務を担当していますが、加害者が任意保険に加入しておらず、被害者もこれをフォローできる保険に加入していないため、被害の補償が著しく困難になっている案件に遭遇することが少なくありません。
特に、その顕著なものが自転車同士の事故であり、自賠責保険すら存在しないため、甚大な被害が発生しながらも加害者が無保険・無資力で、被害者も特段の保険に入っていないケースでは、被害救済は事実上、まったくなされないことになります。
また、後遺症が生じた場合には、自動車事故であれば、自賠責保険を通じて自算会(自動車保険料率算定会)が後遺症の等級認定をしてくれるわけですが、自転車事故にはそのようなシステムがなく、後遺症が問題となった場合の証明にも大きな難点を生じさせていると思います。
そうしたことから、自転車向けの自賠責保険を作った方がよいのではないかと思わずにはいられません。例えば、自転車を購入する際に一口1000円程度の保険料支払を義務づければ、十分に制度の運用が可能ではないかと思われるのですが。
盛岡市は、コンパクトシティ構想の一貫かどうか知りませんが、自転車の活用を推進しているのだそうで(その割には盛岡駅前?の市営駐輪場の使い勝手はあまりにも酷いですが・・)、そうであれば、国を頼りにせずとも、独自の賠償責任保険条例でも作って、「万一のときも保険で対応できるので自転車を活用しよう!」などとキャンペーンでもすればいいのにと思いますが。
損害査定については保険会社や岩手弁護士会の協力を要請したり、後遺症認定は自算会に委託するとか、色々とやり方はあると思うのですがね。
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| 2007年7月9日(月) |
| 国際アカデミーと政治教育 |
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この日から1週間、盛岡JCの今年最大のイベントである「国際アカデミーin盛岡」が開催されました。これは、以前にも書きましたが、世界各国のJCのうち50カ国以上の国々が代表者(「デリゲイツ」と言うそうです。)を1名出して色々と研修をさせているもので、毎年日本のどこかの都市で行っているそうですが、今年は盛岡で行うことになったというものです。
で、私は相変わらず仕事等で一杯一杯のため、9日だけ下っ端の付添要員として参加してきました。
この日は、盛岡JCの企画で、70名前後のデリゲイツを10人位ずつに分けて盛岡市内の複数の小中学校に連れて行き、小中学生と交流させるという行事が行われ、私は上田中学校に行ってきました。上田中は、盛岡市内では岩大附属と並んで進学校として名高く、以前から多少の興味があったのですが、上役の方いわく、同中学校は以前からこうした外国人などとの交流イベントには熱心に取り組んでいて、当日の内容もすべて生徒を中心に学校側で企画したとのことでした。
で、当日、現場に行くと、校舎を廻って授業を見学した後、体育館に集まって校歌やら大地賛頌やら応援団のエールやら、昔懐かしい光景が繰り広げられたほか、学年毎に複数グループに分かれ、デリゲイツも2人一組に分かれて、生徒達とのフリートークタイムがあり、私も後ろでトラブル防止のため見守り・・というか単に見物してきました。
ほとんどのグループでは、JCで手配した通訳ボランティアの方が同行して通訳をしていただいたのですが、あるグループのみ、生徒の中に欧米人とのハーフの女の子がいて、その子が通訳を買って出ていました。その光景が興味深かったので、そのグループをずっと見物していたのですが、ある生徒が「日本に来て驚いたことは何ですか」と質問したところ、香港から来たデリゲイツ(推定年齢37歳)が、「自分の国には政党は一つ(共産党)しかない。日本には沢山の政党があって自分達の主義主張をポスターなどで貼っているので驚いた」などと答えたのですが、さすがにその生徒さんには「political party(政党)」などの言葉は分からなかったようで、翻訳不能で困っていたことから、私が助っ人で入って、上記の話を中学生でも理解可能な程度に(多分)かみ砕いて説明するという一幕がありました。
さらに、そのデリゲイツは、「政党が複数あって色々と自分達の主張をして選挙などやっているのは無駄が多い。一党独裁の中国の方が制度として優れている」などという趣旨のことを言い出したので、さすがに「おいおい」と思ったのですが、政治の話はその程度で終わったので、事なきを得ました。
で、その際に思ったのは、その香港のデリゲイツにしてみれば、この程度の話なら中学生でも対話可能であると思って上記の話をしたはずであり、裏を返せば香港では(一般的によく知られている欧米と同様に)中学生に対しても政治や政党、選挙等の制度について一定の教育が施されているのではないか、それに対して自分が経験した限り、昔も今も、日本ではそうした教育がなされていないが、果たしてそれでいいのか、ということでした。
中学1年生のころ、担任の先生に「先生は何党に投票するのですか」と聞いたところ、先生が満面の笑みを浮かべて「もちろん社会党だよ」などと仰っていたので、内心、「うちの親は自民党支持者なんだよな・・」とか「社会党って何でも反対って聞いてるけど、そんなところに投票して大丈夫なの?」などと思った記憶があるのですが、党派的対立を持ち込まない形で、上手に中高生に政治教育を施すことができれば、国・地方の政治・行政に関する諸制度もさらに改善されたり、ひいては日本の国際的な地位の向上にもつながるのではないかと感じたりもしますが、どうなんでしょうか。
もし、私が英語がペラペラで、かつ聞く側に一定の下地があるのであれば、その場で、一党独裁型政治体制や複数政党林立型政治体制それぞれの長短を説明し、中国のような統治の難しい国では一党独裁型政治体制にはそれなりに長所が大きいかもしれないが、現在の日本に関しては、民主主義的な政治体制が「必要やむを得ない無駄」と言えるのではないかと、中学生とデリゲイツの双方に対して説明したかもしれません。
少なくとも、単に他愛のない会話でじゃれ合うだけでなく、そうした議論まで深めることができれば、真に国際交流ができたと言えるのではないかと思っています。
そうした意味では、私はもちろんのこと、デリゲイツにも、盛岡JCにも、生徒らにも学校側にも、色々な宿題が残されたのではなかったかと思うのですが、現実にはなかなか難しいのでしょうね・・・
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| 2007年7月7日(土) |
| ようやく更新 |
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最近、HPが本格的に威力を発揮し始めたようで、HP経由での相談依頼がかなり増えてきました(相変わらず債務整理がほとんどですが…)。
また、おかげさまで別ルートでのご依頼もあり、なかなか日記にまで首が回らない状態が続き、1ヶ月以上もご無沙汰になってしまいました。
時折、ぜひ書いてみたいというネタを思いつくのですが、備忘録を取っていないのですぐ忘れてしまいます。
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| 2007年7月6日(金) |
| 東北弁連定期大会と医療観察法 |
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本日は、東北弁護士会連合会(東北弁連)の定期大会が盛岡で開催され、私も参加してきました。
東北弁連では、毎年1回、東北6県のどこかで定期大会という行事を行っているそうで、今年は盛岡で開催されたものです。正直なところ、現在も色々と受任業務に追われているので、この種の行事は普段は謹んで遠慮させていただくことにしているのですが、盛岡開催のため岩手弁護士会の他の先生方がスタッフとして以前から相当尽力されてきたことや、一応弁護士会には協力するスタンスで臨んでいるので、当日の臨時要員として多少はお手伝いしなければならないかと考え、やむなく(?)参加したものです。
ただ、予想どおり、実際に行ってみると、特段言いつけられることもなく、単なる参加者として講義やら何やらを聞くだけに終わりましたが。
ところで、今回の大会では心神喪失者等医療観察法がテーマになり、過去の事例のアンケート結果など実務的に参考になる資料の配付や講義等がなされ、私も過去に2件ほど取り扱ったことがあるので、その点は興味深く拝見してきました。
ただ、事務所経営者としては一番関心のある「医療観察法(の実務)は、弁護士にとってペイする仕事か」という本音(下半身)の話については、当然のことながら一言も触れられることはなく、制度や実務上の工夫、対象者の処遇のあり方など上半身の議論のみに止まりました。
私が経験した範囲で言えば、医療観察法に基づく入通院決定申立事件に関する国選付添人業務の報酬は、通常の刑事事件における国選弁護人の報酬(原則7〜8万円程度)よりも若干多い(10万円程度)ですが、遠方の精神病院に行き対象者に最低2回は会わなければならないことや評議等の負担もありますので、私自身の実感としては、国選付添人は国選刑事弁護よりもペイしない仕事であり、時給換算で当事務所の維持コストを賄う水準まで達していない(かなり合理化してどうにか+−ゼロ程度)というのが率直なところです。
この点、通常刑事事件について言えば、たまに資力のある方から相応の報酬をいただいて私選弁護人に就くことがありますが、医療観察法の事件(心神喪失者等=精神障害者絡み)については、(私に経験がないだけかもしれませんが)ご家族に資力どころか介護能力もないとか、本人が家族とトラブルを起こしているなどといったケースが多く、通常刑事事件と比べても私選受任の可能性は低いのではないかと思われ、刑事事件ならあり得る?「国選で赤字仕事をしても私選でそれを埋め合わせる」というビジネスモデル?を確立できるのか大いに疑問です。
そもそも、刑事私選事件も、ヤメ検の方などが手がけているお金持ち相手の巨額案件は別として、私のようなしがない田舎の町弁が良心価格?で受任するようなケースでは、何度も接見に行ったり保釈等の事務の内容如何では必ずしもペイするとは限りませんし、否認事件に至ってはよほどの額をいただくのでもない限り、まずペイしないというのが実感です。
無論、刑事事件はそれ自体、経済的利益を生み出す仕事ではないので、弁護士が刑事事件でボロ儲けをするというのは好ましいことだとは思いませんが、赤字仕事を強いられると、事務所の存続のためにはどうしても他の業務等でその埋め合わせをしなければならず、結局は、他の受任事件における報酬等の設定に影響を及ぼさざるをえません(真偽不明ですが、世間の耳目を集める特殊な重大事件をボランティア的に手がける「人権派」の先生の中には、一般の事件の受任で目を丸くするような報酬を取ったり、かなり杜撰な仕事をする方もいるらしいと噂で聞いたことはあります)。
真っ当に稼いでいる弁護士さんがボランティア的に携わるのであれば、それはそれで好ましいことでしょうし、幸い当事務所も現在のところどうにか無難に経営できているので公的性格の伴う赤字仕事も歯を食いしばって手がけているわけですが、弁護士大増員時代を迎え、私を含めて皆がいつまでも恵まれた立場にいるわけでもありませんし、無理を強いればどこかにしわ寄せが来ることは避けられず、制度設計としては大いに疑問に感じています。
今回の定期大会では、国選弁護報酬の大幅増額を求める決議も採択されていましたが、弁政連(日本弁護士政治連盟)の偉い方もいらしていたようなので、国選付添人や国選弁護人の報酬の合理的増額にもっと関心を持ってロビー運動などしていただきたいところです。ただ、察するにそうした偉い方々は、薄利多売型経営で汲々としているしながい田舎の駆け出し町弁の私と違って、大企業の顧問やら企業法務等の巨額案件でバリバリ稼いでおられるでしょうから、なかなか関心は持っていただけないでしょうね…
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| 2007年7月5日(木) |
| ヤンキー先生のビデオ回収と契約実務 |
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ヤンキー先生こと義家弘介氏の参院選出馬に伴い、同氏が出演していた法務省作成のビデオを回収せざるをえなくなるという事態が生じたというニュースがありました。
しかし、どうして出演依頼をする際に、契約書などで「ビデオ上映を事実上不可とせざるをえないような行為の禁止及び違反の場合の損害賠償条項」を設けなかったのか、不思議に感じます。以前に、海外で活躍するタレントが、タレントイメージを保つため私生活の隅々までスポンサーとの契約書で色々と制約を受けているという話を聞いたことがありますが、少なくとも、ビデオ回収ともなれば巨額の損失が生じるはずで、それを防止するために、出演者である義家氏に、そのような事態を生じさせないよう義務づける(無論、自己の意思でそれに反するのであれば、損失の補填はしてもらう)規定はあっていいはずです。少なくとも、回収に伴う損失は国民の税負担になるわけですから、納税者としても、法務省の手抜かりには疑問を感じます。
私も、東京時代には何度も(今も若干)企業間の契約書のチェックをやりましたが、この程度のことは、弁護士が介入していれば当然に思いつくことと思われ、法務省も自らが弁護士増員の旗振り役をしながら、自身は僅かな弁護士費用も惜しんで?巨額の損失を国民に生じさせているわけですから、批判は免れ得ないでしょう。
今後の義家氏の対応にも注目したいところです。
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| 2007年7月2日(月) |
| 南側牧野のボーリング調査断念 |
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県境不法投棄事件で、以前から問題となっている現場近くにある南側牧野(事件を起こした三栄化学が平成3年ころまで処理施設を操業していたため不法投棄の疑いがある場所)について、二戸側がかねてから要望していた青森県によるボーリング調査が、牧野を所有する農業法人の強硬な反対のため断念に至ったという趣旨の報道がありました。
http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20070629_7
少なくとも当面は、任意の協力による調査は難しいでしょうから、二戸側がボーリング調査を実現させたいのであれば、公調委に持ち込んで助力を仰ぐほかないと思われます。
この種の事件では、公調委は事前相談に応じ、強制的な調査か可能かどうかの見通しを示してくれることもあるやに聞いていますので、二戸市及び住民が真に問題解決の意識があるのであれば、その程度の尽力はぜひしていただきたいところです。
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| 2007年7月1日(日) |
| 県境不法投棄事件と大学生 |
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4年前の日弁連調査依頼、住民サイドからお声が掛かるわけでもなく、すっかりご無沙汰になっている県境不法投棄事件ですが、先般、二戸出身で東京の私大で学んでいる学生と名乗る方から、突然、「県境不法投棄事件で、今、貴方は住民のため何をやっているのか」などと問い合わせがありました。
どうやら、学生さんがゼミのレポートか何かの類で調査していて、その関係で私のHPなどを見つけて電話してきたようです。
急ぎの仕事で余裕がなかったのと、いささか不躾な感じがしたので、「住民は何も頼んで来ないから何もしてないよ」程度の答えで済ませてしまいましたが、地元出身の学生が郷土の大問題に関心を持つことは好ましいことであり、もう少し丁寧に答えてあげればよかったかなと少しだけ後悔しました。
県庁サイドの撤去事業が淡々と進み、地元では風化しつつある県境事件ですが、日弁連意見書で散々記載したとおり、今なお未解決の多くの課題を残している事件ですので、地元の方はもちろん、より多くの方に関心を持っていただきたいところです。
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| 2007年6月30日(土) |
| 新聞記者 |
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弁護士をしていると、たまに、新聞記者の方から事件に関する問い合わせを受けることがあります。
大概は、礼儀正しい問い合わせの方が多く、新聞の公的役割を尊重して守秘義務の範囲できちんと対応していますが、中には、何を勘違いしているのだろうと言わざるを得ないような高圧的な態度で接してくる人もいて、腹立たしさを通り越して情けない気持ちにさせられます。
無論、そのような人に限って、その訴訟や制度等についての勉強をせずに自分の思い込みで勝手な見解をぶつけられたりトンチンカンな質問をされることが多いです。
まあ、不勉強で勝手な主張というなら、私も時には裁判官からそう思われる場合もあるでしょうから、他山の石と思って謙虚に受け止めることにしたいとは思いますが。
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| 2007年6月26日(火) |
| 騙される女性達と債務不払罪 |
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先日の弁護士会での法律相談で、若い女性から、次のような相談がありました。いわく、交際相手の男に請われて多額のお金をサラ金から借りて渡したところ、当初はその男が支払っていたものの、間もなく音信不通になり、仕方なく自分で支払っていたものの、それも難しくなり、債務整理の相談に来たというものでした。
似たような話は私も何度も聞いているので特段驚きはしませんでしたが、その女性いわく、先日、サラ金の店舗に支払に行ったところ、若い女の子がチンピラ風の男に乗せられて一緒に店舗前に現れ、男が車内でふんぞり返って待ち、女の子が一人でそそくさと店内に入ってお金を借りて、男に渡す光景を目撃し、以前の自分とそっくりだと思って、女の子に忠告したい気持ちにかられたが、さすがにできなかったというのです。
さすがの私も、その光景が目に浮かんでくると、怒りを禁じ得ない思いがしました。
相談者としては、かつての交際相手に貸金返還請求をしたいとのことでしたが、法律的には問題なく認められるものの、立証に難があること、仮に判決で勝ったとしても回収が困難なことなど、毎度のごとく同じ説明をするほかありませんでした。
このような相談を聞く度、この種の悪質な人間に掣肘を加えるための何某かの制度が必要ではないかと思わざるを得ません。この日記でも同じことを何度も書いていますが、悪質な不払者に対するサンクションの制度を、本気で検討し実施しなければ、法治国家としての内実に関わることではないかと思います。
無論、悪い男(女)に騙されないようにするための教育も必要でしょうけどね。
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| 2007年6月25日(月) |
| 新丸ビル |
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先日、久しぶりに日弁連公害環境委員会に出席してきました。
私が所属する廃棄物部会では、現在、家電リサイクル法を巡る諸問題と、安定型処分場の問題に取り組んでおり、前者については、会議の前日に、優良な中古家電を買い集めて海外に輸出して再使用を促進しているという業者を見学するなどしています。残念ながら私は参加できませんでしたが、再使用(リユース)を巡る実務の現状と家電リサイクル法との関係など、かなり示唆に富む内容だったようです。
安定型処分場の問題についても、廃棄物の性質上、異物の混入による汚染拡散が避けられないのではないかとの意見が強く、少なくともこれ以上の処分場の増設は認めるべきではないとの意見書を日弁連名義で提出してもらう方向で調整しています。
ところで、帰り際に、若干時間が余ったので、オープンしたばかりの新生新丸ビルに立ち寄ってきました。隣の丸ビルに比べると上層階にレストランがない(ので事実上行けない)など、インパクトでは見劣りする感じはしました。ただ、男性向けのオーダーメードスーツのお店が複数店舗あるなど、やはり東京の裕福な人達にとっては有り難い施設であることは間違いないでしょう。
東京に戻りたいとは毛頭思いませんが、定期的に東京の空気を吸いに来る機会は、進取の気性を保たなければならない身としては、非常に貴重なものと感じています。
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| 2007年6月23日(土) |
| 女性の権利110番 |
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本日、岩手弁護士会の主催で、「女性の権利110番」という無料相談会があり、私も午後に短時間ながら参加してきました。
ただ、午後の相談件数が少なく、私が少し遅れて到着したため、相談に来た方は他の先生方がすべてフォローしてしまい、出番がなく終わってしまいました。ただ、念のため持参した受任中の仕事をすることができたので、多少とも時間を無駄にはせずに済みましたが。
今後も参加はしたいと思うので、次回に期待することにします。
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| 2007年6月18日(月) |
| 筆界調査in釜石 |
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先日、久方ぶりに筆界調査委員の出動要請があり、釜石まで行ってきました。当事者や法務局の担当者から事件の内容を色々と聞いてみると、一筋縄ではいかない面があるようで、ボランティア仕事を引き受けている身としては気が重くなるばかりです。
ところで、遠野から釜石に抜ける新しい道路が開通し、はじめて通行しましたが、利便性が一気に向上したことに驚かされました。
ただ、車線が一つしかないので、軽トラックなど鈍足の車が先頭になると、あまり意味がなくなるので、できれば一部を二車線にするとか工夫してほしかったです。
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| 2007年6月14日(木) |
| 国選否認事件と法テラスの踏んだり蹴ったり |
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先日、被疑者段階から国選弁護人として受任していた全面否認事件が、力及ばず有罪判決により終了しました。
事件の内容の説明は差し控えさせていただきますが、全面否認事件のため検察官提出証拠を全部謄写し、相当長時間をかけて記録を検討したり何時間にも亘って長丁場の尋問を繰り返してきたのですが、結局、法テラスからは他の自白事件と同様に、数万円程度の報酬が支払われただけでした。
法テラスの発足時に、今後は否認事件については相応の斟酌がなされるやに聞いたつもりだったのですが、まったく私の勘違いだったようで、これまでは概ね認められていた否認事件での記録コピー費がカット(200枚を超えなければ支給しない)されるなど、かえって従前よりも待遇が大幅に悪化したというのが率直な印象です。
言うまでもなく、費用対効果(時間給換算)の面からは、このような事件は大幅赤字事業と言わざるを得ず、事務所経営者としては到底納得のいくものではありません。これでは、今後、法テラスから要請があった際には、自白事件か否認事件かを聞いて、否認なら断るようにしようと思わずにはいられません。
東京では、国選刑事なんぞ絶対やらないという方は掃いて捨てるほどいるでしょうが、田舎の駆け出し弁護士には許される選択肢ではありませんので、正直なところ、弁護士会が一丸となってボイコット運動でもしていただきたいと言いたくもなります。無論、法テラスには色々とお世話になっている面もあるので、そんなことはできないでしょうけどね。
国選否認事件は酷銭事件という構図は、今も昔も変わりがないようです。
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| 2007年6月7日(木) |
| 盛岡市長おでかけトーク |
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今日は、盛岡JCの臨時企画で、盛岡市長を招いて「おでかけトーク」という行事があり、私も参加してきました。
盛岡市では、以前から市内のNPO等の団体から応募があれば、当該団体に出向いて話をする「おでかけトーク」なる事業をしており、それを発見した盛岡JCのメンバーが応募して、市長が応じたのだそうです。
今回は、以前から「市民による条例づくり運動をやりたい」と話していたメンバーの方が応募等の手続をとったことから、条例関係の話がテーマとなりました。具体的には、主に市役所の担当部局から条例づくりの方法論や「市役所と市民との共働」についての前例に関する説明があり、JCからは、今回の応募をしたメンバーが企画した「条例コンクール」の説明や、JCメンバーが考えた条例案の発表などがありました。
私も、上役の方に事前に考えてこいと言われていたので、GW中に弘前城を見た際に、盛岡城が見劣りしたことを思い出して、やっつけ仕事で「仮称・盛岡城址再生推進条例(案)」の骨子を起案して発表しました。
また、最後に出席者が一言ずつ意見を言える場を与えられたので、かねてから市政について要望したいと思っていた事柄のうち、盛岡駅東口におけるエレベーターの整備と、映画館通りにおける託児所の整備を要請しました。
前者については、盛岡駅東口が、横断歩道の設置場所が駅から遠く離れており原則として地下道を通行して駅前正面のストリートに向かう構造になっているにもかかわらず、エレベータが通りの片側にしか設置されていないため、著名な焼肉店などが入居しているビルなどがある反対側の通りに行くには、階段歩行のできない障害者や赤子連れは、かなりの遠回りをするか、GENプラザビルの地下1階にあるパチンコ店から出入りするほかないため、盛岡の顔と言える駅前が、このようにバリアフリー不全の状況でいいのかという問題意識に基づくものです。
後者については、盛岡は昔から映画館が密集する「映画館通り」が存在し、独自のイベント(映画祭)をするなど、「映画の街」などとアピールしておきながら、育児中の夫婦(特に親族等が遠方に居住するなど子供を預けることが難しい夫婦)が、たまには息抜きに子供を預けて映画を楽しむなどということができないという現状があります。これでは「映画の街」など口先だけのものにすぎないと言わざるをえませんので、最低限、市の主導でそのような需要に応えるための託児施設を作っていただきたいという要請をしたものです。
「おでかけトーク」自体は、率直に言って、市側もJC側も、それぞれの言いたいことだけを言うだけで、それぞれの考えを噛み合わせるための議論ないしディスカッション的なところまで至らず、そういう意味ではあまり生産的な会合とは思いませんでしたが、市長を前に、市が克服すべき課題として日頃思っていたことの一端を話す機会を与えていただいただけでも、有意義なものと受け止めるべきでしょうね。
まあ、多分言いっぱなし聞きっぱなしで終わってしまうでしょうけど…
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| 2007年6月4日(月) |
| 負け組男性は右傾向? |
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経済低迷に苦しむ旧東ドイツで、仕事も結婚の機会もない若年男性が極右政党に投票する傾向があるとの調査結果が報告されたそうです。
直接関係する話ではないですが、JCでも、私の身近なところで近現代史とか領土問題などに熱心に取り組んでいる方には、独身の方が多いような気もします(ただ、失業とか低所得といった事情は全然ないでしょうが)。
私自身は、学生時代にはどちらかというとリベラル勢力に親近感がありましたが、結婚したり事務所を構えるようになって、保守的なスタンスが強くなってきました。自分の身近(私的)なところで守るべきものができた結果として、社会との関係でも保守化していくということが、自然であり地に足がついているのではないかと感じたりもします。
そうした意味で、「自分の私的領域に守るべきものができたがゆえの保守」というのなら親近感を持ちますが、「私的生活における純個人的な不満のはけ口としての右傾化」というのなら支持できないと思っています(無論、「不満のはけ口としての左傾化」も同様に支持できませんが)。
一昔前までは、「家庭を持たなければ一人前の男とは認めない」という社会的風潮があったとも聞いたことがありますが、家庭を持ってしまった身としては、天下国家を論じる前に、まずは結婚して家庭生活に苦労しながら地に足のついた健全なバランス感覚を磨いた方がいいのでは?と言いたくなることもあります。
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| 2007年6月2日(土) |
| マタギの里の課題 |
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家族サービス(というと文句ばかり言う人が隣にいますが)の一貫として、北秋田市の森吉山や小又峡方面に行ってきました。
小又峡は、全国的な知名度は高くはありませんが、ダム湖の奥深くに名瀑が連続する遊歩道があり、以前から行きたいと思っていた場所です。
ただ、出発が遅れたのと森吉山ロープウェイで時間を費やしたため、悔しいことに太平湖は遊覧船に乗っただけで、小又峡の滝巡りはまたの機会にとなってしまいましたが。
ところで、北秋田市は、平成17年に阿仁町や森吉町などが合併して出来た市とのことですが、「北秋田市」という無個性極まりないネーミングは、どうにかならなかったのでしょうか。
私に言わせれば、市のシンボル的存在である森吉山が、日本最大級のツキノワグマ密集地であり、マタギの里としても知られていることに因んで、いっそ「マタギ市」とでも命名した方が、全国でも一気に知名度が上がってよかったのではないかと思いますが。
ちなみに、私の故郷である二戸市も、近隣町村との広域合併が長年の課題となっているものの、「二戸市」では隣の一戸町が嫌がるので、別な市名を考えた方がいいんじゃないかという話も聞いたりします。
私としては、いっそ、この地がかつて「爾薩体」という有力蝦夷の本拠地とされてきたことに因んで、「にさたい市」などという命名もありかななどと思ったりもしますが(ちなみに、二戸市内に「仁左平」という地名はあります)、誰も相手にしてくれないでしょうね…
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| 2007年5月23日(水) |
| 合同行政相談所in八幡平市 |
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八幡平市で行われた「合同行政相談所」に法律相談担当として出席してきました。
昨年も、盛岡で行われた同じ企画に出席していたのですが、昨年同様、単に地元の方のための一般的な無料相談に応じるという趣旨のものでしたが、弁護士過疎地域ということもあってか、込み入った相続事件の相談などもありました。
ただ、当事者が皆近隣に住んでいるなどといった土地柄もあり、なかなか裁判手続等までは進みそうにないものも多く、事務所的には収穫はありませんでしたが。
ともあれ、盛岡が決して近いとは言えず、弁護士へのアクセスに難のある八幡平市(西根・松尾・安代)において法律相談事業が営まれることは意義のあることで、今後は弁護士の日当も増額していただければなお有り難いところです。
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| 2007年5月21日(月) |
| 憲法委員会とJCと私の宿命 |
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憲法改正を巡る議論の高まりや国民投票法案の制定を受けて、岩手弁護士会に憲法委員会が設置されました。
具体的に何をやろうとしている委員会なのかはよく分かりませんでしたが、私は司法試験で憲法が得意科目だったものの合格以来ご無沙汰になっていたこともあり、申請をして委員に任命されました。
ただ、私自身の日本国憲法に対するスタンスとしては、比較的「是々非々」の立場(保守系無党派)だと思っているのですが、委員の方々を見ると、いわゆる護憲派色が強いのだろうなぁと思う方が少なくないので、果たして仲良くやっていけるのか、どうなることやらという感じです。
ちなみに、日本青年会議所(JC)は、独自の憲法改正案を作成するなど、比較的、右側に見られがちな団体であり、実際、先般私が参加してきたJCのある行事でも、今の教育は自虐的で荒廃しているとか集団的自衛権を認めることが必要だとか、見る人が見れば敵愾心を燃やしそうな趣旨の講義もあったりして、はてさてという感じです。
私は、昔から互いに路線が違う複数の部類の人達と、いずれもそれなりに友好的なスタンスで関わりを持つ傾向があり、コウモリ的な人間だと思ったりもしたものです。
無定見に各勢力に色目を使えばコウモリ的と非難され、適切な原理原則を見失わずにそれぞれの善し悪しを取捨選択できるようになればバランス感覚豊かということになるので、その辺の難しさということに尽きるのかもしれませんが。
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| 2007年5月20日(日) |
| 倒産法協議会と盛岡における少額管財の行方 |
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先日、盛岡地裁で倒産法協議会が行われ、私も前回に引き続き、オブザーバーとして押しかけ的に参加してきました。
今回は、かねてから私が強く関心を持ってきた管財事件の拡大(少額管財の導入)が一番のテーマになったので、特に、最も導入が要請される「過払金が回収されずに埋もれているケース」について説明し、一般債権者の満足だけでなく回収した過払金で未払公租公課を完済した例なども挙げ、管財事件の拡大の意義を強調してきました。
盛岡地裁では、事情はまったく知りませんが、過去に管財人の選任(受任者の発掘)に相当苦労してきたようで、「(管財人の最低報酬額が)幾らなら断らずに引き受けてくれるんですか」などと恐る恐る聞いていましたが、私が東京で経験してきた少額管財は、様々な事務が発生する相当規模の企業倒産などとは異なり、管財人の負担がそれほど大きいわけではないので、一般的にはさほど弁護士にとって負担感のあるものとは思われません。
ただ、どういうわけか倒産法協議会の正規メンバーは、盛岡でも特に多忙と目されている先生方が大半を占めており、この先生方が相手だと、確かに裁判所ならずとも腰が引けてしまうのは当然で、むしろ、私のような若手や登録換え間もない弁護士など顧客層の薄い面々の意見こそ重視していただきたいものだと思いました。
管財事件の拡大は、適正処理確保の要請もありますが、弁護士大増員時代を迎えた弁護士の業務拡大にも関係することであり、諸々の事情を考慮しながらバランスのよい制度設計や実務運用を図っていただきたいものです。 なお、少額管財は、本来、申立代理人が管財人に無用の負担をかけないようきちんと対処するのが本則ですが、私が経験した限り、申し立てた後のフォローにはあまり熱心ではない面もあるようにも感じられるので(忙しくてそれどころではないのかもしれませんが)、その辺の意識改革は必要になってくるかもしれません。
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| 2007年5月19日(土) |
| 提携司法書士? |
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昨日の「消費者110番」の続きですが、県南の某市の方から、次のような電話がありました。
「4社ほどの多重債務に困っていたところ、借入先の一つである地場の貸金業者から、地元の司法書士を紹介された。条件として、その業者だけは債務整理から外してくれというものであった。司法書士の指示で、毎月2万円くらいを(1年くらい?)送金し続けているが、依頼したサラ金との関係がどうなったのか、まったく報告がない。外してくれと言われた地元の貸金業者への支払も大変になってきたが、どうしたらいいか。」
この点、中小の貸金業者が特定の弁護士や司法書士と手を組んで、その業者だけに便宜を図って不十分な債務整理を行うケースを、「提携弁護士(司法書士)事案」と言い、何年も前から大いに問題となってきたものです。
なお、ひどい場合には、「みなし弁済」の適用がないのに他の業者についても利息制限法に基づく引直等の処理をせずに、約定残高で和解して債務者に支払を強いるなどという弁護過誤に及ぶケースもあります。
その相談の事例が、単に司法書士事務所を教えたというだけなのか、業者と結託しているのかまで聞きそびれましたが、いずれにせよ、債務者にとって合理的理由もないのに特定業者のみを外して債務整理を行うというのは有資格者の取るべき処理として許されるものではありません。
さしあたり相談者には、その司法書士によく説明を求め、それでも納得いかなければ地元の弁護士の方に相談することを勧めると共に、岩手弁護士会の消費者問題対策委員会にも報告だけはしておきました。
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| 2007年5月18日(金) |
| 消費者110番と県南・沿岸の司法過疎? |
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本日、県民生活センターで行われた消費者110番に参加してきました。
私が担当した時間帯に参加した弁護士が少なかったせいか、ひっきりなしに電話や面接相談に対応していたので、これまでで一番忙しく感じました。
今回は、沿岸や県南からの相談が多く、少額事案ということもあって私の事務所に来ることは勧めず、近隣の法律事務所を紹介するに止まったこともあって、珍しく直接受任した案件がまったくありませんでした。
ともあれ、沿岸や県南は、まだまだ需要が大きいのだろうと思わずにはいられませんでした。
特に、県南は、産業のない盛岡よりも経済力が強いとも言われており、それだけ弁護士が手がけるべき紛争も生じているはずで、東京を脱出して東北で開業したい弁護士の方にとっては、岩手県南は大いにお勧めできる地域だと思います。
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| 2007年5月17日(木) |
| 多重債務者問題における行政の役割 |
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この日、多重債務問題に関する行政と関係機関の連絡会議というものがあり、私も参加してきました。
その会合は、岩手県庁、盛岡市役所、信用生協、岩手弁護士会(消費者問題対策委員会)の4者により構成されているようで、会議そのものは会議嫌いの私にとっては退屈なものでしたが、行政が現在、多重債務問題とどのような関わりをしているのか多少知ることができたという点が、一応収穫ということになるかもしれません。
ただ、根本的な疑問として、私に言わせれば、多重債務の解決は、基本的には弁護士が介入して利息制限法に基づく交渉・訴訟等をする以外に有効な手法はあり得ず、役所には出る幕はないはずです。役所の担当者が、個々の債務者を代理して貸金業者と交渉するなどあり得ませんし(弁護士法違反であると共に、行政の役割を逸脱するものと言えるでしょう)、そもそも彼らにそれだけのスキルもないはずです。
ですので、役所の役割は何かと考えた場合、第一次的には、債務整理に対するスキルを備えた良心的な弁護士を紹介することに尽きるのではないかと言わざるを得ないと思います(なお、弁護士過疎地域のように地域に一人しか弁護士がいないというのならともかく、盛岡を含む都市部では、特定の弁護士のみを役所が斡旋するというのは問題がありますので、役所の公正さを確保するための相応の手法をとる必要があるでしょう)。
ただ、敢えて言えば、多重債務問題の解決は、弁護士が介入して整理(債務の圧縮等)をすることに尽きるものではありません。多重債務の原因となった悪事情の除去をはじめとする再発防止策も、重要な問題です。
そして、この点(生活再建の支援等)については、弁護士が必ずしも役に立つ訳ではないので、役所に相応の役割を果たすべきではないかと考えます。
例えば、無職で求職中の人などは、生活費不足からヤミ金に手を出さぬよう短期間の低利貸付をするとか、職業安定所などで優先的に取り扱ってもらうとか、事案により色々とできることはあると思います。また、生活改善のためのカウンセリングなども、弁護士事務所では(まったくやらないわけではないものの)手に余る面が否定できず、役所等の支援があった方が有り難いと思います。
今回の会議も、そういった各論レベルでの生産的議論まで至っていなかった(ように思われた)ので退屈に思ったわけで、要は、現場で実際に生じている問題にどれだけ目を向けているのか、具体的に人の役に立つことをしているのかということが問われているというべきでしょう。
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| 2007年5月11日(金) |
| HPの効果と地域差 |
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当事務所のWebサイトは、盛岡に地縁血縁のない私にとっての顧客獲得や当事務所の理念のPRなども考えて作成したものですが、岩手という司法過疎地域において、弁護士へのアクセスを少しでも容易にするということも、大きな目的の一つとしています。
そうした意味では、盛岡以外の司法過疎地域にお住まいの方からのアクセスを特に期待している面がないわけではないのですが、今のところ相談依頼等は圧倒的に盛岡広域圏に偏っているのが実情です。
或いは、岩手にも日弁連ひまわり基金事務所が増えてきたので、そちらの方で対応・依頼されているのかもしれませんが、私が聞く限り、ひまわり事務所はどちらも相談依頼が殺到し、対応が追いつかない状況らしいとも聞いていますので、それだけの理由によるのかはよく分かりません。
よほど事実関係が込み入った紛争案件はともかく、最低限1回の面談さえ行えば、あとは電話などのやりとりでフォロー可能なケースも少なくないので、ひまわり事務所の予約待ちが待ちきれない方などは、ご遠慮なく当事務所にもお問い合わせいただきたいものです。
とか言いながら、最近も結構仕事が溜まり、厳しくなってきたのですけどね…
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| 2007年5月8日(火) |
| ふるさと納税とカシオペアサポーターズ |
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税制改革の一貫として、地方税の一定割合を自分の出身地に納税することができる「ふるさと納税」が検討されているそうです。
私自身は、郷土愛の強い方なので、これに大いに賛成したい気持ちがあり、特に、岩手出身で東京などで働いている方々には、ぜひ窮乏する郷土のため税金を通じて仕送りをしていただきたいと思っています。
ちなみに、その先取りというわけではありませんが、当事務所では、私の郷里である二戸のため、ささやかなりとも力になりたいという気持ち(と一応の広告目的)もあって、二戸地域の活性化のため活動している「NPO法人カシオペア連邦地域づくりサポーターズ」の賛助会員に登録し、毎年1万円の会費を支払って、地域の活性化のために役立ててもらっています。
県境不法投棄事件に関わりたくて日弁連の門を叩いた4年前もそうでしたが、郷里から遠く離れた人達が、郷里のため無理のない範囲でできることをするというのが非常に大切なことだと思っており、そのような趣旨で、ふるさと納税も推進されるべきではないかと考えています。
余談ながら、私が若干ながらも関わっている岩手青森県境不法投棄事件では、都会から勝手にゴミを持ち込まれた岩手・青森両県が、少なからぬ県費を投じてゴミの処理をさせられる羽目になっており、県費負担をどのようにして軽減させるかが大きな問題になっています(雑記帳欄を参照して下さい)。
ですので、「ふるさと納税」だけでなく、ゴミを出した都会の人や企業が「廃棄物の撤去費用に充てて欲しい」と使途を特定して岩手に納税してもらえるような制度も、併せて検討していただきたいと思ったりもします。
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| 2007年5月7日(月) |
| 不払者へのサンクションと犯罪被害者保護 |
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「知人に頼まれて数百万円貸しましたが、全然返してきません。どこに勤めているかもどこにどれくらい預金等の資産があるかも分かりません。どうしたらお金を取り返せますか。」
このような個人間の金銭消費貸借は、市役所などでの法律相談で最も多い相談の一つですが、弁護士的には、非常に難しい相談と言わざるを得ません。
というのは、借用書等があれば勝訴判決を取ること自体は容易かもしれませんが、資産の所在も分からない、収入の有無等も分からないというのでは、現在の民事執行制度では金銭債権の回収は非常に困難にならざるをえないからです。
このような場合、私は決まって以下の説明をしています。
「貴方にとっては残念なことですが、我が国には、債務を払わない人を警察が収容して強制労働させ弁済させるような強制収容所はありません。ですので、相手が判決に知らん顔をした場合には、貴方が回収するのは難しいです。残念ですが、支払能力がない(或いは隠匿しているが調査が難しい)人に債権を有している人にとって、日本の法律は非常に冷たい制度になっています。無論、相手が恐れをなして任意に支払ってくる可能性もあるでしょうし、ダメもとでも良ければ裁判等を受任することはやぶさかではありませんが、費用倒れに終わる恐れが少なくありません。あとは、どこまで貴方がリスクを取るかですが、どうしますか?」
岩手の方は全国平均よりもリスクに慎重な方が多いようで、このような説明をすると、大概はそこで相談が終わってしまいます。
無論、私もそれでよいと思っているわけではありません。ただ、立法による解決以外に、私自身、妙策が思いつかないのも事実です。
さすがに強制収容所などというのは行き過ぎかもしれませんが、悪質な人間に詐欺同然に騙されて金銭的被害を受けたものの回収できずに困っている多数の方を存じている身としては、現状のままでよいとは到底思われません。
最低限、自己破産をしていない人や自己破産をしても非免責債権を履行していない人については、気の毒な債権者の救済のため自発的に履行せざるをえないようにする何某かの制裁制度が必要ではないかと思っています。
例えば、裁判所の履行命令に従わないことを理由に、債権者の申立により一定の公的資格や受益の停止及び公表等の不利益措置を講じることができる制度が設けられるべきではないかと考えています(あと、銀行等への包括的な資産回答・凍結義務というのも考えられますが、守秘義務等との関係でハードルは高いでしょうね)。特に、犯罪被害や消費者被害など発生原因に問題のある債権については、強力な措置が講じられるべきです。
余談ながら、最近、犯罪被害者保護ということが声高に叫ばれるようになっていて、それ自体は至極正当なのですが、どういうわけか各論として言われるのは刑事事件での弁論権などに見られるように手続上の保護ばかりで、一番肝心というべき損害賠償請求権の履行確保のための措置というのがまったく聞こえてきません。交通事故で加害者に保険が付いているようなケースなら精神的なケアや手続上の保護だけで十分かもしれませんが、何ら資力のない加害者に重大な傷害を負わされたケースなどを考えれば、損害の財産的回復という金銭的なケアこそ最も重要であることは言うまでもないことです。
そういう意味で、私自身は、現在、犯罪被害者保護を声高に叫んでいる人達に本当に現場を分かっているのだろうかと不可解な印象を抱いているのですが、それはともかくとして、債権回収制度の強化という問題は、法律家はもとより国民全般にもっともっと強く意識され、かつ対策が講じられるべき問題の一つだと思っています。
そう言えば、今度の衆議院岩手一区補欠選挙では、犯罪被害者保護に関心があるという弁護士の方が立候補されるそうですが、有権者の方々は、上記のような事柄について、候補者の方々にお尋ねになるのもよろしいかもしれませんね。
まあ、私がJCの公開討論会とかで質問しようとしても、「物議を醸すからダメ」と却下されるでしょうからね・・
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| 2007年5月6日(日) |
| 政治家と弁護士と盛岡一高 |
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達曽知事の議員辞職に伴う衆院岩手一区補選ですが、雫石出身という東京の弁護士の方が民主党の公認候補として出馬されるとの報道がありました。同じ盛岡一高・東大のOBである達曽知事の後輩だそうで、銀行員をしながら司法試験に合格し、銀行等で企業内弁護士をされてきた方なのだそうです。
全然関係ない話ですが、私が修習生をしていた7、8年前、同じ修習生として盛岡一高から東大に進んで弁護士になった方と2人知り合いましたので、「どうせなら彼らが出てくれれば良かったのに」などと他人事ながら思ったものです(うち一名は間違ってもそういう話はないでしょうけど・・)。
私自身は、昔々実家が少しばかり政治に手を出して酷い目にあったせいで「政治に手を出すな」が家訓の上、私自身が人に好かれるキャラクターでもなく、まして盛岡一高も東大も出ていませんので、間違っても選挙に出ることはありませんが、政策的なことに関心がないわけではないので、あくまで他人事として、政治の世界にもアンテナだけは向けることにしています。
余談続きですが、達曽知事はもちろん上記の階猛氏にしても対抗馬の玉沢正徳氏にしても、皆さん盛岡一高出身とのことで、私のように函館ラ・サール出身などという変人?は出てこないのかなぁなどと思ってしまいます。
大都市圏を除く小さな県では皆そうなのでしょうが、どうしても地元で一番の公立高校の出身者の方が地域の主要な役割を担うことが多く、私のようなひねくれ者は、面白味がないなぁなどと思ってしまいます。
私自身は、高校選択のとき、自分が将来、岩手(特に盛岡)に定住したいと思うだろうと考え、今はあえて他の地域を見に行こうと思って函館の学校に進みましたが(プールがなかったのでラ・サールにしたという説もありますが)、若いうちに他の地方都市の空気を吸って育ったことは、決して間違いではなかったと思っています。
そういった意味で、県外出身の方を含め、様々な経験をしてきた方を広く集めて、トータルとして岩手や北東北或いは東北全体の力を高めていくことが、岩手の政治の世界にも強く求められるのではないかと思います。
ただ、男子校に進んだのは大間違いだったと思っていますけどね・・
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| 2007年5月3日(木) |
| 北上展勝地の課題 |
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先日、G.W.中の家族サービスの一環として、北上展勝地に行って来ました。
夕方に到着した上にピークは過ぎていましたが、写真のとおり、まずまずの印象でした。
北上展勝地は、弘前城・角館武家屋敷と並んで東北三大桜の名所と位置づけられており、確かに岩手県内では群を抜く規模だと思いますが、後述のとおり、質量とも全国レベルと言うに値する弘前城と比べると、遥かに見劣りする印象は否定できません。
100年以上かけていいと思うので、いっそ、背後の山も含めて全域を桜にしてしまうとか、北上川の対岸にも長大な桜並木を作るとか、「全国でもここにしかない魅力ある風景」を確立できるよう関係者には知恵を絞っていただきたいと思います。
[家族サービスという言葉が好きではありません。一緒に遊びに行くのですからそのようなボランテ | |