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階猛議員

岩手県知事選への黄川田氏参戦で「旧小沢氏勢力のラグナロク」実現なるか

9月8日実施の岩手県知事選に関し、及川もと県議(自公側候補)の応援演説に、もと民主党議員の黄川田徹氏が駆けつけて、達増知事批判を激しく述べ、達増氏陣営(立民関係者)が狼狽していた、という趣旨の記事を見つけました。
https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201908/20190823_31029.html

私は今年の6月、次回知事選について「黄川田議員が立候補し、これを支援する階猛議員と自公勢力が手を組めば、達増知事と接戦が期待できるのでは(その上、後日に岩手1区で階氏vs達増氏の第2ラウンドもあり得るのでは)」と投稿したことがあります。

私のFBでこの投稿を紹介した際は残念ながらほとんど反応いただけませんでしたが、期せずして「達増知事vs黄川田氏」の構図が出来上がったということで、「見応えある権力闘争の見学愛好家」としては少し嬉しくなる面はあります。

ただ、候補者の人望や資質云々への評価などはさておき、黄川田氏が及川氏陣営に与したという程度では達増知事の優勢は変わらないだろうというのが、一般的な選挙予測になるのではと思われます。

現時点で階議員のスタンスが判然としない状況下では、すでに引退なさった黄川田氏の支援による影響は、今後の展開にもよるかもしれませんが、良くて?3~5万票程度とみるのが現実的かもしれません。

この点、過去2回(前々回とその前)の得票数だけを現在の人口に均し単純化して見れば、「達増知事(旧民主など)vs自公勢力」の基礎票は「40万人:15万人」くらいの比率になるものと思われます。

そして、黄川田氏(や平野前議員)の支援による票の変動を仮に5万人規模と見積もれば、「35万:20万」となります。

その上で、仮に、階氏が及川氏に与することがあれば、接戦の期待も高まって、全県でさらに(少なくとも)5万票ほどが移動するのではと見込まれ、これにより「30万:25万」となります。

ここまで来れば、あとは無党派層の動向や候補者個人の底力次第で勝負が決まるのではと思われ、そうした選挙戦こそが望ましいと考えている私としては、両陣営に充実した議論がなされると共に、そうした展開になることを、密かに期待しています。

なお、岩手日報の記事では、階氏は「達増知事の要請があれば応援する」と述べたとありましたが、「生みの親」である達増知事からすれば「立場が逆だろう、どうして真っ先に駆けつけないのか」と立腹しそうな気もしますので、このコメント自体が達増知事陣営と距離を置くサインなのではと思わないでもありませんでした。

余談ながら、私が岩手県庁から受任している「サケ刺網訴訟」と称される某重大事件(知事にお会いしたことはありませんが・・)は、現在のところ年末に控訴審が結審し年度末に判決言渡の見込みとなっています。

大事なことなので何度でも言いますが、この事件は、あまりにも作業量が膨大になりすぎて、負ければもちろん全面勝訴でも(少しだけ伺っている県の報酬規定では)当事務所はじまって以来の超大赤字事件と見込まれるため、個人的には、「規定を変更してでも?より高額な報酬を払っていただける方」に投票したいのが本音です。

が、きっと、どなたが当選しても「規定はこうなってます」とご担当にニコニコ言われておしまい、という展開になってしまうのでしょうね・・

黄川田もと議員の知事選出馬で生じる旧小沢氏勢力のラグナロクと、三陸の中心で「防潮堤をぶっ壊す」と叫ぶ誰か

次回の岩手県知事選挙が告示まで3ヶ月を切ったものの、報道によれば達増知事を含め現時点で誰も出馬表明をしておらず、どうなることやらという記事を散見します。

青森県では現職が5選されたとのことで、まあ岩手も同じ展開になるのだろうとは思いますが、達増知事が初当選時に「原則2期」と仰っていたことや、この12年間、震災対応などで尽力されたことは窺われるものの、最近の報道などを見る限り、知事をさらに続けたいとの強い意欲(まだ途上の政策があるなどという発言)を拝見する機会がなく、或いは達増知事自身も辞めたい(国政に戻りたい)のではと感じる面もあります。

達増知事以外に泡沫候補しか出ない選挙なら、不要(無投票4選でも仕方がない)なのでしょうが、それでは民主政治が機能していないとの批判もあるでしょうから、私はいっそ、先日に参院選擁立の断念が決まったばかりの黄川田徹・もと衆院議員に知事選に出馬いただいた方がよいのではと思っています。

政治から引退なさるにはまだ年齢的にも早いでしょうし、今、達増知事以外で、知事選への出馬が現実的に可能で(期待でき)、かつ知事として一定以上の県民の支持(得票)を受けることができる方(知名度や相応の実績が認知されている方)といえば、黄川田氏以外にはいないのではと思われます。

それ以上に、黄川田氏が出馬した場合、達増知事が対決を選ぶのか、敢えて対決を回避し衆院選を選ぶのか(岩手一区なのか、それ以外なのか)、その点は、非常に興味深く感じます。

達増知事が「元祖・小沢チルドレン」であること、黄川田氏が小沢氏と袂を分かった状態にあることは、県民なら誰でも知っていることでしょうから、達増知事としては、以前に小沢氏から離反し自民党に接近した平野達男参院議員を「裏切りの政治」などと批判したように、闘争心を剥き出しにして対決に臨む、という展開になるかもしれません。

その場合、自前の候補者擁立に失敗した自民党岩手県連にとっても、黄川田氏は「達増知事に勝てるかも知れない唯一の候補」であり、黄川田氏が出馬したときは、自主投票などの名目をとりつつ、事実上、黄川田氏の支援勢力に廻る可能性が高いのではと思われます。

もちろん、黄川田氏の盟友的存在であり、黄川田氏が出馬するときは選挙の要となる階猛議員は、細野議員を意識してか「圧倒的与党としての自民党には絶対に行かない。自分なりの方法で非自民勢力の糾合を目指す」と掲げていますので、自民党岩手県連が黄川田氏を表立って支援するなどというのは迷惑千万でしょう。

他方で、圧倒的な集票力を持つ達増知事に黄川田氏が勝つためには、やはり自民党勢力の基礎票を手に入れることが必要です。

例えば、自民党側が表向きは「我々は候補を擁立できず自主投票に追い込まれました」と静かにしつつ、裏側では打倒・達増知事の実現のため、階氏・黄川田氏に平身低頭・三顧の礼を取り、自分達の姿を表に出さずに基礎票はしっかりと固め、無党派層向けに「震災で家族を失う悲劇に耐えて復興支援に長年従事した黄川田氏が知事になって陣頭指揮を執り内陸(県央・県南)と沿岸・県北の格差解消に努めることこそ、岩手が真に一つになる道だ」などとキャンペーンを張ることができれば、達増知事に勝つことも夢ではないと思います。

他方、そこまでの態勢を黄川田氏側が整えることができれば、賢明な達増知事は、敢えて、黄川田氏との対決を避けるかもしれません。

さすがに、黄川田氏・階氏陣営が露骨に自民党側と手を組む光景が現出してしまうと、達増知事も後には引けないでしょうが、少なくとも最初の時点では自民党の姿は絶対に出さないでしょうから、もし達増知事の本音が「衆院に戻りたい(そして、小沢氏の引退時には勢力の禅譲を受けたい)」というのであれば、かえって、黄川田氏の出馬を渡りに船として、衆院選の準備を始めるのかもしれません。

その場合、達増知事の向かう道は、恐らくは岩手1区でしょうし、達増知事としても「最も落とし前を付けるべき相手(旧小沢氏勢力仲間)」は、自身の後継である(はずの)階議員でしょうから、そうした展開になれば、お二人の宿命の対決が、ついに実現することになります。

それこそ、巷間ささやかれる衆参同一選などという展開になれば、今年中にその展開がやってくることになるかもしれません。

黄川田氏であれ階議員であれ、達増知事にとって十分に闘い甲斐のある相手でしょうからし、達増知事自身、小沢氏の後継者としての認知を受けるためにも政敵を選挙で倒すことを希望しているでしょうから、見応えのある「岩手の小沢チルドレンたちの最終決戦(ラグナロク)第1章」とでも言うべき光景が出現するのではと期待したいですが、黄川田氏の知事選出馬という「最初の一手」がなければ、何も始まりません。

裏を返せば、仮に、階議員が「達増知事とだけは闘いたくない」と考えておられるのでしたら、このまま延々と知事を務めていただいた方が都合がいいわけで、黄川田氏擁立の意見には反対の急先鋒になるのでしょう。

しかし、衆院議員としては引退した黄川田氏が次回の総選挙で再出馬というのも無理がある話でしょうから、政治の舞台で他に黄川田氏に活躍の場を提供することが難しい(私には思い当たりません)以上、知事選こそ黄川田氏の登場の舞台として最も相応しいことは、階議員も十分に理解されているのではないでしょうか。

階議員の人柄からも、ご自身の保身を黄川田氏の活躍(花道)に優先させるような方ではないでしょうから、現在の岩手政界の沈黙は、黄川田氏の知事選擁立に向けた「嵐の前の静けさ」と期待したいところです。

それこそ、黄川田氏の出馬会見に同席した階議員が達増知事に向かって「知事としての仕事はもう十分なさいました。あとは、総選挙で私と決着を付けましょう」くらいのことを仰っていただければ、男気という表現が当てはまるか分かりませんが、ある意味、しびれるような気がします。

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ところで、達増知事であれ黄川田氏であれどなたであれ、次の岩手県知事になる方には、ぜひとも考えていただきたい政策があります。

先日、カラ相談こと誰もこない振興局相談の担当で宮古に赴いた際、山田町に向かう海沿いの道路をドライブして唖然としたのですが、宮古市南部の海沿いの道路に沿って、巨大防潮堤が長城のように完成しており、無機質なコンクリートの壁が延々と続く姿は、まさに収容所群島そのものという光景でした。

数年前、法テラス気仙(大船渡)の相談担当をしていた最後の時期にも、そうした刑務所のような光景を目にして残念に感じていたのですが、こちらの方が遙かにスケールが巨大で、こんな場所にいたくない、一刻も早く通り過ぎてしまいたいと思わずにいられませんでした。

かつて、そこには、のどかで相応に美しい海岸の風景があっただけに、なおのこと、悲しさが募りました。

もちろん、防潮堤は嫌がらせのため作られたのではなく、そこで多くの人命や財産などが失われたことの証でしょうし、そこに暮らしている方々(防潮堤の内側たる道路沿いに、幾つかの人家なども拝見しています)には、命の危険に脅えずに済む暮らしの方が遙かに大事なのでしょうから、安易に防潮堤を否定したいわけではありません。

しかし、この光景が未来永劫続くのだとすれば、それは、どう考えても恥じ入るべきというか、大地への冒涜であると共に、三陸の「海と人が交わる誇りある暮らし」を続けてきた先人や子孫にも申し訳がないのでは、と思わざるを得ませんでした。

何より、あんな空間で生活を余儀なくされる人々、とりわけ子供がかわいそうだと思わずにはいられません。

やはり、たとえ困難な道であっても、刑務所或いはベルリンの壁のような防潮堤に頼るのではなく、50年、100年かかっても、海沿いには基本的に居住せず、業務等のため(津波が来れば待避できる形で)海沿いを利用するとの前提で、高台移転などを実施し、その上で、醜悪な防潮堤は全てぶっ壊すことが、震災後の時代を生きる現代岩手人には求められているのでは?と思わざるを得ませんでした。

ですので、次の知事には、「いずれ必ず防潮堤をぶっ壊す、ぶっ壊しても大丈夫な三陸をつくる!」と叫んでいただきたいと願ってやみません。

そうしたことを含め、今、議論されるべき多くの論点があるはずなのに、我々現役世代の大人達を筆頭に、日々の仕事や生活に追われているのか遊び呆けているのか分かりませんが、問題とすべきことを問題とせず、誰かが何かやってくれるさといった風潮が蔓延しているのが今の岩手の実情なのでは、などと偉そうなことを呟いてみたりもします。

そんな岩手をぶっ壊す、と叫んでくれるリーダーの登場を待ち望むこともまた、無責任な他力本願の極みなのかもしれませんが。

野党合併論争と「階議員と達増知事が対決する日」

先般より、国民民主党(旧・民進党の中道派?の方々)と自由党(現在の小沢氏勢力)が、岩手1区選出の階議員が反対する中で合意されたとの報道がなされています。
https://www.sankei.com/politics/news/190426/plt1904260009-n1.html

階議員は、もともと達増知事が岩手1区から知事選に出馬した際に達増氏の後継者として見出され、達増知事らの強力な支援のもと当選を続け、当初は、各所で小沢氏の応援演説をなさっていました(私も、弁護士会の会合など複数の場で聞いたことがあります)。

が、その後は民主党分裂騒動の際に小沢氏と袂を分かったのを振り出しに、民主党岩手支部の財産管理を巡り小沢氏勢力と訴訟闘争を余儀なくされたり選挙でも小沢氏勢力(希望党候補となった達増知事の奥方)と対決を経験するなどしており、その後に親分として担いだ細野議員に希望党騒動が生じたことも含め、旧民主党系の現職議員の中では激動の政治家人生を歩んだ方の一人と言えるでしょう。

報道では、支援者との協議次第では離党の可能性もありうるとのことですが、階議員が、今後、政治家としてどのような道を進まれるのだろうか、そして、それに対し周囲の政治状況がどのように反応するのかという点については、選挙区民ならずとも興味深く感じるところではと思います。

残念ながら、当方は事情通の類では全くありませんので、次のような劇的な展開になったら、大変おもしろ・・もとい、岩手1区内で政治や政策のあり方を巡り深い議論がなされるのでは妄想しないこともありません。

①階議員があくまで合併反対を貫き、同志と共に離党。

②参院選は、さしあたり無所属で「岩手の旧民進党勢力」の方々と共に黄川田氏を擁立。

③参院選は、野党票が割れて平野氏(自民系候補)が当選。

④それが自民党に事実上、恩を売った形となり、自民寄りの無所属議員として「将来の入党」を目指す。

⑤その延長で、細野氏と統一会派を結成。会派名「れいわ民主党」

⑥それらへの落とし前として、岩手の最強候補こと達増知事が、ついに次回の衆院選で岩手1区から「階議員への刺客」として出馬。

⑦自民党岩手県連もこれまで選挙で敗れ続けた達増知事を追い落とす千載一遇のチャンスとばかりに階議員の自民入党を了解・支援し、自民党候補となった階議員と野党系統一候補たる達増知事の一騎打ちが実現。なお、現職の高橋議員とは比例優遇または参院・県知事選出馬?などを通じて円満解決し、両者とも必勝の態勢を整える。

かくして、達増夫人との選挙戦(仮称・いわて保元の乱)に続く階議員と達増家の宿命の対決・第二幕の結果やいかに!

などという展開になってくれれば、少なくとも現時点では、どちらが勝つのか全く見通せませんので、1区であれ他の選挙区であれ「投票日前から結果が見えていて、投票所に行く気力も失せる選挙」ばかりが続く岩手の選挙史上、かつてない稀有な戦いが期待できるのではと、政治家の方々とはご縁のないノンポリ無党派層としては、野次馬根性を逞しうせずにはいられません。

ともあれ、選挙に身を委ねなければならない方々の大変さに敬意を表しつつ、国民主権の内実を高めるような質の高い営みがなされることを願っています。

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R01.5.19追記

先日の報道で、階議員が国民民主党を離党しつつ黄川田氏の擁立は断念するとの報道があり、残念ながら?②が外れてしまいましたが、他勢力の支援が得られない中で予測される結果からすれば、現実的な判断と言わざるを得ないのでしょう。

ともあれ、階議員が「小沢氏と袂を分かちつつ、自民に与するわけでもない」状態では、達増知事も「落とし前」の名分が立ちにくく、このままでは「階議員vs達増知事」という宿命?の対決は実現しそうにありません。

しかし、選挙で厳しい戦いを勝ち上がることは政治家にとって何よりの求心力になるでしょうから、お二人がそれぞれ「影響力のある国政政治家」でありたいと希望なさるのであれば、そうした戦いが実現することこそ、お二人のために良いことなのでは?と思っています。