北奥法律事務所

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やっこさんは白だな

弁護士協同組合の物産販売に関するオリジナル商品と浅智恵

6月の話で恐縮ですが、岩手弁護士会協同組合の総会があり、昨年と同じくタダ飯(弁当)をいただくという志の低い目的のため参加してきました。

昨年も「復興支援やらなイカ~」のタイトルで少し書きましたが、今年も、専務理事をつとめる先生から、「全国の弁護士向けの商品の販売を行うため県内の有力企業などと相談をしたのだけれど上手くいかなかった」とのご報告がありました。

その先生が仰るには、特産品(商品。他県では果物や酒、牛タンなど)を協同組合を通じて販売する場合には、例えば、通常単価で5000円の商品を売るのであれば、組合員価格はそれよりも安い4500円で販売することになっており、しかも、販売に従事する方(購入者が所属する弁護士会の協同組合関係者?)の事務手数料として500円程度を要するので、商品を提供する業者にとっては「5000円の商品を4000円で売る」ことにならざるを得ず、在庫の確保の負担も含めて基本的にはインセンティブがない(ので、相談した業者からも消極的な回答が示された)とのことでした。

ただ、市場で他にも販売する既存の商品だからそのような問題が生じるのでしょうから、新規商品を協同組合の側で開発し、それに「顧客の支持が得られる付加価値」を持たせて販売できれば(要するに高値でも売れる商品が開発できれば)、商売として成り立つはずです。

すなわち、付加価値を付すことができなければ(材料原価ベースなら)3000円でしか売れないはずの物を、特別なアレンジをして5000円の定価として販売することができれば、「協同組合には4000円で販売する」という形でも商品の提供事業者にとって十分に元が取れると思います。

そして、その商品が世間で話題になって人気が出れば、協同組合には4000円で販売し、一般にも業者が自ら5000円で販売できる(協同組合にライセンス料として500円を支払う)ことにすれば、業者にも利益が出て協力できるはずです。

あとは、協同組合がその枠組みを満たすだけの商品を開発できるか次第ということになるでしょうが、以前に投稿した京都弁護士会の「やっこさんは白だな」の二番煎じで考えれば、「弁護士らしら(弁護士っぽさ)を全面に出した商品ネーミングと、そのコンセプトを生かした商品(中身)づくり」について、世間の注目を浴び、購買意欲をそそる商品を作ることができるかにかかっているのではないかと思います。
http://bengo.pro/info/201312121.cfm

例えば、イオンがサンマのパッケージ商品を「鉄道ダンシ」と称する男性キャラの絵を添えて販売しているのに倣い、被災者支援に取り組む「アワビ弁護士、ワカメ弁護士」などのオリジナルキャラを作り、それを生かした新商品などを考えてもよいのかもしれません。

震災に限る必要もないでしょうから、地元の様々な個性・伝承と弁護士らしさを組み合わせて、「座敷わらし弁護士」とか「なんぶ弁護士武将隊」みたいな路線もあってよいはずです。

前者は、あどけない顔立ちの若い女性弁護士が適役のような気もしますが、それでは「岩手まるごとおもてなし隊」とキャラが被ってしまうので、いっそ広島(呉市)のA原先生のような「キモかわいい系」の若い男性弁護士を選抜、育成してもよいのではと思わないでもありません。
http://iwate-omotenashitai.com/about.html

また、「金持ち向けの仕事で儲けているウニ弁、庶民派のシャケ弁、粘り強さが売りのモチ弁、新人のホヤ弁」などを集めて、5人組で「べんごきょうだい」と称し、「わんこ某」とのコラボ企画などを提案してもよいのではと思います(県庁からクレームを受けるかもしれませんが・・)。

或いは、「カッパ無罪!」みたいな商品タイトルでキュウリの漬け物か何かを作り、無罪の代わりに化学調味料などを極力使わない(無添加)とか、激辛とか苦いとか食べるのに一苦労するような味付けをして売り出すのも、インパクトの面からよいかもしれません。

弁護士激増政策が浸透し多くの弁護士が生き残りを賭けて様々な営業活動をしている現状にあっては、弁護士会(協同組合)も思い切った行動に出ることも考えなければならないのではと思っています。

復興支援やらなイカ~稼ぐ弁護士会が被災地を変える?~

先日、岩手弁護士協同組合(弁護士会ごとに設置されている協同組合の岩手版)の総会があり、タダ飯(弁当)が食えるというだけの理由で、毎年同様、出席してきました。

その際、災害対策本部のY先生から、「全国の弁護士に向けて、被災地(沿岸等)の特産品の販売事業を行い、被災企業などの支援をして欲しい。他県の先生からも、岩手でそのような事業を行って欲しいとの声が上がっている。」との提言がありました。

この点、各地の弁護士協同組合の中には、数年前から自県の特産品を全国の弁護士さん向けに販売する事業を行っているものが幾つかあり、かなりの収益をあげている県(組合)もあるのだそうです。

これに対し、岩手弁護士会では、そのような話は全く実現しておらず、理事の方が仰るには、数年前に生鮮品の販売を構想して生産者の方と協議するなどしたものの、話がまとまらず立ち消えになったのだそうです。もし、震災以前から事業を始めることができていれば、震災の年などには、全国の弁護士さんから膨大な「支援購入」があったのだろうと思うと、残念でなりません。

で、結局、その会議では、特段の異論もないものの具体的な実施手段などが話し合われることもなく、執行部(理事長さん達)にお任せするという程度で話が終わり、どうなることやら(たぶん、そのまま来年の総会を迎えるのかなぁ?)といった感じがしています。

その際、私も雑談感覚で、「今、地方絡みの物販で一番ホットな話題は、ふるさと納税なので、全国の高額納税者の弁護士さん(最近は激減したかもですが)に、ふるさと納税とタイアップした被災地特産品購入を売り込んではいかがでしょう」などと言ってみましたが、思いつきレベルの発言のせいか、あまり相手にして貰えませんでした。

ところで、弁護士協同組合の商品販売に関しては、京都の弁護士協同組合が日本酒や帆布などのオリジナル商品を展開しており、中でも、「やっこさんは白だな」は、ニュースで取り上げられるほどのインパクトを残しています。

私も、「他のお店等でも手に入るような商品の販売」とか「(被災地支援のみを強調するような)善意のみに頼った販売方法」などというのは下策というべきで、京都弁護士協同組合を見習い、世間的にもインパクトないし話題性があり、かつ、購買意欲に訴えかけるような、商品(ネーミングを含め)の開発に尽力すべきではないかと考えます。

というわけで、こんな商品群を考えてみました。「こんな特産品は嫌だ」(鉄拳のパラパラマンガ風に)などと仰らずに、ご覧いただければ幸いです。

商品① 「復興支援やらなイカ」

イカ徳利など、三陸のイカ関連商品のセット。復興支援の意欲をそそるような商品の組合せ又は開発について、岡口基一判事と津久井進先生(兵庫県弁護士会。阪神側の震災問題の第一人者)に監修をお願いし、パッケージのデザインは中村真先生(兵庫県弁護士会)にお願いする。兵庫会と岩手会は被災地支援の関係で繋がりのある先生も多く、全面協力間違いなし。なお、元ネタが分からない方は、こちらをどうぞ。

商品② 「二重ローンを無くし鯛、僕は体重減らしタイ」

鯛を素材にした低カロリー食品を開発して販売。パッケージには、岩手弁護士会を代表する被災者支援の専門家であると共に、当会きっての巨漢である某先生にご登板いただく。中村真先生にイラストをお願いするのも良策。

商品③ 「カキ休廷中に、裁カレー」

県内産の鯖と牡蠣(真牡蠣)を組み合わせた激辛カレー。開発担当者いわく「裁判所の夏季休廷と、真牡蠣の旬が冬であること(夏は休み)を組み合わせると共に、裁判官がいないはずの夏季休廷中に裁かれる(判決が出る)などという、びっくりするような話に着想を得て、食べた人の目が飛び出る激辛カレーを作ってみました。」とのこと。仙台弁護士協同組合も金華サバと桃浦カキで同じ名称の商品を販売準備中との噂もあり、不正競争防止法などの適用を巡って、岩手会と仙台会で紛争勃発の事態も危惧される。

商品④ 「けいじ弁護も忘れずに~ブル弁の皆様へ~」

月に数本とれるかどうかの最高級希少種である「鮭児」を、東京の高級料亭の全面協力のもと解凍後も旨味を損なわない技術(特許出願中)を開発し、豪胆に発売。贅沢品のため、弁護士登録から長年に亘って刑事弁護とはご縁のない大手渉外事務所などのブルジョワ弁護士さんや、セレブなヤメ検の先生でないと購入は無理。富裕層の方々に普通のチラシを送っても訴求力はないということで、ヤミ金を参考に漆塗りの電報で勧誘するのもアリかも。

また、複数食材の組合せによるセット又は加工品として、次の商品も考えられます(解説省略)。

商品⑤ 「ワカいがメでたく成立し、当事者も裁判官も、よろコンブ」

商品⑥ 「異議あり! しょウニんには、誤導をサケて、カレイな尋問を」

以上のほか、アワビ、ホヤ、ホタテ、サンマなど、岩手を代表する他の食材群も、皆さんの駄洒落、ではなく、智恵と工夫に基づく商品化をお待ちしています。もちろん、「森は海の恋人」ですので、コラボ商品も含めて、魚介以外の県産品もぜひご活用下さい。

商品名などは、facebookで怒濤のごとく駄洒落攻撃をされている「ハードボイルド弁護士探偵」こと法坂一広先生(実は、研修所の同級生。リハビリ中とのことで、早期のご快癒をお祈りしています)にお願いしても良いかもしれません。ついでに次回作品に商品も登場させていただき、宣伝にも一役買っていただければ、なお有り難いことでしょう。

また、裁判所サイドからも、加藤新太郎もと判事(現・中央大ロースクール教授)にお出まし願えれば、業界内の話題沸騰という点で理想的と思います。

残念ながら、岩手弁護士協同組合が、自らこんな野心的企画?に身を投じる展開は期待できそうにありませんので、ぜひ、組合側に企画等を売り込んで牽引していただける企業さんに、ご登場いただきたいものです。

「まちづくり」の世界では、一世を風靡しているオガール紫波をはじめ、「稼ぐまちが地方を変える」と言われていますが、岩手弁護士会の「被災地支援活動」をML上で垣間見ると、相談者がほとんど来ない相談会に内陸から沿岸に往復で丸一日かけて若い弁護士さんを派遣するといった類の企画を散見するように感じられ、残念に思っています。

また、その派遣費用(担当者の日当)も、震災時に他県の弁護士さんなどから岩手弁護士会に寄せられた多額の寄付が原資になっていると思われ、それだけに、「他人のカネで、利用者=稼ぎがない企画を繰り返す」光景を垣間見ていると、「補助金を原資に一過性の企画ばかり繰り返しては、善意から従事する関係者を摩耗させ、衰退の道を辿っている全国の商店街」に類するものを感じざるを得ないと思っています。

現在、引用の書籍を拝読していますが、岩手弁護士会も、全国の弁護士さん達の寄付(いわば補助金)に依存して「支援活動」をするのでなく、自ら相応の収益をあげ、それを活動の原資とするだけの力がなければ、本当に社会を変えるだけの被災地・被災者支援はできないというべきなのかもしれません。