北奥法律事務所

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カルロス・ゴーン

令和5年の年頭のご挨拶

当事務所の本年の営業は、本日(5日)からとなります。
本年もよろしくお願いいたします。

6年前(平成29年)の正月には、その日、日経新聞の「私の履歴書」に登場したカルロスゴーン氏の「アイデンティティを失わずに多様性を受け入れること」という言葉を引用しつつ、

アイデンティティと多様性は、時に激しく対立する面を持つが、個人の尊厳(憲法13条)という触媒を通してこそ最もよく結びつき、輝くと言える

そうした理念を掲げた武器(法)をもって闘う存在である法律実務家の社会での役割は、ますます深化されるべきで、そのために努力していきたい

という趣旨のことを書きました。

すると、その2年弱後には、我々庶民が全く予想していなかったゴーン氏の電撃的な逮捕が発生し、海外逃亡など様々な出来事が続いたことは、今や誰もが知っているとおりです。

ゴーン氏は多様な価値観が地球規模で競争する社会で圧倒的な勝ち組として君臨しましたが、自身の利益追求に奔走するあまり、勝ち組ではない多くの人々のアイデンティティへの尊重を蔑ろにした面があったのかもしれません。

あまりに遠い世界の御仁ですので「他山の石」などと形容する気力はありませんが、異なるアイデンティティを持つ者同士が「多様性を認める」との金看板のもと広い世界で競争する結果として生じる、貧富の格差をはじめとする歪みの修正・是正もまた弁護士の重要な仕事の一つとして、真摯につとめていければと思います。

昨年は幾つかの事案で相応の成果を挙げたことなどから、なんとかやりくりできましたが、今年は北風が吹き荒れるのではと今から危惧しています。

長年に亘る様々な経験を活かしつつ、気合いを入れて新たなチャレンジにも頑張って参りますので、引き続き、ご愛顧のほどお願い申し上げます。

 

平成29年の年頭のご挨拶と新聞雪崩警報の先にあるグローバル社会の今後

あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

例年は年末に妻の実家に帰省するのですが、今年は事情により正月を自宅で過ごし、その後に若干の休暇をいただく予定です。

そのため、大晦日の夜は、年末に済ませることができなかった「面倒な作業や論点が山積みの企業倒産(管財)事件における労働債権(論点多数)の弁済表と裁判所向けの検討レポート及び元従業員の方々への通知書面」の作成で過ぎてゆき、気がつくと、新年の6時頃には恒例の事務所ソファの寝袋で初日の出を見ながら昼まで初夢気分という、この上ない素晴らしい正月になりました。

昔は、深夜3時か4時くらいには仕事を切り上げて、残りの時間で溜まった日経新聞を一気読みするのが習慣だったのですが、根気が続かない老骨へと堕してしまったのか4ヶ月以上も山積みになるばかりの有様で、先日ようやくお盆の頃の「トランプ氏が失言で支持急落」などという記事を見て、おぉ、ヒラリー逃げ切りかなどと微笑ましい感想を抱いている次第です。

司法改革に伴う町弁業界の荒波と迷走は止まるところを知らず、社会正義のやりとりをする法曹界も今や大規模な弱肉強食の時代に突入していますが、群れに馴染めず権威にも束縛する権力者にもご縁がない田舎のしがない一匹狼の町弁として、ドラマではなく現実に存在する危機的な裁判実務の穴埋めに役立てるよう、今後も精進して参りたいと思います。

今年も町弁の基本である「①中小企業法務、②家事(男女・親子・相続等)全般、③交通事故などの賠償問題、④倒産・債務整理全般、⑤その他の民事上の法律問題・各種紛争」の5分野が業務の基軸になると思いますが、成長著しい若い世代をはじめ県内の他の先生方に負けることのないよう、研鑽を積んで法律家としての地力を高めると共に、一定分野・類型での特色やアドバンテージをより強調できればと考えています。

昨年の最後の投稿になった前回のブログでは、「平成という時代は個人の多様性と尊厳(に対する社会の包容力)という日本国憲法の最高規範(根源的価値)がようやく日本社会に浸透していく過程を描いた時代だったのではないか」、「次の時代は多様性の深化が進む一方、それを拒絶し既存のスタンダードの墨守を求める勢力との抗争が強まる時代になるのではないか」という趣旨のことを書いていました。

すると、本日の日経新聞の「私の履歴書」で登場したカルロス・ゴーン氏が「現代に大切なのは、アイデンティティを失わずに多様性を受け入れることだ。自分の人生がまさにそのようなものであった」という趣旨のことを仰っているのを見つけ、我が意を得たりと思わずにはいられませんでした。

アイデンティティと多様性という二つの核は、時に激しく対立する要素を有している一方、人間(個人)の尊厳(憲法13条)という触媒を通してこそ最もよく結びつき、輝くものでもあろうと思います。

そうした理念を掲げた武器(法)をもって闘う存在たる我々法律実務家の社会での役割は、ますます深化されるべき面があるはずで、そのことも視野に入れながら、良質な研鑽に努めて参りたいと思います。

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