北奥法律事務所

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石割桜

今年の石割桜と、あの日の花びらを偲んで

全国の盛岡地裁ファンの皆様へお届けする、今週月曜の石割桜です。

昔は、遠方からの相手方代理人に「今日が期日で良かったですね」とお伝えするのがささやかな楽しみでしたが、今年はそのような機会がなく、この日は刑事事件の判決言渡でした。

今週、司法研修所の同級生だった方のFB投稿などを通じて、同級生の方がお二人、亡くなられたとのお知らせに接しました。

遠方のご葬儀などに伺うことはできませんが、この桜の散りゆく花びらを、ご冥福のお祈りと共に捧げたいと思います。

これをFBに投稿した日は雨天でしたが、他の方から、散った花びらが雨で裏側の岩に付着し風情があったとのコメントをいただきました。

ぜひ、次の一句を添えていただければと思いました。

散りてなお桜を偲ぶ巖かな

今年の石割桜の裏側と、春を惜しむ白鳥

今年の盛岡も4月中旬に次々と桜が開花し、現在はすでに葉桜が舞い散る状態となっています。

当事務所の近所には桜城小学校では様々な種類の桜が植栽され、この時期に華やかな姿を見せてくれます。

桜城小の名称は、敷地となった南部藩の乗馬訓練場が桜の名所だったことに由来するそうですが、「人は城、人は石垣」の格言のように、桜を愛でる人々の心を束ねて社会を守る礎とせんと宣言しているかのような、美しい響きを感じます。

ここから巣立ち、受験戦争など様々な困難に立ち向かうであろう若者たちも、戦場でも花を愛でる心を失うことなく、努力を重ねてよりよい社会を築いていただければと願っています。

数日前には仕事のついでに石割桜も見てきました。

例年、この時期は遠方から来盛した相手方代理人に「今日、期日で良かったですね」と心温まるトークをお贈りしています。

が、今年は裁判所が厳戒態勢を敷いたガチガチの債権者集会しか期日がなく、破産会社に敵意や不信を抱いている方々に向かって、申立代理人が「いやぁ~良かったですね」などとニコニコできるはずもありません。

というわけで、マトリックス風の黒衣を纏った強面の某氏が繰り出す質問に粛々と回答するのが精一杯、というのが「今年の石割桜の裏側で繰り広げられた一幕」となりました。

まあ、東京の企業法務専門の強面弁護士さんに「お前は何を言っているんだ」と言わんばかりに黙殺されたこともありますので、それよりはマシかもですが・・

週末(つい先日)は、土曜が弁護士会の相談担当で、昼に岩手公園に行ってきました。盛岡城の石垣の上はもう葉桜ですが、麓の枝垂れ桜は十分見応えがありました。

日曜は、高松の池に赴いたところ、驚いたことに、まだ白鳥が悠悠と池にたたずんでいました。

というわけで、久しぶりの一首。

この花を見ずに卒業できぬぞと
春の別れを惜しむ白鳥(しらとり)

余勢を駆って、もう一句。

花吹雪 勘違いして発ちそびれ

写真をご覧になりたい方は、facebookでどうぞ。

今年の石割桜が見届けた事件たち

盛岡も石割桜が満開となり、快晴の中、多くの観光客が訪れていました。

そんな日に限って午前に調停期日があり、諸事情により直ちに調停が成立し終了するかと思ったのですが、毎度ながら延々と待たされ、結局、毎度ながら2時間以上(うち1時間半くらいが待ち時間・・)という有様でした。

色々と悩ましい事件で、依頼主が複雑な思いを伏せつつ窓の外を向いていた横顔に、代理人として何をすべきか、何ができるか(できたか)、考えずにはいられないものがありました。

午後には、盛岡圏内で生じたビジネス上のトラブルに絡んで、ある大企業に契約違反などを理由とする損害賠償請求をしている裁判の期日がありました。

軽口好きの身には、盛岡地裁が1年で一番華やぐ日に東京から出廷した相手方代理人に対しては、訴訟での対決はさておき、とりあえずラッキーでしたねと言わずにはいられない面があります。そんなわけで一首。

先方に今日が期日でよかったねと毎年述べる地元弁護士

ただ、去年の同じ頃に期日があった事件で遠方から出廷した相手方代理人は、そんな私のセリフに破顔一笑していましたが、今年の相手方代理人の方からは「お前は何を言っているんだ」と言わんばかりの仏頂面でサクッと黙殺されてしまいました・・

で、法廷の帰りに「桜に興味がないのかなぁ、これだから企業法務中心の大事務所の人は・・」などと独り呟いたところ、危うく裁判所の階段を踏み外しそうになりました。

私がもっと元気よく話せば言わんとすることが伝わったのかもしれませんが、ともあれ、つまらない愚痴などを言っても我が身に跳ね返ってくるばかりなのでしょうから、なるべく前向きに生きたいと思います。

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石割桜に咲く、避けがたき喜怒哀楽の花

すいません、GW前くらいから仕事が山積みで相当に滞留しており、ブログ更新が厳しくなっています。

そうした経緯で、今更ながら4月中旬頃にFBに書いた話をこちらにも載せますが、この時期の盛岡地裁は花を愛でる方を喜ばせる季節となり、玄関前に咲く花を目当てに多くの方が集まります。

が、建物の中では庭の光景に関係なく、出廷した代理人に対し裁判所から「あれもやってね、これもやってね」という無慈悲な破滅的懲罰、もとい事件解決のため必要やむを得ない(らしい)要請が続けられているというのが現実です。

そんなわけで三首。

避けがたく春も作業が雪だるま 秋の実りが今も懐かし
老木は喜怒哀楽を日々喰らい もののあはれの心伝える
こき使う石割桜にカネ咲かず 今日もはげめと肩にひとひら

うち一首は、ある事件に着想を得たものですが、何の件かを述べるのは差し控えさせていただきます。

FBでは快晴日に撮影した写真を掲載したのですが、容量の関係でブログ掲載ができず、ブログ用に撮影しようとした日は雨天になってしまいました。

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折角なので、その日の午後に水沢支部に出張した際に撮影した水沢競馬場の桜も載せますので、まとめて「雨天の桜」を慈しんでいただければと思います。

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盛岡芸妓は桜の舞い散る頃に

4月の話で恐縮ですが、盛岡北ロータリークラブ(RC)の例会で盛岡芸妓の方々に舞踊を披露いただいたことがあります。

盛岡芸妓は、大通商店街が形成される前、盛岡の繁華街が肴町~八幡界隈と本町通界隈に二分されていた明治後期の時代には大いに栄えていたものの、料亭文化の衰退により近年は激減し存続も危ぶまれていたようですが、近年、後継者となる若い芸妓の方々が誕生し、現在は復興と継承の途上にあるようです。
http://www.ccimorioka.or.jp/geigi/

数ヶ月前にも、盛岡北RCの例会に二人の若い芸妓さんがいらしてスピーチをなさったのですが、とりわけ、「冨勇」さんは文芸関係の造詣が深く雄弁で、今後はそうした見識を生かして活動の幅を拡げていくのではないかと期待されます。

当クラブの重鎮の方々が盛岡芸妓の後援会に深く関わっておられるのだそうで、そうしたご縁で今回もいらしていただいたようですが、歴史を遡れば、当クラブが盛岡で二番目にできた=盛岡RCから最初に分かれたロータリークラブであり、本町界隈にお住まいorゆかりのある会員の方が多いことも、ベテラン芸妓さん達と馴染みがあることの背景にあるのかもしれません。

私も正確なところは分かりませんが、盛岡RCが「古き良き盛岡」の最大勢力というべき肴町・八幡界隈の豪商の方々の流れを汲み、盛岡北RCがそれと対を成した本町界隈の豪商の方々の流れを汲んでいる、といった話もあるのかもしれません。

ともあれ、私自身は「旦那衆」の方々が集うような夜のお座敷に参加できる身分ではありませんので、拝見するのは最初で最後かもしれませんが、それだけに貴重な時間を過ごすことができ、何よりでした。

屋内で拝見するのもよいですが、可能なら石割桜や小岩井一本桜のそばに特設ステージを作り、そこで花吹雪を背にして披露していただくような試み(テレビ中継付きで)もあってよいのではと思いました。

そんなわけで一句。

艶やかさ 桜舞い散る頃に咲く

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