北奥法律事務所

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道州制

主要地銀も認めた「北東北=北奥」というブランディングと当事務所の魂

4月5日の日経新聞に、北東北の主要3地銀(岩手銀行、青森銀行、秋田銀行)が「北奥 HOKUOU 北東北の味とカタチ」と題する観光小冊子を共同で刊行したとのニュースが出ていました。
http://www.claska.com/news/2017/03/do_hoku-ou.html

主に女性の周遊客の獲得を狙って全国展開しているようで、ネットで調べた限り、タイトルを「北奥」とした理由を見つけることはできませんでしたが、女性観光客にこの地域を「オシャレ」にPRするには「北東北」という言葉ではなく、「北奥」と名付けた方が適切だと判断したものと思われます。

せっかく、そうした雑誌を出すなら、当事務所にも一声かけて欲しかったというか、それはさておき、北東北の主要3行が「北奥」という言葉(概念)に「北東北」の言葉にはない魅力や価値があると感じていることの表れなのでしょうから、一過性のものとせず、「北奥」という言葉を、北東北を象徴する概念として多くの方・企業などに用いていただければと思います。

ところで、私は平成16年に東京を引き払って岩手に戻る際、北東北の社会と人々のために生きる弁護士というコンセプトのもと、それを体現する言葉として「北奥」という企業名(事務所名)を考案し、以来、当事務所のアイデンティティとして掲げています。

もちろん「北東北法律事務所」などはネーミングセンスが悪い(また、北東北の三県全部に店舗展開しているならまだしも、ちっぽけな個人商店に過ぎないのだから、雅称を拝借するに止めておくべきだ)という判断があったことは言うまでもありません(他にも色々と候補名はありましたが、ここで挙げるのは遠慮します)。

もともと、他所で使われていたのを拝借したのではなく、自分なりに思いついた言葉でしたが、全くのオリジナルよりは、多少とも歴史などの重みがある由緒ある言葉を使いたいという欲があり、少し調べてみると、「北奥」という言葉は滅多に見かけないものの、全く使われていないわけではなく、歴史関係の書籍で北東北を一括りに論じようとする際に、稀に使われていることが分かり、それが決め手になっています。

以前にも書いたことがあるかもしれませんが、「東北(地方)」という言葉は、基本的に明治以後に成立した言葉ないし概念と理解しており、それ以前から存在している「奥州(陸奥・出羽)」という概念と比べて、歴史の重みを欠くというか、私自身はあまり好きではありません。

wikiによれば「東北」は幕末頃に使われるようになった言葉で、明治期に西南=勝者たる薩長土肥に対抗・抵抗する「民権(反官)の牙城ないし象徴」といったニュアンスで、この地を表す概念として広まったようです。

しかし、私に言わせれば、東北(奥州)は、明治政府(薩長土肥)の敵役であることが本質(地域のアイデンティティ)ではなく、戊辰戦役は「政見の異同」に過ぎないわけで、東北という言葉に縛られる(「ありき」で考える)のは、「この地が何者であり、どこから来て、どこに行くのか」という本質的な考察を失うことになりかねないと思います。

その上で、私自身は、この地の本質(固有の特徴)は、日本列島(北海道を除く本州)では弥生人(大和国家)の征服が遅れたことで縄文人の文化が最後まで残った地域であり、縄文人の末裔たる蝦夷(奥州人)がアイヌ(北海道人)と大和国家(弥生人)の双方と交流を持ちながら独自の文化・社会を維持していた(が、最終的に平安朝から鎌倉期にかけて大和国家に呑み込まれる形で同化した)という点にこそ求めるべきではないかと考えており、そのような理由から、必ず言われる「辺境性」と共に、異質な文化・民族が交わる結節点(融合点)的性格(地域的な事柄だけでなく、人的役割などを含め)を掘り下げる視点があってよいのではと考えます。

そうした意味では、大和朝廷に名付けられたものとはいえ、奥州という、何か得体の知れぬ異形の存在が潜んでいるかようなニュアンスを含む言葉を私自身は大いに気に入っており、この地域の人々は、もっと大切にしなければならないのでは?と思っています。

だからこそ、大和国家との同化の程度が強く「奥州人」としてのアイデンティティが現代ではほとんど消失している南東北と異なり、同化の程度が低く(遅れて)、抵抗と闘いの歴史や独自性の強い文化を擁している北東北の人々には、そのことへのこだわりを全国・世界に正しく表現して欲しいと思っています。

平成10年頃に「道州制」が盛んに語られていた際は、北東北三県の統合なども話題にされていたと思いますが、人口減少という大きな社会変化に伴い、改めてそうした議論が盛んになってくるかもしれません。

その際の「統合された地域の組織のあり方や名称」は、行政の都合で役所を統合するだけといった話ではなく、この地のアイデンティティを掘り下げ、地域の一体化に相応しい統合の哲学や言葉を探して欲しいと思いますが、「北奥」はそれに相応しい概念・言葉というべきで、地銀さん達に限らず地域の方々に広く使っていただきたいと思います。

現在は、当事務所の職員が電話口で事務所名を伝える際に「奥様の奥です」などと話している(しかも、県内の方に向かって・・)のを聞く都度、「せめて、みちのくの奥かムツノクニの奥と言って欲しいんですけど・・」という愚痴ばかりの日々というのが正直なところですが、いつの日か、「北奥州」の輝かしい成立の光景?を見届けることができればと地域の片隅で願っています。

早慶戦vs北東北トリコロール三国志

先日、野球の早慶戦に関して作成されたポスターが、鮮やかな赤と青の組合せ、構成の巧さや印象的なキャッチコピーなどを巡って、FBをはじめネット上で大いに話題になっていました。
http://www.asahi.com/articles/ASH5X552PH5XUTQP024.html
http://full-count.jp/2015/06/04/post12180/

これについて、ふと思ったのですが、

①赤と青に白を加えれば、フランスの国旗(トリコロール)になる。

②二戸地域は、北東北3県(の境目にある二戸や3県の周辺地域)を「トリコロールエリア」と称して、振興目的の雑誌を刊行している。

③他方で、増田県政の初期には、道州制論議なども絡んで3県の連携なども話題になったが、流行の廃れか県境不法投棄事件の影響?か、その後は連携気運が冷え込んだまま、現在に至っている。

④北東北3県は、地理的・歴史的な事情もさることながら、人口減少や自殺(自死)問題など共通の地域課題も多く、相互の連携ないしそれを前提とした一体となった地域づくり、アピールが必要なエリアである。

というわけで、北東北3県も、早慶戦ポスターの真似をして、二者対決ならぬ三つ巴の対決を演出して、共同して対外的なPRをしても良いのではと思いました。

その場合も、「トリコロール」ではピンと来ませんので、「北東北三国志」などと対決色をイメージさせるようなキャッチコピーを作ってはいかがかと思います。

また、3県の色の配分を決めなければなりませんが、青は「青森」でしょうし、秋田は「秋→紅葉」のイメージで赤でしょうから(県旗も赤色ですし、佐竹家の華やかなイメージがありますし)、残った白が岩手ということになりそうです。実際、岩手は3県の中でも一番、地味なイメージがありますので(ブランド力ランキングでも3県で一番下ですし)、白がお似合いというべきかもしれません。

余談ながら、前記の「トリコロール」という雑誌も、少し調べただけですが、北東北3県で色の配分をしているのか、よく分かりませんでした。イメージ戦略という点からは、なるべくカラーをはっきりさせて売り出すべきではと思います。

で、ポスターないし対決ごとのキャッチコピーですが、さしあたり、早慶戦ポスターを真っ正面から真似ると、チアリーダー対決編では、こんな感じになるでしょうか。

「のぞみん以来パッとしないわね、秋田さん」
「学歴自慢で炎上がお似合いよ、岩手さん」

青森は?というと、秋田が近いこともあり、いわゆる美人県のイメージは間違いないと思うのですが、著名人だと藤川優里市議しか思いつかず、若い女性タレントさんのイメージがあまりありません。ネット検索で、新山千春さんがいることを思い出しましたが、ケンミンショーで見かける以外に存じておらず、すいませんが、ネタとして思いつく話がありません。

あと、念のため付記しますが、上記はネット上で流布されているニュースをネタにしたジョークの類であり、他意はありませんので、当事者(まかさご覧になるとは思いませんが)及びファンの方々はご不快な思いをなさらないよう、ご寛容とご容赦のほどお願いします。

他にも、子供同士が自県の妖怪ネタ(座敷わらし、なまはげ等)をネタにして張り合うパターンも、妖怪ウォッチ全盛の現在、受けが良いのではと思います。妖怪自身が登場して早慶戦ポスターを真似れば、こんな感じでしょうか。

なまはげ「太平洋側のこども達の泣き叫ぶ声が、イチバンのごちそうだよ」
河童+座敷わらし「おどかす以前に日本海の大雪に埋もれないよう、ご自愛するのである」

河童+座敷わらしは、パッカー大佐と「ぼっこ」を採用してもよいでしょうし、余勢を駆って、「鉄神ガンライザーvs超神ネイガーvs跳神ラッセイバー」というヴァージョンを考えてもよいと思います。

あとは、知事に武将風の格好をしていただき、

「津軽(弘前)と南部(八戸)の内乱を煽動し、青森を弱体化させるのじゃ」
「岩手こそ、伊達(県南)を唆して南部(盛岡)を挟み撃ちじゃ」

といったパターンも考えられますでしょうか。早慶戦ポスターの真似にこだわるのなら、

青森県知事「トラウマになるまでホラ吹いてやる、岩手のことを」
岩手県知事「思うぞんぶんホラ吹かせてもらうよ、青森の空に」

といったところかもしれませんが、さすがに悪ノリ的で、無理がありますね。

あと、3県で全国トップを占める産物などがあれば、それをネタにすることも良いのではと思いますが、「3県で全国1位~3位を占める産物」というのも、あまり聞いたことがないように思います。

「3県で全国トップ独占」というと、自殺率や人口減少などという暗い話題をイメージしてしまいますが、後者はまだしも前者はコピーに使うのは賛否両論ある(よほど巧く作らないとバッシングの嵐になる、反面、巧く作れば自殺防止キャンペーンとしても生かせる)ということになりそうです。

早慶戦ポスターをそのまま拝借すれば、こんな感じでしょうか。

「岩手に勝つだけのワースト脱出など、したくない(秋田)」
「三県そろって皆が幸せな国になってこそ、意味がある(岩手、青森)」

特産品に関してはリンゴ(青森)も米(秋田)も1県が他を圧倒していますし、桜も世間的には青森(弘前)、秋田(角館)、岩手(北上)で順位が固定されており、対決形式としては盛り上がらないのかもしれません。

ただ、こうして幾つか見てみると、青森・秋田に比べると、岩手には自慢できるような1番がどれほどあるのか、心許なくなってきます。

すぐに思い浮かぶのは漆ですが、ネタの地味さもさることながら、他の2県では生産自体を聞いたことがありません。あと、岩手が生産量1位と言えば、アワビとワカメとホップくらいでしょうか。

これらも、「原料供給のみで、加工品として全国区のネタ(ブランド商品)が乏しい」という残念な実情のせいか、お国自慢のネタとしてはあまり盛り上がらないようにも思われ、そのことも、「地味な岩手」を象徴する事象というべきなのかもしれません(企業チックに言えば、下請ばかりで自社の有力PB商品がない会社、という感じに見えます)。白だけに、「オシラサマがお似合いよ」、とかチアリーダーに言われてしまいそうですが、逆転の発想で、「地味っぷり日本一」とでも叫んで売り出すのも、岩手の賢明な選択なのかもしれません。

私はケンミンショーが好きで、ビデオに撮って(お約束シーンに限らず全編をじっくり見る転勤ドラマ以外は)早送りで飛ばしながら見ているのですが、同じ「3県」でも、北関東3県は県民やタレントさん同士が元気に張り合うシーンがよく登場し、ある意味、羨ましく感じています(この3県は、平均寿命でも東海地方や沖縄と並んで上位に来るようで、塩分とアルコール取りすぎ三兄弟というべき北東北3県にとっては学ぶべきところが多そうです)。

「北奥」法律事務所の看板を掲げる身としては、ぜひ北東北3県の交流・連携を盛んにしていただきたいところであり、北関東3県などを見習い、互いに連携して盛り上げる努力を行っていただきたいものです。

少なくとも、

「我が県(県民)の繁栄(生活)しか、考えてない」
というのでは、全国の方々に、

「それは視野せまい」と笑われることでしょう。