北奥法律事務所

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12月

クールビズと小泉内閣と刑事法廷

先日より、旧ブログ(平成25年の切替前)の投稿を幾つか再掲していますが、今回は平成20年の夏に投稿したクールビズに関する投稿を載せました。

今では刑事法廷もクールビズが当たり前になっていると認識しており、駆け出し時代(平成12年)の夏の大阪簡裁出張で、出廷した人々が半袖シャツ姿で、スーツは私一人だけ?だったのに驚愕したことも含め、時代の違いを懐かしく感じさせます。

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今年(平成20年)の夏は「クールビズ」にあやかって、ほぼ完全にノーネクタイを通させていただきましたが、あまりの快適さに、これまでの自分は奴隷のように首に縄をつけて仕事をしていたのだろうかと思わずにはいられないほどでした。

ところで、クールビズは、小泉内閣なかんずく小池環境相(当時)の音頭で花開いたものですが、郵政改革のような効果が見えにくいものを除いた「分かりやすい政策」としては、私が感じる限り、国民生活に直結する施策で、これほど国民にとって有益なものは近年なかったのではないかと感じます。

旗振り役(環境相)を小池氏が務めたというのも適切な人事というほかなく(失礼ながら、その後の環境相の面々は、なんとなく華のない方々ばかり続いている印象で、旗振り役は務まらなかったでしょう)、大臣が「良い仕事」をしているのをあまり見受けない最近の政治状況に照らせば、懐かしさすら感じてしまいます。

ただ、正直言うと、小泉内閣当時は、私もその良さを認識できず、どちらかといえばネクタイ派であり(昨年までは法廷や接客時にはすべてネクタイをしていました)、下らないことばかりやっていると冷ややかに見ていました。

また、私は、現在は感謝していますが、他方、当時を顧みてクールビズ運動を素晴らしい政策であったと賞賛する報道などというものに接した記憶がありません。

井沢元彦氏の「逆説の日本史」には、信長が苦心して教団勢力を撃滅した結果、日本では宗教(教団)的教義に囚われない自由な精神が国民に広がったものの信長の功績が正当に評価されていないと論ずる下りがあり、「社会に有益なパラダイムシフト(社会の仕組に関る大きな価値の転換)がもたらされる場合ほど、それを生んだ偉大な行為が忘れ去られやすい」という趣旨のことが述べられていたと記憶していますが、多少はそれに通じる面があるのかもしれません。

ただ、夏の期間にたった一度だけあった刑事法廷では、裁判官も書記官も検察官も全員ネクタイ着用で、検察官に至っては上着まで着ており、なんとなく肩身の狭い思いをさせられました。

先般、裁判員裁判では、身柄拘束中の被告人もネクタイ(類似のもの)を着用できるようになったという話を聞きましたが、ネクタイを欲しがる理由が多少とも理解できました。

それ以前の問題として、夏は刑事法廷からもネクタイを追放しようと運動して欲しいところではありますが。

(2008年8月31日)

中央大学の志(こころざし)と「Think Global, Act Central」

今回も旧ブログに平成19年に投稿したものの再掲です。当時は、まだ盛岡青年会議所に入会して3年目ほどの身であり、何もかもが懐かしい思い出です。

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先日、盛岡JCのメンバー(OB含む)のうち中央大学出身者の方だけで集まりがあり、私も参加してきました。

集まりといっても10人弱程度の人数でしたが、盛岡JCで理事長など重要役職を担ってきた方が少なくなく、今にも幽霊会員になりそうな怠け者の私とは大違いというか、中央大学の面目躍如といった感がありました。

で、その中で、ある大物OBの方が、

「自分が盛岡JCの運営をしていた十数年前、『Think Global,Act Local』という言葉を盛んに提唱したが、『Local』というのは『Central』(中央)の対義語で、田舎・辺境という意味があってよくない。

その後に興った地方分権の流れからは、『Act Regional』と言っていれば、先駆的なものとして評価されたのではないか」

と仰っていました。

ただ、「Regional」というのは、地域・地方といったこと(地理的概念)を意味する言葉のようですので、地球全体のことを学んだ上で、そのことを、どのような観点・姿勢でもって地域に活かそうとしているのかまでは伝わってきません。

そこで、地球全体のことを学んだ上で、自分達の地域から新しい物事を起こして地球全体をよりよく変えていく起爆剤にしようという気概を抱くのなら、「Regional」ではなく、自らが新たな時代の中心たらんとする「Act Central」とでも称するのが適切ではないかと思いました。

そもそも英語として成り立っているか分かりませんが、意訳?すれば、

地球全体のことを考え、我こそが社会の中心たらんと全力を尽くせ

といったところでしょうか。

秦の始皇帝や清朝、或いは明治維新を引き合いに出すまでもなく、歴史の変革は、辺境の民が中央の文明と辺境の知恵、或いは外国の新たな潮流などを学ぶことによって、新たに作り出されることが少なくありません。

地方のリーダーとして生きる人達には、『Think Global , Act Central(from your region)』とでも標榜し、大都市圏に隙あらば新たな時代の中心に取って代わらんとする野心や気概を持っていただきたいものです。

中央大学とひっかけた洒落の類じゃないか、という話はさておくとして・・・(笑?)

(2007年4月6日掲載の内容を微修正)

 

15年以上前に消えた名物駅弁と、今も放置されたままの課題

平成19年4月に旧ブログに投稿した文章の再掲です。詳細は差し控えますが、店じまい(店主さんの引退)の手伝いをさせていただく中で感じたことを書いたものです。

今年も食品関連の会社さんの破産申立を行いましたが、先日、事件記録を読み返したところ、惣菜関係の多数のレシピを有していたとのことで、本来なら、そうした「直ちに値段はつかない(管財人等による現金化には馴染まない)かもしれないが、誰かが生かせるであろう無形資産(様々なレシピ・ノウハウなど)」を簡易に保全・保存できる方法(Web等を通じた情報収集・管理センター的なもの)があればと、残念に感じてしまいます。

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JR一戸駅には、山口松山堂の「ロースカツ弁当」という数十年間親しまれてきた名物駅弁があったという話を、新聞で知りました。

残念ながら、今年の3月一杯で閉店してしまったそうですが、話を聞きつけて全国各地から食べにきた人がいたそうです。

恥ずかしながら、隣町の住人でありながら最近まで全然知らなかったこともあり、3月中旬に実家に行ってきた帰りに、買って帰って食べましたが、確かに、名物駅弁といわれるだけのことはある美味しさでした。

子供のころ一戸町内に住んでいた小説家の高橋克彦氏は、4食分買って4回連続して食べていたそうですが、確かに貧しい田舎ではそれだけ食べたくなるような味ではないか(妙に飽きのこないものがあった)と思いました。

現在、岩手県北の貧困等の拡大が特に問題視されていますが、このような「全国に知名度のあった町の宝」を何某かの手段を講じて保存することはできなかったのか、惜しまれます。

例えば、心ある若手経営者等が製法を学びに行って、何某かの形で(例えば地元のレストラン等で提供するとか、盛岡の駅弁業者等が継承するとか)存続させることはできなかったのでしょうか。

また、一戸町役場は、自ら金を出すことまではできなかったとしても、そういった後継者を募るようなキャンペーンをすることはできなかったのでしょうか。

今からでも、できることはやっていただきたいです。

こうした「(役所主導ではなく)自然発生的に生まれた地域文化遺産」を存続・継承できるかどうかで、その地域の真の地力の有無が明らかになると思っています。 
(平成19年4月5日)

今年の漢字が知る涙と、来年に託されたもの

年末恒例の「今年の漢字」が京都の清水寺で発表され、「戦」の文字が選ばれたとの報道を拝見しました。
「今年の漢字」は「戦」 ウクライナ侵攻や物価高との「戦い」 | NHK | ニュース深掘り

私は、今年の漢字は「涙」が相応しいのではと思っていました。

非道・不本意な戦乱に苦しむウクライナをはじめ、多くの海外の人々が今も強いられ続ける涙。

凶弾に散った安倍首相の無念の涙。
銃撃犯を含む統一教会被害者の人々などの涙。

今もなお様々な形でウイルス禍に苦しむ人の涙。
押し寄せる物価高などに翻弄され苦しむ人の涙。

野球やサッカーなどで活躍した選手達の感極まる涙。
それらに夢を託して熱狂し、一喜一憂した人々の涙。

首相に限らず、今の社会を運営する数多の人々は、それらの涙を受け止めきれているか。

目を背けさせるため、誰かがまた、余計な「戦」を起こそうとしていないか。

来年も、今年流れた多くの涙の重みを忘れることなく、自分の現場にある「戦」でベストを尽くすことだけは、せめて、心がけていきたいと思っています。

 

まちの企業の盛衰と秋の空

近年、企業の管財事件を受任する機会はめっきり減ってしまいましたが、数年前は、論点や作業量が非常に多い事件を受任し、延々と様々な作業に追われ、何年もかけてようやく決着の目処が立つという案件を担当したことが何度かありました。

そのうちの一つで、県北方面の林業関係のA社さんの事件は、これまで取り扱った中でも1、2を争う面倒な管財事件で、配当財団の形成額が大きくないことなどから、報酬額はタイムチャージ換算で大幅な採算割れとなりました。

まあ、毎度ながら、勉強代だと溜息混じりに前向きに考えるようにしていますが。

A社さんは古くから県北のB町では著名企業として知られ、業界内では環境絡みで先進的な取り組みをしたことで県内などでも相応の知名度のある企業でした。

資金繰りなどで長期の苦難があり震災でも大きなダメージを受けたため、倒産のやむなきに至った事案でしたが、直近に一部の債権者との間で面倒なトラブルが生じていたほか、数年来の未処理の論点(しかも、申立書に記載されず後で判明したもの)が非常に多く、沢山の課題が丸ごと私(管財人)に山積みされる形となりました。

幸い、最大の課題であった企業施設(現地工場)の売却問題は、利害関係者である銀行なども含め多数の企業さんと様々な交渉を行った末、東京の会社さんに「従前の事業を承継しつつ設備投資をして発展させる」との方針で購入(落札)いただき、それに伴い元従業員の方々も再雇用を得ることができたと聞いています。

その後も、この事件では、原発ADRやら東京出張やら色々と作業に追われ、追加で現地確認の必要が生じて3年目の10月頃にもドライブがてらで行ってきましたが、その日は、晴れあり雨あり虹ありと、コロコロと天候が変わる秋の空でした。

A社は、先代のC氏が大きくした会社を息子のD氏が引き継ぎ、D氏が様々な悪戦苦闘をしたものの上手くいかなかったもので、終末期に色々と残念な話があり、その処理に私が追われました。

D氏の経営者としての未熟さが倒産の原因と考えるのか、先代のうちに破綻の芽が生じてD氏は割を食わされたと見るのか、一概に言えないと思いますが、私も「田舎の小規模な企業の社長の子」の一人として、A社の方々が辿ってきた様々な歴史や光景に想像を巡らさずにはいられませんでした。

そんなわけで、秋の空に物事の移ろいやすさとそれに翻弄される人々の姿を感じて一首。

ままならぬ人の世を知る秋の空 酸いも甘いも青の彼方に
ふるさとの誇る企業も常ならず 揺れる紅葉に風吠える森

この事件ではA社側がB町の中心部に所有する不動産を町が買い取ることとなり、役場の偉い立場の方が私と協議したいとのことで、来所されました。

これだけ苦労させられた事件ということもあり、いっそ、この事件を円滑に処理したことでどれだけ自分がB町に貢献したかをアピールし、将来の顧問契約を考えてくださいね、などと営業活動に勤しもうと思わないでもありませんでしたが、そんなときに限って前日が徹夜作業を余儀なくされて覇気がなく、淡々と相槌を打つ程度のやりとりに終わってしまいました。

田舎のしがない町弁が欲を出そうとしても、諸行無常の響きには勝てそうにありません。

企業倒産に関しては、年末に経営継続を断念される方が時折あり、昨年は急な要請で2日ほど徹夜作業を余儀なくされ数日で一気に破産申立を行ったこともありましたが、今年は現在のところ、そうしたご依頼はなく、静かな年末になるのかもしれません。

原発被曝廃棄物の中間貯蔵や最終処分などの実情に関する平成30年福島視察

4年間に日弁連廃棄物部会で福島第一原発の周辺地域(相双地区)を視察した件について、以前にブログで取り上げたことがあります(前編後編)

この視察について、3年前に日弁連・公害対策環境保全委員会が発行している広報(公害環境ニュース)でもレポートしたことがあり、かなり経過してしまいましたが、ブログにも掲載することにしました。

1 はじめに

廃棄物部会では、福島第一原発から放出された放射性物質に被曝したため特別の処理を要する廃棄物のうち、放射能濃度(ベクレル数)の高いものに対する現在の処理などの実情を確認するため、本年6月17日・18日に、福島県双葉町など原発の周辺地域への調査を行いました。

具体的には、①中間貯蔵施設の予定地など、②特定廃棄物(8000~10万ベクレルの焼却灰等)の埋立処分施設(福島エコテック)、③除染土壌の再生利用実証実験施設の3箇所を視察し、関係者の聴取を行いました。

2 中間貯蔵施設の敷地等の視察など

中間貯蔵施設は、双葉・大熊町のうち第一原発を取り囲む総面積1600ヘクタールもの広大な土地に予定され、大半が民有地のため国は平成27年頃から買収などの交渉を行っています。

双葉町役場のご担当の引率で常磐富岡ICから国道6号を北上し双葉町に向かい、最初に役場屋上に赴き、事故直後の対応やその後の経過などの説明を受けました。

そして、中間貯蔵施設の予定地となっている役場近くのエリア(現在はまだ民家や神社などが点在)、すでに民家などが解体され山林の合間に分別・保管等の施設が建設されているエリア、津波被害を強く受けた海岸地帯、原発敷地に接するエリア、町の中心市街地(ゴーストタウン状態)なども見せていただきました。

先祖代々の土地を手放せぬとして強硬に拒否する方々を除き、大半の住民はやむなく用地売却に応じているそうですが、最近まで、そこには穏やかな里山の光景があったはずで、相応の補償がなされるとしても、谷中村やダムに沈められた村々などを見ているような印象が否めませんでした。

ご担当は現在の役場や町民が直面する様々な課題を説明しつつ、「この状況は自分達が望んだことではない、でも、他の人々に迷惑をかけたくないと思って犠牲を引き受けている、その点は全国の人々に知って欲しい。それが一番言いたいことです」と強く述べていました。

3 福島エコテックの視察など

福島エコテックは、8000ベクレルから10万ベクレルまでの廃棄物(高濃度焼却灰など)の埋立のため国が既存の産業廃棄物最終処分場を買収(国有化)して設置した施設であり、埋立可能容量は65万㎥、見通しでは高濃度廃棄物やその他の被災廃棄物の埋立に6年ほど、その他の廃棄物(双葉郡8町村の一般廃棄物の焼却灰等)の埋立に10年ほど使用することを想定しているそうです。

高濃度廃棄物は、事前に大型収納容器に封入しベクレル数を測定した上で搬入し、通常の管理型処分場よりも汚染リスクの防止を強化して埋立を行っており、例えば、溶出しやすい飛灰は事前にセメント固型化し、埋設廃棄物の下部や中間層に土壌層を敷設しセシウム吸着を図るなどの措置が講じられているとのことです。

当日はひっきりなしにダンプが出入りし多数の大型クレーンにより盛んに埋立が行われていました。「地域の理解を得るためにも一般の見学を広く受け入れる準備をしている」とのことでしたが、入口付近には「原発に隣接しない楢葉町に処分場を設けるのは反対だ」などと書かれた反対派住民の看板も設置されていました。

4 土壌再生利用実験施設の視察など

環境省は、除染作業を通じて除去された膨大な量の土壌(最大約2200万㎥と推定)について、汚染廃棄物の最終処分量を低減させるなどの目的で適切な態様での再生利用の促進を企図しており、まずは道路の盛土材や防潮堤などの構造基盤としての活用を実現するため、南相馬市内に安全性調査の実証実験施設を設けています。

実験は最終段階に入っており、対象資材たる土壌(1㎏あたり771ベクレル)の浸出水の放射能濃度が採取開始から現在まで全て検出下限値未満なので、安全性が実証されたのではないかとの説明がありました。

再生利用には現在も様々な議論が続いており、今後も注視していく必要があることは間違いありません。

5 双葉町役場での聴取など

最後にいわき市の双葉町役場事務所にて役場職員の方々と面談し、中間貯蔵施設の受入の経緯や用地取得に関する役場側の対応などについて説明を受けました。

役場の方々は、将来、廃炉後に汚染廃棄物によるリスクだけが現地に残る事態を危惧しており、今後も国や東電などとの折衝に取り組んでいくと共に、多くの方の支援をお願いしたいと述べていました。

6 最後に

原発が作り出した膨大な電力の主な受益者は大都市の住民や企業群などであり、地元住民ではありません。

と同時に、膨大な電力の生産と都市部での電力の浪費は、大量廃棄社会の震源地(最上流部)と言うべきもので、廃棄や浪費を減らすには循環利用もさることながら必要以上の電力は最初から作らないなどの姿勢が求められると思います。

地元民に犠牲を強いるばかりの社会を繰り返さぬよう、皆さんの更なるご尽力が求められているのではないでしょうか。

 

ペットの里の「惜しい感」とポテンシャル

今年の9月のことですが、岩手山麓にあるペットの里に初めて行きました。施設には、猫カフェと犬舎があるそうですが、当方家族は猫派のため、猫カフェのみ若干拝見しました。

利用料金の定めがなく「お気持ちで寄付をどうぞ」とのことですが、ペット保護の篤志家の方々はともかく、一般客にはかえって敷居が高くなる(ので、1回目に見栄を張った額を出し、結果として再訪しにくくなる)感じがあり、「どうしたら良いか分からない方には、○円をお勧めしています」などと言ってくれた方が有り難いな、と思いました。

建物は、外観はとても立派なもので、かつて著名大企業の保養所として使用されていたものとのことですが、私が伺ったときは建物内には整理や廃棄等を要すると思われる物品類が雑然と置いており本格的な清掃が必要な状態にあると感じたので、その点は残念でした。

私は盛岡市中心部にある猫カフェ「もりねこ」には過去に数回、入口周辺だけ出入りしたことがありますが、とても清潔で整然としている「もりねこ」と比べて、施設内は改善を要する点が色々とあるのでは、と素人目にも感じるところはありました。

ただ、従事するスタッフの方々からマイナスの印象を受けることは全くなく、熱意をもって真面目に従事されているのだろうという印象は強く受けました。

ですので、これは、恐らく現場のスタッフさん側の問題ではなく東京?の運営サイドで対応すべき面が強いのでしょうから、その方々はぜひご検討いただければと思います。

ただ、現実問題として、施設整備を行き届かせようとすれば相応のカネを要するでしょうが、運営サイドにその面倒を見るだけのカネを賄うのが難しいという問題があるのかもしれません。

他方で、私が拝見した限りでは(ペットの里のFBページも含め)、地元関係者が運営のため支援しているという話が出てきません。地元などの有志・篤志家が食糧(餌類)などの差入をなさっているそうですが、施設整備の支援もあれば良いのではと感じてしまいます。

例えば、地元(雫石や滝沢、繋など)の犬猫大好きな中高生が既存の部活との掛け持ちクラブとして「犬猫部」を作り、同じく犬猫大好きな地元の信頼できる方の引率で2週間に1回ほど?の頻度でペットの里に赴き清掃や施設整備など様々な支援活動を行い、ご褒美?に犬猫と触れあって帰る、とすれば、相応に入部希望者が殺到するかもしれません(便乗して同級生の女の子と過ごしたい野郎共の入部希望を含め)。

また、「年に1回くらいなら、そうしたボランティア活動ができる(したい)。もともと犬猫好きだし(メンバーの多くが飼ってるし)」という団体は相応にあるのではと思いますが、上記のクラブや支援住民が母体或いは窓口・仲介役をつとめていただければ、受け入れなどもスムーズに出来るのではと思われます。

それこそ盛岡市内のロータリー・ライオンズなどであれば、土日の午前に1~2時間ほど中高生の部活と一緒に支援活動→「犬猫ふれあいタイム」の前後に敷地或いは近隣でBBQ等で打ち上げ(メシ代はRC等の奢りで)、とすれば、割と実現容易な企画になりそうな気もします。

また、ペットの里は、地域限定(地元民向け)というより、高い理念のもと、全国(世界)に発信することを目的とした施設と認識していますので、そうであれば、犬猫飼育等に強い関心を持つ全国・世界の関係者が、この施設を目的に訪れるような「目玉コンテンツ」が必要では(例えば、愛好家や修学旅行生などが犬猫と一緒に?寝泊まりして世話体験ができる宿泊施設とか、プロ等が学びに来るような最先端の専門施設とか?)と思いますが、そうしたものを見かけなかったのも、少し残念に思いました。

かの「オガール紫波」は、プロ選手が利用を希望する「ハイレベルのバレー専門体育館」を、バレーの専門家でもある社長さん達の高度の営業活動や人脈を通じて現に世界からプロ選手などを集客しているとのことですが、そうした「ピンホールマーケティング」の努力がこの施設にはもっと必要なのでは?と感じました。

と同時に、そのような努力が現に行われて実を結べば、この施設は雫石や岩手山南麓等(盛岡西北部)エリアの旅行客などが、小岩井農場などと共に行程の不可欠の訪問先の一つとすることも期待できるはずで、そうした「夢のような話」を、施設関係者と地元関係者が、もっと語り合って実践の努力をしていただければ良いのに、とも思いました。

ともあれ、(私と違って?)犬猫大好きの皆さんにとっては沢山の犬猫達に囲まれて十分満足できる施設だと思いますし、そうした「惜しい感」或いはポテンシャルを見出すためにも、皆さんも一度、ペットの里に訪れてみてはいかがでしょうか。