北奥法律事務所

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あまちゃん

漆産業の復興は、シン・あまちゃんと宇宙科学から

ロータリークラブのIMと呼ばれる行事(講演会等)が二戸パークホテルで行われ、諸般の理由から、盛岡北RCの会員として参加してきました。

現在、二戸・岩手は浄法寺地区を漆文化などを中心に「奥南部・漆物語」と名付けて売り出しており(文化庁の「日本遺産」に認定とのこと)、今回はその話を取り上げたものとなっていました。

ただ、南部一族は頼朝征服に伴い甲斐国からやってきて300年以上も三戸を拠点とし、九戸戦役(本家断絶後の承継紛争に始まる豊臣徳川東北諸侯軍との戦争)後、短期間だけ二戸(九戸城改め福岡城)を本拠としたものの、南部信直が浅野長政の勧めで盛岡に移転するという歴史を辿っています。

盛岡はもともと紫波を本拠とする斯波氏側の領土で、戦国末期(九戸戦役直前)に南部氏の支配下に入ったと理解しています。

ですので、岩手県北や青森東南部こそが南部一族の本来の領土(実家)であり、三戸などと組んで「奥南部」ではなく「本南部」とか「元南部」と称していただければと思わないでもありません。

まあ、他ならぬ柳田国男が作った言葉だそうですし、浄法寺(や安代)自体は盛岡と三戸(や二戸=福岡)のどちらからも「奥」と言えそうなので、案外、ケチが付かないネーミングなのかもしれませんが・・

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ところで、講演では、戦前に作られた「漆の生産量の激減に危機感を持った人々が、担い手(漆掻き職人)の勧誘目的で製作した(らしい)ミニ映画」が上映されたのですが、主人公である、漆掻き職人に志願した若い女性の作業着姿が

ほぼ、あまちゃん

という格好でした。

漆掻き職人(担い手)は現在も困難な状態が続き、パネルディスカッションでも地域おこし協力隊の方が登壇されていましたが、その映画を拝見して、

あまちゃんに倣い、若い女性が漆掻き職人に挑むドラマ(朝ドラ?)をクドカン氏などに頼み作ってはどうか

と思わざるを得ませんでした。

ドラマのタイトル(主人公の愛称)は、ズバリ、

カッキー

で、どうでしょう(新垣氏にも出演いただければベスト)。例えば、

最初はイケていない主人公を周囲の面々が地域おこし目的で、あまちゃんの真似で作業着を着せてヘッポコWeb映像(恋ダンス風の漆掻き作業動画とか?)を出したところ、バズって世界の脚光を浴び、やがては第一人者の導きのもと世界遺産級の建築物の修復や超高級工芸品などに絡んでいく・・

といった企画案で売り込んでいただいても良いかもしれません。

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ちなみに、5年ほど前に盛岡北RCで周年行事を行った際、何か記念事業をやるべきではという話が出たので、県境不法投棄事件の跡地に漆の木を植樹するのはどうでしょう、と提案したことがあります。

残念ながら盛岡から遠く離れているとの理由で却下されましたが、県境事件は二戸だけの問題ではなくオール岩手(と青森)で取り組むべき問題ですので、本来は岩手や青森のRCなど諸団体が力を合わせて取り組んでも良いのでは、と今も思っています。

もう一つ余談になりますが、宇宙科学の世界に「ウルシ」と呼ばれる世界規模の学術団体があり、田中舘愛橘博士との繋がりという意味でも、岩手(盛岡)にウルシの総会を誘致すべきではと述べたことがあります

漆と二戸に関心を持っていただける方には、こうしたことも視野に、お力添えをいただければ幸いです。

以上、設営等いただいた二戸RCの方々に感謝しつつ、現場からのレポートとさせていただきました。

ヒッチハイクのIT化による公共交通の補完は可能か

「あまちゃん」効果で今夏の久慈市は観光特需に湧いたそうで、私の周辺でも、妻の友人で東京在住の方が、夜行バスで「あまちゃんバスツアー」なるものに参加され、帰り際に当家に立ち寄っていかれたことがありました。

現在は、特需終了後の反動に対する不安が話題になっているそうで、先日、友人が、FB上で「『あまちゃん』で久慈が脚光を浴びたが、一時的な現象に終わるのではないかとの危惧が大きい。検討すべき論点の一つとして、盛岡等と久慈との公共交通網の整備が挙げられるのではないか」と書いているのを見かけました。

ただ、これだけ、個人による車社会が発達し、バス等の公共移動手段の衰退が激しい現代にあっては、結局は税金依存の道が透けて見えるバス云々よりも、個人の車両を公共移動手段として活用させた方が、個人レベルの広域移動手段の整備としては現実的ではないかという感じもします。

例えば、バス等がほとんど来ない場所を起点に移動したい人(バスの時間に乗り遅れる例も含め)が、通りがかりの一般車両の力を借りて移動できる、ヒッチハイク的な移動方法をより有効活用できないかと思っています。

具体的には、次のようなシステムを考えてみました。

①例えば、久慈地域を旅行中の個人(需要者)が、旅の途中(特に、バス等の便が悪い土地)で盛岡に移動したくなったとする。

②その需要者が、公道を歩行中に、携帯のアプリ?でSOSボタンを押す(できれば、久慈方面から盛岡方面、希望乗車人数1名といった程度の情報は提供する。提供情報はある程度、需要者の判断で増減できるものとする)。

③そのボタンを押すと、半径5?㎞圏内の公道を走行中で、そのシステムに事前登録している車両のカーナビに「SOS信号」が出る(発信範囲(半径㎞数)等は、需要者側で一定の調節ができるものとする)。

④その信号をキャッチした車両の運転者が差し支え(家族連れで座席が満杯等)であればスルーして構わないが、上記の条件を満たす(上記圏内を走行中の)複数の車両のうち、対応してもよいと思った運転者が、その需要者を拾ってあげる(誰かが対応した時点で信号は消える)。なお、誰が誰の車両に乗ったかという情報は、アプリの運営法人を通して一定期間、記録される。

⑤あとは、その運転者が、差し支えのない範囲(例えば岩手町までしか行かない車両ならそこまで)で、その需要者を乗せてやり(この点は、ヒッチハイクと同じ感覚)、需要者は、便宜を受けた範囲で、例えば「バス代よりは少し上」程度の金額を、アプリの運営法人に支払う。

⑥アプリの運営法人は、事前登録(③参照)しているその運転者に、その便宜を行った範囲(距離その他)に照らして相当な運賃(例えば、ガソリン代+α程度など)を支払う。なお⑤や⑥の料金は、予めアプリの運営法人が標準(上限)額の算定のための基準を定めておき、それ以上の額の授受はできないものとする(白タク化の防止)。

⑦上記の支払等は絶対ではなく、需要者がSOSボタンの発信の際に無償の乗車希望を発信したり、運転者が運賃を辞退することもでき、それらの選択は当事者の判断、交渉に委ねる(無償乗車の場合、運営法人への課金も発生しない)。

これなら、旅行者の身元も運転者の身元もアプリの運営法人が把握しているので、見知らぬ人を乗せる・乗る不安も一応解消され、バスやタクシー等の長距離移動について運営側又は利用者側にとって高コストになりやすい手段とは違った、低コストでの個人旅行等を実現することができるのではないかと思われますが、いかがでしょう。

ジョークの類と笑われそうですが、かつてヒッチハイク的に何度か見知らぬ方の車両にお世話になったことのある身としては、現代のIT技術も活かした、なかなか面白そうなシステムと考えます。建設的なご意見を頂戴できれば幸いです。