北奥法律事務所

岩手・盛岡の弁護士 北奥法律事務所 債務整理、離婚、相続、交通事故、企業法務、各種法律相談など。

〒020-0021 岩手県盛岡市中央通3-17-7 北星ビル3F

TEL.019-621-1771

岩手女子高

盛岡北RCと岩手女子高IAとの懇談会と「RCのきほんのき」

以前にも投稿したことがありますが、私が所属する盛岡北ロータリークラブは「インターアクトクラブ(IA)」という形で岩手女子高のJRCクラブさんと協力関係にあります。

ただ、詳細は存じないものの、私が入会した10年近く前の時点で、すでに相互の交流は希薄になっており、毎年12月の当クラブのクリスマス会に部員さんと顧問の先生をご招待して手話を用いた歌唱を披露いただくこと以外には、特段の関わりはない状態が続いています(今は、ウィルス禍のせいで、それも絶えています)。

私は3年ほど前に2年間だけIA等の担当委員長を務めましたが、そうした経緯や私自身の多忙さもあり、名ばかりの状態が続きました。

ただ、何もしないのもどうかということで(ある年の会長さんから、活性化を促されていたこともあり)、一度、IAにアンケート調査を行うと共に、その結果を踏まえて会員5名ほどで岩手女子高にお邪魔し懇談会を行ったことがあります。

その際にIA(高校生)向けに作成、配布したレジュメを、折角なので本ブログでも載せることにしました。

うわべだけの綺麗事は好みませんので、「どうしてロータリーには金持ちが多いのか」「バブル崩壊で人数が減った」など、敢えて「本音トーク」的なものも書いていますが、反面、ロータリーの本部?から「こいつは問題児だから懲らしめろ」などというお達しが出ないか、少し不安に思わないこともありません(笑?)。

当日は、敢えてレジュメの棒読みはせず、「宮澤賢治の思想とロータリー運動との関係」について話をしたのですが、それよりも、当方の会長さんが紹介した海外留学支援の説明の方が好評を博していました。

***********

(目次)
第1 ロータリーとは何か、どのような活動をしているか
第2 盛岡北ロータリークラブの活動や実情など
第3 インターアクトクラブとは何か、どのような活動をしているか
第4 岩手女子高JRCクラブの「インターアクトクラブ」としてのあり方など

※ 本レジュメには、ロータリーなどの「公式見解」ではない個人的な見解が多数含まれていますので、取扱にはご注意ください。

第1 ロータリー(RC)とは何か、どのような活動をしているか
 1 RCの発祥と発展など

1905年に米国シカゴ(ミシガン湖畔の大都市)で執務するポール・ハリス氏(弁護士)が、仕事上の付き合いのある友人同士の相互交流(親睦グループ)として計4人で結成したのが発祥。

その後、1920年代頃から「単なる親睦ではなく、団体または構成員個人として社会への奉仕を実践すべき」と掲げたことが契機になって賛同者が増えて戦前戦後の米国の躍進なども相俟って世界中に広がり、現在は200カ国以上の国々に3万以上のクラブが存在し、120万人以上の会員が所属している。

 2 国際RC(世界全体)や各地RCの活動や実情

RCは、会員内部の懇親や相互扶助(クラブ奉仕)のほか、対外的な活動として、地域社会や青少年、国際社会などへの奉仕を理念に掲げ、その一貫として様々な活動を行っている。

典型的な例では、地域の若者(高校生など)の海外留学を支援(費用補助)したり海外の有為な若者の留学を支援するなどの活動を行うほか「大がかりではないが地域の美観・景観などを良くするための小規模な設備」などの設置(北上河畔の花壇など)といったものを行っている。

国際RCが世界的に行っている取り組みとしては、かつて深刻な難病として数十年前の日本をはじめ世界中に蔓延していた「ポリオ(小児麻痺)」の撲滅のための活動などが行われている。

 3 日本のRCの活動や実情(どうしてロータリーは「お金持ち」が多いのか)

もともとRCは事業活動を行う者同士の親睦を目的として始まったが、日本で最初にRCの結成を提唱したのが三井物産(日本を代表する総合商社の一つ)の経営者(米山梅吉氏)であり、地域を代表する大物経営者(要するに、お金持ち)を中心に広がったことに基づく。

そのため、現在も日本のRCは、企業経営者や高度専門家(医師等)、地域内の大企業の幹部社員など、いわゆる地元の名士さんが会員となっていることが多く、一般庶民(私を含む)から見れば、敷居の高さを感じる面がないとは言えない。

しかし、これは世界共通のこと(RCが前提としていること)では全くなく、海外では、ごく普通の企業のごく普通の立場の従業者が、男女を問わず会員として多く参加する例も多いそうであり、日本のRCのあり方が「当たり前」と考えるのは正しいことではない。

そうしたことも含めて、RCのあり方は次世代に託されている面がある。

第2 盛岡北ロータリークラブの活動や実情など
 1 盛岡北RCの発祥と現状など

盛岡では、1939年(昭和14年)に盛岡ロータリークラブが結成され、1958年(昭和33年)に盛岡RCの一部会員が脱退(分裂?)するなどの形で盛岡北RCが結成された。

その後も、数十年間は、盛岡RCや盛岡北RCから分かれる形で新たなRCが幾つか結成され、現在、市内(盛岡広域圏内)で計8個のRCが存在している。

なお、喧嘩別れ等の話は特には聞いておらず、親睦団体という性質上、1個の大規模団体よりは、親しい仲間が個別に結成する複数のRCが地域内に並立する方が望ましいとの考え方がとられたものと思われる(ちなみに、東京に3つの弁護士会が存在するのは会長選挙を巡って昔々に喧嘩別れしたからと言われている)。

盛岡北RCは最盛期(平成元年頃?)には80名以上?の会員がいたものの、現在(5年ほど前頃から)は36名前後(40名弱)の会員数に止まっている。

これは全国的な傾向であり、30年前は、バブル経済などの影響で地域の有力・著名企業の経営者や役員などがこぞって加入したものの、バブル崩壊後にそれらが撤退したため、本気でRCが好きな人達(とバブル崩壊後も会費支払が可能だった人達)が残ったという面は強い。

ともあれ、盛岡北RCでは、より多くの会員の加入を望んでいる状態である。なお、現在の会員は各種の事業を営む会社の経営者や幹部社員、専門職(医師など)が多い状態である。

 2 盛岡北RCの「奉仕活動」について

盛岡北RCでは平成18年頃から令和元年頃まで、盛岡市のこども科学館の近くにあった原野(市有地)を借りて「どんぐりの森」と称する植樹・整備事業を行った。

これは、「盛岡は市内に緑が少なく、子供達が地域で自然に触れあう機会が乏しいので、そのきっかけ作りにしたい」などという理念のもと行われた事業であった。

「どんぐりの森」は令和元年頃に終了し市に返還され、一部が現在も活用されている。

第3 インターアクトクラブとは何か、どのような活動をしているか
 1 インターアクトクラブとは何か、インターアクトとローターアクト

RCでは、「ロータリーの理念(社会奉仕など)を若い世代に伝え、理解を得ると共に将来のRC或いは社会全般の担い手として育成する」ことを目的に、各地RCに、若年者を構成員とする関連団体を設置することを推奨している。

インターアクトクラブは、そのうち12~18歳まで(中高生)を対象とするもので、他に18~30歳までを対象とする「ローターアクトクラブ(の制度)」も存在する。

ローターアクトは、将来のRC会員候補になりうる社会人との親睦を深めることが目的とされやすいが、インターアクトクラブは「奉仕活動を目的とする活動を行っている生徒(学校のクラブ等)の支援」を目的に結成されることが多いようである。

 2 岩手女子高インターアクトクラブについて(掲載は割愛)

 3 日本各地(及び、岩手・宮城地区)のインターアクトクラブの活動など

回覧資料のとおり、①子供やお年寄り、留学生などとの交流・支援事業(RC側も設営等で協力)、②各種の募金活動(同?)、③その他、地域内の様々な慈善活動(同?)、などが行われている(ようである)。

 4 ライラ(RYLA)について

ライラは、RCの各地区(盛岡の場合、岩手・宮城のRC全部で構成される地区)ごとに年1回の頻度で行う「インターアクトクラブ及びローターアクトクラブのための1泊2日の研修大会」であり、岩手又は宮城県内の研修施設を借りて行っている。講演を聴いてグループ討論などをすることなどを内容とし、交流行事(身体を動かすもの。スポーツ的な?)も行われるようである。

岩手・宮城のRC内に、「IA・RAに特に力を入れているクラブ」が幾つかあり、そうしたクラブが中心となって運営がなされている(ようである)。

第4 岩手女子高JRCクラブの「インターアクトクラブ」としてのあり方など

既述のとおり、インターアクトクラブには、ロータリークラブという資源を生かした様々な活動を行う可能性がありうるところではあるが、現時点でそれがなされていると言えるとは必ずしも言い難い。

学業優先など、時間の確保に困難が伴うことはやむを得ないところではあるが、ぜひ、この機会・資源を生かして「関わってよかった、自分ひいては社会のためになることができた」と思える何かに繋げていただければ幸いである。(以上)

 

女子高の夏のみやげは

半年前の話ですが、岩手女子高に少しだけお邪魔してきました。

もちろん不審者の類ではなく、岩手女子高が私の所属する盛岡北ロータリークラブの「インターアクトクラブ」になっており(相互交流の協定のようなもの)、私が担当委員長を拝命している関係で、会長さんから「学園祭の招待状が来たので付き合え」とお達しを受け、伺った次第です。

といっても、当クラブのため特別に作成した招待状ではなく同校と何らかの繋がりのある方々に向けて広く配布したもので、お邪魔した際も、引率があるわけではなく学園祭を自由にご覧下さいね、という形でしたので、インターアクトクラブの運営主体である「JRCクラブ」さんの活動発表に関する部屋を拝見し、お茶コーナーの1杯無料券をいただいたあとは、ほどなくお暇させていただきました。

私は、現在では女子高はもちろん学校の類に立ち入ることはほとんどありませんが、東京の勤務時代(H12~13頃)、東京弁護士会の有志が行っていた「中学・高校に出張して学校の授業で模擬裁判を行う(設営・指導する)企画」に加わり、何度か都内の高校にお邪魔したことがあります。

もともと元締め役の方が盛岡修習の先輩であったため、折角のご縁ということで加わっただけなのですが、男子校出身者ですので「こんな機会でもきゃ女子高には行けないよ」という勧誘に屈した?面も(激しく)あったかもしれません。

それはさてき、その際は、その元締め先生が作成されたシナリオをもとに、弁護人や検察官を担当する生徒さんとシナリオに記載された尋問事項をどのようにアレンジし被告人役に話して貰うか(追い詰めるか)を話し合ったり、新シナリオ作成チームに参加して議論や作業をしたこともあり、色々と懐かしい思い出となっています。

岩手に戻ってからは、私の多忙さや出不精などのため岩手弁護士会のその種の企画に加わる(誘われる)こともなく、高校にお邪魔したのは約15年ぶりのことでした。といっても、学園祭の様子を少し拝見しただけですので、「訪問」というほどのことでもありませんが・・

ロータリーの「インターアクトクラブ」という制度は、社会奉仕活動を目的とした特定の学校(中学・高校)の活動を特定のロータリークラブが支援し交流する(そのことによりロータリーとして青少年奉仕を行う)ことを目的ないし理念としているようですが、当クラブに関しては、年末のクリスマス会(例会場であるホテルニューウィングでの会食)に招待し、出し物(歌など)を披露いただくという程度の関わりに止まっているように思われ、そのままでよいのかと残念に思うところはあります。

現在の若年者は、核家族化などの影響で、昔に比べて地域の様々な大人達と接して様々な考え方などを学ぶ機会が乏しくなっており、そのことが、若年層が犠牲になる一部の残念な事件や社会現象の背景にあると考えます。

ロータリー会員の大半は、地域内の相応の規模の企業を長年に亘り真面目に経営してきた方々ですので、1年に1回程度(せいぜい1~2時間程度)でも、生徒さんが有志を募り各人の希望に応じて会員企業などを訪問し様々な仕事の有り様や背中を学ぶ機会があってもよいのでは、と思わないでもありません。

岩手女子高の生徒さんは看護や介護の道に進む方が多いとのことで、弁護士の話を聞きたいという人はほとんどいないでしょうが(何年も前に、法律実務家を目指しているという盛岡一高の生徒さんから、授業の一貫として職場訪問の要請を受けたことはあります)、4年後?には、高校で「現代社会」に代えて「公共」なる必修科目を設けるそうなので、法律や裁判の実情などについて実務家の話を聞いて学ぶ機会があってもよいのでは、などと思わないでもありません。

まあ、私自身にその準備のため汗をかけと言われると、日々の仕事等に追われて・・というのが恥ずかしい現実ではありますが。

ところで、その日の訪問は往路は概ね好天だったので事務所から自転車で赴いたのですが(予報も一日晴天)、見学中にどしゃ降りとなり、やむなく、会長さんと15分ほど玄関で時間つぶしをしたものの、止む気配がないということで、仕方なく雨天のまま自転車で帰宅しました。

で、お約束どおりというか、帰宅直後に雨が止んで晴天となりましたが、私の精進が足りないのでバケツの水でも被って出直しなさいとの見えざる力が働いたのかもしれません。そんなわけで一句。

女子高の夏のみやげは どしゃぶり刑

IMG_0651