北奥法律事務所

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弁護過誤

弁護士の作成書面と礼節

弁護士が訴訟等で作成する書面は、争点を巡る当事者間の対立の度合いなどに応じて、時に、相手方への厳しい批判を伴うことがあります。ただ、度を過ぎると、名誉毀損などの問題を生じることもあり、賠償請求に関する裁判例も幾つか存在します。

現在、弁護士15年目にして、はじめて「弁護士を被告とする訴訟」をやっています。といっても、名誉毀損絡みではありませんし、原告が私でないことはもちろん、被告も岩手の先生ではなく、また、特異な経過を辿った事件で、典型的な「弁護過誤」などとは異なるタイプの事件です。

ただ、被告たる弁護士の方の行動については、立場論だけではない、弁護士の仕事のあるべき姿という意味で、首を傾げざるを得ない面があり、対応に苦慮しています。

先日、被告側からある申立があり、すでに退けられているのですが、その中でも、「(私が、遠方にある被告の事務所に来ないから)無責任だ、軽率だ、怠慢だ、迷惑だ、不正義だ」などと不満の言葉ばかりを並べ立てた主張がありました(それを前提に、裁判所に特定の措置を講じて欲しいとの申立になっています)。

しかし、その事案の内容に照らしてもおよそ無理のある主張で、ただでさえ問題の多い事案なのにと、ため息ばかり積み重ねざるを得ませんでした。

もちろん、私も罵詈雑言を重ねたのでは同レベルに堕ちてしまいますので、相手方の主張の前提(当方に特殊な義務があるなどという主張)自体が根本的に誤っていると反論するに止めています。

係属中の事件であり、特殊な事情が多いこともありますので、これ以上、具体的なことを記載するのは差し控えますが、どのような事情があるにせよ、弁護士の作成する書面は礼節を弁えないと、一部に真っ当な主張が含まれていたとしても、主張全体が信用されないことになりやすいのではないかと思います。他山の石ということで、気を付けていきたいものです。