北奥法律事務所

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法律相談

モラ、モラで 次々湧ぐも(その1)

この仕事をしていると、相手方であれ依頼者であれ他の関係者であれ、突如として喚き出すなど会話等に非常に困難さを伴う御仁との関わりが避けて通れません。

とりわけ、相手方以上に、依頼者や相談者が「紛争相手などへの憎悪の感情」を私(自身が依頼する弁護士)に、溶岩や噴石のようにドロドロ・ドカドカとぶつけてくることは珍しくありません。

もちろん、話しているだけで癒やされる誠実な方々の方が圧倒多数であり、あくまで例外的な事象ですが。

ともあれ、そうした光景に思うところは多々ありますが、余計なことを言っても事態を悪化させるだけですので、我慢タイムのあと「言いたいことは全部言えましたか、そろそろ私が話してもいいですか」と、言葉を選んで接するようにしています。

心身の健康を害して仕事を続けられなくなった弁護士は私の知り合いを含め、何人もおられますが、その多くは、そうしたことが原因なのではとも感じています。

抜本的な解決は容易に思いつきませんが、それぞれの事件で自分がなすべきことをきちんと行えば自ずから収束すると信じて、対峙する暴風に惑わされないよう自身に言い聞かせるほかないのかもしれません。

というわけで、今も様々な理不尽に耐えつつ郷土の偉人達に倣った一吟。

モラ、モラで 次々湧ぐも
苦にもセズ シヅカにワラッテ
ツマラナイからヤメロとイヘル
サウイフモノニ ワタシハナリタイ

この文章は、最初にfacebook(FB)に投稿したものですが、FBに色々と駄文を書いていると、頂戴したコメントを拝見したり返信を書くのが煩わしいと感じることもあります。

が、残念な対峙に多々追われる本業時間中の諸々を思い返すと、自ずから、感謝の気持ちも湧き上がってくるような気もしますので、謙虚さを大切に、今後も投稿を続けていければと思います。

帰ってきた宮古の法律相談と早春のエセ歌人

今年から宮古市役所の無料法律相談の担当(の一人)になり、先日の木曜が初日でした。

盛岡の河川敷などが満開近くになったので、宮古はすでにピークを過ぎたのかと思いきや、メインの長沢川堤は大半が蕾状態で、満開まであと10日は要しそうでした。

念のため浄土ヶ浜の近くまで赴いたところ、そこそこ桜が咲いていたのがせめてもの救いでした。

帰路は雨天でしたが、岩手に限らず、この国では、それまで晴天続き(で花粉地獄)だったのが、桜が咲き出した途端に曇天や悪天候になることが多いような気がします(翌日の盛岡はその最たるものでした)。

或いは、他の山川草木が、桜に嫉妬しているのかもしれません。

花咲くと空に雲湧き乱るるは 我も愛でよと雨風の声

震災後、数年前まで何度も赴き、毎回ガラガラで内職ばかりしていた県庁(宮古振興局)震災相談と異なり、市役所は満員御礼(予約)になっていました。

当時、何人かの方に、市役所への「満員後はこっちに廻して要請」をはじめ、宣伝努力をしないと制度の意味がないじゃないかとお伝えしたことがありますが、宮古の先生の1人からレスポンスがあっただけで、ほとんど善処が得られなかったことを懐かしく思いました。

長沢川堤の入口の道路では、接触事故を起こした車両同士が離れた位置で互いに誰かに電話をしており、ほどなくパトカーが到着していました。

市役所では受任相当の案件がなかったので(無料相談あるある)、この方々に名刺を渡して「じゃんけんで勝った方(或いは、被害者かつ弁護士費用特約に加入している方)が依頼して下さいね」と営業活動したい衝動に少しだけかられましたが、遺憾ながら自粛しました。

公的機関の相談事業で生ずる利益相反の問題について

先日、盛岡市役所の無料相談を担当したのですが、10名の相談者(来訪者)の方のうち2名の方が、利益相反のため、ご相談をお断りせざるを得ないものでした。

利益相反とは、事件又は相談事項に関する相手方当事者から、その事件等の相談等を受けたことがあるため、弁護士業務の性質上、相談等をお断りせざるを得ないものを指し、これまでも何度か経験しています。

ただ、滅多に生じない話であるせいか、私の知る限り、行政機関であれ弁護士会であれ法テラスであれ、弁護士による相談事業を行っている団体等が相談希望者の方を受け付ける際、利益相反による相談謝絶を防ぐための措置を講じているという話は聞いた(見た)ことがありません。

せめて、主催者側で相談希望を受け付ける際に、相談者のお名前やご相談のテーマ(差し支えがあれば空欄という前提で)を確認して一覧表を作成し、前日の夕方までに、担当弁護士(事務所)宛てにFAXかメールで連絡していただければ、そうした事態を防ぐことが容易になると思います。
漏洩ミス云々を気にするのであればパスワード付のメールにする等の方法が可能ではないかと思います。

少なくとも、当事務所に相談希望のお電話をいただいた際には、極力、受付時にご相談の概要や相手方のお名前等もご説明いただき、上記のような当日の相談謝絶にならないよう留意したり、事前に予習が必要なテーマか確認するなどの対応をしています。
その程度のことは、町弁であば皆しているのではないかとは思いますが。

利益相反の問題があると、どうしても、瞬時に打ち切りにせざるを得ず、来場者にとっては何の落ち度もないのに門前払い扱いになってしまうので、とても申し訳ないという感じになってしまいます。
この場合、せめてものということで、翌週のご来場や法テラス、弁護士会などをご説明することにしています。

現在のところ、岩手では個人の方のご相談事項の大半に無料相談が可能になっていますので、市役所などの相談事業にはそのような弊害があることをご理解いただき、なるべく事務所でのご相談をご利用いただければと思っています。