北奥法律事務所

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盛岡北RC卓話

ウイルス禍におけるRC運営や会員交流に関する意見~盛岡北RC卓話~

先日、盛岡北RCの卓話を担当する予定でしたが、ウイルス禍に伴う休会のため、やむなく以下の文章を会報に寄稿すると共に、折角なのでブログでも一部修正の上、掲載することにしました。

目新しい内容はありませんが、RC関係者の方々の参考にしていただき、他クラブの工夫例をご教示いただいたり、何らかの意見交換などができれば幸いです。

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【ウイルス禍による休会下における会運営や会員交流について】

1 はじめに

2月第1週の卓話担当の小保内です。今月は「平和と紛争予防・紛争解決月間」だそうで、国際奉仕委員長という立場で担当を拝命しています。

ですので、本来なら、海外RCの活動、はたまた国際的な法的紛争や解決に関する話(日産元会長事件とか、ハーグ条約に関する子の奪い合い訴訟とか)を取り上げる方が望ましいのかもしれませんが、外国語が関わる仕事はほぼ行っておらず、自分の経験としてお話できませんし、RCの海外交流などにも何ら関与したこともありませんので、それらを取り上げるのは止めておきます。

1年前に個人的な計画があり、本来はこれをネタにしたかったのですが、ご承知のとおり渡航不能となる憂き目に遭いました。風の噂では、他にも豪華客船に乗り損なった会員さんがおられた?と伺っています。

というわけで、今回は話題を変え、休会が延々と続く現在の状況下における会員交流や会運営、会報のあり方などについて、私見を述べたいと思います。

2 SNSなどの活用・活性化のお願い

ロータリークラブは「会員同士が現に交流し『友人(この地で研鑽を積み活躍する人生の先輩・後輩)としての信頼と相互扶助の関係』を形成できてナンボ」だと思います。

言い換えれば、そうした交流と関係の形成ができないのなら、会員として在籍する意味も必要もありません。

そのため、例会すら実施できない現状が危機的なものであることは申すまでもありませんが、現在のところ、当クラブであれ市内の他クラブであれ、代替の交流手段の発案・実践の光景を見かけることがなく、その点は大変残念に感じています。

現下の情勢では、Webを通じたコミュニケーションを活用せざるを得ないのですから、まずは、SNSなどの活用を試みるべきだと思います。

私の知る限り、当会ではHP(Webサイト)とは別に、facebookとLINEの双方に専用グループ(当会の会員・関係者のみが投稿できるもの)が設けられています。

FBは3~4年前に私が開設しましたが、1~2年前にYさんが開設したLINEの方が登録者数・投稿とも圧倒的で、FBは開店休業状態(新規登録も放置)になっています。

LINEも、若干の事務連絡と新年おめでとうメールの類を別とすれば、時折、Yさんが痺れを切らして下ネタを投下し、Hさんが「コラY!」と返答する程度で、さほど活用されているわけではありません。

できれば、皆さん全員にFB・LINEに登録し、当会グループに加入いただいた上で、下ネタに限らず、簡易な挨拶や写真だけの掲載であれ、本格的な近況報告であれ雑談の類であれ、皆さんが和んだり楽しんだり、盛り上がることができるような話題を、次々に投稿していただければと思っています。

なお、LINEは長文投稿に適さず過去の投稿がその後の雑多な投稿にかき消されやすいので、投稿の保存を重視するならFBグループに投稿いただいた方がよいと思います。

もちろん、RC会員として、ご自身が現下の状況で実践されている「ご自身なりの奉仕」を発言していただくことも、あるべきことだと思います。

ベテラン勢には「Webなんて分からんよ」という方もおられるかもしれませんが、ご家族・従業員さんに登録作業を行っていただければ、先日のAさんのように、加入直後に会員から歓迎メールが来たりします。

また、グループだけでなく、FBの個人フィードでの投稿も、リアルな交流の代替手段として、各自に活発に行っていただければと思っています。

私の投稿は、クセが強すぎるせいか?皆さんからなかなかコメントをいただけませんが、随時お待ちしているところです(笑)。

3 会報のあり方について(自己紹介、近況報告など)

休会中の会報の編成に関する議論は存じませんが、この間の会報は、従前の編成(会長挨拶、卓話、幹事報告など)の踏襲ではなく、何某か、例会での交流の代替手段としての活用を考えていただくべきだと思います。

例えば、ここ1~2年に入会された新入会員などに自己紹介いただいたり、既存会員も本業の成果であれ意外な趣味などの類であれ、様々な近況報告をいただくのが望ましいと思いますし、「過去の大物会員の列伝記事(昔話)の連載」も検討されてよいと思います。

現状ではスマイルボックスが不能になっていますので、これに代わる投稿を事務局にメール(DM)したり、会員で割当を決めて、「今回の会報ではスマイル投稿をすること」といった形でもよいのではと思います(大サービスで、スマイルゼロ円で投稿OKとしていただければ有り難いです・・と言ってみたりして)。

ちなみに「小保内って誰?」という新入会員の方は、当事務所のHPをご覧ください。

4 ズーム例会、スキー例会など

皆さんも、ズーム会議は相応に経験されていると思います(私はズーム飲み会は経験がありません)。直ちに「ズーム夜例会(宴会)」を行うかはさておき、何らかの形で例会など(会運営)に活かせればと考えます。

例えば、各人が事前に食事を済ませることを前提に、午後1時から1時半まで30分程度のズーム例会を行い、会長挨拶のあと、事前に割当を決めて5人前後が近況を報告し、簡易な質疑応答(雑談)を行って終了という方法も検討されてよいと思います。

先日、たまたま同じ日に家族で安比に行っていた、という複数の会員さんをFBで拝見したことがあります。大人数の参集は現状では無理でも、例えば「スキーができる人は、家族を連れてこの日に安比に来て下さい。昼食は(予約等が無理でも)可能な人は○○エリアに来て、挨拶だけでもやりましょう。可能なら、若干でも一緒に滑りましょう」といった試み(スキー例会?)も検討されてよいと思います。

例会という形式をとるかはともかく、現下の状況でも、適切な工夫を前提に、可能な限り会員交流の「あの手この手」が図られることが望ましいと思います。

5 代替措置と例会復活後について

先般の役員会で、休会長期化による伴う会費還元の手法として、夜例会の復活時に全額クラブ負担(自己負担なし)で行う方法を提案しました。一部返還も検討されているようですが、会費は会員の交流の原資というのが基本でしょうから、皆さんからも知恵を拝借できればと思います。

また、ウイルス禍と別の話として、ここ1~2年、当クラブに長年多大な貢献をいただいた方の退会や逝去が相次ぎましたが、クラブとしての「お別れの会」がほとんどできていないことを大変残念に感じています。

今後は、ベテラン会員や転勤族の方が「引退」的な形で退会される場合には、前後の夜例会を「お別れ会」を兼ねるものとし、引退のスピーチや会員による別れの挨拶をするような形をとるのが望ましいのではと思っています(転勤族の方は送別会がなされることもありますが、それはそれとして、例会の場でもお別れ会はあってよいと思います)。

また、逝去された方についても、同じように繋がりの深い方々に簡易なスピーチをしていただくなど、クラブとしての「お別れの会」があってよいのではと思いました。

ちなみに、私はN先生が亡くなられた際に、当ブログにN先生の追悼記事を掲載させていただきました。関心のある方は検索してご覧ください。

以上、大変な長文になり恐縮ですが、参考にしていただければ幸いです。

企業倒産の実務と経営者保証ガイドライン(盛岡北RC卓話)

先日、盛岡北RCの卓話を担当したので、時勢も踏まえ、企業倒産の実務を取り上げることにしました。

金融機関以外にはほとんど負債のない事業者であれば、経営者保証ガイドラインにより破産よりも遙かに良好な解決を得やすいのですが、世間一般には知られていませんので、同GLに力点を置いた説明にしました。

卓話で用いた事例とレジュメの目次を掲載しますので、事業者の方などは参考にしていただければ幸いです。

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小問1 

岩手県内で物販業(一般向けの生活用品の販売等)を営むA社の代表取締役Bは、長年に亘りA社の営業不振が続き、日々の運転資金の支払も銀行借入や各種債務の延滞などをしなければ困難な状況に陥り、現状では営業の継続は不可能と考えた。A社は、銀行3社(岩銀、北銀、みずほ銀)に計1億円(岩5000万円、北3000万円、み2000万円)、取引先20社に未払買掛金計2000万円(最大500万円、最小10万円)、未払公租公課(税金、社保料など)4庁・計500万円の債務があり、賃金も2ヶ月分・従業員10名計400万円が未払となっている。

他方、現時点の資産は、手持ち現金が50万円、未収売掛金が10箇所計300万円、商品在庫などが多数(定価どおりに販売できれば1000万円以上だが、販売目処の立たない老朽在庫も多い)となっている。

Bは、銀行3社(1億)と取引先も4社ほど(800万円)、連帯保証している。

A及びBの債務問題を解決するため現実的に可能な法的手続は何か、法的手続の概要や、受任弁護士が特に検討・対応すべき課題などを説明しなさい。

小問2

岩手県内で飲食店を営むC社の代表取締役Dは、先般から社会で生じた問題により数ヶ月売上の急減が続き、手持ち資金に余裕があるうちに、経営継続を断念することとした。Cの債務は、金融機関2社に計5000万円(東銀3000万円、公庫2000万円。D保証付き)のほかは、20万円以下の小口の買掛が数件あるのみである。他方、Cの営業資産は限られたものしかないが、現在300万円の現預金がある。Dは預金300万円のほか、数年前から住宅ローン返済中の自宅があり、Dは近々転職し給与収入で住宅ローンの支払を続けたい希望である。

C及びDにとって最も賢明な「店じまい」を実現するための法的手段は何か。また、実現にあたって特に検討すべき点を説明しなさい。

【目次】

第1 様々な債務を抱えながら資金枯渇した企業の倒産処理
1 企業の債務整理・倒産処理に関する法的制度
2 個人の債務整理・倒産処理に関する法的制度(参考)
3 東日本大震災で被害を受けた企業等を対象とする特例的な救済手続
4 新型ウイルス禍に伴う支援制度の紹介例や弁護士会等の取組み等

第2 小問1 多額・多様な債務を負う一方、現預金が足りない企業の場合
1 A社の手続の選択と初動対応
2 破産手続(申立後)の一般的な流れ
3 Bの手続

第3 小問2 ほぼ金融機関の債務だけの小規模事業者が早期撤退する場合
1 C及びDの置かれた状況と方針選択
2 経営者保証GLスキームに基づく会社債務の整理(換価・弁済)
3 経営者保証GLスキームに基づく保証債務の整理

第4 結語
かつてのように「生命保険で支払う」などは絶対にしない・させない

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以上の内容について、ご自身(の所属団体など)で話を聞いてみたいという方がおられれば、ご遠慮なくお声がけください。