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菅義偉首相

「河野首相」と「岸田首相」が過去に辿った道と政界大乱の予兆?

前回「菅義偉首相(菅政権)は、政治家としての来歴から政権の誕生経過まで鈴木善幸政権に酷似している。世界規模の論点に苦しんだ末に解散総選挙ができないまま政権運営に行き詰まり退陣した終幕まで、鈴木首相にそっくりだ。このまま河野行革相が首相に上り詰めれば、鈴木退陣→中曽根政権誕生の再現になる」と述べました(退陣表明の直後に、FBで述べたのが初出です)。

ただ、鈴木首相は「解散しようとしてできなかった」のではなく、それ以前に力尽きた感がありましたので、そこは相違点と言えます。

そして、首相が衆院解散を模索して色々ともがいた末に政争に屈して行使を封じられ退陣に至った光景は、「重大な決意」が流行語にもなった海部俊樹首相に近いように思います。

同世代又は少し上の方は覚えておられるかと思いますが、海部首相の退陣後は、宮澤喜一氏、渡辺美智雄氏、三塚博氏の三者が名乗りを上げ、当時、権力の絶頂にあった小沢一郎氏による「竹下派面接」を経て、同派の支持を得た宮澤首相が誕生しました。

で、その後の展開はと言えば、ご承知のとおり、政治改革(選挙制度改革=小選挙区等の導入)と竹下派の主導権を巡る抗争が勃発し、自民分裂と宮澤政権の倒壊→非自民8勢力による細川連立政権の誕生→そして政権が長続きしない(が、小沢氏が政争の中心であり続けた)混乱の時代が続きました。

若い世代は日本の政治に対し小泉首相と安倍首相の長期政権の印象が強いかもしれませんが、我々の世代は、この2政権と中曽根政権だけが例外で、あとは、首相がコロコロ代わる政争期の方が大半、というイメージを持っているのではと思います。

で、なんでこの話をしたかと言えば、私は菅政権の発足時に、ブログで

「三角大福混乱期→ひと呼吸の鈴木内閣→中曽根安定期」という流れと対照的に、「安倍安定期→ひと呼吸の菅内閣→政界大混乱へ」との展開もありうるかも

と書いたことがあり、案外、こうした展開(混乱の時代)になるかもしれない、という感じもしています。

言い換えれば、現時点で世間の人気の高い河野氏が首相になり、辣腕を振るって実績を出し高支持率を維持できれば、「中曽根首相の再来」のような再安定期になるのかもしれませんが、そうでなければ、大政争が控えているのかもしれません。

そう考えると、ご本人にとっては不本意かもしれませんが?岸田氏と宮澤首相は、共に「宏池会のプリンス」である(ご出身も共に広島で当然ハト派)だけでなく、温和そうな人柄や政策には相応に通暁しつつ権力闘争を勝ち抜く嗅覚や決断力、国民の統率力などに不安を感じないこともない、などの点で、よく似ているような感じがします。

ですので、岸田氏が「ベテラン(老骨)世代」の大物政治家たちの支持により首相となった場合に、世代交代の対決であるとか憲法云々とか何らかの重大論点を巡り自民党内に深刻な対立が起きたときは、自民分裂など大政争がありうるのかもしれません。

まあ「岸田首相になれば自民分裂になる」などと予言されても、岸田氏にとっては大迷惑この上ないでしょうから、宮沢首相が果たせなかった大宰相の道を目指して頑張っていただければと思います。

ところで、現時点でもう一人の候補者・高市早苗氏ですが、ご自身は無派閥ながら安倍首相=清和会の支持を受け(ように見える)、党内の強硬右派?が信奉する主張を掲げておられるところは、「小沢面接」の総裁選に即して言えば、三塚博氏に似ています。

若い人には通じない話でしょうが、三塚氏は、議員時代の石原知事などが立ち上げタカ派的な主張で知られた若手グループ「青嵐会」に所属しており、その点でも若手時代からタカ派の論客で知られた高市氏と共通点があります。

これに対し、世間の人気のある河野太郎氏は、上記の例ならミッチーこと渡辺美智雄氏に重なって見えます。

ですので、今回の総裁選は「鈴木退陣の再現」なら河野首相となり、「海部退陣の再現」なら岸田首相となると言えます。

さすがに、どちらになるかの予言までは私にはできませんが、昔の政治抗争史を多少とも勉強すれば、今回の政治抗争もより深みのある見方ができることは、ご理解いただけるのではないかと思います。

私も社会に何事もなさぬまま無為に老骨組に片足突っ込んだ状態になりましたが、できることなら、若い世代の方々にこうした話をお伝えし、政治や社会に思索を深めていただくお手伝いができればなぁ、と遠い目をしているところです。

まあ、私、FB友達に若い世代の人、ほとんどいないんですけどね・・(ブルック風に)

あと、ここで書いたことは全て菅首相の退陣直後に脳裏に浮かんでいましたが、これまで本業で余裕がなく、今日まで投稿できませんでした。

同じような見解を披瀝された方の記事をまだ拝見したことがありませんが、Web等で、このような見解を述べている記事などは存在するのでしょうか?

 

菅政権の幕引きと、またしても鈴木善幸内閣の既視感

菅総裁の誕生時に、首相の来歴や政権の成立過程は鈴木善幸内閣によく似ていると投稿したことを覚えている方もおられるかもしれません。

鈴木首相は自ら総選挙の陣頭に立つことなく幕引きとなりましたが、このまま菅首相が辞任となれば、

内部調整は得意だが対外問題に慣れていない方が、世界規模の問題(当時は冷戦と外交、現在はウィルス等)に翻弄され、力尽きて解散もできず終幕を迎えた

という点でも、鈴木内閣と共通点を持つことになります。

もし、来る総裁選で河野太郎行革相が勝ち上がる展開になったときは、後継という点でも、鈴木内閣の完全な再現となります(引用ブログの次の回を参照)。

ともあれ、野次馬(ノンポリ無党派)の立場では見応えのある?展開になってきたのかもしれません。

個人的には、懲りることなく、上記の引用記事のとおり、次期内閣では山下貴司外相→いずれは総理、に期待しています(笑?)。

TVで拝見する限り、ここ数ヶ月の菅首相は、かなり疲労が蓄積されているように見えました。色々と批判もあろうかとは思いますが、隣県人として、お疲れさまでしたと申し上げたいと思います。

河野太郎行革相は「鈴木善幸内閣の中曽根康弘行革相」の再現となるか?

虚報新報北奥支部特派員?(現地採用)の小保内です。

前回投稿した山下外相待望論はサクッと外れましたが「菅政権の誕生の姿は鈴木善幸内閣によく似ている」という件に関しては、興味深い事象が生じました。

高齢者?と留任ばかりの内閣(新任の方も平沢復興相を除き知名度が低い)の「ほとんど唯一の目玉」と見られているのが河野行革相かと思いますが、鈴木内閣では、中曽根次期首相が行革相に相当する行政管理庁長官になっているのですよね。

ですので、仮に、菅内閣が短命に終わり、河野行革相が実績と名声をあげて次期首相に躍り出ることがあれば、見事に歴史が繰り返したことになりますので、今後の展開を興味深く見守ってよいのではと考えます。

さきほど、河野行革相が「閣議でナンバー2の席に座った」というニュースを拝見しましたので、ますます、その色合いが強くなったとも言えそうです。

もちろん、私は菅内閣が短命に終わることを願っているわけではありませんので、鈴木首相がなさりたかったであろう「自分に取って代わるかもしれない敏腕行革相を使いこなして名宰相を目指す」という路線で頑張っていただければと思います。

なお、前回ピックアップした「鈴木内閣との共通点」については、自民党が権力抗争に明け暮れた三角大福の各政権をまとめて一個の時代と捉えれば(「中」は世代が違い安定期に転換されたのでカット)、菅政権は「一つの大きな時代のあとに就いた首相」という点でも鈴木内閣と共通することになります。

まあ、鈴木内閣は「三角大福時代の終わり=中曽根長期政権への転換点」ですので、菅首相にとっては、そうした意味では全くもって似て欲しい話ではなく、余計な一言というほかありませんが。

また、三角大福混乱期→ひと呼吸の鈴木内閣→中曽根安定期という流れに照らせば「安倍安定期→ひと呼吸の菅内閣→政界大混乱へ」との展開もありうるかもですし、小沢氏などはそれを狙って今も策動なさっている?のかもしれません。

このネタ(河野=中曽根再来かも説)は必ずマスコミが取り上げるネタと思われ、もしかするとワイドショー等でも誰かが言ったかもしれませんが、私はまだ見ていませんので「誰かが言う(聞く)前に言ってやる!」との思いで、大慌てで書きました(初出は前日のFB投稿です)。