北奥法律事務所

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10月

今も昔も凡百の身には辛いよの法曹界にドロップキック~♪

旧ブログに投稿(平成25年6月)した文章の再掲です。

昔から、個人的な趣味として、気に入った曲をもとに業界など身近なネタを用いた替え歌を作るのが好きで、2年ほど前にも「妖怪ウォッチ」の歌を題材に、「べんごしの せいなのね そうなのね!」などと書いたりしたことがあるのですが(事務局長のクレームにより、残念ながらブログ掲載は断念)、下記の替え歌については旧ブログの掲載時に許可が下りましたので、再掲も大丈夫かと思います。

「平成10年バージョン」は、裁判官・検察官はともかく、弁護士や司法修習生にとってはあまりにも遠い昔の話になってしまいましたが、「平成25年バージョン」は、3年を経た今でも業界的に好転の兆しが見えそうにありません。

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私が司法試験受験生であった時代(平成9年まで)は、Mr.Childrenの全盛期でもありましたので、ごくありふれた同時代人の一人として、よく聴いていました。

当時から、たまに替え歌を作りたくなる悪癖があり、修習生の頃には、《everybody goes ~秩序のない現代にドロップキック~》をもとに、法曹界を皮肉った替え歌を作ってみたこともありました。

ただ、それから15年を経て、法曹界とりわけ弁護士業界と修習生の光景は大きく変わり、もっと別の歌詞が付されるべき状況になってしまいました。

というわけで、また、現在の状況に即した新たな替え歌を衝動的に作ってみた次第です。

もちろん、平成10年バージョンも平成25年バージョンも、今も昔も何かとしんどい法曹界をお気楽に笑い飛ばして生き抜きましょうとの観点で、巷間あふれる情報をもとにジョークとして作成しているものに過ぎません。

特定の主義主張を流布するものでも個人・団体を批判・誹謗する意図のものでもありませんので(私自身、単純なアンチ司法改革派では全然ありません)、ご不快の段は純然たる誤解に基づくものとして、ご容赦下さい。

あと、修習生として、法曹三者のありのまま?の姿を垣間見させていただいた平成10年当時はまだしも、現在は、検察官や刑事部の裁判官の方々とは、私生活は言うに及ばず職業上の接点も非常に少ないのが実情なので、さほど気の利いた歌詞が思い浮かばないのが正直なところです。

そうしたこともあり、(特定の主義主張等の目的ではなく)純粋にジョークとしての質の向上という観点から、歌詞(言い回し)の改善・改良をご提案いただければ大歓迎です。

なお、括弧部分はバックコーラスです。

《平成10年バージョン》

複雑に混ん絡がった事件だ
記録の山で ガンバレ 裁判官
法律と判例と良識を武器に
あなたが支える 法の支配

そして you
晩飯も官舎で一人 インスタントフード食べてんだ
ガンバリ屋さん 報われないけど

任検して3年 エースになる chance
地道な調べの甲斐もあって
被疑者の前で上機嫌なポーズ
でも 決裁じゃ 次席にまた叱られて

oh you
それでも夢見てる ムービースター
世間知らずの 自惚れ屋さん
相変わらず 信じてる

everybody goes everybody fights
安息の場のない法曹界に ドロップキック
everybody knows everybody wants でも No No No No
皆 病んでる

愛する自由と正義の為に
良かれと思う事はやってきた
悪人のミカタと 周囲に呼ばれても
結構 マジで弁護した この18年間

でも you
被疑者は 釈放後すぐに サイハンジャー
で、逮捕されりゃ 毎度 困ったちゃん
「親に頼んで 弁償してきて」

everybody goes everybody fights
羞恥心のない 当事者に水平チョップ
everybody knows everybody wants そして Yes Yes Yes Yes
必死で 生きてる

Ah 修習生を見て人は こう言う
「あいつらは気楽な 税金ドロボー」
その通りでございます!(多少はガンバってるけど)

everybody goes everybody fights
人を狂わす司法試験に ドロップキック
everybody knows everybody wants
明るい未来って何だっけ?

everybody goes everybody fights
救い難い法曹界に 水平チョップ
everybody knows everybody wants でも No No No No
皆 病んでる 必死で生きてる

《平成25年バージョン》

複雑で悲惨な 刑事の事件だ
衆人環視で ガンバレ 裁判官
庶民の視点、感覚、言葉も武器に
あなたが支える 身近な司法

でも you
偏屈なおっちゃんが一人、裁判員で 評議荒らしてんだ
ガンバリ屋さん 報われてますか?

任検して10年 特捜に行く chance
強硬な調べの甲斐もあって?
次席の前で上機嫌なポーズ
でも 法廷じゃ 調書は皆、却下されて

oh you
それでも夢見てる ムービースター
世相知らずの 自惚れ屋さん
相変わらず 信じてる

everybody goes everybody fights
模範解答のない法曹界に ドロップキック
everybody knows everybody wants でも No No No No
皆 病んでる

愛する自由と正義の為に
良かれと思う事はやってきた
口先ばかりと 身内にも言われても
市民の人権には尽くしてきた この60余年間

でも you
ベテランは 経営できず オーリョージャー
で、若手は 仕事すらない
誰も来ない相談会 行ってる

everybody goes everybody fights
会員に冷たい? 日弁連に水平チョップ
everybody knows everybody wants そして Yes Yes Yes Yes
必死で 生きてる

Ah 修習生を見て人は こう言う
「あいつらは不憫な 時代の犠牲者」
同情するなら 金をくれ
(給費に戻せ/就職させろ/任官(検)増やせ/需要をよこせ)

everybody goes everybody fights
ちくはぐな司法改革に ドロップキック
everybody knows everybody wants
明るい未来って何だっけ?

everybody goes everybody fights
光が照ってない法曹界に 水平チョップ
everybody knows everybody wants でも No No No No
皆 病んでる 必死で生きてる

なお、申すまでもなく、私自身は二次的著作物としての権利云々を主張するつもりは毛頭ありませんが、原著作物の権利者に保護されるべき法的権利・利益を侵害することのないよう、個人的な楽しみの範囲でご覧下さい(この投稿自体、当落線上でしょうか?著作権法は仕事で関わることがほとんどないので偉そうなことは言えませんが、営利性の無いものは、権利者の合理的意思解釈の範疇(の構成要素としての社会通念)に入るかどうかで決まるとは思いますが・・)

いっそ、本物に歌っていただき(後ろで法服を着た人やバッジを付けた人達が踊ったりして)、この歌詞のコンセプトに即したオムニバス形式の映画(或いは、プロモーションビデオ)でも作っていただければと、妄念逞しうしないこともありません。

盛岡バスセンターの再生(復活)案としての「条件付無料大駐車場との複合施設」と、バスセンターのそもそも論

盛岡の「昭和レトロ」の代表格の一つとされる、盛岡バスセンターが9月30日に営業終了(閉鎖)したことにより、先日から、下記の記事のほか、先日には地元関係者や有志が市役所に意見書を提出するなど、この件に関する報道が地元紙などで多々なされています。
http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20160930_3

私も、バスセンターの「味わい」を否定するつもりは微塵もないのですが、車両所有者のため盛岡広域圏内の移動は(自転車等を除き)ほぼ車両のみとなっている=バス利用の機会が無い上、バスセンターの所在地である肴町界隈にも、駐車料金に関する懐と心の貧困のせいか、行きたいお店は多々あるのに長い間ご無沙汰になってしまっています。

ちょうど、2年ほど前?から愛読している「地域活性化を地元の女子高生らが熱く語り合うWeb4コマ漫画」で、中心市街地の活性化に必要なのは無料の大駐車場なのではとの話が出ていましたが、バスセンターも、そうした方向での生かし方も考えてよいのではと思います。
http://minorikou.blog.jp/archives/1061180436.html

もちろん、愛着を持つ方々からは「昭和遺産」などと称される建物の外観やファンの多い1階の店舗群は極力維持した上で、1階のような保存運動とは無縁と思われる2、3階のオフィス群を改め、立体駐車場などにリノベーションしても良いのではと思います。

その上で、「本来は正規料金だが、肴町界隈(河南地区)の商店街(加盟店)で700円以上の利用で1時間、1400円以上の利用で2時間まで無料」とすれば、単身者なら外食+最低限の買い物、家族連れ等の方なら外食+ある程度の買い物を駐車料ゼロで行うことができ、郊外店と条件が同じになりますので、コンテンツ(店舗類)の魅力で勝っている点が多々あるこの界隈が、再び「盛岡で一番の商業地区」として輝きを取り戻すこともあり得るのではと思わないでもありません。

バスセンター自身も、以上を前提に(要するに2、3階のオフィスを無料駐車場を中心に切り替えて)、それを前提に昭和レトロとして人気のある1階を従前のまま生かし、バスセンター機能も取り戻して、「バス利用者に加えて、2階・3階の駐車場利用者も1階のレトロ売店の顧客として取り込む」ことができれば、再生も十分可能ではと思いましたが、どうなんでしょう。

まあ、老朽化や耐震などが問題で閉鎖することになったそうですので、2、3階の床などに立体駐車場化できるだけの重量耐性があるのかという点は大いに問題となるかもしれませんが・・

肴町界隈に必要なのは無料駐車場だという発想は、上記の漫画内での発言を引用するまでもなく多くの方が抱いている発想でしょうし、それと共に、この種の話題でよく言われるように、その実現を嫌がっているのが(郊外の競争相手ではなく)他ならぬ「駐車料という副収入」の喪失を恐れる地元の小規模地主さん達(往々にして、地域には住んでいなかったりする)だということも確かなのだろうとは思います。

ただ、そうであればこそ、敢えて、荒療治をして「虫食いの土地」を真にエリアの価値を高めるために有効活用させる方向に誘導していただく勇気と決断をこそ、考えていただければと思わないでもありません。

バスセンターを巡っては、地元民や建築関係者などから建物自体に文化的価値があるとして、保存・活用を強く求める声がありますし、この建物と共に人生を歩んでこられた地元の方々にとっては、建物が撤去されるのは、辛い出来事であろうとお察しします。

私も、平成5年前後に二戸の中心部にあった美しく個性的な建物群(文化的価値を認められていたもので、子供の頃から馴染みがあったもの)が次々に撤去されてしまった際には、喪失感を強く抱きましたし、その件では今も納得いかない思いがあります。また、平成10年~11年には盛岡地裁配属の司法修習生としてバスセンターから歩いて5分ほどの距離に住んでおり、それなりに身近な存在でもありましたので、多少の郷愁がないわけではありません。

ただ、建物を存続させたいのであれば、税金に依存するのではなく、建物(バスセンター)そのものが、補修費用を維持できるだけの収益を上げるだけの施設たりうることが本則というべきでしょうし、そうした形での具体的な提案や事案の引き取り(ご自身が事業者として経営リスクをとって事に当たること)ができなければ、建替そのものを否定するのは厳しいのではと感じています。

その上で、盛岡市が検討しているという複合施設が、せめて「丸ビル」のように従前の外観や1階の「レトロエリア」を一定程度、復元するのであれば、まだ救いがありますが、それとて、駐車場問題を解決できなければ、引用の漫画に記載されているとおり、「駐車料金が加算される分だけ割高」との烙印を押される中心街の商業施設はマクロ的には郊外施設・店舗との競争には不利でしょうから、いずれは敗者となるのでは?との疑念を抱えざるを得ないように思われます。

ところで、ここまでは、「中心市街地(肴町界隈)の活性化問題」という観点から考えたことをあれこれ書きましたが、これとは別の問題として、バスセンターそのもののあり方を考える必要はあると思います。例えば、

①バスセンター(バスのターミナルないしハブ(中継役)となる施設)が、今の盛岡に必要なのか(バスセンターという存在そのものにどれだけのニーズがあるのか。同規模の他都市などの取り組みはどうか。)、

②必要だとしても、その場所を肴町界隈とする必要があるのか(中心市街地のアクセス重視なら現在の位置で問題ないが、電車との接続を重視する利用者が多いとか、長距離利用が中心となるなら、バスタ新宿のように盛岡駅前(駅西側)に移転しても良いのでは。肴町界隈の方々は嫌がるでしょうが、利用者全体の目線で見たらどうか。)、

③規模や運営形態などのあり方はどうか(現状の方法が採算のとれる方法になっているのか等)、

といった事柄も検討すべきでしょうし、少なくとも、運営を担当されていた企業は、そうしたこと(特に③)を考慮して撤退を決めたのでしょうから、そのことは決して軽視すべきではないと思います。

バスセンターの存続(建物と機能の現状維持)を求める方々も、上記の点を検討の上、現状のまま存続できる提案ができるのか、現在の機能維持が無理であれば転用も含めて建物存続コストを維持できるだけの利活用ができるのかという観点からの提案があれば良かったのではと思いますが、私の知る限りではそうした話を伺うことはできておらず、その点は残念に思います(大清水多賀のときと同様に「事前に知らされておらず、動けるだけの時間がなかった」ということになるのかもしれませんが・・)。

最終的には、バスそのものを生活・業務等の手段として必要とする人にとってのニーズという点を基本に、現在の車社会そのものの当否ないし未来像が問われていることだと思いますし、そうしたことも視野に入れた質の高い議論がなされていくことを期待したいものです。

余談ながら、バスセンターに関する私の思い出話としては、

①修習生だった平成10年の冬に、紫波警察署に勾留中の方に接見に行くため、弁護修習先のI先生と一緒にバスセンターで待ち合わせて乗車するはずが(当時、先生も私も自動車を持っていませんでした)、寝過ごして出発時刻に間に合わず、やむなくタクシーに乗って津志田あたりでようやく追い越し、そこでバスに乗ったこと、

②平成18年頃に、バスセンターの2階か3階で事務所を開いていた某個人事務所(社会通念に照らし問題のある業務を行っていた企業)に対する債権回収のため、判明していた預金口座の差押と一緒に「ダメもと」でバスセンター社への敷金の差押もしたところ、貸主(バスセンター)への賃料もかなり滞納していると貸主から回答があったこと

の2点でしょうか。

①に関しては、やはり交通弱者(車社会に生きていない人)にとってはバスは必要不可欠な存在だということを改めて痛感させられると共に、②は施設としてのバスセンター自体が抱える問題(オフィスエリアは相応に老朽化して魅力のない存在になっており、だからこそ、問題のある借り手も生じていたこと)を示すものではないかと思います。