北奥法律事務所

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22日

京アニ放火事件の被疑者の意識が戻らなかった場合(植物状態)の対処に関する法の不備?

先日の京都アニメーション社を巡る大惨事は、私も同社制作の某作品を拝見したこともあり、大変残念な思いを禁じ得ません。

この件では、犯人とされる人物が現在も重体とのことで「可能な状態になり次第逮捕」との報道もありますので、今後は回復等するのかもしれませんが、最初の報道の時点では、どうなるか分からないということでしたので、それを見たときは、仮に、この人物の意識が戻らず植物状態で生命のみが延命治療で保持できた場合、この御仁への処断はどのようになるのだろう?と思わざるを得ませんでした。

前提として、結果のあまりの重大さから、心神喪失認定などという展開でもない限り(裁判の際は被告人側は争点として提示するかもしれませんが、容易には認められないでしょう)、判決の結果は目に見えています。

しかし、意識不明のままでは公判(刑事裁判)を開くことはできませんので、意識が戻らない限り、延命治療を延々と(極論、数十年間も)という展開になる可能性もありますが、それでは被害者・遺族はもちろん国民一般の理解も得られないでしょう。

他方、不勉強で存じませんが、そのような場合に、いわば「死刑(絞首刑)の代替手段」として、この御仁について国が延命治療の中止を命じる(それによって死亡の結果を生じさせる)制度は現行法上、設けられていないのでは?と思われます。

さらに言えば、仮に今回を機に強制的な延命治療の中止の制度を設けたとして、この御仁にそれを適用できるかという論点(遡及処罰の可否)もあるのではと思われます。

第三者の身として、今、この御仁をどうして欲しいと言える立場ではありませんが、上記の点について適切な説明や解決のあり方などに見識をお持ちの方は、ご教示いただければ幸いです。

また、以前に「延命治療の中止と法律家の関与」に関してブログに載せたことがあったのを思い出したので、亡くなられた方々のご冥福などをお祈りしつつ、ご参考までに再掲します。

余談ながら、この事件の発生日(朝)の岩手日報に大釜保育園の49歳の園長さんが病気で急逝されたとの訃報広告が掲載されていたのを見つけ、この方はガンライザーに何度も出演していたオオガマックスの方なのだろうかと、そちらもご冥福を祈らずにはいられませんでした。