朝日を浴びて輝く金色堂を世界の人々が拝むことができる日

先日の日経新聞の「日経プラスワン・何でもランキング」は、外国人がゆくディープジャパンのテーマで、1位が高野山、2位が鋸山、3位が祖谷かずら橋になっていましたが、表示された15位圏内に東北が1箇所もありませんでした。

「自国であり得ない風景や体験を求める」なら金色堂を知らんのか、さらに言えば、今や福島第一原発こそ一番のディープ(ブラック?)じゃないかと、東北人としては納得できない結果になっています。

それどころか、記事の横に「静かな地方都市が旅のクライマックス」と題されているのに、そこに列挙された諸都市(函館、金沢、沖縄など)にも東北の姿はなく、壊滅的敗北というほかありません(調査は、訪日経験ある米国・豪州人144人を対象としたものとのこと)。

ただ、よくよく考えると、金色堂も、覆堂のため外からは全く見えず、内部は写真撮影禁止のため、インパクトのある姿をブログ・FB等で拡散(宣伝)してもらうことも期待できずということで、自ら情報発信の努力を怠っている?と言われてもやむを得ないのかもしれません。

で、海外には他に黄金寺院はあるのだろうかと思って検索したところ、インドやタイ、ミャンマーなどに巨大な黄金寺院があり、そちらは丸見えの姿になっているので、夜景や夕暮れなど、見応えのある写真が山ほどネットで閲覧できました。

多雨・降雪などの問題がある日本では(中尊寺の財力の問題も含め?)修復リスクの大きい野ざらしは困難なのでしょうが、可能であれば、覆堂を撤去し防水・防弾などを備えた強力なガラス(或いは最近の水族館で使われている強化プラスチック)で、現在の覆堂と同程度(或いはそれよりも広く)囲むような形で設ければ、「周囲の自然と金色堂が一体となった風景」を演出できるのでは?と思わないでもありません。

また、金色堂が撮影禁止になっているのは「室内ではストロボ(フラッシュ)が金を劣化させるからだ、室外ならそのような心配はない」と書かれた記事を見かけたので、屋外からガラス(プラスチック)ケース越しに撮影する形なら問題ないというのであれば、外観は写真取り放題ということで、世界への発信力も大きく期待できると思われます。

ただ、現在のように金色堂の扉を開けた状態で公開できるのかという問題があるかもしれませんが、年に何回か一定の時間を区切って扉を開けた状態で公開し、さらに言えば、相当な手続をとって許可を受けた人は、その際にケースの中に立ち入って直に金色堂を拝めるようにすれば、なお良いのではと考えます。

金色堂は「古くから西洋人すら憧れた黄金の国ジパングの象徴」として、平泉の成り立ちや思想と共に知名度を高める努力が求められると思いますし、現在の技術で、寺院保護と屋外展示化の双方を両立できることが可能であれば果敢に挑んでいくことが、現代の岩手人の責務ではないかと思いますが、どうでしょう。

なお、その「巨大な屋外強化ガラス(プラスチック)ケース」は、金色堂の価値や意義を理解する相応の建築家ないしデザイナーさんの監修のもとで作られることになるのでしょうが、降雪などを考慮して上部を尖った形(当事務所のロゴマークのようなクリスタルないしオベリスク状)にしていただければと思ったりもします。

もちろん、「覆堂に囲われて、静寂で薄暗い光景の中で見る金色堂の方が有り難みがある」「観光客がみだりに写真撮影する光景は荘厳な金色堂に相応しくない」というご意見もあるでしょうから、屋外化が絶対に正しいとは言えないのでしょうが、そうしたことも含めて、議論や関心が広まればと思います。

現在の金色堂の姿をしっかりと確認したいという方は、こちら(中尊寺HPから)をどうぞ。