葬儀会社と葬儀トラブルの急増

ここ数年、「多死」時代の影響もあってか、葬祭場の建設などが非常に増えているように感じますが、それに伴い、葬儀会社と利用者とのトラブルも増加傾向にあるようです。

1ヶ月ほど前、盛岡の某寺院のご住職(正式な肩書は違いましたが、要するに寺院の責任者の僧侶の方)から仏教に関する説話を拝聴した際、最近、葬儀業者から理不尽な被害を受けたと檀家さん?から相談されることが増えているとのお話を伺いました。

先日、葬儀業者からの不要・過剰サービスの「押し売り」による被害を伝えるニュースがありましたが、そのご住職が紹介された事例も、時期や期間などから必要ないと思われる「遺体保存のドライアイス」のサービスの押し売りのようなことをされて数十万円?を請求され、断り切れずに泣く泣く支払ったというもので、引用のニュースとよく似ています。

その件の当事者は古くから地元でなさっている業者さんではなく、最近になって進出してきたところとお聞きした記憶ですが、その業者かどうかはさておき、県外からの進出企業の中には内部のコンプライアンスに問題を抱えた会社もあるという噂話を聞いたことがあります。

何年も前ですが、県内の冠婚葬祭業者さんが倒産して管財人を担当したことがあり、その際、その企業の施設の購入を検討しているという多くの会社の方にお会いしたのですが、その中に問題があるとの噂を聞いていた企業さんがあり、色々と考えさせられる面がありました(ただ、その件では物件自体に様々な難点があり、任意売却はできず競売(破産財団からは途中で放棄)になりました)。

それはさておき、馴染みのない業者さんに依頼なさるのでしたら、引用記事のように、高額なお金が絡む売り込みが出た際に備えて、ご親族など信頼できる第三者の立会を求めるなどの予防策をとっていただいた方がよいのではと思いますし、私はまだ経験がありませんが、消費者契約法などで救済可能な事案も相応にあるでしょうから、次善(事後)の策として、弁護士等へのご相談も検討いただいてよいと思います。

ところで、葬儀や墓石等を巡っては、それぞれの家庭等で、どの程度の費用を投じてどのような規模の葬儀等をするのが賢明なのか、事前に学ぶなどの機会が滅多になく、利用者として相場観が掴みにくいという問題があるかと思います。

ただ、葬儀の方法・規模などは個人差が大きいでしょうから、全体の相場では参考としての意義が薄くなり、他方、個別のサービスごとに分けても細分化し過ぎて利用者サイドも馴染みにくいという問題があるかもしれません。素人感覚では、敷金トラブルのように?消費者庁や業界団体などが協議してガイドラインが作成されればよいのではと思いますが、裁判例の集積などがないと、議論がまとまりにくいかもしれません。

事務所にどんな本があるか確認したところ、このテーマをずばり扱っている本を見つけたのですが、一つ一つの項目を見ると、問題提起(論点拾い)はとても良いのですが、解決のあり方については抽象的というか、歯切れの悪さを感じる内容になっていました。恐らく、敷金などと違って、まだ裁判例が多くはなく、踏み込んだことを書きたくても書きにくいという面があったのではないかと推察します。

今後は、適格消費者団体と関わりのある弁護士さんなどによる差止訴訟などが増えていくのではないかと予想しますが、その集積を待つわけにもいかないケースも多いでしょうから、例えば、その種のトラブルに対応するための弁護士費用特約などが生命保険等に付された形で販売、普及されれば、「泣き寝入りの防止」という点では、良いのではと感じています。