ゴミ屋敷決死隊プチ奮戦記と知られざる物語たち
先日、ゴミ屋敷決死隊をせざるを得ない羽目になりました。立ち入るだけでトラウマ感満載で、精神的消耗・疲弊が著しいです。
私の実家の話・・・ではなくて、数年前から関与している大変厄介な事件で、ゴミ屋敷状態になっている当事者の自宅(無人の広いマンション区画)の鍵を交換する必要が生じたのですね。
で、諸々の調整の末に鍵屋さんと二人で現地集合して作業を依頼し、私はゴミ屋敷の立入なんてしたくもありませんので、入口や周辺の様子を確認していたところ、鍵屋さんから
「奥から水が流れる音がします」
との有り難くない情報が。
聞かなかったことにしよう、と30秒くらい思いましたが、さすがにそれを放置して立ち去るのは望ましくないと肚を括り、ゴミ屋敷への単身決死行に及んだのです。
で、ますます有り難くないことに、水の音は、区画の一番奥、そこだけが真っ暗になっている(電気は止まってます)浴室・洗面所方面から聞こえてくるわけです。
で、懐中電灯なんて持ってきてませんし、携帯のライトの使い方も分かりません。
さりとて、ここまで来て退くわけにもいかぬということで、生ゴミや汚物らしきものまで散乱するゴミ屋敷のど真ん中で仁王立ちし、ライトの付け方を調べること数分間。
アイツが出てきたらどうしよう。
足元にゾロゾロ来たらどうしよう。
飛んできたらどうしよう。
怯んで転倒したらどうしよう。
すぐそばにはヤバそうなものもあるのに・・
流行りの猛獣はいませんが、私にとっては名前を言ってはいけないアイツも同じようなものです。
憔悴の度合いを深めつつ、ようやく携帯ライトを点灯し、どうにか水道を止めて脱出し、所用を済ませて現場を立ち去りました。
幸い、アイツに遭遇することはありませんでした。
池の水を全部抜く番組のように、オサレ芸能人がゴミ屋敷を片付けまくる番組があってもよいのではと思うのですが、どうなんでしょうね。
散乱するゴミに埋もれた様々な記念品からその家庭の物語を掘り下げて放送すれば、番組としては十分成り立つようにも思いますが(承諾云々がないとコンプラ問題になってしまうのでしょうかね)。
少なくとも、この体験を、もっと皆さんに分かち合って欲しい(片付けたわけではありませんが・・)。
余談ながら、この事件、諸々の理由でタダ働きが延々続き、当事務所の大赤字ランキングでもかなりの上位に入る溜息案件ですが、奇跡が起これば不良債権の全額回収も夢じゃない、という話もあったりします。
皆さんも、善行?のあとにはいいことがあるに違いない、と祈っていただければ幸いです(つい先ほど、この件で、とても有り難くない情報が飛び込んできましたが・・)。
ここまで書いて、10年くらい前も国選刑事事件の関係で多頭崩壊レスキュー直後の被疑者のゴミ屋敷(ネコ糞だらけの空き家)に立ち入ったこととか、数年前に受任した相続財産管理人案件の廃屋で得体の知れない蟲を多数拝見したことを思い出しました。
前者は若い女性を含む家族3人でお住まいだったはずですが、どうなったんでしょうね・・
