熊谷隆司先生とのお別れ

2ヶ月ほど前の話になりますが、岩手の弁護士業界を長らく支えてきた代表的な方々の一人である熊谷隆司先生が昨年秋に亡くなられたため、その際、祭壇にてお別れのご挨拶をさせていただきました。

私は岩手に戻って間もない頃、熊谷先生にお声がけいただき、県内では恐らく過去数十年で最大規模ではと思われる大型の労働事件(使用者側)に主担当として従事し、数年間の苦闘の末、適切な解決(1審勝訴後の2審での勝訴的和解)を実現することができました。

三十年近い弁護士人生で最も重い経験をさせていただいた事件の一つであり、当時お声がけいただいた他の案件も含めて、名実とも若輩に過ぎなかった当時の私にそうした機会を与えて下さり、拙い仕事ぶりを長きに亘り暖かく支えていただいた熊谷先生には、今も深い感謝の気持ちを持ち続けています。

以前から重いご病気と闘っておられたのだろうと拝察しますが、同年代で現在もご健在の他の先生方と同様、これからもご活躍いただければと思うと残念でなりません。

その前日、市内でも有数の建築物である旧武田邸に初めて伺ったのですが、紅葉の名所に相応しい、色づく木々に屋敷が囲まれているような美しい姿を拝見することができました。

私もいつかは熊谷先生のように後進を育成したり難しい事件で依頼者を安心させる包容力を持てる弁護士になりたいと願いつつ、この美しい光景を祭壇に捧げてご冥福をお祈りし、まずは研鑽を重ねるべきとの思いを新たにした次第です。