北奥法律事務所

岩手・盛岡の弁護士 北奥法律事務所 債務整理、離婚、相続、交通事故、企業法務、各種法律相談など。

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2021年

震災無料相談なき後の法律相談の現在と、生命保険を通じた無料相談特約の提案

4月以後、以前と比べて法律相談を受ける機会が大きく減っています。

GW明けに岩手弁護士会の相談センターを担当しましたすが、事前予約ゼロ→当日に飛び込み2件という結果でした。GWの少し前に土曜相談を担当しましたが、こちらも相談は1件のみでした。

いずれも相談は8枠ありますので、3月末で震災無料相談制度が終了した反動かもしれませんが、残念な状況です。

震災直後もこれと似たような状態になっており、震災翌年頃?の震災無料相談の導入で劇的に改善したという経験がありますので、当時を思い出さずにはいられません。

震災無料相談が終了する前に、県民の大半が無料又は少額(2割負担とか)で利用できる制度を設けるような働きかけがあれば良かったのではと思いますが、そのような話に接したことはありません。

前者=無料は、法テラス扶助相談の審査基準の大幅緩和=税金投入が必要で、政治力がない限り無理な話ですが、弁護士会が政治家に働きかけをしているなどという話を聞いたこともありません。

弁政連岩手支部と地元選出の階猛議員との懇談の類なら何度か拝聴したことはありますが、「自民党政権(が繰り出す近時の法律等)が憲法9条云々を危うくしてるんじゃないか」的な、フツーの田舎の町弁には接点の乏しい(ご縁のない)話題ばかりとの記憶です。

後者=一部負担は、法テラスには馴染みにくいでしょうが、いわゆる弁護士費用保険の商品として販売できれば、十分対応可能だと思います。特定分野(交通事故など)に限定しない全方位の相談を対象とするのなら、生命保険の特約として商品化するのが望ましいでしょうし、掛け捨ての生保なら一定の資力のある国民の大半が加入しているはずです。

例えば、資力のない人=扶助(無料)相談、資力のある人=生保の特約商品で一部自己負担付きの相談か、専業弁護士費用保険に加入し無料相談とする、といった仕組み・棲み分けが構築され浸透すれば、国民の大半が全面自己負担をせずに弁護士に相談できることになり、国民皆保の医療業界に近づくことになります。

震災相談の恩恵に与れなかった被災県以外の都道府県の弁護士の皆さんが、この10年間に、そうした取り組みを行っていただければよかったのに・・と、相変わらず他力本願な発想しか浮かんできません。

ともあれ、今後は相談料収入の激減を覚悟せざるを得ないので、独力ではできるはずもない夢想に縋るのではなく、しがない町弁個人でも可能な賢明な方法がないのか、模索したいと思っています。

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ところで、弁護士会相談の担当の際、久しぶりに某パスのお世話になろうとしたところ・・

1件目→今週一杯休業
2件目→まさかの閉店
   (行ったことなかったのに)
3件目→本日休業・・

で、弁護士会から遙か遠い4件目にして、ようやく入店できたという有様でした。(パスポあるある)

予定外の倍額になってしまいましたが、大変美味しくいただきました。

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以下、食事中の方はパスして下さい。

サンビルに戻り、2階のトイレの個室に腰掛けた直後のことです。

なんということでしょう。

突如、下からボコボコと音が鳴り、驚いて立ち上がると、沸騰しているかのような様相を呈しているではありませんか。

しかも、狼狽して水を流してしまおうとレバーを押すと、水が流れず水位がどんどん上がっていきます。

幸い、溢れる前に水が収まり、狭義の(本来の意味の)使用前だったこともあって、一旦、這々の体で他階に逃げました。

1時間後に再訪したところ、何事もなかったように元に戻っていましたが、ともあれ、岩手弁護士会の関係者の男性諸氏は、しばらくは他の階の個室を利用された方が賢明かもしれません。

連休中に家族の要求で「シックスセンス」を視聴したので、或いは、生者ではない皆さんが、代わりに相談にいらしたのかもしれません。

 

いわて奥座敷の華街道と、忘れられたもう一つの災禍

今年のGWは昨年に引き続き、ウイルス禍の影響で旅行もできず、近隣を少し廻っただけで終わりました。

昨年は沢内~湯田方面に出かけたのですが、その際の投稿をまだ掲載していませんでしたので、掲載することとしました。

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昨年のGWの際の話で恐縮ですが、連休すべて家に籠もるのは納得できぬということで、県内でも人口密度の低そうな沢内村方面に向かって、人知れぬ花々を愛でに行くことにしました。

で、有名どころも問題なさそうならついでに・・と思って雫石川園地に立ち寄ったところ、一連の影響で駐車場は相応に空いており、三密とやらにはならずに済むということで、こっそり拝見してきました。

人それぞれの判断でしょうが、渋滞疲れと人混みの思い出ばかりの展勝地よりも、こちらの桜の方が私の好みに合っているような気がします。

できれば午前の早い時間に来たかったのですが、諸事情により毎度ながらの午後出発で、カメラ映えという点では少し残念です。

雫石園地が展勝地より優れている点は、すぐ隣に「奥御所湖(勝手に命名)の融雪に沈む新緑の大湿原の光景」や岩手山~秋田駒の大パノラマが広がるなど、「おまけ」が沢山ついてくるところだと思います。

 

その後、雫石の山道を抜けて町境を越え、最初の目的地である某カタクリ群生地に向かいました。

西和賀まつりの中止で入れないかな、と思っていたところ、突如、入口前に駐車する車両からアウトドアな方々が下りてきて駐車場のロープを外したので、驚いてお話を伺ったところ、視察に来た管理者の方で、少人数だけなら立入を認めることにしたとのことで、運良く見学できました。

というわけで一句。

寝坊して得るものもあり花街道

その後、メインの目的地である一本桜とカタクリ畑で有名な某所に到着したところ、やはり駐車場は閉鎖で、入口にはロープが張っていました。

といっても、周囲に誰もいない状況下で数台の車両が路駐しており、恐らく中に入っているんだろうな、どうせ敷地内も人もほとんどおらず、具体的な支障は何もないんだろうから、こちらも遠慮なく・・と思ったところ、突如、自粛警察に内通する副将の裏切りに遭い、やむなく断念。

後世には、「安ヶ平の変」と語り継がれることでしょう。

で、仕方なく南下したところ、弁天島近くに、どこまでも続くよの桜並木を見つけたので、今回はそれでよしとしました。

地元のささやかな名勝・弁天橋からは、マイナー名所巡りという今回の目的に相応しい、特徴的な奇岩が見えました。

次いで、ほど近くにある水芭蕉群生地に向かいました。水芭蕉は残念ながら終了していましたが、桜に慰めてもらいました。

 

そこから少し南下すると、小岩井の一本桜にも負けていない、町の天然記念物の美しいシダレザクラがありました。隣では地元の方々が楽しそうに集会をなさっており、羨ましく感じました。

その後、すぐ南にある「七ツ釜」というプチ名勝を目指したのですが、どこにあるのか分からないまま無念の通過。皆さんもマイナー-名所探訪の際は、地図等のご準備を忘れずに。

というわけで、せめて貯砂ダムに・・と思ったところ、入口には閉鎖中の文字が。ここも自粛かよ・・とウンザリして向かったところ、ウイルスではなく雪解け水に埋もれてました。

駐車場に戻ると、眼前には陽光を浴び、しずかでのどかな錦秋湖の春が広がっていました。

しかし、その足元(湖畔)には、膨大なプラスチックゴミが。

 

これらもいずれ、マイクロプラスチックなどの形で、ウイルスとは別に、我々に恐るべき災禍をもたらすことになると言われています。

世間は今、ウイルス禍で手一杯とは思いますが、つい先日まで、現代社会は、こうした問題に直面していることを盛んに議論し、今もその問題が続いていることにに変わりはない(持ち帰りの使い捨てプラ容器などが溢れ、深刻化するリスクすらある)のだということを、決して忘れてはいけません。

ともあれ、今回は雫石から西和賀町(沢内・湯田)にかけて、制約のもとで、ささやかな旅を敢行しましたが、このエリア(奥羽山脈のうち岩手県の中央部の東麓一帯)を指す言葉(地名)があるのか存じません。

鶯宿温泉などが「盛岡の奥座敷」と言われるのに倣い、このエリア(雫石~西和賀エリア)を暫定的に「いわて奥座敷」と命名することにしましたが、本来であれば地域固有の地名などを用いて、かつ、「雫石・西和賀地区」などという味気ない名称ではなく、粋で雅な言葉を使って形容していただければと思っています。

玉山区渋民に作る道の駅を「もりおか」と命名してよいのか

先日、国道4号線渋民バイパスに2年後に開業する道の駅の名称が「道の駅もりおか(仮称)」となっているとの報道を拝見しました。
https://www.navitabi.jp/article/4086
http://www.city.morioka.iwate.jp/shisei/tamayama_office/oshirase/1018577/1028793/index.html

しかし、建設予定地は旧渋民村であって本来の意味(地名)の盛岡(不来方)とは遠く離れています。本来の盛岡とは、盛岡バイパスと北上川に囲まれた、盛岡城を中心とする地域を指すと理解しており、この地に建設する道の駅に相応しい名称ではありません

これまで盛岡市に道の駅が存在せず記念すべき第一号だから、というのが命名の理由なのでしょうが、これでは、千葉県所在の東京ディズニーランドや東京ドイツ村の劣化コピーと言うほかありません。

民営企業ならまだしも行政主導でそうした名称が選択されたのでは、多くの旧玉山村民の郷土愛を傷つけるのではと危惧します。

とりわけ、この道の駅は旧玉山村では主要な公共施設の一つになるでしょうから、その名称が地域固有の地名ではなく合併相手である都市名が付されること自体、植民地化を見せつけられているような印象を受けます。

旧玉山村は、合併直後から岩手町との境に遙か遠く離れた盛岡城を象る境界標識が設けられ、それまで玉山牛と呼ばれていた特産牛が「もりおか短角牛」と呼ばれるようになるなど、合併以来、地域のアイデンティティの育成よりも喪失を来すような同化政策が進んでいるように感じます

日本弁護士連合会・公害対策環境保全委員会では、数年前から「広域合併により過疎地域の衰退が激化した」と警鐘を鳴らしていますが、両市村の合併も、その一例と見るべき余地があるのかもしれません。

近年の盛岡市の観光政策は、県民統合の象徴とも言える城址公園を筆頭に、様々な事柄に「もりおか」と名付けることを「ブランド化」として推進しているようにも感じますが、生物多様性ならぬ「個別地域ごとの様々な物語」を大切にして世間に問う方が、結果的に「大・盛岡市」の発展に繋がるのではと残念に思います。

仮称はさておき新施設の正式名称は「道の駅しぶたみ」又は、岩手町に倣い「啄木望郷の丘」などと名付けた方がよいのではと思いますし、地元の方々にこそ、そのような声を挙げていただければと願うところです。

広域合併論議が盛んなりし頃、当時の滝沢村や矢巾町も選択の岐路に立っていたと思いますが、こうした光景を目にする都度「やっぱり合併しなくて良かった、自分達の名前を失わずに済んだ」と感じているのかもしれません。

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仮に、関東や西日本など遙か遠くの方々に新施設の認知度を獲得することを新たな道の駅の目的とするなら、盛岡の名称を何らかの形で用いるべきとの意見は、相応に正しいことになるのだろうと思います。

その考え方からは、折衷案で「道の駅もりおか渋民」などという落としどころになりそうな気もします。

正式名称は、いっそ

道の駅もりおか渋民
啄木の今もなつかし故郷の丘

などと、日本一長い?名称を付していただいても良いかもしれません。

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ともあれ、合併前の玉山村民・旧盛岡市民に限らず、県民など新施設の所在地の基本的な地名を理解している人からすれば、なんでココが盛岡、という違和感はあるところで、どちらを重視するかは価値観の違いが出そうな気がします(さすがに「道の駅もりおか」があるので、そこが中心部だと勘違いして来ました、という人はいないかもしれませんが)。

少なくとも、あの場所を「もりおか」とするのは、道の駅区界高原や「やまびこ館」を、合併を理由に「道の駅宮古第二・第三に改称しました」と言うようなもので、それって誰のためにもならんのじゃないか、と感じます。

また「道の駅もりおか」を作りたいなら盛岡バイパス付近にこそ作って欲しいですし、盛岡市民にとっては、その場所のためにこそ「大切にとっておくべき名称」だと思います。

ご承知のとおり、盛岡バイパス南側(455線以東南)や岩山周辺は、他エリアと比較しても極端に飲食施設などが少なく「まち」としても残念な(再開発があって良い)エリアだと思いますので、可能なら岩山直下の山林エリア(附属中と新庄浄水場の間)または旧市営球場などを候補地として開発するというのも、考えてよいのではと思います。

前者なら、すぐそばにある休眠中の旧橋本美術館の再始動などに繋がりそうな気もしますし。

 

憲法記念日に考える「万物の尊厳」と書籍出版を夢見る日々

本日は憲法記念日ということで、多少は憲法を取り上げた記事を見かけますが、新コロ禍に遭遇後の社会では憲法論議は盛り上がらず、中国等との軍事的緊張により9条改正論にジワジワと賛意が広がりつつあるのかな、でも、それって日本人にとって望ましい憲法論なのかな、と残念に感じているところです。

私は数年前から「人にあらざる存在すべてに対する各々の特質に応じた尊重(万物の尊厳)」を個人の尊厳(13条。日本国憲法の最高原理)と共に憲法に書き込むこと(13条の2の創設)こそが、この国が最初に経験すべき憲法改正ではないかと感じ、2年前に岩手日報に投稿したのをはじめ、何度かこのテーマに関する投稿をしています。

内容自体、現代日本そして世界に必要と感じているだけでなく、日本が最初に経験すべき憲法改正は、日本の固有の精神性に根ざすのに憲法制定時に見落とされた価値で、これを宣言することが世界に歓迎・祝福されるものであるべきだと思っており、万物の尊厳は、その要請に合致すると確信しています。

本日のNHKのニュースで、公明党の山口代表が「加憲」を強調していましたが、万物の尊厳は、加憲の具体例の一つと言えるかもしれません(私は創価学会さんとはご縁がなく同党の支持者でもありませんが、自身が帰属した社会で与党内野党的な立ち位置になりやすい面はあり、何らかの近接性があるのかもしれません)。

1年以上前から、できれば、このテーマで1冊の本を書いて世に問いたいと夢見ており、1冊分の自費出版の費用なら、どうにか捻出できないわけではありませんが(家族には浪費だと目の敵にされるでしょうけど)、雑多な対応を余儀なくされる日々に追われ、夢のまた夢の状態が延々続いています。

今年のGWも、仕事が若干一区切りついた反面、未読の日経新聞が1年以上溜まっており、たった今から速読するか、起案を優先するか、悩んでいる有様です。

田舎の零細自営業者には「採算を問わず、出逢った仕事群に立ち向かう自由」と「それを断って立ち行かなくなる自由」しかありませんが、20年もこの仕事をしているのに、仕事を手短に賢くこなす(立ち回る)能力が今もロクに身につかず、一杯一杯のときに少し「まあ、これでいいや」的な対応をした途端に泣きを見る有様ばかりで、今も目眩を覚えないでもありません。

せめて、同じ志を共有して下さる方との出逢いに恵まれればと願いつつ、そうした時間を得るためにも、まずは目先の仕事に悔いの無い対応をしたいと思います。

震災無料相談制度の終了(あと1日)と「駆け込み利用」に関するお知らせ

岩手では一般の県民にも最後まで知名度がありませんでしたが、「震災当時、岩手県民など(被災三県民及び隣接被災地民)であった方」なら誰でも利用できる無料相談制度が、明日(3月31日)、終了となります。

ただ、この制度、31日までに申込を行っていただければ、来所自体は4月末まででもOKとなっています。

というわけで「実は相談したかった」という岩手県民などの方がおられれば、31日の営業時間内にお電話いただければと思いますので、一応お知らせいたします。

まあ、こんなことを書いても、当事務所に電話が殺到することは微塵もなかろうかとは思いますが。

なお、限られた資産・収入しか有しない方のための無料相談制度(扶助相談等)は今後も従前同様の内容でご利用が可能ですので、該当する方は、ご遠慮なくお申し出ください。

本来は半年以上前から泉佐野市のように?「無料相談終わっちゃうよ、今のうちにおでんせ大キャンペーン」を行いたかったのですが、昨年前半頃から首が廻らない状態が延々と続き、残念ながら、何もできずに今日を迎えてしまいました。

当事務所(に相談いただいた方々)も、導入時から現在まで長年に亘りこの制度に大変お世話になり、導入や延長にご尽力いただいた皆様には、改めて感謝申し上げるところです。

震災相談制度などについては色々と述べたいこともありますが、またの機会にということで、本日は一旦ここまでとさせていただきます。

以上、当事務所からのお知らせでした。

 

ご近所の「倒壊寸前で飛散リスクのある危険な家」への現行法での対処と法整備の必要性

先日、モーニングショーで「八王子駅前にある、倒壊寸前で飛散危険が濃厚なのに頑なな高齢?姉妹が居住し悪臭被害などを生じさせている家」を特集しており、空き家ではないので現行法では対処が困難だ、近隣住民への迷惑行為を理由に逮捕しても解決にはならないよね、とまとめていました。
https://www.j-cast.com/tv/2021/03/23407797.html?p=all

理屈の上では、現行法でも、社会通念上、通常ありうる程度の風水害(数年に1回程度の台風とか?)で建物が飛散し我が家に突き刺さる(人に当たる)程度の危険があることを立証できれば、その危険に晒される方(近隣住民)は、物権的妨害予防請求権等を根拠に、その危険を除去するため必要相当な工事(撤去も?)を民事訴訟で求めることは可能なはずです。

具体的な立証手段としては、上記内容を説明した建築ないし風水害の専門家の意見書などということになるのではと思います(具体的に見たことがあるわけではないので、抽象的な説明でご容赦ください)。

ただ、そのような前例があるかと言われると、ちょっと聞いたことはなく、この種の一般条項の適用に関する訴訟となると、世間の強力な後押しなどがないと裁判所が非常に慎重な姿勢を示すことも、容易に予想されるところです(この事案でも、弁護士に相談し同種の説明を受けた方が現におられるかもしれません)。

その上で、常識的に見て、そのような高度な負担を近隣住民(たまたま近くに居住等しているに過ぎない人)に強いることが適切とは思われませんし、駅前の歩行者など膨大な利害関係者がいるのですから、行政が動くべき事案であることも、誰もが感じるところではと思われます。

結論として、建築基準法などを改正し、「通常の風水害でも倒壊・飛散などの危険がある水準の構築物(一定程度以上の安全性すら満たさない構築物)は、自治体が支障除去の改善・措置命令を下すことができ、それに従わない場合は代執行も可」という法律(具体的な基準は構築物の内容・性状等に応じた専門家の適切な知見に基づく)を作る必要があると思われます。

番組で取り上げられた八王子の事案は時価7000万円相当の土地とのことで(事案の内容からも恐らく無担保でしょう)、それだけの価値があれば代執行費用を担保とした仮差押など?を通じて費用回収は容易でしょうし、売得金などで費用を回収することを前提に、本人に一定の補償を行い、行政が物件自体を収用することも検討されてよいかもしれません。

条例で定めてもよいのではと思われますが、憲法訴訟を覚悟の上での制定となるでしょう。

ともあれ、この種の報道をご覧になる方は、「話し合いで解決すべき問題」で終わらせるのではなく、「立法の不備」の問題と理解いただき、話し合いでの解決を促すためにも武器としての適切な法律が設けられるべきだ、と政治家その他の方々に働きかけていただければと思っています。

私は現在、盛岡市内にある数十年放置された「台風で飛散等の危険のあるバラック(の敷地)」を相続で取得した方の依頼で、そのバラックを法律上の理由なく占有し延々放置している方(先方は、被相続人からの贈与や時効を主張)に明渡請求訴訟を行っており、先般、概ね認容の判決を受けたものの、先方が控訴したため、第二ラウンドに移行したという案件を扱っています。

依頼主は周辺への被害防止のためにも勝訴後は直ちに撤去等を実施したいと希望しており、そのためにも迅速な解決を目指して闘っているところです。

震災の際にも、津波ではなく内陸(一関など)で「隣の壁が倒壊するなどして被害を受けた」と何度か相談を受けたことがあるほか、雪国では「隣の雪で被害を受けた」云々の相談を受けることが頻繁にあります。

これらも基本的に上記と同じ問題と理解しており、すべて法律等を適切に整備すれば大幅に改善できることだ(反面、その整備がなされていない現状では、弁護士の力だけで希望を実現するのは困難)と感じています。

関係者及び国民全体の奮起と現代の感覚に即した公私の調整を行う土地法制の再構築の議論が盛んになることを願うばかりです。

 

リアスマリンNEO第2章のハッピーエンド?

今から13年前に、岩手の北限?のタラと海の平和を守るために1年ほど闘い、3年前には岩手のサケの平和を守るために2年以上も闘った、自称・リアスマリンNEOこと小保内です。

13年前は県境の海岸で依頼者の方からとってもとっても美味しいウニの瓶を頂戴したのですが、3年前は依頼者が県庁(形式的には、お目にかかったこともない某知事)だったせいか?、どんなにどんなに頑張っても、三陸の海の幸をいただくなどという僥倖には恵まれず、知事はもちろん、サケ産業の関係者から感謝の言葉を頂戴することすらありませんでした(県庁のご担当からは沢山の感謝の言葉をいただきましたが)。

で、時給換算で当方史上最大の大赤字仕事・・ということもあり(特例で相応の増額はしていただきました)、

やっぱり岩手を守るヒーローって、報われないんだ。
俺も今日からアニに倣ってテント一人旅に出かけるか、アラタ・・

などと枕を涙で濡らす日々を送っていました。

すると、天が不憫に思ったのか、先日、岩手の神様ならぬクリスマスにお越しになるはずの方から季節外れ?の来訪があり、ご覧のとおり、

三陸産のサケの切り身と最上級イクラたっぷりセット

を頂戴し、家族で美味しくいただきました。

いやぁ、子供の頃は、実家でカチコチになった小さな塩引きの切り身はたまに食卓に出ていましたが、こんな大きく肉厚な切り身をいただいたのは初めてです。

まして、今や高級食材にはなかなか手が届かない身には、これほど美味しいイクラをいただいた経験があったか、ちょっと思い出せません。

というわけで、これにて自称・リアスマリンNEO、第二章サケ刺網編、無事、大団円にて終幕。

そして、次の出番は7年後・・・かも(to be continued?)

・・・それはそれとして、ご承知のとおり、ある意味とても残念な訴訟を横目に、現在の「岩手のサケ産業」は、不漁(海洋環境の激変等に起因するサケの未帰還)による総敗北というべき状況にあり、本来は、内部で争いをしている場合ではありません。

そうした真面目?な話についても、訴訟に従事した者として、いつの日か差し支えのない範囲で何か書ければと思っています。

甘い赤ワインには、久慈ファームのサラミチョコを

昨年まで盛岡駅フェザン(おでんせ館)の1階で営業していた、久慈ファーム(岩手を代表するブランド豚の一つ「佐助豚」を生産する二戸の会社さん)の直営店で、1年ほど前、チョコレートをソーセージ風に模した「サラミチョコ」を購入しました。

で、諸々の理由で後回しになっていたのですが、先般、ようやくいただきました。

数年前、深夜を過ぎて事務所から帰宅した際に神経が昂ぶって寝付けないときは、甘口の赤ワインに氷を大量に入れて、チョコレートを頬ばりつつ、ビデオを見ながらゴクゴクと眠気が来るのを待つ、という生活を時折していました。

が、昨年に一旦その習慣が途切れてしまい、そのせいで放ったらかしになってしまったのですが、ともあれ、先日、久々にそうした形でいただいてみました。

結論として、美食家にはほど遠い身ながら、

「これほど甘口の赤ワインが美味しく飲めるチョコは他にない。スーパーのチョコとは、次元が何段階も違うレベルの味わい」

というのが、正直なところです。

皆さんも、ぜひ賞味なさってはいかがでしょうか。

なお、賞味期限をかなり過ぎても(冷蔵していれば)問題ないことは、私が保証いたします(笑?)。

久慈ファームの直営店が残念ながら閉店してしまい、今となっては通販で購入するほかないかもしれませんが、その手間をかけるだけの価値のある逸品です。

通販希望の方は、こちらでどうぞ。余勢を駆って、佐助豚の諸商品もご一緒に。
http://3491.ac.shopserve.jp/SHOP/kakou054.html

先日まで南部美人とのセット販売もされていましたが、現在は終了とのことで、ご希望の方は今後にご期待下さい。
https://www.nanbubijin.jp/shopdetail/000000000184/

 

名もなき家事の詩

数年前、兼業主夫業に疲れ果てた暮らしの末に?Mr.Childrenの「名もなき詩」の替え歌を作ってfacebookに掲載したことがあります。

が、どういうわけか、ブログには載せておらず、せっかく作って勿体ないし、まあ、私なりの判断基準では、これも許容範囲でしょうということで、遅まきながら掲載することにしました。

**********

ちょっとぐらいの汚れ物ならば
何も言わずさっと洗っとく
Oh darlin 僕は何?
現実を握りしめる

君があれこれ やれと言うのなら
この腕を切ってくれてやる
Oh darlin 僕は手が足りん
仕事の時間が 消える oh

苛立つだけの事件で一杯になっちゃって
感情なんてとっくに
壊れかかっていそうだけど

こんな深刻な紛争の渦で
情緒不安定な人達に揉まれ
でも darlin 共に悩んだり
解決を夢に見てる

あるがままの心で生きられぬ家庭を
誰かのせいにして過ごしている
知らぬ間に築いていた
罵声ばかりの檻の中で
もがいているなら
僕だってそうなんだ

過ごした日々が増えていくほど
孤独な夜は深まっていくんだよ
Oh darlin このわだかまり
きっと消せはしないだろう oh

いろんな男女の破綻を目にしてきたから
見失っちゃいけないことが
多少は分かった気がする

荒んだ光景ばかり見てるから
優しい気持ちに飢えているのかも
Oh darlin 夢物語
帰る際に聞かせてくれ

「勝つ」はきっと奪うでも叶えるでもなくて
気が付けばそこにあるもの
弱い自分を見つめて
すべきこと考え一つずつ積み上げていけばいい
そこからはじまるさ

家事 民事 通教 説教
いつも疲れてんだ
夜、妻 朝、夫
ソファ見てごらんよきっと寝そべってるさ

成り行きまかせで泥沼となり
救いもとめて来たのだとしても
その度心乱せる様な仕事じゃない
仏心が仇になり
徹夜起案に明け暮れる だけど

あるがままの家族と生きようと願うから
今朝も洗濯物 干してる
知らぬ間に築いていた
自分達だけの檻の中で
もがいているなら 
誰だってそう 僕だってそうなんだ

愛情は法の根底にあるのに
伝えるのはいつも困難だね
だから darlin この「名もなき家事」を
いつまでも君に捧ぐ

******

Web上で替え歌について検索すると、お世辞にも品があるとは言い難いものが散見され、がっかりしてしまいます。

本物の香気を損なうことなく、その価値を活かしつつ新たな思想や社会風刺をセンス良く盛り込んだ、良質な替え歌に光が当てられてくれればと願っています。

 

10年ぶりの本人画像の差替について

すでにお気づきの方もおられるかもしれませんが、先日、当サイトの「弁護士紹介」欄に表示した私の写真を差し替えました。

これまで表示してきた写真は、平成23年2月頃(震災直前)に撮影したものですので、10年ぶりの差し替えとなります。

以前から「昔の写真を使い続けるのは、いかがなものか」と思っていたのですが、諸事に追われ放ったらかしになっていたところ、先般たまたま写真撮影の必要が生じたため、ついでに差し替えた次第です。

普段は常に眼鏡を着用していますが、諸々の理由から、公開する画像は眼鏡を外したものとさせていただいております。

私も40代後半となり、外貌に関しては、10年前と比べても老化の一途という感は否めず、今後は、10年後も20年後も、この写真を使い続けるかもしれません(笑)。

掲載したものは幾つか撮影した中ではベストとは言えないものの、掲載者(事務局長)の判断で、これが採用されました。

私個人のベストチョイスをご所望の方は、facebookをご覧ください(笑)。