北奥法律事務所

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01月

年頭のご挨拶と仕事始めの嬉しい出来事たち

遅まきながら、本年もよろしくお願いいたします。

例年、前年度の業務実績をブログに掲載していますが、昨年は延々と首が廻らない状態が続き、年末年始にようやく令和2年の業務実績を掲載する有様でした。

今年は、4日に起訴された方の保釈請求書をその日のうちに裁判所に提出したのですが、まだ休業期間中ということもあり、書面を出すだけだと思ってジーンズ姿で赴いたところ、有り難くないことに、とある事情で担当裁判官に呼び止められ、ジーンズ姿で面談する羽目になりました(服装への説教ではありません)。

地裁刑事部の方々から「キムタ○みたいっスね」などと気の利いたコメントが期待できるはずもなく、そそくさと退出しました。

結果、翌5日にはご本人の保釈が認められ、幸先のよいスタートとなりました。

また、6日には、今年はじめての来客の方から、顧問契約の申込みをいただきました。

県内の著名企業にお勤めの専門職の方で、少し前まで東京の他企業に勤務しており、曰く、最近の東京では、その業界の方々が個人で顧問弁護士を頼むことが多いのだそうで、他の事情も相俟って、利用を希望されたとのことでした。

当方も、企業(法人)や個人事業者ではなく、純然たる個人(企業勤務者)の方から顧問契約をいただくのは初めてですが、当方では「月額3300円(年額4万円弱)」の顧問契約(A型)を提供していることもあって、ご利用しやすかったのかもしれません。

10年以上前にA型を作ってから、何年もの間、僅かな方から問合せをいただいた程度でしたが、近年はお申し込みをいただく機会も増えてきており、「大企業や富裕層でなくとも顧問弁護士のサービスを受けることができる仕組み」として、認知度や利便性を高めることができればと思っています。

珍しく新年当初から有り難い出来事が続いていますが、今も未済起案の山と格闘しなければならないのが偽らざる現実であり、気を引き締めていきたいと思います。

ともあれ、お時間のある方は、業務実績に関する記事もご覧いただければ幸いです。

 

令和2年の取扱実績③生活上の問題(消費者・契約)、家庭(離婚・親子・後見)、相続、行政、刑事ほか

前回に引き続き、令和2年の業務実績(従事ないし解決した紛争の概要)を、守秘義務の範囲内で簡単にまとめました(全3回)。依頼先の弁護士を選定する際に参考にしていただければ幸いです。

(5) 個人(消費者)が交わす契約や社会生活を巡る法的問題の解決

亡父αから特定の土地を相続したAが、同土地を占拠するB(αから無償で借りた)に土地の明渡しを求めたところ、Bが「αから贈与された、仮に、贈与が認められなくとも、取得時効が成立する」と主張したため、訴訟を余儀なくされた案件を受任しています。

先般、1審で当方の主張を概ね認める判決がなされたものの、B氏が敷地内に建物を建築(隣接する自宅から越境建築)した部分に限り時効が認められ、現在、双方が控訴し審理が続いています。

他にも、Web上のやりとり(投稿)を理由とする名誉毀損や、男女の交際に絡む紛争など対人関係の紛争に関する対応(不当要求の拒否や関係清算など)、数十年前(祖父母などの世代)に自己が所有する土地に設定された担保権の抹消手続など様々な案件で対応の依頼を受け、無事に対処を完了しています。

他にも、多数の方々から、各種の消費者被害や近隣トラブル、労働事件などの生活上の様々なご相談を受けたり、簡易な交渉対応に応じています。

(6) 家庭生活や親族関係、相続を巡る法的問題やトラブルの解決

離婚やこれに関連する紛争(離婚時までの婚姻費用、親権関連紛争、面会交流、離婚後の養育費のほか、破綻の原因となった不貞行為を巡る賠償問題など。否認事案を含む)については、昨年も多数のご相談・ご依頼を受けています。

本年も、親権(監護権)を巡り厳しく対立する事案を受任したほか、夫からDV行為を受けた女性が別居を敢行し夫に離婚を求めた案件を、別居前から相談を受け円滑な離婚を目指して支援するなどの対応にあたっています。

成年後見に関しても、財産管理や後見支援信託など基本的な対処を行う事案のほかに、後見審判後も自宅で独居を続ける方に関し、様々な問題に対処・苦慮しつつ、生活の継続を見守った事案もあります(現在は施設に入居されています)。

また、高齢のご夫婦に後見手続がなされた案件で、夫が死去し、お子さんがいないため、妻の後見人として夫のきょうだいと遺産分割協議を行うなど、様々な対処を行っています。

相続分野では、亡夫の相続に関し前妻の子との交渉などの依頼を受けた事案や、亡父の遺産分割に関し相手方の特別受益など様々な論点の検討を要した事案強硬な相続人との交渉を要した事案相続財産管理人の選任申立を要した事案などを担当しています。

また「県内の山間の集落に多数の不動産を遺して亡くなった方について、相続人である兄弟姉妹らが長期間、相続手続をしなかったため、相続人が数十名、権利の調整を要する物件(相続不動産)も多数に上り、墓地の扱いなど様々な論点が存する(放置されたまま、現在に至った)案件」の依頼を3年前に受任し、幾つかの論点に目処を付けつつ、現在も、多くの関係者と協議しながら残余の論点の解決のため対処に追われています。

身寄りのない方であれ、身内の「争族」が危惧される方であれ、法的手続を通じて相続財産の処理をせざるを得ない事案や、信託のような特別な配慮をするのが望ましい事案は今後、ますます増えていくと思われます。

なるべく生前に相続や財産管理のあるべき姿について遺言などを通じ適切に意思を表明していただくのが、紛争やトラブル発生の防止のため望ましい面がありますので(遺言の内容や書き方、遺言執行者などに関する弁護士等へのご相談も含め)、ご留意下さい。

(7) 行政との訴訟、刑事事件、その他の業務

行政関係では、昨年までお伝えしていたサケ刺網訴訟は無事に当方(岩手県)の勝訴で終了しました。現在は、県内のある自治体の顧問をさせていただいており、庁内で問題となった様々なご相談や訴訟事件に対応するなどしています。

刑事弁護も、被疑者段階を含め、詐欺や傷害、業務妨害、道交法違反など昨年も幾つかの事件(少年審判を含む。大半は国選事件ですが私選の依頼はタイムチャージ形式で受任しています)を手掛けています。

その他の業務としては、県民生活センターが主催する消費者向け相談や県内の社会福祉協議会が行う住民向け相談事業など幾つかの相談事業を担当したほか、東北厚生局の訟務専門員として、保険診療の不正受給などに関する解決のお手伝いをしました。