北奥法律事務所

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12月

エロスの英雄

皆さんは、エロスのために闘ったことはありますか?
私は令和元年から5年ほど、エロスのために闘い続けてきました。

・・・と書くと、コイツも過労と運転資金の困窮でついに狂ったか、と皆さん思われたかもしれません。

しかし、それでも敢えて言おう。
俺はエロスの英雄、ヒーローである、と。

エロスには、30年以上前から、大きな問題が生じていました。
多くの人々が先送りし、状況はどんどん悪くなっていきました。

10年ほど前、解決のため立ち上がった人々がいました。
5年前、これ以上は自分達では無理とのことで、私にお声が掛かりました。

初動は割と上手くいってたんですよ。
が。エロス内部の様々な問題に加え、どこぞの家裁から、まさかの無理難題と膨大作業・・

そして、艱難辛苦の末、ようやく大半の問題を解決できました。
まだ、小さく厄介な論点が残っていますが、まあ、なんとかなるでしょう。

この5年間、多くのエロスの人々と膨大なやりとりがありました。
きっと、彼らも私に感謝してくれるはず。いや、感謝して下さいよ・・

何より、数十年前に亡くなられた本当のエロスの英雄は、ご自身の肩の荷が下りたことを雲の上で喜んでおられることでしょう、

何を言っているか分からない方は、「訛り」が第1ヒントです。
岩手ですもの。

最初は、上手くいけば黒字もありうるかもと期待しました。
が、家裁その他の雪だるま作業で、毎度の大赤字仕事・・

岩手のヒーローは儲かりません。
ガンライザーNEOも、そう言っていた。

それでも、ようやくまとまった報酬をいただけたので、おかげさまで、どうにか年は越せました。

震災後は、債務整理特需などの恵まれた時代が去り、マイナス(大赤字仕事)に飛び込まざるを得ない日々が続いています。

芸術の前に当事務所の方が爆発しそうだと感じるときもありますが、新たに応援して下さる方々との出逢いに恵まれたことなどもあり、どうにか仕事を続けることができています。

そういえば、盛岡には、膨大な辻立ち等、上手くもなく綺麗でもなく心地よくもない闘いを長年続けてついに宿願を果たした市長さんが誕生していましたね。

田舎の町弁業界は今も厳しい状況が続いていますが、私も、運命に楯突き、べらぼうな夢を目指して頑張っていきたいと思います。

数年前の正月、事務所サイトのトップページを引用して新年のご挨拶のFB投稿をした際、予想以上に多くの「いいね」をいただき、トップページの「いいね」数が109個になりました。

今、ある寺院を舞台とする厄介な事件の訴状を作成しています。
これも数十年放置されていた問題の解決を目的とするものです。

事務所概要のページでも述べた初心を忘れずに、煩悩の1歩先にある何かを突き詰めることが、この仕事に託された役割なのかもしれないと思って、応援して下さる方々への感謝を胸に、今後も、色々と挑んでいければと思います。

来年もよろしくお願いいたします。

 

漆産業の復興は、シン・あまちゃんと宇宙科学から

ロータリークラブのIMと呼ばれる行事(講演会等)が二戸パークホテルで行われ、諸般の理由から、盛岡北RCの会員として参加してきました。

現在、二戸・岩手は浄法寺地区を漆文化などを中心に「奥南部・漆物語」と名付けて売り出しており(文化庁の「日本遺産」に認定とのこと)、今回はその話を取り上げたものとなっていました。

ただ、南部一族は頼朝征服に伴い甲斐国からやってきて300年以上も三戸を拠点とし、九戸戦役(本家断絶後の承継紛争に始まる豊臣徳川東北諸侯軍との戦争)後、短期間だけ二戸(九戸城改め福岡城)を本拠としたものの、南部信直が浅野長政の勧めで盛岡に移転するという歴史を辿っています。

盛岡はもともと紫波を本拠とする斯波氏側の領土で、戦国末期(九戸戦役直前)に南部氏の支配下に入ったと理解しています。

ですので、岩手県北や青森東南部こそが南部一族の本来の領土(実家)であり、三戸などと組んで「奥南部」ではなく「本南部」とか「元南部」と称していただければと思わないでもありません。

まあ、他ならぬ柳田国男が作った言葉だそうですし、浄法寺(や安代)自体は盛岡と三戸(や二戸=福岡)のどちらからも「奥」と言えそうなので、案外、ケチが付かないネーミングなのかもしれませんが・・

***

ところで、講演では、戦前に作られた「漆の生産量の激減に危機感を持った人々が、担い手(漆掻き職人)の勧誘目的で製作した(らしい)ミニ映画」が上映されたのですが、主人公である、漆掻き職人に志願した若い女性の作業着姿が

ほぼ、あまちゃん

という格好でした。

漆掻き職人(担い手)は現在も困難な状態が続き、パネルディスカッションでも地域おこし協力隊の方が登壇されていましたが、その映画を拝見して、

あまちゃんに倣い、若い女性が漆掻き職人に挑むドラマ(朝ドラ?)をクドカン氏などに頼み作ってはどうか

と思わざるを得ませんでした。

ドラマのタイトル(主人公の愛称)は、ズバリ、

カッキー

で、どうでしょう(新垣氏にも出演いただければベスト)。例えば、

最初はイケていない主人公を周囲の面々が地域おこし目的で、あまちゃんの真似で作業着を着せてヘッポコWeb映像(恋ダンス風の漆掻き作業動画とか?)を出したところ、バズって世界の脚光を浴び、やがては第一人者の導きのもと世界遺産級の建築物の修復や超高級工芸品などに絡んでいく・・

といった企画案で売り込んでいただいても良いかもしれません。

***

ちなみに、5年ほど前に盛岡北RCで周年行事を行った際、何か記念事業をやるべきではという話が出たので、県境不法投棄事件の跡地に漆の木を植樹するのはどうでしょう、と提案したことがあります。

残念ながら盛岡から遠く離れているとの理由で却下されましたが、県境事件は二戸だけの問題ではなくオール岩手(と青森)で取り組むべき問題ですので、本来は岩手や青森のRCなど諸団体が力を合わせて取り組んでも良いのでは、と今も思っています。

もう一つ余談になりますが、宇宙科学の世界に「ウルシ」と呼ばれる世界規模の学術団体があり、田中舘愛橘博士との繋がりという意味でも、岩手(盛岡)にウルシの総会を誘致すべきではと述べたことがあります

漆と二戸に関心を持っていただける方には、こうしたことも視野に、お力添えをいただければ幸いです。

以上、設営等いただいた二戸RCの方々に感謝しつつ、現場からのレポートとさせていただきました。

春日局の「神の君」は、いつ誰に何のため語ったものか

エセ大河評論家こと小保内です。以下、今年の家康に、これだけは言いたい一言。
 
といっても、巷で話題になった前半のメルヘン云々ではなく(築山殿事件の下りは、本職の批評家も述べていましたが、甲相駿三国同盟の再構築を述べているに過ぎず、人物像を含め、脚本としても悪くないと思います。信長秀吉の世界観の掘り下げの不十分さは不満がありますが、紫禁城のような清洲城には文句はなく、その意味するところ=中華帝国化こそ取り上げて欲しかった)、ケチを付けたいのは
 
ナレーションをつとめた寺島氏が、春日局役で登場する(らしい。近時の報道)
 
という点です。
 
もちろん、春日局(福)が家康に多大な恩義を感じているとか、晩年には成人した家光と組んで家康の神格化につとめたことは確かなのでしょうが、幼少期の家光を養育していた際、家康は現役の戦国武将として関ヶ原などを戦っていた最中なのですから、この時点で幼い家光に向かって「神の君」などと述べるのは無理があります。
 
そんな教育をしていたら、家康からも秀忠からもクレームが来るでしょう。
 
また、福にとって家康は、猛烈な勢いで発展している勤務先企業の現役の社主であり、家光に後継者指名させることを目的とした交渉相手なのですから、成功後(家光継承後)に世間に向かって神格化させるというのならともかく、家光養育期の福自身が家康を「神の君」などと思っているというのも無理があります。
 
また、福のナレーションとして家康の人生を語るというコンセプトに立つのなら、非業の最期を遂げた父親=斎藤利三が全く登場しないのは我慢の余地があるとしても、その上司である明智光秀を、あれほど残念なキャラに描く(かつ、そのことに何のコメントもない)のは、あまりにも整合性がないのではないか。
 
処刑された亡父(斎藤利三)の無念を思えば、家康を神格化する以上に、「謀反には理由があった(天皇廃絶=易姓革命阻止の大義説)」を採用して光秀を善良な人物に描く方が、福にとって好ましい物語になるのではないか、少なくとも、こんなヘボ上司のヘボ振る舞いのせいで自分達が悲惨な目に遭ったとは思いたくないでしょう。
 
そして、光秀を天海として再登場させ、家光と三人で結託して神格化構想を推し進める、といった展開の方が、寺島氏を春日局とし「春日局が語る、家康神格化の物語」に適っているように思われます。
 
他にも色々と言いたいことはありますが、要するに、寺島氏がナレーションで語る神格化された家康像は、同時代人が語るものとしては無理があり、遙か後世の徳川政権の関係者が語る内容として構築しないと、辻褄が合わないと思うのです。
 
***
 
では、それ=寺島氏に相応しい配役(歴史上の人物)がいないのかと考えたとき、それに相応しい御仁が一人だけ思いつきます。
 
第13代将軍・徳川家定の養育を担当していた、後の大奥総取締・瀧山です。
 
「篤姫」を見ていた方ならご存知かと思いますが、瀧山(演・稲森いずみ氏)は、やがて大奥の最後の責任者として、天璋院(演・宮崎あおい氏)らと協力し「江戸(大奥)の平和な店じまい」に尽力した御仁であり、彼女が幼少期の家定に神君の物語を聞かせるような姿をイメージすれば、違和感なく整合するように思われるのです。
 
そして、最後に寺島氏が瀧山だと明かされ、幕府終焉=流血を極力防いだ新時代への継承に繋がっていく、という展開の方が、番組として引き締まるのではと思います。
 
というわけで、私は番組開始時から、寺島氏=瀧山など後世の大奥関係者説が採用されるべきだ思ってきたので、その点は残念でした。
 
***
 
ただ、寺島氏の語りを「(それが正しい事実だと信じて)幼少期の家光に語った話」ではなく家光の成長後に「幕府永続のため神格化を世間に広める目的で(ホラ話と知りながら)後世向けに創作した話」だとするのであれば、ドラマとして成り立つと思われるので、或いは、最終回あたりでそのような描かれ方をするのかもしれません(出生直後の家綱に聞かせるというのも無理があるでしょうし)。
 
その場合、福=寺島氏は、亡父の元上司(光秀)を、大した考えもなく実家を滅亡に追いやった軽率ガッカリ野郎だと理解していたことになるのでしょうが、それはそれで物語として成り立っているのかもしれません。
 
この点は、本作を、「ドラマ自体は家康本人の目線・認識で描きつつ、本人とは別の認識で家康らを見ているナレーターの認識をコメントとして重ねている作品(ナレーター=寺島氏=福が説明する物語ではない)」と理解すれば、光秀の残念ぶりは家康の認識であって福の認識ではないということになるので、福が光秀をあのような人物だと捉えているわけではないという説明になるかとは思いますが。
 
***
 
余談ながら、ほぼ1年前、前作「鎌倉殿の13人」の最終回を見て、
 
この最終回は、ドラマの筋に照らしても、絶対にありえないはずの会話を主要人物達がしており、毒殺を含むこの回の全体が、実は義時の妄想ではないか(義時は、ドラマ内でも病死など別の理由で死んでいるが、いまわの際に、このような妄想を見たのではないか)
 
と感じて、1年前のFB投稿で、少しだけ触れたことがあります。
 
それは、義時と大江広元が、承久の乱後に、全く無関与の幼い廃帝(仲恭天皇)について、あまりにも平然と弑逆の話をしていたから(それは、両名とりわけ後者にとって、当時の元貴族の天皇観などに照らし、あまりにもあり得ないでしょう)という点に尽きるものですが、そのように考えると、最終回の中で描かれた様々な奇妙な事柄が「妄想説」と整合していると感じました。
 
そのことも、全く年を取らない三浦義村(これはドラマが主人公の主観の投影であることを示す)や、上皇配流のシーンで、その場にいないことが明確に示されているのに亡霊のように現れた=上皇の妄想だと描かれた文覚など、番組の様々な傍証を交えてきちんと論じたかったのですが、その余裕もないまま1年が過ぎてしまいました。
 
昔と違い大河を全て視聴できるエネルギーが無くなってきているので、来年の大河を見る自信がありませんが、5年ほど前に大河ドラマ・紫式部(仮称)の配役案を構想して全部外れた腹いせに、多少は視聴しようと思います。

公的団体の内部不祥事と公表の議論を巡る内部の光景

先日、JR東日本が社員の着服事件を外部公表していなかったことを取り上げる記事が出ていました。

以前、私も所属する某団体で、この報道(従業員の横領事件)と似たような問題が生じたことがあります。

役員の方々が大変尽力され、団体の被害は完全回復されたそうなのですが、その事案を対外的に公表するか、団体内で議論がありました。

私は会場に赴かずにズーム参加したのですが、過去に団体の役員をつとめた有力会員の方からは、内部の問題であり公表不要との意見があり、会場内では異論がなされていないようでした。

私は、その団体が強い公的性格を持つ(と世間一般が感じている)以上、不公表は適切ではない、お役所や金融機関などで同種の不祥事が起きていれば必ず公表するだろうから、当事者等を特定する情報を全て伏せた上で、このような事件自体はありました、と公表すべきではないかと意見しました。

すると、会場内の他の有力な会員の方から「役所などとは全然違う」などと、それに強く反発する反論を受けました。

明言はされていませんでしたが、不祥事を起こした方は、長年その団体のため多大な尽力をされ、多くの会員が自分達の身内だと感じてきたような方であり、「どうしてお前は(本人が事実を全て認めて被害回復も実現したのに)自分達の仲間を苦しめようとしているのか」と非難するニュアンスを強く感じました。

その後、大ベテランの方から、私の意見に理解を示すコメントがあり、それ以上、他に意見もありませんでしたので、あとは役員の方々に一任することになりました(誰も意見は言いたくなかったでしょうし、私自身、公表を主張する方が他にいたなら、好んで意見をすることはなかったでしょう)。

それから少しして、結局、私の意見どおり、その団体が、当事者等の特定情報を全て伏せた上で、その事案について公表している報道を拝見しました。もともと外部への被害がなく内部では解決済みということもあり、それ以上、世間でその件が取り上げられることはなかったと思います。

そのことを、この話を伝えても許されるであろう、ある方に話したところ、「仮に、公表せず伏せていれば、週刊誌などで批判的なニュアンスを交えて取り上げられ、団体や業界の信用を傷つけることもありえたのではないか。上記のやり方が正解というほかない。誰かが、そうすべきだとの意見を言わなければならなかったのだ」とのコメントをいただきました。

ただ、自分達の仲間を守りたい、内部で責任を取ったのだから、それ以上は苦しめたくないという方々の心情も、何一つ間違っていないと思います。

確実に言えることは、私はその団体では昔も今も末端ヒラ会員であり、残念ながら、団体内の多くの方々と、あまり親しい関係を築けず疎遠なまま終わりそうだ、ということだけでしょうか。

或いは、その方が、司法の世界に身を置く者らしいのかもしれませんが。

 

無料掲載を装う悪徳求人広告被害について

最近は沈静化したと思いますが、5年ほど前には、小規模企業に対し、インターネットで求人広告を掲載するとの勧誘を行い騙し討ちのような形で不当な高額請求を行う業者が全国規模で多数出現し、その相談を受けたことが何度もありました。

それらの業者は、あたかも無料掲載であるかのように装いつつ「無料掲載は最初の短期間だけで、その期間を経過すると高額な有料掲載に自動更新する契約であり、お宅はそれにハンコを押した。よって数十万円払え」という請求を行うのが通例で、安易に応じてしまった多くの事業主が泣かされる事態が膨大に生じました。

当方も当時は数件の依頼を受け、いずれも「悪徳商法だから一切払わない」などと抗戦したところ、運良く?ゼロ和解ができたり、膠着状態でそのままとなったり、当方が了解可能な少額な解決金で決着するなどの経験をしたことがあります。

この件は今も全国で続いているのだそうで、私も形だけ参加している同業者の情報交換サイトMLでは、活発な意見交換がされているようです。

悪徳業者と名指しされた業者の中には、(恐らくは対決姿勢を示して支払っていないのであろう)歯科医院に対し、「虫歯などの酷い画像を付けた負の広告」を出してくるという挙に及んでいるものもあり、それを見たときは呆れるばかりでした。

以前、闇金が「(刑罰金利を前提とした悪徳融資の)返済をしなかった女性について、事前に送信させた裸の写真をネット上で掲載している」との報道も見ましたが、それに類するような酷い話だと思いました。

こうした事案に限らず、事業者の皆さんには人手不足などの問題があっても安易な電話等の勧誘に応じることなく、求人などの課題は健全な常識に適う方法で解決を図っていただきたいものです。