岩手県知事マニフェスト検証大会のレクイエム

旧ブログ投稿の再掲シリーズの最後に、平成25年に、岩手県知事マニフェスト検証大会について掲載した記事を微修正の上、再掲しました。

来年は岩手県知事選挙とのことで、恐らくは、すでに報道された有力県議さんと達増知事の一騎打ちになり、事実上「小沢氏勢力vs自民系」の最終?決戦としての意味合いも持つように思われます。

震災後、公約の検証(を通じた県政への民意の適切な反映や緊張感確保)という理想論を掲げる(旗を振る)方が全くいなくなり、数年に亘り「小沢氏勢力に飽きたか否か」だけが県政の実質的な争点になっているようにも見える光景に、大変残念に感じています。

当時は盛岡JCに親分肌の方がいて「俺は(主権者意識向上の活動を目的とした)任意団体を作りたい」と仰っていたので、できれば私も参画し、兵隊として汗をかきたいと思っていましたが、残念ながら、そうした話が結実することはなく、その方との接点も全く無くなってしまいました。

あまりにも多くのことが過ぎゆき、私も無残な老骨の一人に成り果ててしまったのかもしれませんが、かつて若者だった人々が曲がりなりにも掲げていた夢を、今どきなりの方法で次の世代にも引き継いでいただければと願っています。

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今回は、主として岩手県民の方、かつては一世を風靡した「マニフェスト選挙」に関心がある(あった)方、並びに盛岡JCの会員の方に向けて書いた投稿です。

皆さんは、10年以上前、「岩手県知事マニフェスト検証大会」というイベントが行われていたことをご存知でしょうか。

これは、平成19年に始まったイベントなのですが、当時、知事として三期目であった増田寛也氏が退任するにあたり、4年前の選挙の際に発表し県民の信を問うたマニフェスト(政権公約)について、その達成度を自己検証して県民に報告する場を設けたいとの意向が知事から盛岡JC側に伝えられて始まったものだそうです。

増田氏はマニフェスト選挙の先駆者とされており、知事人生の集大成として、このイベントを行うべくJCに動員をかけたというのが一つの実情なのかもしれません。

が、少なくとも当時の私は、小林正啓先生も引用の講演で指摘されるように、「地域住民の主権者意識の向上(国民主権原理の実質化)につながる地道な活動に寄与するのが、田舎のしがない弁護士の責任ではないか」と感じて、末端のスタッフとして、後記のアンケート調査など、若干のお手伝いをしてきました(なお、実働の大半は盛岡JCですが、公式の主催者はJCの岩手ブロック協議会=岩手のJCの連合体です)。

このイベントは、後任の達増知事の1期目の半ばである平成21年にも実施され、23年にも実施予定で準備を終えていたのですが、開催日直前に震災に見舞われ、中止の憂き目に遭っています。

2年おきに行っているのは、知事の任期は4年ですので、任期満了時である4年後に実施して達成度を県民に明らかにすることで、次の選挙での投票の判断材料とするというのが4年ごとの検証の目的であり、さらに、任期半ばの2年目にも中間検証を行い、残り半分の任期における県政向上に資することを目的としています。

検証大会の内容ですが、従前は、県知事による自己検証と行政分野をご専門とする県立大の先生による第三者検証の各講演のほか、知事やその年の盛岡JCの理事長さんを含めた識者によるパネルディスカッション、さらには、JCが県民に行った岩手県政に関するアンケート結果の発表も行ったことがあります。

アンケートについては、過去3回とも私が原案を作成しており、平成21年と23年には、長大な分析レポートも作成してJCのサイトで発表しています。

といっても、誰の注目も集めることなく、ケジメないし自己満足の類で終わっていますが。

アンケートは、盛岡JCだけでなく県内のJC全部の協力を得て、最盛期には1600通強の回答を集めました。

これは、県内紙や行政のアンケートにも引けをとらない回答数ですので、その集計結果等は、岩手県政を考える上で、大いに参考になるものだということは、特に強く述べておきたいと今も思っています。

ちなみに、ある年の大会で、私がアンケート分析の発表をした直後にパネルディスカッションになったのですが、冒頭で感想を聞かれた某知事が、ご自身の癇に障る内容でも含まれていたのか、アンケート結果について冷淡な感じのコメントをなさったことがありました(私の見る限り、集計結果も分析内容もそのような内容ではなかったのですが)。

その際は、パネリストである理事長さんから知事に「多くのJC会員が苦心して集めたアンケート結果に敬意を表しないとは何事だ」などと気概を見せていただければなぁと思ったりしたのも、懐かしい思い出です。

ところで、さきほどから書いているように、私は平成19年、21年、23年の3回に亘り、マニフェスト検証大会を担当する委員会に所属して、設営やアンケート調査に関わってきました。

最終年である今年も、2期目の達増県政の中間年として、平成21年と同様に検証大会が行われなければならない年であり、私自身はそれを最後の置き土産として卒業するつもりでいたのですが、どういうわけか、今年はこのイベントを行わないことになったそうです。

その原因が奈辺にあるのか、達増知事からクレームでも来たのか(たぶん違うでしょう)、もはやマニフェスト選挙が流行らないということで、JCの上層部の方々がやる気をなくしたのか、単に、当時を知る人が私を除き誰もいなくなってしまったというオチか、はたまた何らかの特殊事情でも生じたのか、万年下っ端会員の私には、真相は分かりません。

が、少なくとも、2年後の知事の任期満了の際には、公約の検証に関する何らかの事業を行っていただきたいことを、私を含むこの事業に携わってきた少なからぬ方々からの遺言として、JC関係者の方々に述べておきたいと思っています。

(2013年2月22日)