北奥法律事務所

岩手・盛岡の弁護士 北奥法律事務所 債務整理、離婚、相続、交通事故、企業法務、各種法律相談など。

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2021年

令和2年の取扱実績②債務整理・倒産、交通事故等(賠償)

前回に引き続き、令和2年の業務実績(従事ないし解決した紛争の概要)を、守秘義務の範囲内で簡単にまとめました(全3回)。依頼先の弁護士を選定する際に参考にしていただければ幸いです。

(3) 債務整理と再建支援

10年以上前(リーマンショック期)と比べて、自己破産、個人再生、任意整理とも受任件数は大幅に減り、新型コロナウイルス禍の中でも、この傾向は大きく変わっていません。

ただ、本年3月まで社会福祉協議会の相談担当をしていたせいか、「総債務額は大きな額ではない(100~200万円未満)ものの、僅かな収入しかない又は無収入のため自己破産をせざるを得ない方」からの受任は一定数ありました。他にも、「複数の銀行などに300~400万円程度の借入があり、他にも住宅ローンの返済中で、住宅を維持しつつ債務を圧縮するため、個人民事再生の手続を利用する方」の依頼があり、また、「諸事情により法的手続を希望せず、リスケジュールのため任意整理を希望する方」の依頼もあります。

近年は10年以上前に借りた債務を滞納していた方が最近になって請求を受け、消滅時効などにより解決を求める事案も幾つかあります。
 
昨年も、債務額などに照らして民事再生又は自己破産の手続をとるべき債務者の方が、インターネットで広告を展開する東京の弁護士などに安易に任意整理(リスケ)を依頼し数ヶ月ほど委任費用を支払ったものの、結局、支払継続が困難となり、後日に当事務所に相談し法的手続を依頼する(ので、当初から当職に依頼していれば負担せずに済んだ多額の委任費用を前代理人に支払うだけで数ヶ月を空費した)というケースを経験しています。

昨年、過払金の巨額横領が発覚した「東京ミネルヴァ法律事務所」問題のように、解決のための方法選択(依頼先の選定を含め)を誤ってしまうと、費用の無駄に限らず後日に様々な問題が生じますので、そうしたことも視野に入れて早期のご相談をご検討ください。
 
企業倒産(破産管財)に関しては、昨年は「企業の管財事件」の受任はなく、小規模な企業の代表者個人のみの破産申立事案の管財人を担当した程度でしたが、中には、企業の関係者に様々な問題があり、労働者健康福祉機構への未払賃金立替請求が正当な理由なく行われていると判断され、それに対する対応に苦慮するなどした案件もありました。

申立代理人としては、震災後、辛うじて経営を続けていた小売業の会社さんがウイルス禍により継続を断念し事後処理を依頼された案件があり、商品売却などの目処をつけた上で、会社及び代表者双方の申立を行っています(特殊な事情があり、最初は代表者のみの破産申立を行い、後日、裁判所の勧告により会社の破産申立も行いました)。

今後はウイルス禍の長期化により倒産増加が懸念されており、小規模飲食店の経営者の方から営業不振による事業閉鎖を前提とした相談を受けたことが複数あります。

また、昨年から「金融機関(銀行等)にのみ高額な債務を負っている企業及び代表者に関し、適切な方法で相応の弁済を行うことと引き替えに自己破産を回避し、破産のルール(99万円)を上回る資産を継続保持するための制度(経営者保証ガイドライン)」を活用して解決すべき事案の依頼を受けています。金融機関の内諾を得て昨年中に概ね順調に換価作業などを終え、現在、弁済計画を策定し、交渉の山場にさしかかっています。

新型コロナウイルス禍のため残念ながら経営継続が困難となった方の中には、この制度を利用して債務問題の解決を図っていただくのが望ましいケースが多くあります。あまり知られていない制度ですので、ご留意いただき、知人などで必要とする方がおられれば、伝えていただければ幸いです。

個人の方の破産管財でも、免責不許可事由の調査を要したケースや山林の換価が問題となった案件などを担当しています。

(4) 事故等による被害の賠償等の請求や防御に関する支援

昨年も、交通事故の被害者側での受任事件が多数あり、そのほとんどの方が、ご自身が加入する任意保険の弁護士費用特約により、本来であれば数十万円からそれ以上を要する弁護士(当職)への委任費用について、自己負担なく利用されています。

受任の内容も、過失割合(事故態様を巡る事実関係と評価)が主たる争点となる事案物損の金額が争われる事案むち打ち症(頚椎捻挫など)に基づく人身被害の賠償額算定が中心となる事案重度の後遺障害が生じて多様かつ多額の損害の算定が必要となる事案など、幅広く取り扱っています。

過失割合が争点となった物損事故では、1審(簡裁)で納得できない判決を受けたため、控訴したところ、2審(地裁)で、1審を取り消し当方の主張も踏まえた新たな過失割合の勧告を得て、了解可能な和解で終了できた案件もありました。

事故直後など、加害者側の示談案提示前の時期から受任して後遺障害の認定申請なども含めた支援を行う例も増えており、「神経障害に関する後遺障害(14級9号)」をはじめ、幾つかの後遺障害につき、認定を受けるための調査や医療機関への照会などを行いました。

ともあれ、自動車保険などでは、必ず弁護士費用特約が付された任意保険にご加入ください(相談のみの特約に加入される方もおられるようですが、必ず委任費用を対象とした保険にご加入下さい)。近年、弁護士費用特約(保険)は、企業クレーム対応や労働事件、家事事件(離婚等紛争)などにも導入されており、活用をご検討ください。

 

令和2年の取扱実績①全体、中小企業法務

当事務所では年1回、前年の業務実績の概要を顧問先に送付した上で後日にブログで公表しています。顧問先には5月に送付しましたが、諸々の理由でブログへの掲載が遅れ、いつの間にか年末になってしまいました、

が、このまま越年するのもいかがなものかということで、今更ながら、昨年=令和2年の実績概要をお知らせします。本年=令和3年の実績概要は、来年の中頃?までお待ち下さい。

当事務所WEBサイトの「取扱業務」に基づいて分類し、3回に分けて掲載します。依頼先の選定などの参考としていただければ幸いです。

(1) 全体的な傾向など

当事務所は、①交通事故などの各種事故(主に被害者側からの賠償請求)、②離婚や相続など家族・親族間の紛争や各種法律問題、③企業倒産や個人の債務整理、④企業の取引や内部紛争、⑤個人の方に関する各種の民事上の法律問題などに関する様々な紛争の解決や法的処理のご依頼に対応しており、昨年も、この5大分野が業務の柱となっています。

ここ数年は①と②の受任が多くなっていますが、他にも企業の深刻な内部紛争や個人間の各種の民事訴訟など、様々な事件の解決やご相談の対応にも注力しています。

(2) 企業・団体の業務や経営上の法的問題に関する支援

企業取引に関する問題では、企業間の賃貸借に関する紛争や競業企業との対人トラブルに関して対処した事案のほか、従前から取引等のある企業間で不当とみられる金銭等の要求があり、要求を受けた側の依頼で、支払拒否や既払金返還請求などの対処を行っている案件があります。

これは、α社のA社長がβ社のB社長に勧めた商取引に関連し、豪腕経営者のBが、Aの勧めに応じる代わりにAに過当な要求を行い、立場の弱いAが念書に応じてしまったところ、後年にBから膨大な金額の請求を受けたため当職に支援を求めてきたものです。BがAに差し入れた念書は、内容の不当さもさることながら、法律上も多額の金銭請求が認められるべきではない(道義的念書に過ぎない)と感じられる案件です。

そこで、A側の依頼により、B側に対し支払拒否や正当な理由のない既払金の返還を求める訴訟を提起しましたが、Bも総力を挙げて対抗しており、厳しい対立の中、現在も予断を許さない状況で審理が続いています。
 
企業の内部紛争に関しては、「小規模な企業の経営者Bに頼まれ中途就職したAがBから企業承継(買取)を要請されて応じたものの、後日、Bに不正行為が発覚したとして、Bの法的責任を問う必要が生じた事件」を3年ほど手がけており、1審で概ね全面勝訴し、2審でもその判断が維持された勝訴的和解が成立しました。

この事案は、債権回収に様々なハードルがあったのですが、工夫や調査を重ねたところ、運良く「隠し財産」を発見し、無事に強制執行で判決に基づく全額を回収することができました。

また、特定の事業を営む自営業者の団体A(権利能力なき社団)が高齢従業員Bに対し様々な事情から定年時の再雇用拒否を行ったところ、Bが、Aの前代表者(団体の総会で退任した方)が退任前にBに定年後の雇用継続を約束したなどと主張し、地位確認等請求の訴訟を起こしてきた事案を受任しています。

この件は、Aが零細自営業者の集まりで労働法等のルールに通暁していないことや団体の事情からA側にも一定の不手際がみられたものの、様々な事情を立証し定年後再雇用の合意がなく、労働契約法19条の類推適用なども認められるべきでないと主張したところ、Bが自らの主張を撤回し、当方の主張どおりの勝訴的和解により終了できました。
 
また、以前に共同経営していた親族同士が数十年前に分離して互いに単独で企業を経営していたところ、近年になって重大な問題が発覚し、複雑な法的論点が生じて訴訟を余儀なくされ、過去の様々な経緯から、双方が激しく対立する事案を担当し、本年、第1審で無事に勝訴判決を受けました(先般、控訴審で当方の勝訴的和解がなされています)。

また、企業内部の事柄(法的事務処理)として「会社の大半の株式を保有する株主が、ごく僅かな比率の株主から強制的に株式を取得するための手続(会社法179条に基づく株式等売渡請求)」を受任し、本年、無事に手続を完了した案件があります。

 

閉伊!閉伊!閉伊!今こそ起こせよムーヴメント

三陸方面の記事を見ているうちに、突如、替え歌を思いついたので、思わず載せることとしました。

***

閉伊! 閉伊! 閉伊! 今こそ起こせよムーヴメント

がっつり津波を被りもしたけど
ミライ見てるから 被災地イメージ捨てるよ

自分が動き出さなきゃ 
何も変わらない街で
何かを叫んで歪みを壊せ!

Wow WowWar WowWar tonight
Wow WowWar WowWar forever・・

***

昨年に宮古振興局の相談担当を終えた後、本年度は沿岸に仕事で赴く機会を全く得ておらず、また、何らかの関わりやお役に立つ機会を持つことができればと願っています。

ともあれ、空腹の方は、宮古の瓶ドン定食をどうぞ(写真は、昨年5月に宮古市内の飲食店でいただいた際のものです)。

   

岩手のご家庭・子供達が「二月の勝者」を視る意義と函館へのお誘い

東京の小学生の中学受験を描いた人気漫画「二月の勝者」がドラマ化され、先週から放送がはじまりました

1年前に、函館ラ・サール中学校に子息を通学させている保護者の方の依頼で、引用の記事をブログに載せたことがあります

岩手の大半のご家庭にとって、お受験は異世界なのかもしれませんが、敢えてそこに叩き込む素養がある(と思いたい)お子さんがいらっしゃる方は、こうした世界にチャレンジなさってもよいのではと思います。

岩手の場合、大学付属中などもありますが、男児に関しては、函館ラ・サール中学も選択肢として考えていただければ幸いです。

今年も、10月30日(土)に盛岡で説明会があるそうです。

数年前この学校に進学した後、本作で描かれる(であろう)何人かのお子さん達のように、入学前は夢ですらなかったであろう栄冠を目指して、今も努力を続けている少年を知っています。

それに続いてくれる子が、岩手からも、より多く誕生してくれればと願っています。

中小・零細企業の事業承継や事業譲渡と弁護士への相談等を巡る地方の実情

昨日の岩手日報で、県内企業の4社に3社が事業承継を経営課題ととらえているとの記事が出ていました。

先般も、ウイルス禍の関係で全国的に小規模事業者の事業譲渡等(M&A)が増えているとの記事を見かけています(今は削除されてしまったようです)。

私も、少し前、関与先の会社さんの事業譲渡に関する株主総会の特別決議のための総会招集などのお手伝いをしたことがあります(諸事情により、総会も当事務所で行いました)。

その事案はさておき、一般論としては、小規模企業の事業承継、M&Aなどでは譲渡側企業に何らかの法的課題が生じていることが多いので、

①購入側は一定の情報・資料が揃った時点で何らかの法的リスクがないか調査する、

②譲渡側も、事業以外の点(相続対策など)も含め、事業や経営者の現状・概要をまとめて、現時点で行っておくべき方策がないか調査する、

という形で、(高額報酬になるのであろう東京の専門の弁護士さんだけでなく)我々のようなフツーの弁護士にも相談等いただいてよいのではと思います。

我々は、事業自体の値段の査定をするのは難しいでしょうが(それは会計士さんなどの仕事)、リスク査定やそれを踏まえた対策などを提案或いは対処すること(価値の変動要因の指摘を含む)は、マチ弁の通常業務を通じて日常的にやっているはずですので。

M&A会社などから一定の調査資料の提供を受けられるなら、それを預かり精査すれば、基礎的なコメントは、すぐにできそうな気がします(事前準備が適切になされていれば、タイムチャージ費用もさほど高額にならないケースが多いでしょう)。

これに対し、とりわけ譲渡側で、それら資料が何もない(ご自身も資料等の準備もなさらず相談にいらした)という場合は、基礎的な聴取等だけで馬鹿にならない時間=経費を要することになりそうなので、準備・聴取用のマニュアル的なものがあればと思ったりもします。

5年以上前、県内の小規模事業者の方から

「自分の事業を譲渡したい、貴方は役に立ってくれるか」と相談され、

「事業に値段を付けたり買い手を探すなどの作業は私にはできないので、M&A会社に相談して下さい。ただ、それを通じて一定程度まで話が進み資料が揃えば、それらを拝見して内在する法的な問題の検討や事業評価のあり方も含め、役に立てることはあると思います」

と回答して終了したところ、結局、その後アクセスを受けることはなかったという経験をしたことはありますが(営業的には落第点ということになるのでしょうか)、そうした形で弁護士を活用する文化・慣行を育てていただければと思っています。

何年か前に、岩手県議さん達と弁政連岩手支部との懇談会でも、似たような話をした記憶があります。

が、その後、県議さんからは、誰一人、「詳しい話を聞かせて」「支援者の相談に乗ってくれ」などとと打診されることもなく、今日も、ほそぼそとマチ弁仕事に明け暮れているところです。

「河野首相」と「岸田首相」が過去に辿った道と政界大乱の予兆?

前回「菅義偉首相(菅政権)は、政治家としての来歴から政権の誕生経過まで鈴木善幸政権に酷似している。世界規模の論点に苦しんだ末に解散総選挙ができないまま政権運営に行き詰まり退陣した終幕まで、鈴木首相にそっくりだ。このまま河野行革相が首相に上り詰めれば、鈴木退陣→中曽根政権誕生の再現になる」と述べました(退陣表明の直後に、FBで述べたのが初出です)。

ただ、鈴木首相は「解散しようとしてできなかった」のではなく、それ以前に力尽きた感がありましたので、そこは相違点と言えます。

そして、首相が衆院解散を模索して色々ともがいた末に政争に屈して行使を封じられ退陣に至った光景は、「重大な決意」が流行語にもなった海部俊樹首相に近いように思います。

同世代又は少し上の方は覚えておられるかと思いますが、海部首相の退陣後は、宮澤喜一氏、渡辺美智雄氏、三塚博氏の三者が名乗りを上げ、当時、権力の絶頂にあった小沢一郎氏による「竹下派面接」を経て、同派の支持を得た宮澤首相が誕生しました。

で、その後の展開はと言えば、ご承知のとおり、政治改革(選挙制度改革=小選挙区等の導入)と竹下派の主導権を巡る抗争が勃発し、自民分裂と宮澤政権の倒壊→非自民8勢力による細川連立政権の誕生→そして政権が長続きしない(が、小沢氏が政争の中心であり続けた)混乱の時代が続きました。

若い世代は日本の政治に対し小泉首相と安倍首相の長期政権の印象が強いかもしれませんが、我々の世代は、この2政権と中曽根政権だけが例外で、あとは、首相がコロコロ代わる政争期の方が大半、というイメージを持っているのではと思います。

で、なんでこの話をしたかと言えば、私は菅政権の発足時に、ブログで

「三角大福混乱期→ひと呼吸の鈴木内閣→中曽根安定期」という流れと対照的に、「安倍安定期→ひと呼吸の菅内閣→政界大混乱へ」との展開もありうるかも

と書いたことがあり、案外、こうした展開(混乱の時代)になるかもしれない、という感じもしています。

言い換えれば、現時点で世間の人気の高い河野氏が首相になり、辣腕を振るって実績を出し高支持率を維持できれば、「中曽根首相の再来」のような再安定期になるのかもしれませんが、そうでなければ、大政争が控えているのかもしれません。

そう考えると、ご本人にとっては不本意かもしれませんが?岸田氏と宮澤首相は、共に「宏池会のプリンス」である(ご出身も共に広島で当然ハト派)だけでなく、温和そうな人柄や政策には相応に通暁しつつ権力闘争を勝ち抜く嗅覚や決断力、国民の統率力などに不安を感じないこともない、などの点で、よく似ているような感じがします。

ですので、岸田氏が「ベテラン(老骨)世代」の大物政治家たちの支持により首相となった場合に、世代交代の対決であるとか憲法云々とか何らかの重大論点を巡り自民党内に深刻な対立が起きたときは、自民分裂など大政争がありうるのかもしれません。

まあ「岸田首相になれば自民分裂になる」などと予言されても、岸田氏にとっては大迷惑この上ないでしょうから、宮沢首相が果たせなかった大宰相の道を目指して頑張っていただければと思います。

ところで、現時点でもう一人の候補者・高市早苗氏ですが、ご自身は無派閥ながら安倍首相=清和会の支持を受け(ように見える)、党内の強硬右派?が信奉する主張を掲げておられるところは、「小沢面接」の総裁選に即して言えば、三塚博氏に似ています。

若い人には通じない話でしょうが、三塚氏は、議員時代の石原知事などが立ち上げタカ派的な主張で知られた若手グループ「青嵐会」に所属しており、その点でも若手時代からタカ派の論客で知られた高市氏と共通点があります。

これに対し、世間の人気のある河野太郎氏は、上記の例ならミッチーこと渡辺美智雄氏に重なって見えます。

ですので、今回の総裁選は「鈴木退陣の再現」なら河野首相となり、「海部退陣の再現」なら岸田首相となると言えます。

さすがに、どちらになるかの予言までは私にはできませんが、昔の政治抗争史を多少とも勉強すれば、今回の政治抗争もより深みのある見方ができることは、ご理解いただけるのではないかと思います。

私も社会に何事もなさぬまま無為に老骨組に片足突っ込んだ状態になりましたが、できることなら、若い世代の方々にこうした話をお伝えし、政治や社会に思索を深めていただくお手伝いができればなぁ、と遠い目をしているところです。

まあ、私、FB友達に若い世代の人、ほとんどいないんですけどね・・(ブルック風に)

あと、ここで書いたことは全て菅首相の退陣直後に脳裏に浮かんでいましたが、これまで本業で余裕がなく、今日まで投稿できませんでした。

同じような見解を披瀝された方の記事をまだ拝見したことがありませんが、Web等で、このような見解を述べている記事などは存在するのでしょうか?

 

菅政権の幕引きと、またしても鈴木善幸内閣の既視感

菅総裁の誕生時に、首相の来歴や政権の成立過程は鈴木善幸内閣によく似ていると投稿したことを覚えている方もおられるかもしれません。

鈴木首相は自ら総選挙の陣頭に立つことなく幕引きとなりましたが、このまま菅首相が辞任となれば、

内部調整は得意だが対外問題に慣れていない方が、世界規模の問題(当時は冷戦と外交、現在はウィルス等)に翻弄され、力尽きて解散もできず終幕を迎えた

という点でも、鈴木内閣と共通点を持つことになります。

もし、来る総裁選で河野太郎行革相が勝ち上がる展開になったときは、後継という点でも、鈴木内閣の完全な再現となります(引用ブログの次の回を参照)。

ともあれ、野次馬(ノンポリ無党派)の立場では見応えのある?展開になってきたのかもしれません。

個人的には、懲りることなく、上記の引用記事のとおり、次期内閣では山下貴司外相→いずれは総理、に期待しています(笑?)。

TVで拝見する限り、ここ数ヶ月の菅首相は、かなり疲労が蓄積されているように見えました。色々と批判もあろうかとは思いますが、隣県人として、お疲れさまでしたと申し上げたいと思います。

大きすぎる弁当とマイ保冷袋~某ルーペのCM風に~

新型ウイルス禍により、私が所属する盛岡北RCでも昨年から今年の前半にかけて例会の大半が休止となり、再開後は今も会場で食事ができず、延々と「弁当持ち帰り」が続いています。

感染予防対策の面からはやむを得ないのかもしれませんが、私は食事は温かいものをその場で頂戴したい(要するに弁当嫌い)上、持ち帰り云々の手間は増えるわ、夏場は立派な保冷袋と保冷剤が毎回付いてくるので、捨てるのも勿体ないし、他に再利用するのも困難ということで、ただただゲンナリさせられています。

盛岡北RCの例会は、ホテルメトロポリタンニューウィングの11階の大広間を20~25名で利用しているので、座席同士も十分な距離が保たれている上、ご年配の方が多いせいか、以前から、黙食気味(よく言えば、大人しい)の伝統があるため、黙食厳守で会場で食べさせて欲しい・・と思わないでもありません(昔、一度だけお邪魔した盛岡RCは、これと真逆の三密+喧噪の空間でした)。

が、現状では会食は無理との慎重なご判断に異を唱えるわけにもいかず、トホホと思いつつ、ここ3ヶ月ほどは毎回、弁当の持ち帰りをしてきました。

ただ、7月以後、品質保持のため毎回付いてくる保冷袋等(1回200円?)の無駄遣い(使い捨て)はどうにかならないのだろうかということで、某ルーペのCMを拝借して、思うところを少し述べることにします。

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ニューウィングの弁当は
大きすぎて事務所の電子レンジに入らな~い!

毎回もらう保冷袋と保冷剤も
溜まりすぎて置き場所がな~い!

でも、保冷袋はこうすればいいんです。
マジックでキュキュッと自分の名前を。

あとは、毎回、保冷剤と一緒に例会に持って行くだけ。
こうすれば、もう、袋も保冷剤も溜まりません。

ちょっと見ていて下さいね。

(お約束のシーンとキャアの一声)

凄い!この保冷袋、何回座っても大丈夫!
この強度、さすがメイド・イン・ジャパン!

~大歓声~

・・・で、弁当の方は?

中のプラ容器をハサミでチョキチョキすれば、
どうにか電子レンジに入りそうだと、
先日、食べ終わった後に思いました・・

凄いデカいぜ!
ニューウィングの例会用持ち帰り弁当!

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すると、本日の例会で、市内の感染拡大等の事情がない限り、来月からは会場での食事が再開されるとの発表がありました。

ようやく弁当持ち帰りの日々から解放されることになったと安堵していますが、東京などでは、現在も、弁当持ち帰り形式で例会を行うRCその他の団体が多く存在するのではと思われます。

立派な保冷袋を弁当と一緒に貰って帰る全国のロータリアンなどの皆さんは、ケチでビンボー・・・もとい、SDなんとかの実践のため、マイ保冷袋の持参運動に参画いただければ幸いです。

マイ保冷袋と大きすぎる弁当はコチラ。

  

東京五輪の「違法な弁当大量廃棄」と食品ロス削減推進法などの改善を求めて

新型ウィルス禍に起因する東京オリンピックの無観客化に伴い、ボランティアへの食事の提供が不要になったことを理由に、1日数千食分の弁当が無駄に廃棄されたという記事が出ていました。

しかし、記事でも述べられているとおり、2週間(以上)前から発注(提供)不要・廃棄必至と予測できたはずで、製造中止等の措置を講じなかった五輪組織委は、食品ロス削減推進法5条(事業者の努力義務)に違反したというべきでしょう。

また、東京都や23区などは、事前に事態を把握して弁当等を引き取り「五輪食堂」などと称して貧困世帯などに提供することもできたはずで、同法19条(未利用食品の貧困者等への提供のための行政側の措置義務)にも違反するというべきだと思います。

残念ながら、食品ロス削減推進法(令和元年制定)にはロス削減の実効性を担保する強制的な制度はなく、同法上(公法上)は、組織委であれ行政云々であれ、誰かがペナルティ(行政命令、刑罰など)を課されることはありません。

しかし、弁当云々に限らず組織委ないし今回の五輪に対し指摘された様々な問題に照らせば、弁当大量廃棄を理由に組織委の誰かが何らかの責任をとる(内部で自主的にそのような措置が講じられる)など、全く期待できません。

だからこそ、組織委(担当者等)には、予防に対する意識も全く無かったのでしょう(すべての杜撰は無責任に宿る)。

これを機に、大規模または悪質な食品ロスの防止の実効性を担保する制度や固有のペナルティ制度について、議論が深まって欲しいと思います。

例えば、

担当者と役員などに、断食の刑とか農家や弁当屋さんで無償労働の刑(公開つき)

などを導入すれば、多少は抑止効果があるのでは?と思ったりもします。

もちろん、より悪質な「飲食店の無断キャンセル」についても、食品ロス削減推進法違反という形で、警察が摘発しやすいように定めた特別規定を作るべきと考えます。

併せて、この種の無駄遣いの抑止のための賠償請求訴訟制度(日弁連が昔から提言している「住民訴訟の国版制度」)も、併せて考えていただきたところですが。

食品ロス削減推進法は「廃棄物の発生と資源の無駄遣いの防止」に関する法律であるという点では、環境省が所管すべきだったのでは?と思っていますが、どういうわけか消費者庁の所管となっています。

昔、日弁連廃棄物部会で食品ロスの問題を取り上げなくていいんですかと尋ねたところ、有力な先生に「うちの仕事じゃない。人権の問題じゃないから」と一蹴されたことがあり、今も残念に感じています。

SDなんとかに言及するまでもなく、この問題は、

①資源の有効利用等の点で、本来ならその食品を利用できたはずの現在及び将来の人類の権利の問題であり、

②国内外に飢餓を抱える人がいるのに、食品を粗末に扱い平然としている者がいるという点で、法の下の平等の問題であり、

③食事を作り提供する人の心を踏みにじる行為であるという点でも、人間の尊厳の冒涜であり、

④そして、原料たる動植物や作られた食事そのものなど、人にあらざる存在の尊厳(万物の尊厳)への冒涜でもある、

と認識しています。

それらを踏みにじる東京五輪に幸あれ!などと、つまらない便乗悪口を述べるつもりはありませんが、先日も賞味期限切れのレトルトカレーを一人寂しく食べていたケチでビンボーな身としては、こうした報道を機に、実効性ある制度の導入に向けた世論の機運が高まってくれればと思っています。

 

華麗なる孤食の夏と、京都・亀岡から岩手を考える

昨年3月に日弁連廃棄物部会の関係で、レジ袋禁止などの取り組みをしている京都府亀岡市に視察したことがあります。

その際、添付(末尾)のカレーを思わず購入しましたが、そのまま現在に至り、今となっては誰のため・何のため購入したのか分からない有様になってしまいました。

ともあれ、個人的な諸々の不遇感を嘆きつつ、我が身にも麒麟を待ち望んで一首。

あれこれの賞味期限が過ぎたので
カレー光秀ひとり喰う夏

盛岡は「みちのくの小京都」と自称?する街の一つですが、その比較で言えば、亀岡は「京都に隣接する農業王国で、近時はレジ袋禁止条例をはじめ先進的な取り組みが全国的に注目される街である」という点で、紫波町に似た面があるかもしれません。

「華麗なる光秀」は、亀岡駅前に最近できた京都スタジアム(当時は光秀大河展と物産館が併設)で購入したものですが、集合時間までの観光タイムを終えて館内フードコートで昼食をいただいていたところ、突如、30歳手前くらいの亀岡あんちゃんから、

そのブーツ、格好いいっスね、
どこで買ったのか教えて下さいよ

と話しかけられました。

いやぁ、10年位前に川徳で買ったバーゲン品ですよ、

と当惑しながら答えましたが、山国・丹波の入口に位置する亀岡の人々は、ケンミンショーで京都人が「礼儀正しいが腹黒そう」などと称されるのとは異なった、ぶっきらぼうで人懐っこい、良い意味での田舎人気質を残しているのかもしれません。

ちなみに、保津峡下りの若い船頭さん達も、大阪とも京都とも異なる、ビミョーなお笑いトークを繰り広げていました。