北奥法律事務所

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被災地支援

復興支援やらなイカ~稼ぐ弁護士会が被災地を変える?~

先日、岩手弁護士協同組合(弁護士会ごとに設置されている協同組合の岩手版)の総会があり、タダ飯(弁当)が食えるというだけの理由で、毎年同様、出席してきました。

その際、災害対策本部のY先生から、「全国の弁護士に向けて、被災地(沿岸等)の特産品の販売事業を行い、被災企業などの支援をして欲しい。他県の先生からも、岩手でそのような事業を行って欲しいとの声が上がっている。」との提言がありました。

この点、各地の弁護士協同組合の中には、数年前から自県の特産品を全国の弁護士さん向けに販売する事業を行っているものが幾つかあり、かなりの収益をあげている県(組合)もあるのだそうです。

これに対し、岩手弁護士会では、そのような話は全く実現しておらず、理事の方が仰るには、数年前に生鮮品の販売を構想して生産者の方と協議するなどしたものの、話がまとまらず立ち消えになったのだそうです。もし、震災以前から事業を始めることができていれば、震災の年などには、全国の弁護士さんから膨大な「支援購入」があったのだろうと思うと、残念でなりません。

で、結局、その会議では、特段の異論もないものの具体的な実施手段などが話し合われることもなく、執行部(理事長さん達)にお任せするという程度で話が終わり、どうなることやら(たぶん、そのまま来年の総会を迎えるのかなぁ?)といった感じがしています。

その際、私も雑談感覚で、「今、地方絡みの物販で一番ホットな話題は、ふるさと納税なので、全国の高額納税者の弁護士さん(最近は激減したかもですが)に、ふるさと納税とタイアップした被災地特産品購入を売り込んではいかがでしょう」などと言ってみましたが、思いつきレベルの発言のせいか、あまり相手にして貰えませんでした。

ところで、弁護士協同組合の商品販売に関しては、京都の弁護士協同組合が日本酒や帆布などのオリジナル商品を展開しており、中でも、「やっこさんは白だな」は、ニュースで取り上げられるほどのインパクトを残しています。

私も、「他のお店等でも手に入るような商品の販売」とか「(被災地支援のみを強調するような)善意のみに頼った販売方法」などというのは下策というべきで、京都弁護士協同組合を見習い、世間的にもインパクトないし話題性があり、かつ、購買意欲に訴えかけるような、商品(ネーミングを含め)の開発に尽力すべきではないかと考えます。

というわけで、こんな商品群を考えてみました。「こんな特産品は嫌だ」(鉄拳のパラパラマンガ風に)などと仰らずに、ご覧いただければ幸いです。

商品① 「復興支援やらなイカ」

イカ徳利など、三陸のイカ関連商品のセット。復興支援の意欲をそそるような商品の組合せ又は開発について、岡口基一判事と津久井進先生(兵庫県弁護士会。阪神側の震災問題の第一人者)に監修をお願いし、パッケージのデザインは中村真先生(兵庫県弁護士会)にお願いする。兵庫会と岩手会は被災地支援の関係で繋がりのある先生も多く、全面協力間違いなし。なお、元ネタが分からない方は、こちらをどうぞ。

商品② 「二重ローンを無くし鯛、僕は体重減らしタイ」

鯛を素材にした低カロリー食品を開発して販売。パッケージには、岩手弁護士会を代表する被災者支援の専門家であると共に、当会きっての巨漢である某先生にご登板いただく。中村真先生にイラストをお願いするのも良策。

商品③ 「カキ休廷中に、裁カレー」

県内産の鯖と牡蠣(真牡蠣)を組み合わせた激辛カレー。開発担当者いわく「裁判所の夏季休廷と、真牡蠣の旬が冬であること(夏は休み)を組み合わせると共に、裁判官がいないはずの夏季休廷中に裁かれる(判決が出る)などという、びっくりするような話に着想を得て、食べた人の目が飛び出る激辛カレーを作ってみました。」とのこと。仙台弁護士協同組合も金華サバと桃浦カキで同じ名称の商品を販売準備中との噂もあり、不正競争防止法などの適用を巡って、岩手会と仙台会で紛争勃発の事態も危惧される。

商品④ 「けいじ弁護も忘れずに~ブル弁の皆様へ~」

月に数本とれるかどうかの最高級希少種である「鮭児」を、東京の高級料亭の全面協力のもと解凍後も旨味を損なわない技術(特許出願中)を開発し、豪胆に発売。贅沢品のため、弁護士登録から長年に亘って刑事弁護とはご縁のない大手渉外事務所などのブルジョワ弁護士さんや、セレブなヤメ検の先生でないと購入は無理。富裕層の方々に普通のチラシを送っても訴求力はないということで、ヤミ金を参考に漆塗りの電報で勧誘するのもアリかも。

また、複数食材の組合せによるセット又は加工品として、次の商品も考えられます(解説省略)。

商品⑤ 「ワカいがメでたく成立し、当事者も裁判官も、よろコンブ」

商品⑥ 「異議あり! しょウニんには、誤導をサケて、カレイな尋問を」

以上のほか、アワビ、ホヤ、ホタテ、サンマなど、岩手を代表する他の食材群も、皆さんの駄洒落、ではなく、智恵と工夫に基づく商品化をお待ちしています。もちろん、「森は海の恋人」ですので、コラボ商品も含めて、魚介以外の県産品もぜひご活用下さい。

商品名などは、facebookで怒濤のごとく駄洒落攻撃をされている「ハードボイルド弁護士探偵」こと法坂一広先生(実は、研修所の同級生。リハビリ中とのことで、早期のご快癒をお祈りしています)にお願いしても良いかもしれません。ついでに次回作品に商品も登場させていただき、宣伝にも一役買っていただければ、なお有り難いことでしょう。

また、裁判所サイドからも、加藤新太郎もと判事(現・中央大ロースクール教授)にお出まし願えれば、業界内の話題沸騰という点で理想的と思います。

残念ながら、岩手弁護士協同組合が、自らこんな野心的企画?に身を投じる展開は期待できそうにありませんので、ぜひ、組合側に企画等を売り込んで牽引していただける企業さんに、ご登場いただきたいものです。

「まちづくり」の世界では、一世を風靡しているオガール紫波をはじめ、「稼ぐまちが地方を変える」と言われていますが、岩手弁護士会の「被災地支援活動」をML上で垣間見ると、相談者がほとんど来ない相談会に内陸から沿岸に往復で丸一日かけて若い弁護士さんを派遣するといった類の企画を散見するように感じられ、残念に思っています。

また、その派遣費用(担当者の日当)も、震災時に他県の弁護士さんなどから岩手弁護士会に寄せられた多額の寄付が原資になっていると思われ、それだけに、「他人のカネで、利用者=稼ぎがない企画を繰り返す」光景を垣間見ていると、「補助金を原資に一過性の企画ばかり繰り返しては、善意から従事する関係者を摩耗させ、衰退の道を辿っている全国の商店街」に類するものを感じざるを得ないと思っています。

現在、引用の書籍を拝読していますが、岩手弁護士会も、全国の弁護士さん達の寄付(いわば補助金)に依存して「支援活動」をするのでなく、自ら相応の収益をあげ、それを活動の原資とするだけの力がなければ、本当に社会を変えるだけの被災地・被災者支援はできないというべきなのかもしれません。

春の気仙みちと桃源郷

昨日は法テラス気仙の担当日でした。この日の岩手の桜前線(ソメイヨシノなど)は、盛岡は5分散り、花巻周辺はすでに散り際も多いものの、寒冷な遠野・宮守エリアの街道沿いの並木は満開~散り始めで、峠を下った住田町は散り際となり、大船渡に至るとほぼ葉桜、という状態でした。

反面、住田町内は新緑の開始時期で、山桜のほか芽吹いたばかりの新緑の淡い緑色や黄色、黄緑色などの多様なグラデーション(薄桃、薄紫の桜色を含め)が大変美しい状態にあるほか、街道沿いの民家には、桜かそれ以外(桃?梅?)か分かりませんが、満開になっている樹種も多く見られ、濃い桃色や赤みがかった花の様子なども楽しむことができました。

そのような空間を運転していると、視界全体に優しい色が広がり、優しさに包まれているような、まるで桃源郷にいるかの如き印象を受けました。

住田町は、観光地的な桜の名所というのは聞きませんし、ソメイヨシノ等の群木などもありませんが、狭隘な谷間を囲む山々の新緑のグラデーションは、春を描いた巨大な日本画の屏風絵を続けざまに見ているような印象があり、こうした美しい光景は、住田町に限らず、北上高地ならではという面があります。

住田町は、晩秋から冬にかけての気仙川の渓流も大変美しいのですが、こうした心地よいドライブコースは、もっと知られてよいと思いますし、見応えのある場所の展望場所の整備なども考えてよいのではと感じています。

昼食は大船渡の魚市場食堂でいただきましたが、デッキの間近では、冬はあまり見かけなかったような気もする無数の海鳥(ウミネコ又はカモメ)が羽ばたき、快晴の空や海の青さと鳥の白さのコントラストが心地よく感じられました。

桜並木が散った後の葉桜の光景は、どことなく寂しい印象がありますが、港町では、海鳥たちが、空に舞い散った桜の白い花弁が姿を変えたかのような趣で、その寂しさを慰めてくれるのかもしれません。

そんなわけで、最後に一句。

花ふぶき海鳥となる気仙桜

被災地・被害地の最近の法律相談とメンタル問題

先日、福島の浜通り(津波被災地であると共に、原発被害地でもある)で活動されている弁護士の方のお話を伺う機会があったのですが、その方は、現地の方々の多くが、メンタル上の問題(疾患等)を抱えた状態にあるということを強調されていました。

とりわけ、土木工事等が本格化している岩手・宮城と異なり、いつまでも先が見えない状態が続き過ぎているため、気持ちの面で挫けてしまう方が少なくないのだそうです。

また、原発賠償金を生活再建とはかけ離れた用途(パチンコ代等)で浪費してしまう人も一定数いるという話も出て、その原因として、そうした自身の将来の見えない状態が続くことが心を蝕み、そうした方向に流されることの原因になっているのではないかとのお話もありました。

岩手でも、震災から間もない時期には、義援金等をそうした用途に費消している被災者が一定数見られるという話題が出ていましたが、震災1年目頃のことで、さすがに現在では全くと言ってよいほど聞きません。

それだけに、そうした話題が現在も出ているという福島の現状には、時が止まっている(原発のせいで時が止められている)かのような印象を受けます。

ただ、現在の岩手の被災地でも、メンタルの問題を抱えた方が少なくないという話題は、よく出ているように思います。私自身、震災直後から月1、2回の頻度で沿岸に通い、2年ほど前からは法テラス気仙の担当をしていますが、メンタル面の問題を抱えた方から相談を受けることは珍しくありません(自己申告がされる場合もありますし、一見してそうした印象を受ける方も少なくありません)。

そうした「比率」は、盛岡よりも遥かに高いと感じますし、震災直後には、被災地でもその種の問題を抱えた方の相談を受けたことはほとんど無く、年を追うに連れ増えてきているという印象はあります。

ざっとした印象論ですが、街全体が巨大土木工事の現場となって変貌を遂げつつある中で、そうした「新たに出現する街」に感情移入できず、まして、そうした営みからは疎外されている一部の高齢者や若者など(いわゆる弱者層)に、メンタル面での問題が生じているのではないかと感じます。

その点で、少なくとも岩手の被災地では、そのような層に疎外感を抱かせることなく、震災後の社会の一員、担い手であるという意識を涵養する工夫、仕組みなどが、強く求められているのではないかと思います。

相談内容に関しては、震災そのものがダイレクトに論点になっているもの(震災関連死とか私的整理GLのようなもの)は少ないものの、何らかの形で震災が関係しているものは珍しくないと感じています。例えば、企業関係のトラブルなども、震災後に復興等のため立ち上げた事業や法人に関する話であることが多いように思われます。

ところで、先日の法テラス気仙の担当日には、盛岡では著名なラーメンチェーン店「宝介」の大船渡店に初めてお邪魔したのですが、同店のみのオリジナルメニューである「さんま味噌ラーメン」をいただきました。

食べてみて驚きましたが、大船渡の有名店「黒船」のような「サンマで出汁をとったラーメン」ではなく、サンマそのもの(一本のサンマをグツグツに煮込んでいるようです)というか、サンマの味が全面に出ており、「ラーメンの形をしたサンマ」を食べているような感じでした。

私は、サンマの匂いが苦手な人にはあまりお勧めしませんが、反面、サンマが大好きな方や、「他のどこにもないようなサンマ味のラーメン」を食べたいという方は、一度、召し上がって損はないと思います。写真はありませんが、こちらのブログをご覧いただければ、イメージが掴みやすいと思います。
http://sanriku-ofunato.blogspot.jp/2013/05/blog-post_654.html

最後に、食後に赤崎エリアから撮影した大船渡湾と、尾崎岬から太平洋側を撮影した写真を掲載して、締めくくりとさせていただきます。

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震災復興とインフラツーリズム

昨年10月の日経新聞で、新たな旅行形態(ニューツーリズム。産業施設観光やエコ・グリーン系、健康・医療系など)の一つとして、土木構造物の建設現場を見学する「インフラツーリズム」なるものが取り上げられており、例として、高速道路のジャンクション建設現場のツアーが紹介されていました。

それを見て、すぐに思い浮かんだのは、被災地では、現在、三陸道や防潮堤、嵩上げ工事や高台の造成、各種建造物の復旧・新造など、至るところで様々な工事が行われたり計画・準備されたりしていますので、それらを見学できるツアーを現地で提供しても良いのではということでした。とりわけ、震災の風化や関心低下等が叫ばれて久しい状況にあるのですから、そうしたことで遠方の方々の関心を喚起する意義は大きいのではないかと思います。

また、インフラ見学に限定する必要はないでしょうから、建設現場と地元の自然景観等の鑑賞を交えたツアーを販売しても良いと思います。私は法テラス気仙の担当のため月1回のペースで大船渡に行っているのですが、大船渡湾は、嵩上げ等の復興土木工事現場だけでなく、太平洋セメントの巨大工場もありますので、これを洋上から鑑賞したり被災廃棄物の焼却等を見学するツアーでもあれば、「期間限定」の希少価値も相俟って、工場萌えの人々が押し寄せるのではないかと思います。

また、湾岸クルーズ船のコースとして、大船渡湾の牡蠣養殖棚を間近で見学したり(いっそ、その場で食べさせたりとか?)、余勢を駆って大船渡のシンボル・穴通磯なども間近で鑑賞できれば、そうしたものを見たい人にも大いに需要があると思います。国道45号線に沿って坂の上に街が広がる大船渡町周辺の光景も、参加者に心地よさを提供することでしょう。

もちろん、本格的にインフラツアーをしたい方には、三陸道の工事現場や隣の陸前高田の一本松のすぐ隣で大々的に行っている巨大コンベアーや嵩上げ工事現場なども視察し、本気度の高い方々にはオプションで地元関係者との意見交換企画なども付加すればよいと思います(冗談抜きで、地元関係者の会合を見学し議論に参加できるツアーなどもあってよいと思います)。

例えば、地元自治体などが企画して最初に地元や首都圏などのカメラマンや旅行業者、学術関係者などを対象にツアーを行い、宣伝して貰ってもよいのではないかと思うのですが、どうでしょう。

なお、この程度のことは、既に多数の人が考えているのだろうと思ってネットで「インフラツーリズム 被災地」と入力して検索したところ、残念ながらというか、国交省の東北地方整備局の文書が出てきた程度でした。
http://www.thr.mlit.go.jp/Bumon/B00097/K00360/guide-tohoku/guide-t3.pdf

先日、法テラス気仙の担当日で市内を少し自動車で廻った際、屋形船が就航しているという看板を見つけました。今年の3月から始まった企画とのことですが、単なる観光事業としてだけでなく、上記のような「震災復興のインフラツーリズム」のツールとしての活用や小型船の導入なども考えていただければと思います。
http://www.55027104031.com/

地元関係者の奮起を期待したいところです。

坂の街・大船渡の景観を考える

現在も、法テラス気仙の担当の一人として、月1回のペースで大船渡に通っています。宮守ICの開通後は、交通状況次第では2時間弱で大船渡に到着でき、渋滞問題もほとんどありませんので、気持ちの上では宮古市よりも近い(移動時間という点では、沿岸では盛岡から最もアクセスがよいのでは)と感じるところがあります。

先日は、再建した大船渡魚市場の食堂がオープンして大盛況になっているとのニュースを見ていたので、是非と思って行ってみたのですが、30分待ちということで時間的に断念し、テラスの眺望だけ拝見して帰りました。場所柄、大船渡湾が一望できますので、この景色を見るだけでも十分に立ち寄る価値はあると思います。

ところで、大船渡市の中心部(主に盛~大船渡地区)は、大船渡湾を囲むようにして坂の街が形成されており、対岸(赤崎地区など)から見れば、坂に沿って建物が林立している景観を楽しむことができます。

このような「港に沿って形成された坂の街」は、瀬戸内海や地中海、或いは長江中流域(重慶~三峡ダム。平成11年の夏に行ったことがあります)などでは珍しくないと思いますが、岩手ではとても珍しく、それ自体、景観としての価値があると言ってよいのではないかと思います。

小規模な港町を別とすれば、岩手の他の沿岸都市は、いずれも北上高地から各地の沢水を集めて流れてくる河川の河口付近に出来上がった細長い平野部(扇状地)に形成されており(宮古、釜石が典型で、ご無沙汰していますが久慈も同じような感じだったと思いますし、陸前高田も細長くはありませんが気仙川河口の扇状地という点は同じでしょう)、街の景観(地勢)という点では、大船渡は岩手的には異彩を放っているように感じます。

その点は、大船渡湾が外洋から深く入り込んだ形状をしており、湾内が比較的穏やかな海になっていることも関係しているのではないかと思われます。

ともあれ、大船渡を訪れて中心部周辺を周遊していると、この街は、もっと坂の街としてのアイデンティティを押し出し、その景観を市街地形成や観光等に活かすべきではないかと感じられます。

例えば、対岸=赤崎地区に、景観を楽しめる南欧・地中海料理の飲食店など出店してはいかがかと思うのですが、どうでしょう。この地区は、中心部からは若干離れているものの、質が高ければ客が殺到するのは、同じく中心部からは離れていると言って良い魚市場食堂が証明していると思います。

岩手弁護士会の公害対策環境保全委員会では、地元の景観資源に関し地元の弁護士として何らかの貢献ができないか模索しており、法規制や運用などを通じ、こうした事柄にも関わりを持てればと思っているのですが、何のツテもスキルもなく、どうしたものやらです。

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区画整理を巡る訴訟と被災地の法的需要

先日、区画整理に関し、施行者たる自治体から特定の行政処分を受けた方が、その処分が違法であると主張し争う趣旨の手続の依頼を受け、行政不服審査請求に加え裁判所への取消訴訟提起と執行停止の申立を短期間で一気に行うという経験をしました。

区画整理に関しては、被災地の高台移転を始めとする様々な復興事業の関係で、沿岸部では大々的に行われているところですが、今回、お引き受けしたのはそのような事案ではなく県央部のもので、10年以上に亘る様々な事情を経て自治体側が事業の執行に動き出したところ、当方依頼主の権利、利益が蔑ろにされていると主張し、衝突に至ったという流れを辿っています。

ともあれ、照応の原則という区画整理では最も争いの対象になりやすい問題が主たるテーマになっていることなどから、事件自体は悪戦苦闘という面はあるものの、区画整理紛争の基本的な対応の仕方を学ぶという点で、色々と参考とさせていただいています。

そうした意味では、今後、被災地などで区画整理紛争が生じ、弁護士の支援が求められることがあれば、お役に立ちたいとの思いは持っています(ただ、費用対効果等との両立などで悩むことが多いかもしれませんが・・)。

ところで、前記のとおり、被災地では区画整理が大々的に行われているため、中には権利関係を巡って紛争等が生じている例もあるのではないかと思われますが(先日、大船渡に出張した際にも、紛争絡みと思われる立看板が国道に出ていました)、私の知る限り、訴訟に至った例はほとんどないのではないかと思われます。

震災直後の時期には、震災に起因して県内に様々な弁護士の仕事が生じるのではないかという憶測が流れており、例えば、いわゆる二重ローン問題などに起因して多数の企業倒産や個人破産等が生じるのではないかとか言われていましたが、実際には、そうした「特需」のようなものは、岩手では全くと言ってよいほど生じませんでした。

敢えて言えば、主として住宅ローンが残存する自宅等が被災した方のための「個人版私的整理ガイドライン」については、一定の需要がありましたが、これも、「多くの方が金融機関と借換を済ませてから制度が導入された」などと酷評されたように、実際の利用者は潜在的需要層のごく一部に止まったとされており、沿岸部で開業している先生方に多く配点されたことなども相俟って、当事務所での受任はごく数件で、現在はほぼ収束した状態と見られています。

区画整理や高台移転等にあたり複雑な相続問題を抱えて弁護士の対応が必要となる事案(相続人不存在や関係者多数・紛糾事案など)も多く存在するのではないかと言われてきましたが、私が見聞している限りでは、その方面の仕事が増えているという話も聞きません。

ここ最近、災害弔慰金絡みの訴訟や避難誘導に関する国賠訴訟(鵜住居事件など)が報道で取り上げられるようになっていますが、裏を返せば、報道で取り上げる程度の僅かな件数しか、この種の訴訟も生じていません。

現在、被災地で報道されている問題の一つに、労災の多発という問題があり、中には安全配慮義務違反で使用者側に賠償請求するに相応しい事案も幾つかあるのではないかと思われますが、これについても、訴訟等の話はほとんど聞いたことがありません。

現在、宮古支部に1件、訴訟事案を抱えていますが、その事件番号を見ても、宮古支部に継続している民事訴訟は、ごく僅か(過払紛争の華やかなりし頃に比べれば数分の1レベル?)と思われますし、岩手弁護士会が延々と続けている県庁主催の被災地相談に関する件数報告などを聞いても、内陸の若い弁護士さんが一日がかりで出張し「今日もゼロ件でした」などとMLに報告されているのを拝見するのが珍しくないという状態が続いています。

弁護士を必要としない、法的紛争のない幸せな社会なるものが出現しているのか、助力・支援を必要とする方への適切な情報提供や繋ぎ役(中間項)が欠如し、それを埋め合わせる営みが欠落した状態ばかりが続いているのか、或いは、あと数年もすれば、本当に需要なるものが顕在化するのか、未だに近未来の「被災地の法的需要」は見通せませんが、まずは、どのような事態が生じても、地元の弁護士として、お役に立つに相応しい事案で力を発揮できるよう力を養うと共に、沿岸・内陸を問わず、地域社会の行く末について、静かに見守っていきたいと思っています。

 

復興特需に伴う労災の多発と安全配慮義務

岩手では、半年ほど前から、震災復興の関係で沿岸各地で大規模かつ大量に行われている各種の土木、建設関係の工事などで、労災事故が多発しているとの報道をよく見かけるようになりました。

ご紹介の記事にもあるように、沢山の工事が同時進行で行われているため、人手不足や工期などがタイトになり、その結果、個々の従事者が、過重労働を余儀なくされていることなどが、原因として挙げられているようです。
http://www.morioka-times.com/news/2014/1406/19/14061901.htm

ところで、労災=業務上の負傷、疾病等に該当すれば、労災保険から治療費や休業損害が支給されますが、労災に起因する損害の全てを填補するわけではなく、例えば、労災保険からは慰謝料が支給されることはありません。

しかし、雇用主等に何の落ち度もないというのであればまだしも、企業側が、労災を必然的に招かざるを得ないような過酷な労働環境を強いるなどという事情があれば、労災保険とは別に、企業側の責任を問うことができます。

すなわち、そのような事情がある場合には、雇用主等に、従業員に基本的な安全を確保した労働環境を提供する義務(安全配慮義務)の違反があるとして、労災保険では対象外である慰謝料なども含めて、賠償請求をすることができます。

ただ、少なくとも私に関しては、震災復興に関する業務の従事について労災保険の適用や企業への賠償責任の問題が生じたというご相談を受けたことは、まだありません。

この種のニュースは見落とさないようにしているつもりですが、報道でも、その種の訴訟が起きたという話は(少なくとも岩手県内では)聞いたことがありません。また、主に若手の先生が従事している沿岸部での無料相談事業について、弁護士会のMLで相談内容(テーマ)の情報が流れてくるのですが、そこでも、この種の相談を目にした記憶がありません。

この種の労災(安全配慮義務違反)の問題は、工事に関する事故に限らず、人手不足や被災地対応の高ストレスに伴う精神疾患や過労死、過労自殺などについても当てはまる話であり、以前に、沿岸部の自治体に派遣されていた公務員の方に関する痛ましいニュースもあったと思いますが、それらの問題で労災保険や安全配慮義務違反(雇用主側の賠償責任)を巡って県内で裁判等が生じたという話も、聞いた記憶がありません。

もちろん、訴訟等に至る以前に、適切に被害補償を受けるなどして解決されているというのであれば、特に申し上げることもないのですが、果たして、本当にそうなのか、疑問がないわけではありません。

震災を巡っては、闇雲に法律相談事業を立ち上げる一方で、本当に弁護士のフォローが必要な事柄に、ちっとも手が届いていない(その結果、復興予算の無駄遣い等が放置されるなどの問題が生じた)という話を色々と聞くこともあり、そうしたチグハグさを解消し、真に支援が必要な人々のために弁護士がお役に立てる機会が、もっと設けられて欲しいと感じています。

例えば、この種の問題について弁護士会が自治体や業界団体?などと提携し広報活動をしてもよいのではと思うのですが、万年窓際会員の身分では、何の影響力もなく、お恥ずかしい限りです。

三陸道で直結した大船渡と陸前高田の未来と気仙川

先日の木曜、法テラス気仙の担当日のため、大船渡市に行きました。昼は、芸能人の来訪で有名になった「百樹屋」さんに行ってみたのですが、休みになっており、さらに、市内の著名イタリア料理店「ポルコ・ロッソ」も休みで、その他にも休みになっている飲食店をいくつか見かけました。

大船渡の飲食店は木曜定休が多いのか?と不思議に思ったのですが、引用のニュースからすれば、津波注意報のため大事をとって臨時休業されたお店もあったのかもしれません。
http://www.nhk.or.jp/lnews/morioka/6043464111.html?t=1396522184375

帰路は、開通したばかりの三陸道(大船渡・陸前高田間)に行き、気仙川を遡って宮守IC方面に向かいました。大船渡碁石海岸ICから陸前高田ICにはごく僅かな時間で到着でき、時間的には、国道107号線ルートで住田町の分岐点に向かうのと、ほとんど大差ない感じすら受けました。

陸前高田は1年ぶり位で、震災後のメインストリート感のある竹駒地区を北上した程度でしたが、相変わらず仮設又は簡易なしつらえの建物が多いせいか、大船渡との復興格差を感じる面が少なからずありました。

大船渡と陸前高田が三陸道でつながり、両市の社会的・経済的な距離が一気に縮まると思いますが、反面、大船渡と陸前高田との間で、ストロー現象のような事態が生じることも危惧されると思われます。

両市は震災前から合併するとかしないとか(仲が悪いとかそうでないとか)、井戸端話を耳にすることもありましたが、法制度を待たずして一体化しつつあることは否定しがたいと思われ、社会経済上の適切な役割分担など、圏域の住民全体の福利に資するような形で都市設計をしていただければと思っています。

ところで、陸前高田から住田町にかけて流れる気仙川は、国道340号・107号に沿うように流れているため、この街道を運転する際には季節を問わず、渓流の美しさを感じながら運転でき、ささやかな楽しみになっています。

私の知る限り、気仙川沿いには著名な奇岩とか渓谷美の名所として古くから称賛されている場所などが無いため、一般にはさほど知名度がないと思われますが(県内の釣り人の方にはよく知られているようです)、「南の久慈渓流」と言ってよいと思われる美しさがあります。

交通の便の高まりと共に内陸との交流なども活発になり通行者も増加すると見込まれますので、特に景観美を感じさせる場所などに休憩スポットや店舗等を整備いただいてもよいのではと思っています。

廃れゆく第三者検証と田舎弁護士

「大雪りばぁねっと」事件では、岩手県が山田町に多額の補助金(税金)を支出した(のに回収不能となった)関係で、補助金の支出に関わった県の対応に違法不当な面がなかったか検証する趣旨の委員会が行われ、先日、報告書が出されましたが、「県の対応は一概に不適切とまでは言い難い」等の検証結果に対し、県議会では検証不十分との批判の声があがったというの報道がなされています。http://www.nhk.or.jp/lnews/morioka/6045634511.html?t=1393991536424 http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/iwate/news/20140304-OYT8T01513.htm

「第三者検証」については、平成11年頃に発覚した岩手青森県境不法投棄事件の際、当時の増田知事の指示で県の対応を検証する第三者委員会が設けられており、これは、「第三者検証」としては初期に作成されたもの(恐らく、第三者検証がその後に流行するきっかけとなったものの一つ)と思われます。

その際は地元の大ベテランの弁護士の方が委員長となり、我が国の環境系の行政法学者の第一人者の一人である北村喜宣教授が委員の一人として大鉈を振るったとも聞いており、この事件では岩手県は被害者という色合いが強いものでありながら最後の時期の県の対応には権限行使(許可処分)について違法な点があったと断言するという点で、画期的と目された検証報告書が提出されています。

その後も岩手県では、競馬場問題など幾つかの県の政策課題で第三者検証委員会が行われていますが、私の知る限り、報道で大きく取り上げられたとか県政に相当な影響を及ぼしたという話は聞いたことはありません。

私は、県境事件の検証報告書のほか、その後に公表された幾つかの報告書も見ていますが、県境事件に比べると、あまり踏み込んだ検討をしていないという印象を受けた記憶があります(釜石の鵜住居センターの報告書はまだ拝見していませんが、相当に膨大なものだと聞いており、地元の気鋭の弁護士さんも関わっているため、例外に属するのかもしれません)。

全国的に見ても「第三者検証」が期待はずれと言われることも少なくないようで、現在は「第三者検証」ブームの廃れ?に伴い、検証に関する取組も、徐々に低調になっているように思われます。

今回の「りばぁねっとへの補助金の検証」では、過半数が県職員で、外部者は県内の大学の先生お二人だけとのことですが、その布陣に止まったのも、低調な潮流の流れの一環と理解した方が賢明なのかもしれません。

ちなみに、山田町による検証報告書(こちらも地元のベテランの弁護士の方が委員をされています)もネットで概要版が公表されていますが、実務家としては、「補助金受領者の対応の検証」や「行政対応の検証」を目的とするのであれば、個人名は伏せるにせよ、受領者や関係職員等の具体的な作為・不作為を抽出し、それらに関わる法令・規則等も明らかにして、前者が後者に抵触しないかについて具体的に論及するような内容にした方がよいのではと思わないでもありませんでした(それがないと、何となく、行政の政策や執行のあり方に関する抽象的な見解に述べているに過ぎないように見えてしまいます)。http://www.town.yamada.iwate.jp/osirase/daisansha-iinkai/houkoku-gaiyou.pdf

もちろん、関係者の法的責任の有無の解明を目的とするか否かという前提の問題はありますし、私自身、検証のあるべき姿についてさほど心得があるわけでもありませんので、個々の作業に関し偉そうなことを言うつもりはありませんが(なお、通常は検証結果をもとに職員に対する懲戒等の処分をするはずなので、少なくとも、行政の担当者の作為・不作為(法適用等)が関係法令に合致したものと言えるかについて具体的な検討をする内容でなければ、やる意味がないのではと思いますが、その点の実情はどうなのでしょうか)。

ところで、弁護士会には「弁政連」という政治家の方への陳情等を目的とした別働隊のような団体があり、私も、名ばかり(昼飯穀潰し要員)ですが入っています。

岩手では「日弁連の偉い方々が掲げている憲法や人権云々の大きな話(集団的自衛権反対など)について、岩手の代議士や県議に陳情せよ」との指令?に基づき、年に1回くらい、議員さん達と懇談会をして、そうした話をしています。

ただ、そうした事柄もいいのですが、個人的には、個々の弁護士にも議員さん達一人一人にもさほどの影響力がない上記のような「大きすぎる話」ばかりでなく、陳情する側もされる側も一定以上の影響力を直ちに行使できる地元固有の事柄に、もっと力を注いだ方がよいのではないかと思わざるを得ないところがあります。

例えば、県議さんに対し、「県内で起こった、税金(県税)の使い道に関する大きな事件・問題の検証については、県職員や学者さんばかりに任せるのではなく、事実の調査や分析等に研鑽を積んだ(又は積む意欲のある)地元の若い弁護士に機会を与えて欲しい。(りばぁ事件のニュースで)県の幹部の方に、『県議自身が、検証委員は県職員で良いと選んだのだから、報告書を見て検証委員が県職員だから身内に甘くてダメだなんでいうのは間違っている』と言われるくらいなら、その方がマシではないですか」といった陳情をしてもよいのでは、と思わないでもありません。

とはいうものの、私が余計なことを口にしても皆さんに嫌な顔をされるだけなのだろうなぁと思って、会議・会合の類では毎度ながら貝になってしまうのがお恥ずかしい現実です。

個人的には、可能なら、岩手県に絡んで作成された過去数年ないし十数年の第三者検証委員会報告書を全部集めて、法律家の立場から、それらの精度を検証するような(いわば第三者検証ランキングのような)レポートを、意欲のある弁護士が作成して公表してもよいのではと思わないでもありませんし、私もそうした試みに関わってみたいという気持ちがないわけではありません(まあ、岩手弁護士会については、以前に身内で起きた大事件の検証もしていないじゃないかと言われそうな気もしますが)。

ただ、私自身、今や業界不況の真っ直中のせいか、事務所の運転資金のための労働と兼業主夫業で精一杯というお寒い現実があり、大言壮語を吐く資格が微塵もない有様で、ただただ嘆くほかありません。

少なくとも、「第三者検証なんて何の意味もないね、やっぱり警察に捕まえて貰うしかないじゃないか」という形で世論がまとまるのであれば、民主主義を標榜する社会としては寂しい限りというほかなく、関係者の奮起と国民・住民一般の後押しを期待したいところです。

追記(3/6)

この投稿をfacebookで紹介したところ、「友達の友達」である学者の先生から、預り金の信託に関する判例(最判H14.1.17及び最判H15.6.12)の紹介がありました。

私自身、十分に咀嚼できていませんが、例えば、自治体(金員交付者)がNPO法人(金員受領者)と信託契約を締結し、交付金を他の財産と区別して管理させる(特定の口座に預金させ目的外の預金払戻等もさせない)ことを徹底しておけば、仮に、法人が倒産しても、その交付金(預金)が特定され保全されていれば、破産の効果(総債権者による差押)が及ばず(信託法23条?)、取戻権のように全額を自治体が返還請求できるということもありうるかもしれません(後者の判決の補足意見参照)。ただ、信託は残念ながらご縁がなくほとんど勉強もしていませんので、まだ思いつきレベルです。

まあ、今回(りばぁ事件)は、自治体側の監視等の不行届が著しそうなので、そのような話をする前提すら欠いているということになるかもしれませんが、少なくとも、自治体が補助金を交付する例に限らず、預り金なども含め、返還の可能性を伴う高額な前払金を交付する場合には、信託的手法の活用も意識すべきことになるのかもしれません。

 

法テラス気仙と「くもじい」

先日2ヶ月ぶりに法テラス気仙の相談担当で大船渡市に行きました。今回は相談が2件しかなく、うち1件は無料相談には避けて通れない「ある種の心の病を抱えた、コミュニケーションに困難を伴う年配の方からの、不毛さを感じずにはいられない、実質的に事件性のない相談」でした。

ここであれこれ書きませんが、少し前に担当した岩手弁護士会の電話相談でもこの種の相談者に遭遇したほか、私以外の弁護士の方がその種の話に接したという話を聞くことも増えているせいか、そうした相談者の増加(社会の他の部門で対応できていないという点も含め)といった問題から司法資源や公金の運用のあり方まで、色々と考えずにはいられないものがありました。

大船渡の相談担当の際には、必ず、昼休みに末崎半島の手前で国道を降りて大船渡駅周辺などの激甚被災エリアを車窓から拝見して戻るというコースを辿っているのですが、昨年くらいから、漁業や加工関係の大小様々な建造物が建ち並ぶようになってきました。

建設中と思しき正体不明の巨大建造物も幾つか見られ、水産業界等に知見の乏しい山国育ちの身には、不思議な光景と感じるものも少なくありません。

漁業関係の会社事務所や加工場が立ち並んでいるエリアには、司法書士さんの事務所もありました。弁護士の場合、このような場所に事務所を作ることは到底考えられないこともあって、この先生はそれらの企業の人達から登記に限らず様々な書類作成業務を独占的に引き受け、それを原資に経営をしているのだろうか?と興味をそそられました。

ところで、当家ではテレビ東京系の「空から日本を見てみよう」という番組(日本の様々な地域を空撮を交えて取り上げる番組)を録画し視聴するのが習慣になっているのですが、私の知る限り、この番組で被災地を取り上げたことは、未だほとんどありません。少し前に、八戸~十和田を取り上げた際に、八戸の港が少しだけ出ていましたが、被災状況や復興等にはさほど焦点が当てられていなかったとの記憶です。

さすがに震災から間もない時期であれば、この種の番組で被災地(沿岸)を取り上げるのは不謹慎との批判を受けるのかもしれませんが、震災の風化が叫ばれる今こそ、このような番組で被災地を取り上げて、復興に向けて悪戦苦闘している被災地に新たに出現した「変なもの」に光を当てるなどして、ニュースや真面目なドキュメンタリーとは違った角度・視点から、全国の人々の関心を喚起していただければと思っています。

いっそ、県知事や地元市長さんなどがテレビ東京にトップセールスをなさってもよいのではと思うのですが、いかがでしょう。